調剤薬局レセコンおすすめ11選比較|価格や選び方、導入メリットまで

更新日 2024.06.13
投稿者:横山 洋介

調剤薬局レセコンは、レセプト(診療報酬請求書)を作成するために使うシステムです。現在は、ほぼすべての調剤薬局で導入されています。

一方で、メーカーのサポート終了やリース更新時期といったタイミングで、メーカーの再選定を検討する方もいらっしゃるのではないでしょうか?調剤薬局レセコンはユニケやネグジット総研、モイネットなど複数のメーカーがあり、違いが分かりにくいですよね。

本記事では、価格や運用形態、電子薬歴機能の有無、NSIPS®対応の有無、サポート体制の観点で各レセコンを徹底調査。調剤薬局レセコンを選ぶポイントを明らかにし、薬局ごとに最適なレセコンを選べるように執筆しています。また、本記事は調剤レセコン選定にお悩みの薬局からのお問い合わせに50件以上対応したコンシェルジュが執筆しています。

自院にあった調剤薬局レセコンを選べるように執筆しているので、ぜひ参考にしてください!

この記事でわかること
  • 調剤レセコンの選び方
  • 調剤レセコンの導入メリット
  • 調剤レセコンの価格相場
  • おすすめの調剤レセコンメーカー
薬局向けレセコンの比較一覧表

まず最初に当サイトが選定したおすすめの調剤薬局向けレセコン4製品を紹介いたします。

製品名 P-CUBE n 調剤くん Pharm-i MAPs for PHARMACY
企業名 株式会社ユニケソフトウェアリサーチ 株式会社ネグジット総研 アイテック阪急阪神株式会社 株式会社EMシステムズ
初期費用・導入費用 要問合せ 要問合せ 要問合せ
  • 初期ライセンス費用0円
  • サービス提供費・必要分のみ購入
基本月額 要問合せ 要問合せ 要問合せ
  • 20,000円/1接続
  • 追加1接続あたり5,000円
運用形態 オンプレミス型 オンプレミス型 オンプレミス型 クラウド型
電子薬歴機能の有無
NSIPS®対応
サポート体制 LINEによる服薬フォロー支援サービスあり 電話、リモートアクセスサービス(オプション) 電話、リモートサポート 要問合せ
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目次

おすすめ調剤薬局レセコン11選

ここでは、おすすめ調剤薬局レセコン11選を紹介します。それぞれ特徴が異なるので、比較しながら導入を検討してみてください。

P-CUBE n|株式会社ユニケソフトウェアリサーチ

株式会社ユニケソフトウェアリサーチ

出典:株式会社ユニケソフトウェアリサーチ https://www.unike.co.jp/product/pharmacy/p-cuben/

P-CUBE nには、頭書き情報から薬歴入力への連携機能が搭載されています。 これにより、入力作業の負担軽減が可能です。 服薬指導で活用する指導ガイダンスのデータが標準搭載されており、 処方内容や生活習慣などに合わせて指導文の表示を絞り込める機能が備わっています。

服薬期間の継続的なフォローアップを支援するサービスのフォロナビ®が標準搭載されているため、LINEを活用して効果的なフォローアップが可能です。LINE でのやり取りは電子薬歴に連携できます。

株式会社ユニケソフトウェアリサーチの比較ポイント

  • 頭書き情報から薬歴入力への連携機能を搭載
  • 指導ガイダンスのデータが標準搭載
  • フォローアップを支援するフォロナビ®が標準搭載

製品情報

初期費用・導入費用 要問合せ
基本月額 要問合せ
運用形態 オンプレミス型
電子薬歴機能の有無
NSIPS®対応 対応
サポート体制 コールセンター(365日対応)、リモート対応ほか

調剤くん|株式会社ネグジット総研

株式会社ネグジット総研

出典:株式会社ネグジット総研 https://v7.chouzai-sys.com/

調剤くんはオプション機能が豊富で、必要に応じて音声入力機能や在宅訪問機能などを追加することが可能です。導入前後のサポートが充実しており、導入前の操作説明・導入時の立会い・請求業務の立会い・アフターフォローまで一貫してサポートしてもらえます。

