病院はSNSをどう使う?実際の成功事例を確認しながら攻略法を解説!

投稿日 2021.10.25 / 更新日 2022.01.04
投稿者:渡邉 志明

新型コロナウイルスの影響により、2020年は66.7%の病院が赤字経営であったと報告されています。赤字経営を脱却し、病院が生き残っていくためには、患者数を増やして収益を上げなければなりません。
患者様を集めるためには、知名度の向上やブランディングが重要です。病院のマーケティングにはSNS(Social Networking Service)が効果的であることをご存じでしょうか。実際にいくつかの病院ではSNSを活用して、知名度の向上やブランディングにつなげています。

本記事では、各SNSごとの成功事例や攻略方法、病院がSNSで発信する際の注意点などについて紹介します。SNSを攻略して患者数を増やし、収益向上を目指しましょう。

SNSの特徴やメリット、デメリットについては以下の記事で解説しています。


各SNSの病院における成功事例と攻略法

SNSといっても、種類は数多くあります。FacebookやInstagram、Twitterなど、SNSによって特徴が異なるため、同じような使い方をしていては効果的に活用するのは難しいでしょう。

本記事では、次にあげるSNSの成功事例と攻略法について解説します。

①Facebook
②Instagram
③Twitter
④LINE
⑤TikTok

成功事例として、実際に活用している病院やクリニックを紹介するので、具体的な例として参考にしてみましょう。


①Facebookの成功事例と攻略法

Facebookはテキストや画像、動画など幅広いフォーマットを活用して、自由度の高い投稿ができるSNSです。実名での登録がほとんどであり、個人が特定できます。

また、ユーザーの年齢層が30代と40代で高いことから、他のSNSと比較して高い年齢層へのアプローチに有効です。Facebookを使用することで、公式ページの雰囲気を作ることができます。成功事例で紹介した病院のように、活動内容や取り組みなど、ホームページのサブとしての利用がおすすめです。


Facebookの成功事例①医療法人財団 荻窪病院

医療法人財団 荻窪病院Facebook

https://ja-jp.facebook.com/ogikubohospital/

荻窪病院は、病院の活動内容や取り組みについて投稿しています。また、病院ホームページに掲載されているリハビリテーション室BLOGへのリンクを掲載して、ホームページへの導線をつなげています。


Facebookの成功事例②医療法人沖縄徳洲会 千葉西総合病院

医療法人沖縄徳洲会 千葉西総合病院Facebook

https://www.facebook.com/pg/chibanishi/posts/

千葉西総合病院は、病院の紹介や活動内容についてFacebookを活用して投稿しています。診療科の新しい情報を投稿もそのひとつです。例えば心臓血管外科が、新しい手術を開始したのであれば、その内容を投稿。他にも無料メール相談などもおこなっており、投稿内にお問い合わせ先のリンクがあるのも特徴的です。


②Instagramの成功事例と攻略法

Instagramは、写真や動画がメインとなるSNS。ユーザーの年齢層は10代〜20代で、男性よりも女性の利用率が高い傾向です。

Instagramの投稿では、「映える」魅力的な画像や動画が重要視されており、目を惹きつける投稿が攻略のポイントです。そのため、美味しそうな病院食や生まれた赤ちゃんの写真など、映える画像や動画が投稿できる産婦人科が活用するのに向いています。最近では、1枚目の画像を写真ではなく、ヒトをひきつけるようなテキストタイトルにするテクニックがトレンドです。


Instagramの成功事例①産婦人科 清水病院

産婦人科 清水病院Instagram

https://www.instagram.com/shimizu_hospital/

清水病院は、彩り鮮やかな病院食や産婦人科に関する情報について投稿しています。写真がメインの投稿と情報発信がメインの投稿を交互に投稿することで、見ていて飽きない工夫がされています。


Instagramの成功事例②岡山済生会総合病院産婦人科病棟【公式Instagram】

岡山済生会総合病院産婦人科病棟Instagram

https://www.instagram.com/maternity_okayamasaiseikai/

岡山済生会総合病院産婦人科病棟は、生まれた赤ちゃんの写真やご家族との写真を投稿しています。また、画像だけではわかりにくい赤ちゃんの入浴方法やおむつ交換、出産時の呼吸方法など、役立つ情報が動画で投稿されているのもうれしいポイントです。


③Twitterの成功事例と攻略法

Twitterは、10代〜20代がメインユーザーのSNSです。投稿の際には、140文字以内の字数制限や4枚までの画像制限などがあり、わかりやすく投稿内容をまとめる必要があります。

