再加熱カート11選徹底比較|使い方や特徴、導入メリットまで解説

更新日 2025.08.29
投稿者:豊田 裕史

病院や介護施設で注目を集めている再加熱カート。

再加熱カートを導入することで、調理と提供の時間を分離することができきます。早朝出勤の削減やピーク時の作業負担軽減につながり、スタッフの労働環境の改善や人手不足の解消が期待されています。

でも、再加熱カートの導入を検討するにあたり、こんなお悩みをお持ちではないでしょうか?

  • 製品数が多くてどれを選べばいいかわからない
  • どういうところを比較したらいいのか分からない・・・
  • 各メーカーの特徴を手っ取り早く知りたい・・・!

本記事では、そういったお悩みを持つ方向けに再加熱カートの基本的な内容から、メーカー紹介、選び方のポイントまで幅広く解説します。給食業務に課題を感じている方は、ぜひこの機会に再加熱カートの導入を検討してみてください。

再加熱カートの比較一覧表

まず最初に、様々な施設で利用されている人気の再加熱カートをご紹介いたします。

メーカー 株式会社中島製作所 株式会社フジマック ホシザキ株式会社 株式会社AiHO フクシマガリレイ株式会社 PHC株式会社 ニチワ電機株式会社 株式会社アイエス 株式会社エージーピー エレクター株式会社 昭和飛行機工業株式会社 日本給食設備株式会社
商品(シリーズ)名 ミールシャトル 再加熱カート 再加熱カート NWシリーズ 再加熱カートシステム 再加熱カートシステム デリカート再加熱カート スチコン式再加熱カート Steam Re-Heating Carts IH再加熱カート、EH再加熱カート ERGOSERV ERGOSERT 温鮮自在再加熱カート 電気リヒートウォーマーキャビネット RHW型
価格 要問い合わせ 要問い合わせ
  • ユニット:3,802,000円~
  • 断熱カート:1,497,000円~
  • フレーム:998,000円~
要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ
加熱方式 マイクロ波式 熱風式 熱風式 熱風式 熱風式 熱風式 加熱蒸気式 加熱蒸気式 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ
サポート アフターメンテナンスはグループ会社が行う 保守・メンテナンスの年間契約を推奨 HPにサポート情報あり、困ったら近くの営業所へ問い合わせ可能 アフターメンテナンスまでトータルサポートあり メンテナンスも自社で行っている 定期的なメンテナンスメニューを提案してくれる スピーディに駆けつけるサービス体制を全国に整備 各地に営業所あり、要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ
重量 ステーション400kg、シャトル105kg ステーション250㎏、シャトル145kg 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ ステーション265~280kg、カート125~140kg 要問い合わせ 165~180㎏ 要問い合わせ 80kg 175kg
サイズ
  • ステーション 898(L)×885(W)×1,860(H)
  • シャトル 778(L)×599(W)×1,569(H)
  • ステーション W950×D1,253×H1,800
  • シャトル W790×D766×H1,505
  • ユニット:W950×D915×H1997
  • 断熱カート:W860×D790×H1375
  • フレーム:W610×D746×H1297
要問い合わせ 要問い合わせ 要問い合わせ
  • ステーション W950×D990×H1816~2092
  • カート W845×D830×H1366~1642
要問い合わせ W1086×D748×H1473 ※IH式の場合 ステーション W905×D1,359×H1,738 カート W360mm×H1,220mm×L930mm W720×D830×H1880
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目次

再加熱カートとは?

まず、再加熱カートとはどのようなものかを確認していきましょう。再加熱カートとは、チルドの状態で盛り付けられた料理を保存しておき、提供する時間に合わせて再加熱できる配膳車のことを言います。

再加熱カートはニュークックチルで用いる調理機器

再加熱カートは、ニュークックチルシステムでの食事提供に必要な配膳車です。ニュークックチルシステムでは、加熱調理した料理を30分以内に冷却を開始し、90分以内に中心温度3℃以下まで冷却します。料理はチルド状態のまま盛り付けし、食事を提供する前に器ごと再加熱します。

再加熱カートの利用の流れ

ニュークックチルについてはニュークックチルおすすめ企業4選|メリットや選定時の注意点を徹底比較でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

