クリニック内装の坪単価相場は?価格内訳や見積り例、安く抑える方法まで

更新日 2024.06.26
投稿者:豊田 裕史

クリニックを開業するにあたり、必ず検討しなければならないのが内装についてです。
そして内装は、クリニックの集患・増患にも大きく影響するため、慎重に検討していく必要があります。

今回の記事では、クリニック内装の坪単価や費用の相場、費用の内訳や価格をおさえる方法まで詳しく解説していきます。

本記事を読むことで、クリニック内装の費用の内訳や相場、価格をおさえるためのポイントがよくわかり、失敗しない内装工事ができるでしょう。クリニックの内装工事についてお悩みの方はぜひご覧ください。

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クリニック内装工事の坪単価、費用相場は?

クリニック内装工事の坪単価は約40万円、費用相場は約150万〜1,000万円です。

クリニックの内装工事を行う場合には、さまざまな費用が発生します。ここではクリニック内装工事の坪単価や費用相場について、下記の3つに分けて解説していきます。ぜひ費用の参考にしてください。

  • クリニック内装工事の坪単価
  • クリニック内装設計費用
  • クリニック内装工事の事例

クリニック内装工事の坪単価

クリニック内装工事の坪単価は、一般的には約40万円/坪程度とされています。坪単価とは、1坪(約3.3平方メートル)にかかる費用のことです。ただし、内装工事の坪単価は、実施する面積がどれくらいか、物件がスケルトンか居抜きか、特殊な医療機器が必要かどうか、などによって費用が大きく変わってくるため注意が必要です。

クリニック内装設計費用

クリニック内装の設計費用は、クリニックの規模や状況などにより異なりますが、おおまかに「工事総金額の10%~20%」、もしくは「工事面積あたり5~8万円/坪」とされています。

上記はあくまで一般的な価格なので、デザイン性を追求した場合などは、また金額が大きく変わってきます。

クリニックの内装工事に入る前に、まずは内装の設計図を作成してもらう必要があります。設計事務所や工務店に依頼して、クリニックの要望をもとに、プロの意見を反映させた設計図を作成をしてもらいましょう。

クリニック内装工事の費用事例

クリニックの内装工事費用には、いろいろな費用が含まれています。下記では、25坪のクリニックの内装工事をした場合の費用事例を表で示しています。具体的な費用を載せていますので、ぜひ参考にしてみてください。

工事内容 費用
仮設・解体工事 約20万
建具工事 約134万
造作工事 約60万
内装仕上げ工事 約110万
家具什器工事 約140万
ガラス・パーティション工事 約40万
電気設備工事 約128万
空調設備工事 約133万
給排水衛生設備工事 約78万
防災設備工事 約70万
その他諸経費 約110万
総額 約1143万

内装工事の費用については内装工事の費用はどのくらい?費用相場や物件別の坪単価まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

クリニックの内装工事の費用内訳は?

クリニックの内装工事の費用内訳はおおまかに下の3つに分けられます。

  • 設計・デザイン費用
  • 内装・設備工事費用
  • 設備機器、備品購入費

ここでは、クリニックの内装工事の費用内訳について、見積例も合わせて詳しく解説していきます。

設計・デザイン費用

設計・デザイン費用は、クリニックの規模や状況によって違うため、一般的な相場がありません。しかし、算出方法は主に以下の3つになりますので、今回はその算出方法をご紹介していきます。

総工事費から算出する

1つ目は、内装工事費と設備工事費を合計した、総工事費から算出する方法です。この算出方法の場合、クリニックの規模などに関係なく「総工事費の10~15%」が設計・デザイン費用の相場といわれています。

坪単価から算出する

2つ目は坪単価から算出する方法です。この場合は、「クリニックの坪数×工事内容の単価」で設計・デザイン費用が算出されます。ただし、10坪程度以下の狭いクリニックでは、坪数から算出するのではなく最低料金を設定しているところが多く、割高になってしまうリスクがあります。

人件費、技術料から算出する

3つ目は、内装工事や設備工事にかかる人件費から設計・デザイン費用を算出する方法です。特に、造作工事などの特殊な施工を行う場合は、技術料が加算され、設計・デザイン費用もそれに応じた価格になっていきます。

内装・設備工事費用

クリニック内装工事の坪単価の相場は、約40万円と言われていますが、診療科や対応する治療、物件の形態によって大きく変わってきます。例えば手術をする場合は手術室が必要になりますし、CTやMRIなどの大型の医療機器を入れる場合は、床の耐荷重対策も必要となります。必要な設備により費用は大きく変動するため、自院に必要な医療機器などの設備について、しっかり確認しておきましょう。

また、物件には内装や設備が何もない「スケルトン物件」と、前のクリニックで使用していた設備や内装がそのまま残っている「居抜き物件」の2種類があります。 一般的に、居抜き物件よりもスケルトン物件の方が坪単価は高くなるでしょう。しかし、居抜き物件の場合でも残っていた医療機器などの設備が壊れてしまうと、設備の買い替えや工事が必要になり、予想以上に費用がかかってしまうリスクがあります。抜き物件を活用する場合は、残された設備が問題なく使用できるか、事前にしっかり確認しておきましょう。

その他、床や壁の素材のグレードや、造作工事の有無も費用に大きく影響してきます。グレードが高い素材を使うほど内装工事費は上がるため、耐久性と価格のバランスを考えて慎重に素材選びを行うことも重要です。

