医療機器の購入には通常、非常に高額な費用がかかります。特に使用頻度が低かったり一時的に必要な機器の場合などは、購入に二の足を踏むケースも多いでしょう。そのような場合はレンタルやリースを利用することで、経営負担を感じにくくなるためおすすめです。
この記事ではレンタルとリースの違いや、それぞれのメリット・デメリットを解説していきます。おすすめの業者についても触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
まずは、レンタルとリースの違いについて解説していきます。
リースの契約期間は一般的には5〜7年等の数年単位となっており、比較的長期にわたり機器を使用できる点が特徴です。長期間での契約となるため事前審査が必要で、導入開始までに時間がかかります。
レンタルは1日や数週間単位など短期間で利用する場合に用いられる導入方法です。レンタル可能な製品や機種に限りがあり、在庫状況によっては直ぐに借りられないこともあります。
契約内容にもよりますが、リースの場合は期間中の途中解約に応じてもらえません。リース品は業者が新品機器をメーカーから購入し、契約期間に応じた金額を設定しています。途中解約する場合は、残りのリース期間分の費用を精算する必要があります。 一方レンタルの場合は基本的にいつでも解約することが可能なシステムとなっています。
リースは契約期間が長期になる分、費用は均一・割安で設定されている場合がほとんどです。レンタルはリースに比べると割高ですが、保守や修繕にかかる費用なども料金に含まれていることが多いです。いずれも、搬入出を依頼する必要がある機器の場合、費用を別途負担するケースがあります。
ここからは、医療機器を購入せずにレンタル・リースを利用することで得られるメリットを紹介します。
医療機器は、その精密さゆえにほとんどが高額です。購入するとなると、それなりに多額の費用が必要になります。特に短期間のみ使用する場合、高いコストをかけて医療機器を購入するのは非常にリスクが高いです。
リースやレンタルの場合、1回の支払いは購入と比べてかなり抑えられます。多額の初期費用を用意する必要がなくなるので、気軽に利用できるでしょう。
リース・レンタルにかかった費用は、毎月の経費として計上することができます。月々で発生する費用も一定である場合がほとんどなので、会計管理が容易になります。購入の場合は機器の耐用年数に応じて、毎月の減価償却費用を計算し、会計処理を行います
医療機器は、業界進歩やメーカーの努力から年々素晴らしい進化を遂げています。新しい機器があればより良い医療を提供できますが、常に購入するとなるとお金がいくらあっても足りません。リースやレンタルであれば、その時点での最新機器を選択することができます。最新機器を使用しているクリニックということで、患者様からの信頼感も無理なく上げられるでしょう。
ここまでレンタル・リースのメリットを紹介しましたが、場合によっては購入した方が良い機器もあるでしょう。ここからは、購入・レンタル・リースで迷った時の判断基準を解説します。
導入したい機器に対して、どのくらいの期間使用する予定があるのかを明確にする必要があります。長期間かつ日常的に使用するのものであれば、リースや購入を選ぶと良いでしょう。反対に短期間や一時的な使用を目的としているのであれば、リースや購入はおすすめしません。1回の料金が割高だとしても、レンタルを選ぶほうがトータルコストを安く済ませられます。
先進医療や美容外科などでは、業界進化や集客の観点から医療機器のバージョンアップが頻繁です。そのような機器を扱っており新機種へ移行する可能性がある場合は、すぐに購入するのはおすすめしません。方法としてはリースで一定期間使用し、満了したら新たな機器を再リースするというやり方があります。購入を視野に入れている場合は、レンタルで使用感を試すというのもひとつの方法でしょう。
ここからは、複数あるレンタル業者の中から最適な業者を選ぶためのポイントを紹介します。
同じ医療機器でも、業者によって定められているレンタル・リース価格は異なります。必要な期間を明確にした上で、同じ日数を借りた時のトータルコストを計算すると比較しやすいです。可能であれば、いくつかの業者から相見積もりを取ると良いでしょう。価格の内訳が詳細に書かれているため、より比較がしやすくなります。
特にレンタルの場合、必要な期間に限定させて借りることは可能なのかという点は確認すべきポイントです。1週間だけ必要な機器を1ヶ月借りるとなると、その日数分無駄なコストがかかってしまいます。できるだけ希望している期間のみ借りられたほうが、コストを安く済ませられるのでおすすめです。業者によっては、1日からレンタルに対応している場合があります。
万が一の事態に備えて、保守契約の内容は確認しておいたほうが良いでしょう。保守料金はリースやレンタル料の中に含まれていたり、オプションで契約を追加する場合などさまざまです。保守契約がされていない場合、故障した際の修繕義務は使用者になるのが普通です。故障内容によっては、非常に高額な支払いになりかねません。料金プランや契約内容は業者によって異なるので、注意が必要です。
ここでは、医療機器のレンタル・リースに対応しているおすすめ業者を紹介します。
ニーズに合わせて5種類のプランが用意されています。通常のリースの他に、契約終了後の機器を再リースできるプランもあり長い運用が可能。リコーリースの場合、保守料は別々に設定されています。メンテナンスリースを利用することで、あらかじめ契約を交わした上でリース・保守料の一本化が可能です。期間によって料金を変動することができるプランも利用でき、運営に応じた計画が立てやすくなります。