温冷配膳車・再加熱キャビネット(リヒートウォーマー)との違い

再加熱カートと似たような名称の機器が2つあります。1つが「温冷配膳車」、もう1つが「再加熱キャビネット」です。再加熱カートとの違いに注目して比較してみましょう。

温冷配膳車との違い

温冷配膳車は、配膳車の中で温かい食事は温かく、冷たい食事は冷たく、食事の温度を維持することが目的です。そのため、一度冷めてしまった料理を温めたり、熱すぎる料理を適温に冷ましたりすることには向いていません。調理が適切に行われたとしても、配膳車の中に入れるまでに時間がかかり適正温度から離れてしまうと、食中毒菌の増殖などのリスクがあります。

再加熱カートの場合、配膳に間に合うように適正な温度で加熱・冷却ができるので、衛生面も安心して食事提供をすることができます。

再加熱カートと混同されやすい温冷配膳車については【徹底比較】病院・介護施設向けの温冷配膳車11選|選び方や導入メリットもでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

再加熱キャビネット(リヒートウォーマー)との違い

再加熱キャビネット(リヒートウォーマー)とは、厨房で調理した料理を盛り付けたまま、冷蔵から再加熱・保温まで行うことができる、据え置き型の機器です。再加熱キャビネットには、キャスターがなくその場に固定して使用します。再加熱・保温機能が中心で、冷たい料理を同時に保管・運搬する機能はありません。 再加熱カートに比べて、導入費用が比較的安価な傾向にあります。

リヒートウォーマーについてはリヒートウォーマーとは?運用方法や導入メリット・メーカー5選も徹底比較!で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

再加熱カートや再加熱キャビネットが注目される背景!

病院や介護施設で再加熱カート・再加熱キャビネットが注目される背景には、大きく3つの理由があります。それぞれ見てみましょう。

  1. 人材不足と労働環境の改善
  2. 食の安全・衛生管理の徹底(HACCPの導入)
  3. 利用者満足度の向上

人材不足と労働環境の改善

近年、厨房スタッフの確保はどの施設でも大きな課題となっています。従来の調理方式では、朝早くから出勤してその日の食事をすべて調理する必要があり、スタッフの負担が大きいものでした。

再加熱カートやキャビネットを導入することで、調理と提供の時間を分けることができます。たとえば、一度に大量の料理をまとめて作り置きし、冷却・保存しておけば、提供直前に再加熱するだけで済みます。これにより、早朝出勤の必要性が減り、スタッフの勤務時間を平準化できるため、労働環境の改善につながります。

食の安全・衛生管理の徹底(HACCPの導入)

2020年から食品衛生法の改正により、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理がすべての食品事業者で義務化されました。クックチルなどの再加熱システムは、HACCPの考え方と非常に相性が良いとされています。

調理後すぐに急速冷却し、再加熱する直前まで温度管理を徹底することで、食中毒の原因となる細菌の増殖を効果的に抑えられます。これにより、提供する食事の安全性を飛躍的に高めることができ、利用者も安心して食事を楽しめます。

利用者満足度の向上

利用者にとって、食事は大きな楽しみの一つです。従来の配膳では、温かい料理と冷たい料理が同じトレーに乗せられるため、食事を運ぶ間に料理が冷めてしまうことがありました。

再加熱カートは、温かい料理は温かいまま、冷たい料理は冷たいまま利用者の手元に届けることができます。再加熱機能と冷蔵機能を備えているため、提供直前まで最適な温度を保つことが可能です。また、事前に盛り付けを終えておくことで、配膳時のミスが減り、スムーズなサービス提供にもつながります。

再加熱カートメーカー11社を比較してみよう

ここからは実際にそれぞれの再加熱カートメーカーの特徴を見比べてみましょう。

ニチワ電機株式会社

ニチワ電機株式会社

出典:ニチワ電機株式会社 https://www.nichiwadenki.co.jp/

ニチワ電機株式会社が提供するスチコン式再加熱カートは、熱風と蒸気を庫内に循環させる加熱蒸気式のシステムです。

蒸気が循環するため、加熱にムラが少なく、料理の仕上がりが高いことが評価されています。カートは加熱用のステーションからそのまま配膳へ向かい、温かくおいしい食事を提供できるのです。トレーを反転してセットできるので、スペースを切り替えて運用できます。1週間の運転プログラムをあらかじめセットできることも効率化につながるでしょう。