リツイートといわれる投稿を拡散する機能があり、役立つ内容や豆知識、共感を生むようなツイートなど、リツイートしたくなる投稿をすると拡散されやすいので狙っていきましょう。また、フォロワーが少ないうちはフォロワーの多いアカウントのツイートを引用ツイートすることで効果的にインプレッション数(ツイートの閲覧数)を増やしていくことが可能です。関連するツイートをしている有名人や他の病院に積極的に絡んでいきましょう。

リアルタイム性が強いSNSなので、すぐに伝えたい情報を発信する際にも役立つでしょう。コロナ禍であれば、新型コロナワクチンのキャンセル枠について、情報を広めたい時に効果が期待できます。

ただし、匿名性が高いSNSであることから炎上しやすい点に注意が必要です。


Twitterの成功事例①亀田総合病院(ちっとばあり公式)

亀田総合病院Twitter

https://twitter.com/kmc_pr

亀田総合病院は、病院内の診療情報や季節ごとの医療的な注意喚起など、数多くの情報を投稿しています。また、現在は新型コロナウイルスのワクチンについての情報や、病院内での感染状況について情報を発信しています。


Twitterの成功事例②西真岡こどもクリニック

西真岡こどもクリニックTwitter

https://twitter.com/nishimoka0404

西真岡こどもクリニックは、小児医療に関連した情報を中心に投稿。病院スタッフの仕事を紹介したり、病院内の写真を投稿していたりと、病院の雰囲気が伝わります。



④LINEの成功事例と攻略法

LINEは、今回紹介するSNSのなかで最も利用率が高いSNSです。全年代での利用率が高く、一番利用率が低い60代でも76.2%の方が利用されています。

LINEで発信した情報を見てもらうためには、友達登録をしてもらわなければなりません。そのため、ポスターや広告などを利用して、友達登録をしてもらうことが攻略の鍵となるでしょう。


LINEの成功事例①医療法人社団 明芳会 高島平中央総合病院

https://takashimadaira-hospital.jp/features/line.html

高島平中央総合病院は、病院内のイベントや外来の担当医表などの基本情報を発信しています。そのほかにも、栄養士が考案したレシピを配信する「TAKACHU KITCHEN」やリハビリ科がストレッチ方法を紹介する「TAKACHU HEALTH」などコンテンツが豊富です。

また、通常のLINEのようにトーク画面にキーワードを入力することで、最新情報をチェックできます。


LINEの成功事例②一般財団法人 平成紫川会 小倉記念病院

http://www.kokurakinen.or.jp/byoin/line_at/

小倉記念病院は、最新の医療情報やイベント情報の案内などを発信しています。わかりにくい医療情報をわかりやすく解説している動画もあるので、疑問解消に役立ちます。小倉記念病院ではLINEの友達登録を促すために、医療クイズを投げかけて友達登録をすれば、答えがわかるように工夫しています。テキストはもちろん、画像や動画などの投稿ができ、全年代の利用率が高いため、利用する病院を選びません。


LINEはビジネス用のアカウントがおすすめ

LINEにはプライベートで使用する通常のプランとは他に、ビジネス用のアカウント『LINE公式アカウント』を作ることが可能です。[3] ビジネス用のアカウントでは、友達登録をしている方一斉に情報を送信することができ、個別に情報を発信する手間が省けます。

ビジネス用のアカウントは無料で利用することも可能ですが、送信するメッセージ通数が増えたら、料金が発生する月額課金制です。多くの方に情報を届けたい場合には、有料プランに加入して、発信しましょう。


⑤TikTokの成功事例と攻略法

TikTokは、10代〜20代の女性ユーザーがメインのSNSです。15秒〜3分のショートムービー専門のプラットフォームで、目を惹きつけるキャッチーな動画投稿がポイントとなります。

10代〜20代の女性にアプローチしやすい、美容医療の病院やクリニックで効果が期待できるでしょう。ほかにも、病院の働きやすい雰囲気や研修制度を伝えることで、看護師等への採用面でのアプローチができます。


