クリニック内装デザイン解説｜診療科ごとのポイントや実例まで

クリニックの内装デザインの基本

まずは、クリニックの内装デザインの基本を確認しましょう。

クリニックの内装デザインを検討するにあたっては、誰の為の空間なのかということを第一に理解した上で検討することが欠かせません。その点を踏まえて基本事項を解説していきます。

「患者様のための空間」を意識

クリニックは「患者様のための空間」であることを意識しましょう。

昨今では、「地域包括ケアシステム」に注目が集まっており、地域の生活に寄り添うかかりつけドクターとしての役割が求められます。そのため、地域のクリニックにはコミュニケーションの取りやすさが重視されるのです。

その点が意識された内装デザインになっていれば、清潔感のある内装に居心地の良さを感じて、リピーターとして再度来院してくれる可能性が高まります。安心感を与えるような明るめの内装であれば、なお良いでしょう。

クリニック内装の基礎については患者目線で選ぶ！クリニック内装のポイントやおすすめ業者まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

法規制の確認も必要

次に、内装を考えるうえでは法規制の確認も必要です。医療機関の内装を検討するにあたっては、自由な発想で空間をデザインすることは大切ですが、一方で守るべき法律や条例があるのでしっかり確認しましょう。

該当する法令は、建築基準法、バリアフリー法、各種条例などです。これらの法律以外にも守らなければならないものがあるので、都度確認しましょう。

病床数が0の診療所（クリニック）であれば、建築基準法上の特殊建築物に当たらないため、建築の自由度が大きくなります。各法律については、それぞれ専門家である、設計事務所や建築士、官庁へ確認しながらデザインを決めていきましょう。

クリニック内装で考慮すべき法律については診療所の建築基準法とは？病院と診療所での違いを解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

診療科ごとの内装デザインの違い

診療科ごとに内装デザインは大きく異なります。来院する患者様や、使う機器の違いによるものです。診療科ごとのデザインの特長等についてまとめていきます。

内科クリニック内装デザインのポイント

内科クリニックは、子供から高齢者まで多くの方が来院するため、回転率を上げるために診療室と処置室の距離が近いことが特徴です。近年では感染症患者が多く来院することから、気流をコントロールし院内感染を防ぐ空調システムを取り入れる場合もあります。

外科クリニック内装デザインのポイント

外科クリニックの特徴は、基本的には内科クリニックと変わりません。ただし、内科に比べて大がかりな医療機器を利用することもあるため、内部の電気配線などに配慮する必要があります。

小児科クリニック内装デザインのポイント

小児科クリニックの場合は、子供に恐怖心を与えないような楽しい雰囲気の内装であることが必要です。

待ち時間には退屈しないよう、おもちゃやDVDを流すなど安心できる空間を作ります。子供の安全に配慮し、広々としたスペースや段差を少なくすることにも気を付けると良いでしょう。

小児科クリニック内装については小児科クリニックの内装のポイントを徹底解説｜おすすめ業者まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

整形外科クリニック内装デザインのポイント

整形外科クリニックには、脚を悪くした患者様が多く来院します。そのため、バリアフリーや段差を少なくした内装を心がける必要があります。車いすで異動する場合にも備えて大きな入り口ドアや動線確保を行いましょう。

美容系クリニック内装デザインのポイント

美容系クリニックの場合は、高級感の演出がポイントです。患者様のプライバシーを守るために、待合室で患者様同士目が合わないような工夫をしたり、複数の処置室を用意したり工夫する必要があります。

歯科クリニック内装デザインのポイント

歯科クリニックの場合は、広い処置室内で複数の患者様を診られるように動線を意識した内装にすることがポイントです。同時に2～3人が処置室に入れることで、回転率を担保することができます。

おすすめのクリニック・歯科の内装業者12選

ここからは、おすすめのクリニックや歯科の内装業者を12選紹介します。

クリニックの内装工事の大まかな費用感

クリニックの内装工事には、様々な費用が発生します。ここからは、内装工事にかかる費用を大まかにまとめて解説していきます。どの程度費用が掛かるのか、心づもりができるよう参考にしてみましょう。

クリニック内装設計費用

まずは、クリニックの内装設計費用です。内装の工事に入る前に設計図を作成する必要があり、設計事務所や工務店に依頼して要望を伝えて作成してもらいます。

工事金額の10％～20％か、工事面積あたり5～8万円/坪の設計費用がかかります。これはあくまで一般的な価格ですので、デザイン性を追求した場合などはさらに費用が掛かることを認識しておきましょう。

クリニック内装工事の坪単価

次に、クリニックの内装工事の坪単価です。

内装工事については実施する面積によって費用が大きく変わります。一般的には約40万円/坪が基準の一つと言えます。都心であれば多少高くなったり、配線やデザインなどに凝っている場合は、多少高くなると思っておきましょう。

クリニックの内装工事を安く済ませる為に

クリニックの内装工事には、どうしても多額のお金がかかってしまいます。工事費用を安く済ませるために、安くて満足のいく内装工事ができる方法を紹介していきます。

分離発注か一括発注か

1つ目は発注方法を工夫することです。クリニックの内装デザインを依頼する際に、設計図の作成を行う会社と実際に工事を行う施工会社が同じかどうかで費用感が大きく変わってきます。

内装のみの工事を依頼するときは、分離発注ではなく一括発注の方が割安になりますので覚えておきましょう。

相見積を取る

2つ目は、相見積もりを取ることです。

1社の見積のみでは、どうしても提示された価格が適正なのかどうかは判断が付きにくくなってしまいます。できれば、複数社から見積もりを取ることをおすすめします。相見積もりを取る場合も2～3社程度に収め、細かく内容を比較できる程度に抑えておきましょう。

まとめ

本記事では、クリニックの内装工事についての基礎知識や、おすすめの内装工事業者12選を紹介しました。

競合医院と差別化するため、患者様の印象を大きく左右する内装のデザインやインテリアにはこだわる必要があります。各業者は比較的全国で対応が可能で、医療機関の内装工事実績があることがほとんどです。

ご自分のクリニックに合った内装工事業者を検討するのに、役立ててみてください。

よくある質問

見積もりをもらう段階で費用は発生しますか？

発生する場合があります。会社によりますが、見積提示段階で手付金が必要な場合もあるので、見積もりを依頼する際に確認しましょう。

納期はどのくらいでしょうか？

内装の打合せを行い、提案を受けて着工まで約3～6ヶ月程度です。内装工事自体は1週間～2ヶ月程度となります。

地方ですが対応可能ですか？

全国で対応可能なメーカーも多数あるのでご安心下さい。