ニチワ電機株式会社の比較ポイント

  • スチコン式でムラなくおいしく再加熱できる
  • トレーを反転してスペースを切り替え可能
  • 1週間分の加熱プログラムをあらかじめセット可能

製品情報

商品名 スチコン式再加熱カート
価格 要問い合わせ
加熱方式 加熱蒸気式
サポート スピーディに駆けつけるサービス体制を全国に整備
重量 ステーション265~280kg、カート125~140kg
サイズ
  • サイズ:ステーション W950×D990×H1816~2092
  • カート:W845×D830×H1366~1642

株式会社フジマック

株式会社フジマック

出典:株式会社フジマック https://www.fujimak.co.jp/

フジマックが提供する再加熱カートは熱風循環方式を採用しています。調理室の環境に合わせやすいカラーバリエーションが豊富で、サイズ感も最小クラスのコンパクトな設計です。

狭い厨房でも小回りが利くキャスターで安全に走行・配膳ができます。操作が簡単にできることも魅力で、操作パネルの表示もわかりやすく、季節による温度管理のバリエーションにも対応できます。棚受けは工具なしで取り外しができるので、庫内も簡単に清掃ができ、衛生面も安心です。

株式会社フジマックの比較ポイント

  • 熱風循環式で食器を選ばない
  • カラーバリエーションが豊富
  • 厨房での小回り、簡単な操作パネルなど、現場に合わせた設計

製品情報

商品名 再加熱カート
価格 要問い合わせ
加熱方式 熱風式
サポート 保守・メンテナンスの年間契約を推奨
重量 ステーション250㎏、シャトル145kg
サイズ
  • ステーション:W950×D1253×H1800
  • シャトル:W790×D766×H1505

株式会社中島製作所

株式会社中島製作所

出典:株式会社中島製作所 https://www.meal-shuttle.jp/

中島製作所のミールシャトルは、マイクロ波式を採用した再加熱カートです。マイクロ波が食材の中心から温めるので、加熱のムラを考慮せずに立体的に盛り付けができ見た目もおいしい食事提供ができます。

再加熱時間は10分しかかからず、1台のステーションにつき2台のシャトルを再加熱できます。配膳時間の短縮や、人員配置を効率化することもできるのです。コスト面でもメリットがあり、加熱時間・電力・排熱量いずれも削減ができるため、省エネ・省コストを実現できます。

株式会社中島製作所の比較ポイント

  • マイクロ波式で短時間でおいしく加熱
  • 1ステーションで2シャトル加熱でき省スペース
  • 加熱時間・電力・排熱量いずれも削減

製品情報

商品名 ミールシャトル
価格 要問い合わせ
加熱方式 マイクロ波式
サポート アフターメンテナンスはグループ会社が行う
重量 ステーション400kg、シャトル105kg
サイズ
  • ステーション:898(L)×885(W)×1860(H)
  • シャトル:778(L)×599(W)×1569(H)

ホシザキ株式会社

ホシザキ株式会社

出典:ホシザキ株式会社 https://www.hoshizaki.co.jp/p/nw/

ホシザキ株式会社の再加熱カートは必要な膳数によって大きさや価格が異なるため、ご自分の施設に合ったカートを選ぶことが可能です。加熱方式は熱風循環方式を採用しており、食材の乾燥を防ぎ、ご飯や汁物の温めにも対応できます。

断熱カートとトレイをセットするフレームカートが分かれているため、フレームカートが丸ごと洗えて衛生的です。液晶パネルで簡単に操作でき、確実な温度管理でHACCPにも対応していることも特徴といえるでしょう。

ホシザキ株式会社の比較ポイント

  • フレームカートが丸ごと洗える
  • カラー液晶パネルで操作も安心
  • HACCPにも対応可能

製品情報

商品名 再加熱カート NWシリーズ
価格
  • ユニット:3,802,000円~
  • 断熱カート:1,497,000円~
  • フレーム:998,000円~
加熱方式 熱風式
サポート HPにサポート情報あり、困ったら近くの営業所へ問い合わせ可能
重量 要問い合わせ
サイズ
  • ユニット:W950×D915×H1997
  • 断熱カート:W860×D790×H1375
  • フレーム:W610×D746×H1297