また、機能追加やプログラムのバージョンアップの際はオンライン上で簡単にアップデート可能です。

株式会社ネグジット総研の比較ポイント

  • オプション機能が豊富
  • 導入前後のサポートが充実
  • オンライン上で簡単にアップデート可能

製品情報

初期費用・導入費用 要問合せ
基本月額 要問合せ
運用形態 オンプレミス型
電子薬歴機能の有無
NSIPS®対応 対応
サポート体制 電話、リモートアクセスサービス(オプション)

Pharm-i|アイテック阪急阪神株式会社

アイテック阪急阪神株式会社

出典:アイテック阪急阪神株式会社 https://pharm-i.jp/

Pharm-iは比較的安価に導入が可能なソフトとなっています。個人経営で多店舗展開していない薬局でも使いやすい価格帯と機能となっています。Pharm-i+では電子薬歴機能も搭載しており、電子薬歴を使いより業務を効率化させていきたい方にもおすすめとなっています。

導入後のサポート対応も充実しており、カスタマーセンターの電話対応サポートが手厚く丁寧に対応してもらうことができます。

アイテック阪急阪神株式会社の比較ポイント

  • 充実したサポート体制
  • ハード、接続機器を自分で選ぶことも可能
  • シンプルな画面構成になっていて使いやすい

製品情報

初期費用・導入費用 要問合せ
基本月額 要問合せ
運用形態 オンプレミス型
電子薬歴機能の有無
NSIPS®対応 対応
サポート体制 電話、リモートサポート

MAPs for PHARMACY|株式会社EMシステムズ

株式会社EMシステムズ

出典:株式会社EMシステムズ https://emsystems.co.jp/maps_series/for_pharmacy/index.html

MAPs for PHARMACYは、クラウド型の調剤薬局向けレセコン・ 電子薬歴一体型システムです。 AI機能が搭載されており、処方箋情報や患者情報から病名を推論し画面上へ表示させます。

クラウド型なのでパソコンやタブレットなどで利用でき、外出先でも問題なく使うことが可能です。 30日間無料で使える体験版があるので、気になる場合は一度問い合わせてみるといいでしょう。

株式会社EMシステムズの比較ポイント

  • AI機能搭載
  • クラウド型なのでパソコンやタブレットなどで利用可能
  • 30日間無料体験版あり

製品情報

初期費用・導入費用 初期ライセンス費用0円
初期ハード機材費・ 薬局側で調達可能
サービス提供費・必要分のみ購入
基本月額 20,000円/1接続
追加1接続あたり5,000円
運用形態 クラウド型
電子薬歴機能の有無
NSIPS®対応 対応
サポート体制 要問合せ

ファーミー|株式会社モイネットシステム

株式会社モイネットシステム

出典:株式会社モイネットシステム https://www.moinetsystem.com/

ファーミーは全国47都道府県で導入されており、ユーザー数は1500件以上です。 導入費用はソフトとハードウェアの組み合わせによって変動しますが、月額利用料金はかかりません。そのため、ランニングコストを抑えたい方にはおすすめです。

電子薬歴や処方箋のQRコード読み込み機能など、調剤薬局での業務に必要な機能はすべて標準搭載されています。 プログラムがバージョンアップされた際は、インターネット上でダウンロードできるので常に最新バージョンを使用可能です。

株式会社モイネットシステムの比較ポイント

  • 全国47都道府県で導入されている
  • 調剤薬局での業務に必要な機能はすべて標準搭載
  • 常に最新バージョンを使用可能

製品情報

初期費用・導入費用 913,000円(税込)+ハードウェア代
基本月額 0円
運用形態 オンプレミス型
電子薬歴機能の有無
NSIPS®対応 対応
サポート体制 遠隔サポート

