薬局業務のICT化が進んでいる昨今、薬局お勤めのみなさんは、NSIPS®という言葉を耳にする機会も増えてきたのではないでしょうか。
今回の記事では、NSIPS®についてわかりやすく解説し、導入のメリットや対応製品についてまとめています。あわせて、NSIPS®対応のおすすめPOSレジもご紹介しますので、導入を検討している方はぜひご覧ください。本記事を読むことで、自院のニーズにあった製品を絞り込むことができ、失敗しない製品選びができるでしょう。
※NSIPS®(エヌシップス)は公益社団法人日本薬剤師会の登録商標です。
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まずは、NSIPS®がどんなものなのか、おおまかな定義を説明します。NSIPS®(調剤システム処方IF共有仕様)とは、「New Standard Interface of Pharmacy-system Specifications」の略。レセプトコンピューターや調剤鑑査システム、錠剤・散薬自動分包機などの調剤システム、レジなどを連動させるための薬局向けの共有仕様です。2012年4月から、日本薬剤師会が本格的に導入を呼びかけています。
では、NSIPS®を使用することで、どのようなことができるのでしょうか。具体例を交えて、NSIPS®で出来ることを解説していきます。
NSIPS®を使用することで、NSIPS®対応のレセプトコンピューターから、レジや電子薬歴、調剤監査システム、全自動分包機などの各種調剤システムに処方データを送ることができます。イメージ図は下記の通りです。
具体例をあげると、NSIPS®対応レジの場合、処方データを取り込むことで調剤会計とOTC医薬品(薬局などで処方せん無しに購入できる医薬品)・日用品も、一度の会計で処理することができるようになります。
NSIPS®と連携できる製品の種類には以下のようなものがあります。
下の表では、NSIPS®に対応している主な製品を紹介しています。
製品名 | 企業・団体名 |
---|---|
Di Premacy ST | コラソンシステムズ株式会社 |
NO@H FOR THE PHARMACY V5.0, V6.0 | ノアメディカルシステム株式会社 |
Pharma-SEED | ウィーメックスヘルスケアシステムズ株式会社 |
ファーミー | 株式会社モイネットシステム |
調剤くんV7 | 株式会社ネグジット総研 |
調剤Melphin | 三菱電機ITソリューションズ株式会社 |
製品名 | 企業・団体名 |
---|---|
Musubi(ムスビ) | 株式会社カケハシ |
GooCo | 株式会社グッドサイクルシステム |
Hi-story | ハイブリッジ株式会社 |
製品名 | 企業・団体名 |
---|---|
RetrieverNEXT、RetrieverR2 | 株式会社佐賀電算センター |
ODSS | 鍋林株式会社 |
CHOIS(チョイス) | SCSK株式会社 |
また、上記以外にもNSIPS®に対応している製品があり、日本薬剤師会ではNSIPS®に賛同しているメーカーと機種一覧をホームページ上で公開しています。詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
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NSIPS®️対応機器の中でも、導入に大きなメリットがあるのがPOSレジです。ここからは、NSIPSⓇ対応のおすすめPOSレジをご紹介していきます。
目次
スマレジは0円から始められるクラウド型POSレジです。「NSIPS®(エヌシップス)」に対応している調剤レセコンと連携可能で、セルフメディケーション税制にも対応しています。サポートスタッフはスマレジ独自の認定制度である「スマレジ検定」に合格したエキスパートのみで構成されています。「スマレジのオンライン相談・ショールーム予約はこちら」での導入相談を受け付けていますので、気になる方はご検討ください。
スマレジの比較ポイント
製品情報
価格 | 初期費用0円~、月額料金0円~ |
---|---|
クレジット・キャッシュレス決済 | クレジット、電子マネー決済、QRコード決済等 |
未収金管理 | 対応可 |
セルフメディケーション税制対応 | 対応可 |
サポート体制 |
|
株式会社ビジコムのBCPOSはドラッグストア・調剤薬局向け機能を強化しており、在庫管理オプション、セミセルフレジ機能、セルフメディケーション税制・免税電子化対応などの機能が充実しています。
一番の特徴は在庫管理オプションがあるところです。この在庫管理オプションを使用することで、在庫の一覧が確認できたり、在庫が少ない商品をリスト化することで発注リストが作成できたりと、在庫管理機能を強化することができます。
ドラッグストア・薬局向け「BCPOS」の比較ポイント
製品情報
価格 |
|
---|---|
クレジット・キャッシュレス決済 | クレジット・ICカード・QRコード決済・仮想通貨 |
未収金管理 | 対応可 |
セルフメディケーション税制対応 | 対応可 |
サポート体制 | 平日10時〜18時は電話窓口のサポートあり |
