開業物件を選定する際、電気容量はあまり気にして見ないでしょう。しかし、医療機器など電気利用量が多いクリニックにおいて、電気容量は非常に大切なポイントです。
今回の記事では、電気容量を気にすべき理由や、物件選定時に気をつけるポイントを中心に紹介していきます。
開業物件を決める際は、しっかりと電気容量に注意を払わなければなりません。電気容量を気にすべき理由は、以下2点です。
①診療を止めてはいけない万が一、診療中に停電してしまったら、患者がパニックになったりトラブルが起きたりする可能性があります。処置中の停電も非常に危険です。
②大容量の電力を消費する一般のビルは事務所の入居を前提にしているため、医療機器やX線機器などを扱うクリニックのテナントとしての利用を考えると、電気容量が不足する可能性が高いです。40坪程度の内科クリニックの場合、電灯150A・動力100A程度を確保するようにしましょう。
クリニック開業時は、以下の2点をしっかりと確認するようにしましょう。
医療機器を設置する際は寸法や重量など、さまざまな点に配慮する必要があります。特に、電気容量には気を付けなければなりません。
医療機器は大容量の電気が必要です。CTやMRIは三相200V、X線装置は単相200Vの電気を使用します。 滅菌器やオートクレーブは単相100Vと200Vのタイプがありますが、いずれにしても設置する医療機器の電気容量には十分気をつけましょう。
設置予定の医療機器の全体の電気容量を計算した上で、物件が必要な電気容量を満たしているか確認するようにしましょう。電気容量が足りない場合は、変圧器の設置に同意してもらえるかの確認が必要です。
また、医療機器の進化速度は非常に早いため、先を見据えて機器を買い替えた際の設置も考慮しておくといいでしょう。
ここでは、電気の基礎知識を詳しく解説していきます。以下の2点に関する知識はしっかりと身に付けておきましょう。
電圧には、低圧電力と高圧電力があります。それぞれの違いは以下の通りです。
配電方式には単相・三相があります。電気の通り道が1本か、3本かということを意味しています。
単相は一般家庭のような大きな電力を必要としない場合に使用されることが多いです。三相は、単相と同じ電力を少ない電流で得ることができ、大容量の電気を必要とするクリニック・病院などで用いられることが多いです。
※KVA(キロボルトアンペア)とKW(キロワット)の単位があります。1KVA=1000VA。
電気に関してクリニックで気を付けることは、医療機器設置に必要な電気容量です。大型機器を設置する場合、建物の電気容量をオーバーしてしまうことも考えられます。
たとえばCT装置を設置するには、50KVAの電気容量が必要です。その場合、一般的なテナントビルだとCT装置だけで電気容量が無くなります。そのため、クリニックで必要な電気容量を満たしている物件を選ばなければなりません。
クリニックの電気容量についてみてきました。必要な情報が確認できたら、実際に建築に対応できる業者を確認してみましょう。
医院建築については医院建築について徹底解説|メーカーの選び方、坪単価まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
クリニックを開業するにあたっては、電気容量に注意しなければなりません。何も知らずに物件を決めてしまうと、後から大きなコストがかかる可能性もあります。 今回の記事で解説した内容を参考に、クリニックの物件選びを進めてみるといいでしょう。
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