Pharma-SEED EX|富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社

出典:富士フイルム株式会社 https://www.fujifilm.com/jp/ja/healthcare/emr/pharmacy-solution/pharma-seed-ex

Pharma-SEED EXは、クラウド型のレセコン一体型電子薬歴システムです。 受付から調剤、服薬指導・会計までを効率的に行える機能が備わっています。クラウド型なので、スマートフォンやタブレットから薬歴情報にアクセスすることが可能です。

一包化監査支援システム「 PROOFIT 1D Ⅱ」と連携させれば、煩雑になりがちな一包化された薬剤を種類や数量を自動判定し監査業務を効率化できます。

富士フイルム株式会社の比較ポイント

  • 受付から調剤、服薬指導・会計までを効率的に行える
  • スマートフォンやタブレットから薬歴情報にアクセス可能
  • 一包化監査支援システム「 PROOFIT 1D Ⅱ」と連携可能

製品情報

初期費用・導入費用 要問合せ
基本月額 要問合せ
運用形態 オンプレミス型(レセコン一体型)、クラウド型いずれも対応
電子薬歴機能の有無 あり
NSIPS®対応 対応
サポート体制 要問合せ

調剤Melphin/DUO|三菱電機ITソリューションズ株式会社

三菱電機ITソリューションズ株式会社

出典:三菱電機ITソリューションズ株式会社 https://www.mdsol.co.jp/melphin/products/melphin-duo.html

調剤Melphin/DUOは前の画面に対応しており、処方入力がしやすいです。投与量や禁忌チェックもマトリックス表で一目で確認できます。また、患者に合わせた薬局オリジナルレイアウトの薬袋発行が可能です。

三菱電機ITソリューションズ株式会社が提供している、クラウド版電子薬歴サービスや投薬監査システムと連携させれば、さらに業務効率を向上させることができます。

三菱電機ITソリューションズ株式会社の比較ポイント

  • ワイド画面対応で使いやすい処方入力
  • 投与量や禁忌チェックも一目で確認
  • 薬局オリジナルレイアウトの薬袋発行が可能

製品情報

初期費用・導入費用 要問合せ
基本月額 要問合せ
運用形態 要問合せ
電子薬歴機能の有無 要問合せ
NSIPS®対応 対応
サポート体制 薬局専任のスタッフによるサポート

PharnesV-MX|ウィーメックス株式会社

ウィーメックス株式会社

出典:ウィーメックス株式会社 https://www.phchd.com/jp/medicom/pharmacies/pharnes5mx

ウィーメックス株式会社が提供しているPharnesV-MXは、患者の薬歴が一画面で確認でき、過去4回分の処方を表示可能です。 選択メニューに長期投薬患者の来局予測が表示されるため、医薬品の在庫確認に活用できます。

処方箋などをスキャンして、画像を患者登録画面や処方箋入力画面に表示させることが可能です。また、オプションの2次元コード認識機能を利用すれば、処方箋のスキャンと同時に2次元コードデータを自動転記できます。

ウィーメックス株式会社の比較ポイント

  • 患者の薬歴が一画面で確認できる
  • 長期投薬患者の来局予測が表示されるため在庫確認に活用可能
  • 処方箋のスキャンと同時に2次元コードデータを自動転記可能

製品情報

初期費用・導入費用 要問合せ
基本月額 要問合せ
運用形態 オンプレミス型
電子薬歴機能の有無
NSIPS®対応 対応
サポート体制 遠隔サポート

GENNAI just(ゲンナイジャスト)|株式会社ズー

株式会社ズー

出典:株式会社ズー https://dx.emedical.ne.jp/products/rececom/

GENNAI justは、処方入力・ 電子薬歴・在庫管理機能が一体化されている薬局向け調剤レセコンです。処方入力画面は大きくて見やすく、患者の薬歴情報だけではなく医薬品の在庫数まで一目で確認できます。