株式会社AiHO

株式会社AiHO

出典:株式会社AiHO https://www.aiho.co.jp/

株式会社AiHOは業務用厨房機器メーカーで、大量調理施設衛生管理マニュアルに遵守した再加熱カートを販売しています。温食部には熱風で再加熱しても、冷食部には影響がありません。喫食時間に合わせて作りたてのおいしさを提供できます。

開けた扉が側面にしっかり収まるので、トレイを出し入れする際も邪魔になりません。芯温75℃以上、1分以上の加熱ができるので、食中毒対策も万全です。朝食のセットが前日にできるようになるため、早朝出勤の人員確保が不要になります。

株式会社AiHOの比較ポイント

  • 熱風で再加熱し、温食・冷食ともおいしく提供できる
  • トレイの出し入れの際に邪魔にならない扉の構造
  • 食中毒対策などマニュアル遵守を徹底

製品情報

商品名 再加熱カートシステム
価格 要問い合わせ
加熱方式 熱風式
サポート アフターメンテナンスまでトータルサポートあり
重量 要問い合わせ
サイズ 要問い合わせ

フクシマガリレイ株式会社

フクシマガリレイ株式会社

出典:フクシマガリレイ株式会社 https://www.galilei.co.jp/

業務用冷蔵庫を中心に製造しているフクシマガリレイ株式会社も、再加熱カートを提供しています。HACCPに準拠し、確実な再加熱で食中毒などへの対策も安心です。省スペース設計のため、設置や作業に場所を取りません。

温食と冷食は確実に区分けが可能で、圧時期には冷食スペースを広く使えるよう切り替えることもできます。出し入れに便利なパススルー構造で、トレイをスペースを気にせず楽に出し入れすることが可能です。

フクシマガリレイ株式会社の比較ポイント

  • 冷蔵技術に優れたフクシマガリレイ社製
  • 温食・冷食の区分けは季節によって切り替え可能
  • パススルー構造で出し入れが楽にできる

製品情報

商品名 再加熱カートシステム
価格 要問い合わせ
加熱方式 熱風式
サポート メンテナンスも自社で行っている
重量 要問い合わせ
サイズ 要問い合わせ

PHC株式会社

PHC株式会社

出典:PHC株式会社 https://www.phchd.com/jp/biomedical

PHC株式会社は2018年にパナソニックヘルスケア株式会社が社名変更し、薬用保冷庫の製造を発端に医療業界に貢献してきました。これまで培った温調技術や走行技術を生かして、ニュークックチルシステムに適した再加熱カートを提供しています。

食事を積むと重量のあるカートを内蔵されたモーターが引く人の力に合わせて補助するので、配膳までの移動も安全です。カラーの液晶でタッチパネルの見方や操作も分かりやすく、庫内温度をグラフ表示もできます。加熱が始まると自動ですべてのドアがロックされるのも、安全な仕様となっています。

PHC株式会社の比較ポイント

  • パナソニック系列の技術力のあるメーカーが製造
  • モーターがカートを引く人の力に合わせて補助
  • カラーの液晶タッチパネルで分かりやすい操作

製品情報

商品名 デリカート再加熱カート
価格 要問い合わせ
加熱方式 熱風式
サポート 定期的なメンテナンスメニューを提案してくれる
重量 要問い合わせ
サイズ 要問い合わせ

株式会社アイエス

株式会社アイエス

出典:株式会社アイエス http://www.is-h.co.jp/

株式会社アイエスは、保温・保冷配膳車や給食事業の配送用コンテナを製造している会社です。Steam Re-Heating Cartsは、熱伝導性が高く、熱風式に比べてより短時間で加熱処理ができる加熱蒸気式を採用しています。

これまでは加熱のしづらかったご飯もふっくらとおいしく加熱ができ、揚げ物・焼き物・煮炊物など、それぞれの食材のおいしさを引き出すように最適な加熱が可能です。消費電力が少なく済み、従来のレシピがそのまま利用できることも、導入に際して負荷がかからず安心できます。