リコーリース株式会社の比較ポイント
サービス概要
対象商品 | 要問い合わせ |
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最短契約期間 | 2年 |
中途解約の可否 | 否 |
保守・サポート | あり |
医療機関の開業相談を、毎年500件以上依頼される企業です。医療・福祉現場で必要な整備や機器を取り扱っており、ニーズに合わせて運用方法を提案してくれます。開業から長期の運用までワンストップで相談可能です。全国15箇所の拠点が展開されているため、地域に密着したサポートを受けられます。各拠点に医療経営士を配置しており、リース商品の提供だけでなく経営に関しても頼れる存在となるでしょう。
株式会社日医リースの比較ポイント
サービス概要
対象商品 | MRI、超音波診断装置、手術機器各種、電子カルテ、CT他各種X線装置、電子内視鏡、什器備品、照明、空調機器、非常用電源装置、院内家具、カーテン |
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最短契約期間 | 要問い合わせ |
中途解約の可否 | 要問い合わせ |
保守・サポート | あり |
ハイブリッド手術室やCT・MRIなど、大型医療機器に対応しています。リース料金の内訳は、物件価格・保険料・固定資産税・金利などです。それらの総額をリース期間で均等割りしたものが、月額料金になります。期間は運用状況に合わせて、2〜6年の間で自由に設定可能。保守内容は、偶然かつ外来の事故によってリース物件に損害が生じた場合適用されます。
NTT・TCリースの比較ポイント
サービス概要
対象商品 | ハイブリッド手術室、CT、MRI、放射線治療装置 |
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最短契約期間 | 2年 |
中途解約の可否 | 否 |
保守・サポート | あり |
月間・年間単位の他に、1日や数時間単位でのレンタルにも対応しています。一般的な機器不足や少ない症例の手術時など、需要が変動した際にも利用が可能です。保守点検やオンコールサービス費は、レンタル料の中に含まれています。そのため、万が一の時に突発的な費用が発生する心配がありません。利用料は、機器の活用で得られた診療報酬から支払うシステム。レンタルを利用したことで、利益が出るように設定できます。
アイ・エム・アイ株式会社の比較ポイント
サービス概要
対象商品 | 要問い合わせ |
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最短契約期間 | 時間単位 |
中途解約の可否 | 要問い合わせ |
保守・サポート | あり |
在庫レンタルと長期レンタルの2つのプランが用意されています。在庫レンタルは、修理品の代替えとしてなど一時的に借りたい場合におすすめです。保守も行き届いており、万が一機器が故障した際には予備機を代替品として配送してくれます。長期レンタルは、12カ月超のレンタルを対象としたプランです。レンタル品はラインナップにないものでも対応してくれ、新品で提供されます。いずれもレンタル期間は、自由に設定可能です。
オリックス・レンテックの比較ポイント
サービス概要
対象商品 | 心電計、生体情報モニタ、血圧計、超音波画像診断、ハンディ型超音波画像診断、ベンチレーター(人工呼吸器)、全身麻酔器、除細動器、超音波吸引装置、超音波凝固・切開装置、DVT関連、レーザー・光治療機器、体外式結石破砕装置、滅菌・消毒・洗浄機器、放射照度測定、保育・分娩関連、採血台、什器・備品・消耗品、無菌ベッド、歩行器・歩行車、介護用リフト、健康モニタリング装置 |
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最短契約期間 | 5日 |
中途解約の可否 | 否 |
保守・サポート | あり |
在宅医療で利用できる、在宅酸素療法関連機器や睡眠時無呼吸症候群の治療器などをレンタルできます。機器レンタル指導管理などは医療機関が行い、機器設置や保守点検などは業者が患者様に直接対応。患者様が、安心して在宅療養を送れるよう24時間365日対応のサポートをしてくれます。酸素供給装置の保守点検業務で、一般社団法人医療関連サービス振興会の定める認定基準をクリアした業者です。
株式会社ナンブの比較ポイント
サービス概要
対象商品 | 酸素濃縮装置、携帯用酸素ボンベ、呼吸同調式デマンドバルブ、液化酸素供給装置、人工呼吸器、睡眠時無呼吸症候群治療器(CPAP)、中心静脈栄養法用ポンプ、経腸栄養ポンプ |
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最短契約期間 | 要問い合わせ |
中途解約の可否 | 要問い合わせ |
保守・サポート | あり |
医療機器は高額で、購入には非常にコストがかかってきます。一時的に機器が必要な場合など、購入に不安を感じる医療機関は非常に多いです。そのような不安は、レンタル・リースを利用することで解消できます。自院において使用するであろう期間を明確にしたうえで、導入方法を選ぶのがおすすめです。今回の記事を読んでいただき、最適な導入方法や業者の選定を進めていきましょう。