薬歴入力画面はナビモードが搭載されており、服薬指導の流れに合わせた薬歴入力が可能です。 在庫管理では薬剤をバラ・分包別に管理することができ、薬局内の在庫状況は処方入力と連動しているためリアルタイムで更新されます

株式会社ズーの比較ポイント

  • 処方入力画面が大きくて見やすい
  • 服薬指導の流れに合わせた薬歴入力が可能
  • 在庫管理では薬剤をバラ・分包別に管理できる

製品情報

初期費用・導入費用 要問合せ
基本月額 要問合せ
運用形態 クラウド
電子薬歴機能の有無
NSIPS®対応 対応
サポート体制 電話、リモートサポート

サキレセ!|株式会社グッドサイクルシステム

株式会社グッドサイクルシステム

出典:株式会社グッドサイクルシステム https://goodcycle.net/service-list/sakirese/

サキレセ!は直感的な操作ができ、入力支援機能が付いているので、新人スタッフでも安心して使用可能です。 患者から評判のいい写真付き薬袋薬情や、薬情型手帳印刷機能が標準装備されています。

未収金管理機能もついているため、前回の未収金を確認しながら清算が可能です。また、後発医薬品の使用促進をサポートする機能も付いています。

株式会社グッドサイクルシステムの比較ポイント

  • 入力支援機能付き
  • 写真付き薬袋薬情・薬情型手帳印刷機能が標準装備
  • 後発医薬品の使用促進をサポート

製品情報

初期費用・導入費用 要問合せ
基本月額 要問合せ
運用形態 クラウド型
電子薬歴機能の有無
NSIPS®対応 対応
サポート体制 電話

Recepty NEXT|株式会社EMシステムズ

株式会社EMシステムズ

出典:株式会社EMシステムズ https://emsystems.co.jp/product/pdf/receptynext.pdf

Recepty NEXTは、レセコンと服薬指導支援機能を完全一体化した調剤レセコンです。 業務フローに合わせて画面レイアウトを柔軟にカスタマイズでき、視認性が高いデザインと直感的な操作で業務を効率化できます。

株式会社EMシステムズが提供しているランシステムNEXTを活用すれば、在宅医療でも使うことができ、報告書の作成や薬歴反映を効率化可能です。

株式会社EMシステムズの比較ポイント

  • レセコンと服薬指導支援機能を完全一体化
  • 画面レイアウトを柔軟にカスタマイズできる
  • ランシステムNEXTを活用すれば在宅医療でも使える

製品情報

初期費用・導入費用 要問合せ
基本月額 要問合せ
運用形態 クラウド
電子薬歴機能の有無
NSIPS®対応 対応
サポート体制 要問合せ

【運用方法別】調剤薬局レセコンと薬歴は一体か別々か

調剤レセコンを選ぶ際、同時に考えておくべきなのが、薬歴(薬剤服用歴)の運用方法です。患者さまの基本情報を記録した薬歴に基づいて、薬剤師が患者様に薬を処方する流れとなっています。調剤報酬請求の根拠ともなっており、薬局において重要な業務です。

ここでは、紙で薬歴を記録する運用は考えず、レセコンに搭載されている薬歴機能をそのまま使うケースと、レセコンと別で薬歴システムを導入するケースに分けて紹介します。それぞれメリット、デメリットがあるので、薬局に向いている運用はどちらなのか検討する材料にしていただければ幸いです。

「クラウドはセキュリティ面が不安」との意見もありますが、近年はセキュリティの技術も格段に進歩しており、セキュリティ観点ではオンプレミス・クラウドどちらを選んでも問題ないでしょう。

電子薬歴システムについては電子薬歴のおすすめメーカー18選|くわしい機能や価格相場まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

レセコンと薬歴一体型のレセコンを導入する(一体型)

まず紹介するのは、レセコンと薬歴が一体になっているケースです。ウィーメックス(PHC)やEMシステムズなど、従来のレセコンメーカーのレセコンを導入すると、この運用になります。オンプレミス型と呼ばれることもあります。