株式会社グッドサイクルシステムのGooCoPOS(ぐーぽす)は、薬歴システムを手がけている会社の製品のため薬局システムへの理解が深く、レセコンとの互換性が高いと評判の調剤薬局専用POSレジです。
使用機器は2種類から選択することができ、セルフレジ運用であること、未収金管理機能があること、薬歴システムGooCoとの連携が可能なことなどが特徴です。
GooCoPOS(ぐーぽす)の比較ポイント
製品情報
価格 | 要問い合わせ |
---|---|
クレジット・キャッシュレス決済 | クレジット、電子マネー |
未収金管理 | 対応可 |
セルフメディケーション税制対応 | 対応可 |
サポート体制 | ユーザー専用のサポートサイトあり |
株式会社ユニケソフトウェアリサーチのSmartPOCは調剤薬局向けのレジです。一番の特徴は複数人の患者さまの会計を一括して処理することができる、一括会計機能が搭載されていることです。この機能を使用することで、施設向けに複数人の会計処理・請求書発行が行えるなどのメリットがあります。また、日報から業務分析まで、各種帳票を出力できるところも大きな魅力です。
SmartPOCの比較ポイント
製品情報
価格 | 初期費用+月額保守料(要お問い合わせ) |
---|---|
クレジット・キャッシュレス決済 | クレジットカード、交通系ICなど(詳細は要問い合わせ) |
未収金管理 | 対応可 |
セルフメディケーション税制対応 | 対応なし |
サポート体制 | 要問い合わせ |
日本リテイルシステムの調剤薬局向けPOSレジシステムは、全国の調剤薬局の声を反映した、簡単操作で高機能なPOSレジです。特徴としては、OTC在庫管理オプションがあるところが挙げられます。
このOTC在庫管理オプションを使用することで、クラウド上で各店舗の売上や在庫管理のデータをリアルタイムに集計し、売上分析・在庫分析・最適な在庫管理を実現することができます。また、手厚いサポート体制が整えられており、24時間365日電話でのサポートが受けられることは大きな魅力です。
調剤薬局向けPOSレジシステムの比較ポイント
製品情報
価格 | 要問い合わせ |
---|---|
クレジット・キャッシュレス決済 | クレジット、電子マネー、スマホ決済 |
未収金管理 | 対応可 |
セルフメディケーション税制対応 | 対応可 |
サポート体制 | 24時間365日電話受付 |
株式会社モイネットシステムのONレジは、調剤薬局に特化したPOSレジシステムです。NSIPS対応レジの中では価格が抑えられているという特徴があります。導入することで現金過不足の削減、施設への売掛管理や請求業務の効率化、未収金管理、日報作成業務の省力化などが期待できます。
調剤薬局向けレジ「ONレジ」の比較ポイント
製品情報
価格 | 288,310円〜 |
---|---|
クレジット・キャッシュレス決済 | クレジットカード |
未収金管理 | 対応可 |
セルフメディケーション税制対応 | 対応可 |
サポート体制 | オフィスナビゲート社が対応 |
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NSIPS®対応POSレジを導入することで、どのようなメリットがもたらされるのでしょうか。以下の3つのメリットをご紹介します。
それでは1つずつ解説していきます。
1つ目のメリットは調剤とOTC医薬品の同時会計ができることです。調剤薬局やドラッグストアでは、処方せん医薬品のほかにもOTC医薬品や日用品を購入することができます。しかし、これまでは会計が別々になるため会計処理が煩雑化していました。
NSIPS®対応POSレジでは、NSIPS®を介してレセコンから調剤情報を受け取り、調剤会計とOTC医薬品や日用品の会計を一括会計することが可能となります。これにより調剤会計の手入力作業がなくなり、スムーズな会計業務を行うことができるのです。
2つ目のメリットはレジの打ち間違いを防止できるところです。NSIPS®️対応POSレジでは、レセコンから自動で調剤会計の金額を取り込むことができるため、レジの打ち間違いをなくすことができます。
また、レジの打ち間違いが減ることにより、レジの過不足チェックなどの作業時間を大幅に短縮でき、薬剤師が服薬指導に時間を使うことができることも大きなメリットです。
3つ目のメリットはコスト削減効果があることです。NSIPS®対応機器を導入するメリットとして、調剤機器やレジごとにそれぞれ必要となっていた連動ソフトが1つで済み、コスト削減ができる点が挙げられます。
また、NSIPS®対応の機器を新たに導入する際や、機器の入れ替えの際にもNSIPS®という共有仕様があることで、スムーズに行うことができるのも大きなメリットといえるでしょう。
今回の記事では、NSIPS®について解説し、導入のメリットや対応製品についてまとめました。NSIPS®️はレセプトコンピューターや調剤システム、レジなどを連動させるための共有仕様で、対応機器を導入することで、会計業務の効率化、コスト削減、ミス防止などのメリットがあります。
また、NSIPS®対応のおすすめPOSレジも紹介していますので、NSIPS®️対応機器の導入をお考えの方は本記事を参考に検討してみてはいかがでしょうか。
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