医療機関や介護施設の調理現場で、近年「ニュークックチル」が注目されています。
加熱調理した食材をチルド保存し、厨房機器で時間をセットすれば、指定の時刻に温かい料理を提供できる仕組みで、人手不足が解決につながる可能性を秘めています。
今回は、話題の新調理方式「ニュークックチル」に対応できる業者を紹介していきます。
施設での業務効率化、人手不足の解消について考えている厨房担当の方や責任者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
まず最初に、実績十分でおすすめのニュークックチル業者をご紹介いたします。
メーカー | 株式会社ナリコマホールディングス | フジ産業株式会社 | 株式会社メフォス | 株式会社ミールイノベーション |
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対応可能エリア | 全国(北海道・沖縄をのぞく) | 関東、静岡、名古屋、関西他 | 要問合せ | 要問合せ |
特長 | 全国6か所(大阪・広島・愛知・神奈川・福岡・神戸)に展開するセントラルキッチン | 真空料理により柔らかくしっかり味がしみ込む | オール電化厨房作業に対応 | 事前の個別試食会も開催あり |
ここでは、ニュークックチルに対応可能なおすすめの業者を、4社紹介します。
365日サイクルの献立プラン「すこやか」と、28日サイクルの献立プラン「やすらぎ」の2種類のプランがあります。栄養摂取だけが目的ではなく、利用者を飽きさせないように、季節の料理や郷土料理などが楽しめるよう献立作りに工夫が豊富です。 高齢者を想ったプランニングが特長で、患者様に適した栄養バランスや、身体機能に合わせた食形態で献立を提供します。患者様の禁止食が献立に含まれる場合は、その食材は別のものと差し替え可能です。禁止食には対応していないメーカーが多いので、スタッフにとっては嬉しい処置でしょう。
株式会社ナリコマホールディングスの比較ポイント
製品情報
会社名 | 株式会社ナリコマホールディングス |
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対応可能エリア | 北海道・沖縄以外対応可能 |
特長 | 各地方にセントラルキッチンがありニーズを満たしてくれる |
「フジ産業株式会社」は、豊田通商の子会社なので、そのネットワークを活かして仕入れからおこなっています。慢性的な人手不足を解消するために、発注や調理作業はできる限り簡単な設計です。2000種類以上のメニューがあり、それぞれ嚥下能力に合わせた食材のやわらかさで調理し、料理を提供できます。禁止食のある患者様の情報を登録しておけば、無料で食材を差し替え可能です。また、療養食にも対応しており、患者様に適した栄養バランスを意識したうえで、美味しい料理を食べさせられます。
フジ産業株式会社の比較ポイント
製品情報
会社名 | フジ産業株式会社 |
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対応可能エリア | 関東、静岡、名古屋、関西他 |
特長 | 真空料理により柔らかくしっかり味がしみ込む |
「株式会社メフォス」は、給食委託会社として60年以上の実績とノウハウがある企業です。これまでに、様々な施設に対して、0歳児から高齢者までのあらゆる客層に食事を提供してきました。職種を超えた栄養サポートチーム(NST)によって、患者様の栄養管理を徹底したうえで、満足度の高い多彩なメニューの献立を作成しています。各種サービス導入時に指導担当が、事前にトレーニングや手順書の作成を行ってくれるだけでなく、ニュークックチル導入だけでなく全体的なソリューションも提供してくれるので、初めて導入する人にも安心です。
株式会社メフォスの比較ポイント
製品情報
会社名 | 株式会社メフォス |
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対応可能エリア | 要問合せ |
特長 | オール電化厨房作業に対応 |
「株式会社ミールイノベーション」の献立は、1日2万食のペースで提供してきた実績をもとに作成されています。季節感や歳時に合わせたメニューも豊富で、誰でも簡単に安定した美味しさの料理を作ることが可能です。調整食にも対応しており、特に糖尿病食や腎臓病食に強く、真空高温調理により塩分を抑えた料理を提供します。また、個別試食会では、導入前にしっかり味や風味などを確認してから導入することが可能です。日程はホームページで確認しておきましょう。