一体型のメリット

  • ・レセコンと別で薬歴システムを購入する必要がなく、価格を抑えられる
  • ・レセコンについている薬歴機能を使うだけなので、迷わなくて良い

一体型のデメリット

  • レセコンがメインの製品であり、薬歴の使いづらさを感じる場合がある
  • 訪問時など、薬局外での薬歴記入ができない

レセコンと別で電子薬歴システムを導入する(分離型)

近年普及しているのが、レセコンとは別で、クラウド型の電子薬歴システムを導入するケースです。電子薬歴の機能だけに特化してサービスを作っているので、薬局の使いやすさを最優先に考えて作られています。

「対物業務から対人業務へ」のシフトが進む薬局業務。クラウド型の電子薬歴を使えば、タブレットを患者様に見せながら薬の説明をし、説明が終わった段階で薬歴の記入完了する運用も実現できます。

分離型のメリット

  • ・薬歴の使いやすさに特化
  • ・薬剤師業務を効率化する機能が充実

分離型のデメリット

  • ・一体型と比べてトータルコストが高くなりがち
  • ・トラブル時の連絡先をレセコンメーカー、薬歴メーカーのどちらにすべきか迷う可能性がある

【施設規模別】調剤薬局レセコンの選び方

薬局レセコンの選び方は、薬局の施設規模によって重視すべき項目が異なります。開業直後、または小規模薬局がレセコンを導入するケースと、複数薬局を運営する法人の本部がレセコンを導入するケースに分けて紹介していきます。

処方箋枚数が少ない薬局(薬局開業時)が調剤レセコンを選ぶポイント

使いやすさ

  • ・処方箋通りに直接入力できるか
  • ・マニュアルなしで入力できるか
  • ・加算の確認が簡単かどうか

請求の正確性

  • ・加算取り漏れ防止機能があるか

スピーディーな操作性

  • ・画面遷移の待ち時間が少ない
  • ・QRコード対応(修正処理の少なさも確認)
  • ・画面遷移の融通が利く

複数薬局を運営する本部が調剤レセコンを選ぶポイント

コストと運用性

  • ・初期コストと月額利用料の合計で比較する
  • ・バージョンアップ時の費用も考慮する(約5年毎の更新頻度、更新費用、代理店購入時の初期コスト)
  • ・ハードウェアの調達方法(薬局手配 vs レセコン会社手配)とトラブル対応
  • ・操作を自社で実施する場合、導入費用を削減できるか

機能性

  • ・レセコン一体型の電子薬歴でも問題ないか
  • ・電子薬歴と連携させる方法(NSIPS以外の連動ができるのか)

運営支援

  • ・BCP対策(事業継続計画)による災害時の安心感

調剤薬局レセコンの価格相場

調剤レセコンの価格は、ほとんどのメーカーで公開されていません。薬局レセコンメーカーとやり取りしている当社の調べでは、端末2台構成(受付、調剤室に1台ずつ)の場合で200万円程度が相場。初期費用とは別で、月額のランニングコスト(保守費用)として15000円が一般的なようです。

今回は一般的な構成として2台構成の事例を紹介しました。実際にメーカーと話す場合は、薬局では何台の端末が必要になるかを把握しておくとスムーズに話を進められるでしょう。

レセコンとは

レセコンとは、レセプト(診療報酬明細書)を作成するソフトウェアです。電子薬歴システムは調剤記録などを管理するものですが、それとは役割が異なります。ここでは、レセコンでできることや、レセコンを使用するために必要な機器について解説していきますので参考にしてください。

調剤レセコンの基礎知識については調剤薬局用レセコンとは?機能や使用するメリットを解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

レセコンの導入でできること

レセコンでは、主にレセプトの作成と請求をすることができます。正確性が求められる業務を迅速に行うことができます。レセプトの作成・請求の他にできることは以下の通りです。