株式会社アイエスの比較ポイント

  • 加熱蒸気式を採用し、短時間で各食材に最適な加熱が可能
  • 消費電力が少ない
  • 従来のレシピをそのまま利用可能

製品情報

商品名 Steam Re-Heating Carts
価格 要問い合わせ
加熱方式 加熱蒸気式
サポート 各地に営業所あり、要問い合わせ
重量 要問い合わせ
サイズ 要問い合わせ

株式会社エージーピー

株式会社エージーピー

出典:株式会社エージーピー https://www.agpgroup.co.jp/

株式会社エージーピーは、日本航空株式会社と共同で開発した機内食カートの強みやノウハウを生かしてIH式の再加熱カートを製造しています。1トレイあたり主菜・副菜・汁物の加熱ができ、それぞれ加熱時間や火力を調整が可能です。(EH式は2点が加熱できます。)

機内食サービスでのノウハウを生かし、狭い場所でもスムーズに移動できるコンパクトさと軽さを兼ね備え、女性や高齢の方でも軽々と操作できます。芯温は85℃以上、90秒以上を担保している点も安心です。

株式会社エージーピーの比較ポイント

  • IH式で省電力で利用可能
  • それぞれの料理に合わせて加熱時間や火力を調節できる
  • 狭い場所でもスムーズに移動可能

製品情報

商品名 IH再加熱カート、EH再加熱カート
価格 要問い合わせ
加熱方式 IH式、EH式
サポート 要問い合わせ
重量 65~180㎏
サイズ W1086×D748×H1473

エレクター株式会社

エレクター株式会社

出典:エレクター株式会社 https://www.erecta.co.jp/

配膳用のシェルフなどを製造しているエレクター株式会社は、フランスのソカメル社の販売する熱風式の再加熱カートを輸入・販売しています。

ステーションからシャトル内へ均一な送風ができることにより、ムラなく加熱可能です。デザインは人間工学に基づいており、搬送するシャトルなどの細部には結合しやすく、運搬しやすい工夫がされています。ステーションとシャトルで構成されるエルゴサーブと、インサートも含むエルゴサートの2種類があり、各施設の運用方法に応じて選べる点もポイントでしょう。

エレクター株式会社の比較ポイント

  • シャトル内に均一に熱風を送ることができる
  • 人間工学に基づいたデザインで使いやすい
  • インサートの要否で運用に合わせて選べる

製品情報

商品名 ERGOSERV ERGOSERT
価格 要問い合わせ
加熱方式 熱風式
サポート 要問い合わせ
重量 要問い合わせ
サイズ W905×D1359×H1738

日本給食設備株式会社

日本給食設備株式会社

出典:日本給食設備株式会社 https://www.nikkyu.co.jp/

日本給食設備株式会社でも、フランスのソカメル社が販売するエルゴサーブを取り扱っています。その他、電気リヒートウォーマーキャビネットも取り扱っており、再加熱から保温の自動切換え運転が可能です。湿度をコントロールしてくれるので、料理に最適な湿度を管理し乾燥を防ぎます。

サポートがしっかりしているので、厨房の設計から施工、アフターサポートまで一貫して任せられる点も安心です。

日本給食設備株式会社の比較ポイント

  • フランス製品の取り扱いあり
  • 再加熱から保温の自動切換え可能
  • 設計、施工、アフターサポートまで任せられる

製品情報

商品名 電気リヒートウォーマーキャビネット RHW型
価格 要問い合わせ
加熱方式 IH式
サポート 万全のアフターフォロー
重量 175kg
サイズ W720×D830×H1880

再加熱カートの導入メリット

再加熱カートを導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか。患者様にとって、おいしく安全な食事を提供することが最も大切です。再加熱カートはその点を促進してくれるメリットがありますので、具体的に見ていきましょう。

  1. おいしく、より安全な食事提供が可能になる
  2. 効率的に配膳できる
  3. 早朝出勤の負担が軽減

おいしく、より安全な食事提供が可能になる

従来の食事提供では、温めなおしてから食事の提供までに時間がかかっておいしい温度から離れてしまうこともありました。再加熱カートを利用することで、配膳する時間に合わせて器ごと加熱・冷却することができるため、配膳時にちょうどいい温度で提供ができます。