株式会社ミールイノベーションの比較ポイント
製品情報
会社名 | 株式会社ミールイノベーション |
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対応可能エリア | 要問合せ |
特長 | 事前の個別試食会も開催あり |
ここでは、ニュークックチルの基礎知識や必要な機器、従来の調理システムであるクックチルとの違いを説明します。
ニュークックチルとは、加熱調理したものをすぐにチルド保存し、提供時に合わせて速やかに料理を食べれる状態にできる調理システムです。
加熱調理後、90分以内に中心温度3℃以下まで、料理を急速冷却します。これにより細菌の増殖に適した温度帯を急速に通過できるため、細菌の増殖を防ぎ料理の安全性を保てます。また、チルド保存する前に盛り付けが完了しているので、提供する時に必要な工程は再加熱のみです。効率的に料理を提供できるようになるので、人手不足解消や味の劣化を防ぐことに繋がります。
人手不足が常に課題となっている病院や介護施設にとっては、ニュークックチルの導入は多くの恩恵を受けられることでしょう。
チルド保存や再加熱をするためには、再加熱カートが必要となります。再加熱カートとは、盛り付けられた状態の料理を3℃以下でトレーごとチルド保存し、そのまま提供時間に合わせて自動で再加熱できる機器です。
機器の導入費や光熱費が別途かかるため、その分の予算は確保する必要がありますが、再加熱カートを導入することで、さらに効率的に料理を提供できます。
再加熱カートについては再加熱カート12選徹底比較|使い方や特徴、導入メリットまで解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
クックチルとの違いは、料理を盛り付けるタイミングです。クックチルの場合は、提供時間が迫ってきたときに、料理を再加熱したものを盛り付けてから提供します。つまり、提供するタイミングが来たときにはじめて盛り付けを開始する調理システムです。
患者様の多い施設では、一度に大量の料理を提供する必要があります。ここでクックチルを導入している場合は、盛り付けを続けている間に、序盤で盛り付けた料理は冷めてしまうというデメリットがありました。一方、ニュークックチルの場合は、盛り付けの後にチルド保存を行うため、提供時に必要な工程は再加熱のみです。
再加熱後すぐに料理を提供できるため、患者様には常に温かい料理を味わせられます。また、盛り付けは済んでいるため、提供時に人手が足りなくなることもないでしょう。
ニュークックチルの基礎についてはニュークックチルとは|クックチルとの違いやメリットを解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
業者によって、ニュークックチルの導入に向けた サービスの内容が異なります。場合によっては自施設に導入できないこともありますので、各メーカーのホームページを確認しましょう。
主に確認すべき点は、以下の2点です。
ニュークックチルを導入するにあたり、各メーカーごとに対応可能エリアが異なっています。各メーカーのホームページをしっかり確認しておきましょう。
例えば、株式会社ナリコマホールディングスであれは全国的に対応可能ですが、株式会社ココロ・コーポレーションは全国展開しておらず、特に関東近郊に力を入れているようです。対応エリア外の場合は、ニュークックチルの導入は不可能ですので注意しましょう。
患者様が食事するうえで、もし禁止食が献立に入っていれば、別の食材を別途発注するのが基本です。また、患者様の療養食が組み込まれた献立作成には対応していないメーカーが多いことも珍しくありません。
スタッフの人たちにとっては、それぞれの患者様に合った献立の準備に手間がかかる部分もあったことでしょう。最近では、介護施設や病院での食事提供で、禁止食や療養食への対応が求められることが少なくありません。そんな中で、フジ産業株式会社や、株式会社ナリコマホールディングスは、禁止食や療養食に対して比較的柔軟に対応可能な企業です。
フジ産業株式会社では、禁止食が献立にあった場合は無料で差し替え可能で、療養食にも細かいところまで対応できます。株式会社ナリコマホールディングスも、禁止食がある場合は別の献立に差し替え可能です。
患者様に安全で美味しい料理をすばやく提供するには、ニュークックチルの導入は最適と言えるでしょう。また、提供までの工程はクックチルよりも少ないので、スタッフの業務効率化や人手不足の解消にも期待できます。企業ごとのサービスや特長を把握し、自院に適した内容のニュークックチルを導入しましょう。