  • お薬手帳や薬剤情報の発行
  • 処方箋の発行
  • 投薬使用量の管理
  • 領収書の発行
  • 窓口会計の計算
  • 入出庫管理

薬局レセコンを使うために必要な機器

レセコンを導入する際、PCやサーバーなど周辺機器の準備も必要です。レセプトコンピューター自体はソフトウェアですが、ソフトウェアだけで動かすことはできないからです。本記事で紹介しているメーカーは、レセコンを使うために必要な全ての機器を手配することができるので、気になったメーカーに問い合わせてみましょう。

レセコンを使うために必要な基本的な機器を紹介していきます。

  • パソコン(PC)
  • モニター(ディスプレイ)
  • サーバー
  • インターネット回線
  • ルーター
  • ハブ
  • 無停電電源装置(UPS)

パソコン(PC)

レセコンを使うためにはパソコンが必要です。オンプレミス型でもクラウド型でも、パソコンなしでレセコンを使うことはできません。Windowsのパソコンで動くレセコンがほとんどで、レセコンを導入する場合、レセコン専用のパソコンを用意することになると理解しておきましょう。

モニター(ディスプレイ)

パソコンで読み込んだ文字、データなどを表示するモニター(ディスプレイ)も必要です。受付に最低1台は必要です。何人の職員がレセコンを見られるようにするかによって必要台数が変わるので、新規導入の際は、自院の導線を考えた上で、何台のモニターが必要かを決めるようにしましょう。

サーバー

データを管理するサーバーも必要です。インターネットや有線LANと接続して、接続したパソコンに様々な機能を提供します。オンプレミス型のレセコンを導入する場合はサーバーの用意が必須ですが、クラウド型のレセコンを導入する場合は自院でサーバーを用意する必要はありません。自院でレセコンを用意せず、メーカーが提供するクラウド上のサーバーにアクセスする運用となります。

インターネット回線

インターネットもレセコンを動かすためには必要です。レセコンは事業所の収入であるレセプト請求業務の元になります。レセコンを動かしている端末から、そのままインターネットでレセプト請求をする運用になるため、インターネット環境は必須です。 セキュリティの観点から、特定のネットワーク下でのみインターネットが使えるような設定になっているケースが多いです。すでに施設内で使っているインターネット回線がある場合も、レセコン用に別の回線を用意する運用となります。

ルーター

ルーターは、PCをインターネット回線に接続する役割を果たします。どのインターネット回線を通すか、という道(ルート)を決めるので、「ルーター」と呼ばれています。

多くの医院や薬局で、すでに使っているインターネット回線があると思います。レセコン用のインターネット回線を用意する場合、元々あるインターネット回線をレセコンにつなぐことはできないので、ルーターが交通整理をしてくれるようなイメージを持つと理解しやすいでしょう。

LANケーブルを使う有線接続と、LANケーブルを使わない無線接続の2種類の使い方があります。

ハブ

ケーブルの接続口を増やす機器がハブです。複数のインターネット回線を引くとなると、それだけ沢山のケーブルが必要になるため、ハブが必要になります。

無停電電源装置(UPS)

忘れられがちですが、レセコン導入時は無停電電源装置(UPS)がついてくるのが一般的です。電子カルテなど他のシステムを導入する際も同様です。

災害などの緊急時にも診療記録を残す必要があるので、バックアップ電源の役割をはたします。必要になるケースはあまり多くないと思いますが、万が一に備えて用意する必要があります。なお、電源につないでいるだけでもバッテリーは減っていくので、定期的に製品を交換することも必要です。

調剤薬局レセコンの選ぶポイント

ここでは、調剤薬局向けレセコンの選び方を5つのポイントに絞って解説していきます。調剤薬局向けレセコンを導入する際は、以下の点に気をつけてください。それぞれ、くわしく解説していきます。

  • 運用形態
  • NSIPS®に対応しているか
  • 操作性
  • 導入や維持にかかる費用
  • サポート体制

運用形態

レセコンの運用形態は、主に以下の3つに分かれています。電子薬歴システムやその他システムと共通する部分もあるので、薬局内の機器を思い浮かべながら見ていたただければと思います。