TikTokの成功事例①湘南美容外科クリニック姫路院

湘南美容外科クリニック姫路院TikTok

https://www.tiktok.com/@sbc_himeji?lang=ja-JP

湘南美容外科クリニック姫路院では、美容医療の施術動画を投稿しています。事前にどのような施術がされるのか確認できるため、患者様の安心感につながるでしょう。


TikTokの成功事例②IMS(イムス)グループ新越谷病院

IMS(イムス)グループ新越谷病院TikTok

https://www.tiktok.com/@shinkoshihp2211?lang=ja-JP

IMS(イムス)グループ新越谷病院では、看護師を中心に病院の雰囲気が伝わる投稿がされています。また、病院内でおこなわれている研修や教育制度などの情報を発信しており、職場の雰囲気や働きやすさなどが伝わってきます。



病院がSNS攻略をおこなう場合の注意点

SNSは病院の知名度を高めたり、ブランディングしたりする際に効果的です。

しかし、SNSには炎上や情報漏洩などのリスクがあることに注意しなければなりません。ここでは、病院がSNS攻略をおこなう場合の注意点を解説します。


①不適切な投稿を避ける

病院がSNSを有効活用するためには、不適切な投稿を避けることです。不適切な投稿が原因となって、批判や誹謗中傷が集まる炎上のリスクが高まります。

炎上してしまうと病院にネガティブなイメージが定着して、ブランディングがマイナス方向に働いてしまう可能性があります。そのため、病院の愚痴や医療体制の不満点、仕事に対するネガティブな投稿などは避けましょう。


②個人を特定できる投稿を避ける

個人を特定できる投稿は、プライバシー侵害に該当するため注意が必要です。SNSは不特定多数の方が見ており、個人情報が漏洩してしまう可能性があります。

個人を特定できる投稿としては、珍しい病名を公表したり、院内の写真を撮影した際に患者様のネームプレートが映っていたりといった投稿です。投稿する前には入念に個人情報が漏洩するリスクがないことを確認したうえで、投稿しましょう。



病院が安全にSNSを攻略するための対策

病院が安全にSNSを利用するためには、事前に対策を講じておくことが大切です。ここでは、安全にSNSを活用するために、把握・実践しておきたい対策について紹介します。


SNS使用時のガイドラインを作成する

1つ目の対策は、SNS使用時のガイドラインの作成です。事前にSNS使用に関するガイドラインを作成しておき、投稿する際にはガイドラインに遵守することで不適切な投稿を予防します。

投稿時の注意点や記載してはいけない情報を明確にし、炎上や情報漏洩が発生するリスクを軽減させましょう。


投稿者を少人数にしぼる

2つ目の対策は、投稿者を少人数にしぼることです。病院のSNSとはいえ、投稿できる人が多くなれば管理が難しくなります。

また、投稿者によって内容が異なってしまうと、情報の一貫性が保たれなくなる可能性があります。投稿者はなるべく少人数に固定して、責任ある立場の方が管理するのがおすすめです。


職員向けにネットリテラシーの教育

3つ目の対策は、職員向けにネットリテラシーの教育をおこなうことです。病院のSNS運用とは異なりますが、病院の職員が個人のSNSで投稿した内容が病院の炎上や患者様の情報漏洩につながるケースがあります。

そのため、職員のSNSを適切に活用するネットリテラシーを教育しておくべきでしょう。職員向けに病院内での勉強会や研修などをおこなって、一人ひとりのネットリテラシーを高めることが安全なSNS利用につながります。



SNSを攻略し病院の知名度を高めましょう

SNSはうまく活用すれば、病院の宣伝に効果的なツールです。今回紹介したようにSNSを上手に活用している病院やクリニックがあります。

今後、患者様に選ばれる病院になるためには、病院のSNSの利用は重要な手段となるでしょう。しかし、SNSには炎上や情報漏洩のように注意しなければならないこともあります。

本記事を参考にして、SNSを攻略し、病院の知名度を高めましょう。


URL:https://twitter.com/peppepei10

理学療法士として総合病院や訪問看護ステーションでリハビリテーション業務に携わった後、資格を活かして医療系Webライターとして活動。根拠に基づいた記事執筆を得意としており、様々なWebコンテンツにて執筆実績多数。

薬剤師として日本、シンガポールで従事。国際医療ボランティアとしてインドやボツワナ、タイに派遣される。現在は医療ライターとして執筆、コンテンツディレクター、編集長、ライティング講師、Webデザイナーとして活動。


都内大学病院

小児科専門医、医学博士。専門は、アレルギー、免疫。大学病院および地域の基幹病院で小児科医として10数年勤務、ゲノム研究、論文執筆を行う。オンライン診療、患者サポートプログラムなどの監修。正しい医療情報を発信するためにライターとしても精力的に活動中。

関連記事