また、大量調理施設衛生管理マニュアルの「調理終了後から2時間以内に喫食」の項目を守ることができ、患者様にも安心して食事をしてもらえます。すでに盛り付けられた食事を再加熱するので、その後に食品に触れることも少なく衛生的にも安心です。

効率的に配膳できる

これまでのクックチルシステムでは、温めた後に盛り付けを行う必要がありました。再加熱カートによって、冷却→盛り付け→再加熱で効率的に配膳ができるようになります。

早朝出勤の負担が軽減

再加熱カートの導入で、当日に調理して盛り付ける作業がなくなるので、早朝出勤の負担が軽減できます。前日の夕方に調理して盛り付けまで行えるので、当日に行うのは再加熱と配膳のみです。スタッフのスケジュールも組みやすく、柔軟な働き方も実現できるでしょう。

再加熱カートのメリット・デメリットについては再加熱カートのメリット・デメリットは?ニュークックチルに対応でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

再加熱カートのデメリット

再加熱カートは多くのメリットをもたらしますが、導入にはいくつかのデメリットも存在します。メリット・デメリットの両方を考慮して導入を検討しましょう。

  1. 初期投資が高い
  2. 設置スペースの確保
  3. 調理方法やメニューの制約
  4. 突発的な食数変更への対応が難しい

初期投資が高い

再加熱カートは、再加熱ユニットとカート本体、専用の食器など、高額な専用機器が必要です。製品の規模や機能にもよりますが、再加熱カート本体1台で約500~600万程度は必要になります。

設置スペースの確保

再加熱カートは、据え置き型のリヒートキャビネットに比べてサイズが大きく、複数台を導入する場合は広いスペースが必要です。厨房内だけでなく、カートを保管・充電するスペースも確保しなければなりません。

調理方法やメニューの制約

再加熱カートは、加熱と冷却のプロセスを経るため、すべての料理に適しているわけではありません。特に、揚げ物や炒め物、衣のついた料理などは、再加熱すると食感が損なわれたり、ベタついたりする可能性があります。

対応策:完調品の活用

完調品(かんちょうひん)とは、「完全調理済み食品」の略称です。下ごしらえから加熱、味付けまで、すべての調理工程が完了した状態で納品されます。施設側で再加熱することを前提につくられているため、温めなおしても美味しい食事を楽しむことができます。


完調品については【介護向け】完全調理品(完調品)メーカーおすすめ5選|メリットや選び方で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

突発的な食数変更への対応が難しい

再加熱カートは、事前に盛り付けを完了させておくため、当日の急な利用者の増減に対応するのが難しくなります。たとえば、入院患者の急な変更があった場合、事前に準備した食事を廃棄しなければならないこともあります。

再加熱カートは4つの種類に分類できる

再加熱カートには4種類の加熱方法があります。それぞれに特徴があり、導入する施設のメニューや運用方法に合わせて選ぶことが重要です。

  1. 熱風式
  2. IH(電磁誘導加熱)式
  3. マイクロ波式
  4. 加熱蒸気式

熱風式

1つ目は熱風式です。現在販売されている再加熱カートの中で一番主流な加熱方式といえるでしょう。熱風をカートの中で循環させることで加熱処理を行います。熱風が循環するのでムラなく加熱ができる点がポイントです。

IH(電磁誘導加熱)式

2つ目はIH式を見ていきます。IH式では熱源を利用せず、電気で温めます。食器の数に合わせて電気を消費するので、省エネが実現できランニングコストも低く抑えられるため、注目が集まっている加熱方式です。

マイクロ波式

電子レンジと同じ加熱原理を利用しているのがマイクロ波式です。短時間で温めることができ、食器に影響しないので、使える食器の幅が広いのが特徴といえるでしょう。熱によるダメージを防ぐので、味や触感の劣化を防げることも魅力です。

加熱蒸気式

後は、加熱蒸気式です。再加熱カートの中でも最新の加熱方式で、加熱水蒸気を用いて加熱します。熱伝導性が高く、短時間で均一に温められることから、採用する企業が増えています。