設備機器、備品購入費

内装以外にも、クリニックで使用する医療機器などの設備機器、備品も忘れずに購入しなければなりません。あらかじめ必要なものをピックアップし、購入費用がどれくらいになるのか予算を立てておきましょう

希望する医療機器や備品の価格はカタログなどでも確認できますが、医療機器をクリニックに設置する際の搬入費や設備費がかかる場合があります。 それらの費用の有無についても、事前にしっかりと確認しておきましょう。

また、診療科や治療内容によって必要な医療機器などの設備機器、備品は異なります。自院のニーズに合わせて、他にも用意しなくてはいけないものがある場合は、適宜揃えていくようにしましょう。

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クリニックの内装工事を安く(予算内に)済ませる方法

クリニックの開業費用のなかでも、内装工事費用は大きな割合を占め、多額の費用がかかってしまいます。ここでは、なるべく安く予算内で、より良い内装工事ができる方法をご紹介していきます。ポイントは以下の5つです。

  • 予算設定を事前にしておく
  • 必ず相見積を取る
  • 坪単価だけで判断しない
  • 費用を抑えるなら一括発注がおすすめ
  • 居抜き物件の活用

予算設定を事前にしておく

まず大事なことは、目標の予算を事前に設定しておき、そこに収まるように業者と相談しながら進めていくことです。またその時は、考えている予算の80%くらいの金額で見積を依頼し、残りの20%は予備として残しておくようにしましょう。このように余裕をもって予算を組んでおくことで、内装工事で費用不足になることがなく、クリニックの設備機器や備品に資金を回すことができます。

必ず相見積を取る

クリニックの内装費用を抑えるためには、相見積を取ることも重要です。1社のみの見積では、提示された価格が適正なのかどうか判断がつきづらく、高値で工事を発注してしまうリスクがあります。価格が適正なのかを判断するためにも、複数社から見積を取り、価格を比較して業者を選定することがおすすめです。しかし、見積を取りすぎてしまうと、どこを選べば良いのかわからなくなってしまい、収拾がつかなくなります。見積をたくさん取りすぎないように注意をしておきましょう。

内装工事業者については【地域別】内装・リフォーム業者16選|選び方や工事の種類まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

内装業者の選び方については内装業者の選び方|失敗しない方法、内装工事の基礎知識を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

坪単価だけで判断しない

価格を坪単価だけで判断しない、という視点も大切と言えます。 なぜなら、内装業者によって坪単価の概念や含まれている費用が異なるからです。例えば、

業者A⇒坪単価の計算を内装工事費用のみで行っている

業者B⇒坪単価の計算を内装工事費用に加えて機械代、配管工事費など諸経費すべて含めて行っている

この場合、坪単価だけで判断すると業者Bの方が高く見えてしまいますが、さまざまな費用がすでに含まれているため、最終的には業者Bの方が安くなることが多いです。内装業者の中には、坪単価を安く見せるために業者Aのような坪単価の計算をする業者もあります。坪単価の安さだけで判断せずに、見積価格の中にどんな費用が含まれているのか、しっかりと確認しておきましょう。

費用を抑えるなら一括発注がおすすめ

もうひとつのポイントは、設計・デザインと施工を同じ業者に依頼する「一括発注」をすることです。クリニック内装の設計・デザインと施工には、分離発注と一括発注の2つのパターンがあります。分離発注は、設計・デザインと施工をそれぞれ別の業者に依頼することです。一方の一括発注は、設計部門がある業者に設計・デザインと施工を一括で依頼することをいいます。

この分離発注と一括発注で費用感は大きく異なり、一括発注の方が割安です。大型の新規開業などであれば分離発注でも問題はありませんが、内装のみの工事の場合は分離発注ではなく一括発注をおすすめします。

居抜き物件の活用

最後に紹介するポイントは「居抜き物件の活用」です。居抜き物件とは、以前に使っていた内装や設備をそのまま引き継いで使用できる物件のことです。 一般的に、設備を引き継ぐのにはお金がかかりますが、交渉次第では無料に近い状態で譲ってもらえることもあります。 そうなれば、何もない状態から内装工事をするのに比べて、最低限の工事を行えば良いのでかなりの費用を抑えることができます。

ただし、居抜き物件には次のようなデメリットもあり、注意が必要です。

  • 設計の自由度が低い
  • 好みの雰囲気にするのが難しい
  • 設備がすぐ壊れるリスクがある

特に設備については、中古品のためいつ壊れてしまうか分かりませんし、壊れても保証がありません。上記のリスクやデメリットを理解した上で、居抜き物件を活用しましょう。

まとめ

本記事では、クリニック内装の坪単価や費用の相場、費用の内訳や価格を抑える方法を解説しました。クリニックの内装は、多額の費用がかかってしまいますが、集患や増患に大きく影響を与える重要な部分です。今回ご紹介した費用相場や価格を抑えるポイントをしっかり押さえて、自院の内装工事を検討してみましょう。 本記事が予算内でより良いクリニック内装工事ができる一助になれば幸いです。

開業コンサルに言われるがままに内装業者を決めてしまっていませんか?
言われるがままで自分で何も考えずに内装業者を選ぶと、費用が相場より高額になってしまう場合があります。
内装業者を選ぶときは必ず自分でもいくつか候補を選出し、相見積もりをとりましょう!
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中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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