それぞれのメリット・デメリットを下記の表にまとめました。

メリット デメリット
熱風式
  • 食器や料理を選ばず、幅広いメニューに対応しやすい。
  • 均一に温めることができるため、料理ごとの加熱ムラが少ない。
  • 他の方式に比べて再加熱に時間がかかる(約60~90分)。
  • ランニングコストがやや高くなる場合がある。
  • IH(電磁誘導加熱)式
  • 加熱時間が非常に短い(約10〜20分程度)。
  • 再加熱にかかる電力が少なく、ランニングコストを抑えられる。
  • 加熱時にカート内の温度が上がりにくく、冷たい料理への影響が少ない。
  • IHに対応した専用の食器やトレイが必要で、導入費用が高い。
  • 再加熱できる料理が限定される場合がある。
  • マイクロ波式
  • 加熱時間が最も短い(約5〜10分程度)。
  • 食器は温まらないため、すぐに取り出せる。
  • マイクロ波が届きにくい場所や食材(固いものなど)では加熱ムラが発生することがある。
  • 特定の食材(揚げ物など)の食感が損なわれる場合がある。
  • 加熱蒸気式
  • 熱伝導性が高いため、食材の中心までしっかりと熱が伝わる。
  • 蒸気で加熱するため、料理が乾燥しにくく、パサつきやすいご飯や魚なども美味しく再加熱できる。
  • 導入費用が熱風式に比べて高い傾向がある。
  • 給水設備が必要になる場合がある。
  • 再加熱カートの価格はどれぐらい?

    再加熱カートの費用は、導入する機種や機能、サイズによって大きく異なりますが、一般的な相場としては1台あたり500万円から600万円ほどかかることが多いです。再加熱カートだけでなく、専用のトレイや器も購入する必要があります。

    価格に影響を与える要素

    再加熱カートは下記のような要因の組み合わせで、価格が決まってきます。

    加熱方式 熱風式、IH式、マイクロ波式など、加熱方式によって価格が異なります。
    容量・サイズ 一度に何食分を再加熱できるかによって、価格が変わります。
    機能 加湿機能や温度データ管理機能など、付加機能が多いほど高価になります。
    メーカー メーカーによっても価格帯が異なります。

    再加熱カートの購入費用を抑えるためにできること

    先述の通り、再加熱カートは高価な調理機器です。高額な再加熱カートの導入費用を抑えるためには、次のような方法があります。

    リース契約

    一括購入ではなく、リース契約を利用することで、月々の費用を平準化し、初期投資の負担を軽減できます。

    補助金・助成金の活用

    地方自治体や国が提供する補助金制度(例:中小企業向けのIT導入補助金や事業再構築補助金など)の対象となる場合があります。これらの補助金を活用することで、導入費用を大幅に削減できる可能性があります。

    再加熱カートの比較・選定ポイント

    再加熱カートを比較・選定する際には、以下のポイントを総合的に検討することが重要です。

    1. 加熱方式
    2. サイズと容量
    3. 初期費用・ランニングコスト
    4. 操作性と安全性
    5. サポート体制

    加熱方式

    再加熱カートには4つの加熱方式があると紹介しました。加熱方式は施設の運用スタイルやメニュー構成に大きく影響します。どの料理をどのくらいの時間で再加熱したいかを明確にして、最適な方式を選びましょう。

    熱風式 汎用性が高く、多くのメニューに対応できますが、再加熱に時間がかかります。
    IH式 加熱時間が短く、省エネ性に優れていますが、専用の食器やトレイが必要です。
    マイクロ波式 超短時間で再加熱できますが、料理によっては食感が変わりやすいというデメリットがあります。
    加熱蒸気式 料理がしっとりと仕上がり、品質を重視する場合に適していますが、導入コストが高い傾向があります。

    サイズと容量

    施設の厨房スペースや、一度に提供する食数を考慮する必要があります。施設の規模や動線に合わせて、最適なサイズと容量を選びましょう。

    設置スペース 厨房内の設置場所や、充電・保管スペースが確保できるかを確認します。
    運搬ルート 廊下やエレベーター、扉の幅など、スムーズに運搬できるかどうかも重要なポイントです。
    食数 1台で何食分を再加熱できるか、必要な台数を考慮して選定します。

    初期費用・ランニングコスト

    導入費用だけでなく、ランニングコストも考慮する必要があります。初期費用とランニングコストの両方を考慮し、予算に合った機種を選びましょう。

    初期費用 カート本体だけでなく、専用の食器やトレイなど、システム全体にかかる費用を確認します。リース契約や補助金の活用も視野に入れましょう。
    ランニングコスト 再加熱時の消費電力や、メンテナンス費用、故障時の修理費用なども含めて検討します。

    操作性と安全性

    実際に使用するスタッフが使いやすいかどうかも大切です。実際にデモ機などを試してみて、スタッフが扱いやすい機種を選びましょう。

    操作パネル タッチパネル式で直感的に操作できるか、設定が簡単かなどを確認します。
    安全性 自動で停止する機能や、転倒しにくい設計など、安全に配慮されているかを確認します。
    衛生管理 簡単に清掃できる構造か、衛生基準を満たしているかなどを確認します。

    サポート体制

    導入後のサポート体制も重要な選定ポイントです。安心して長く使用するために、信頼できるメーカーや販売代理店を選びましょう。

    保守・メンテナンス 故障した際に迅速に対応してくれるか、定期的なメンテナンスサービスがあるかを確認します。
    対応エリア 故障時にすぐに駆けつけてくれる体制が整っているか、サポートの対応エリアを確認します。

    「メーカー直購入」と「中古購入」どちらがおすすめ?

    「メーカー直購入」と「中古購入」の違い

    初期費用が高額になる厨房機器は、「新規購入か中古購入か」という選択肢があります。再加熱カートを初めとする厨房機器を「メーカー直購入(新品購入)」した場合と、「中古品を購入」した場合の違いについて説明していきます。

    中古品の購入

    中古の一番の利点は、価格を抑えられる点です。新規開業に伴う初期費用を抑えたい飲食店などでは、中古品が選ばれることも多いです。また、中古の厨房機器は在庫管理されていることが多く、購入してすぐ使い始めることができます。メーカーでは多くの場合、注文を受けてから機器を作るので、納品まで一定の期間が必要です。

    一方で、メーカー直販に比べて保守サポート対応に応じてもらえないケースもしばしばです。中古のため故障や不具合の発生率も高いです。「不具合が起きた際にすぐに修理に駆けつけてくれないことが続いたので、結局新品に入れ替えた」という店舗も多く、長期的に見るとトータルコストが高くなるケースがしばしば見受けられます。

    またリースでの分割購入も基本はできないので、一括でまとまった金額を支払う必要があります。

    再加熱カートを中古で購入した場合のメリット・デメリット
      メリット
      • 新品より価格が安い
      デメリット
      • 保守サポートはイマイチなので故障した時に大変(無い場合もある)
      • リースはできない場合が多い
      • 希望条件にあう製品が無い場合が多い

    メーカー直購入

    メーカーから直接購入する場合、価格は中古より高くなります。

    メリットとしては、まず製品が新品なので性能が高く、故障や不具合の発生率も低い点が挙げられます。加えてメーカーのサポート力により、故障や不具合が発生した際も安心です。

    さらに製品バリエーションも豊富なため、「欲しい製品がない」といったことがほぼありません。店舗に最適な製品を選ぶことができます。

    また、リースが可能なので、月々数万円の分割払いで再加熱カートを導入をすることができます。新規開業などで初期投資を抑えたい方にはピッタリの方法です。

    再加熱カートをメーカーから直接購入した場合のメリット・デメリット
      メリット
      • 保守サポート力が抜群(故障してもすぐに駆けつけてくれる※)
      • 新品の高性能で安定性抜群の製品が使える
      • リースで分割購入できるので初期投資を抑えられる
      • 製品バリエーションが多いので希望条件にあった製品が選べる
      デメリット
      • 価格が高い

    まとめ

    本記事では、再加熱カートについて網羅的に紹介しました。再加熱カートを利用することにより、患者様によりおいしい食事を効率的に提供することができるだけではなく、調理を行うスタッフの早朝出勤の負担軽減にも役立ちます。

    それぞれの製品によって、加熱方式の違いにより加熱時間や食事の仕上がりも異なるので、自分の病院や施設に合わせた製品を選んでみてください。長く使っていくもので、かつ、患者様の食事提供に不可欠な製品なので、アフターメンテナンスまでしっかりと行ってくれるかどうかも、問い合わせて詳細を確認してみましょう。

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    中小企業診断士
    セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
    URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

    北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

    2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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