オンプレミス型

薬局内にサーバーを設置して、 薬局内のネットワークのみで完結する運用形態です。 オンプレミス型のメリットは、レセコンのみの運用となるため、初期費用を抑えられる可能性がある点です。クラウド型レセコンは、多くの場合、電子薬歴とレセコンの一体型での導入になり、初期費用がかさむケースが多いです。

クラウド型

薬局内にサーバーを設置する必要がなく、インターネットを利用してシステムを運用できます。電子薬歴システムとレセコンが一体となっているものが多く、オンプレミス型と比較して初期費用が高くなる傾向があります。薬歴入力に使うパソコン台数が増えれば、クラウド型の方がお得に導入できる可能性もあるので、両者を比較すると良いでしょう。

ハイブリッド型

新しい運用形態で、クラウド型とオンプレミス型のメリットを備えています。 サーバーを設置するオンプレ型の運用でありながら、データをクラウド上に保存できます。災害時などにデータのバックアップが取れないリスクがあるオンプレミス型の短所を克服できる新たな運用として注目されています。

NSIPS®に対応しているか

NSIPS®とは、調剤システム処方IF共有仕様「New Standard Interface of Pharmacy-system Specifications」の略です。レセコンを調剤監査システム、錠剤・散薬自動分包機などの調剤システムと連動させるための共有仕様を指します。

日本薬剤師会がNSIPS®に賛同しているレセコンメーカーを公開しています。導入が進むオンライン資格確認を実施するためにもNSIPS®が必要になるので、この規格に対応したメーカーからレセコンを選ぶようにしましょう。

出典:NSIPS®に賛同いただいているメーカー・機種一覧

NSIPS®についてはNSIPS®とは?対応POSの導入メリットやおすすめ製品を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

操作性

レセコンは日常的に使用するものなので、操作性も重要です。仕様だけでは分かりにくい部分なので、デモで実際の操作感を確認するのがいいでしょう。特に、もっとも重要なレセプト作成がスムーズにできるかどうかを確認するようにしてください。

導入や維持にかかる費用

レセコンを運用する上では、初期導入費用や月額利用料などのコストが発生します。初期費用だけで判断しがちですが、月額や保守費用などを踏まえたトータルコストを算出することで、長期的にはお得に利用することができます。

株式会社モイネットシステムが提供するファーミーは、価格を抑えたい方におすすめです。レセコンソフトとハードウェア(PC本体など)のセットで販売しており、レセコンソフトは715,000円(税込)と公開されています。

サポート体制

操作に関することや、トラブルがあった際のサポート方法については、事前に確認しておきましょう。リモートでの遠隔操作だったり現場での対応が可能だったりと、メーカーによってサポート方法が異なるため、運営する薬局に適したサポートをしてくれるメーカーを選ぶことが重要です。

調剤薬局レセコン導入のメリット

ここでは、調剤薬局向けにレセコン導入のメリットを解説していきます。

  • レセプト作成や事務作業の効率化
  • 返戻リスクを減らせる

レセプト作成や事務作業の効率化

患者情報をはじめとしたさまざまな情報を迅速に記録でき、 会計業務もスムーズに行えるため受付スタッフの業務負担が軽減します。また、レセプト作成が簡略化され、処方箋や領収書の発行なども効率的に行うことが可能です。

返戻リスクを減らせる

レセプト作成を正確に行えるサポート機能や入力ミスのチェック機能によってミスを削減可能です。そのため、提出後の返戻を避けられます。ミスがあると、そのぶん手間がかかるので返戻リスクを抑えられるのは大きなメリットです。

薬局のレセプト業務については調剤薬局のレセプト業務を解説|請求の流れや診療報酬の仕組みまででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

まとめ

調剤薬局において、レセコンの導入は必須です。 数年前までレセコンの普及は進んでいませんでしたが、現在はほとんどの調剤薬局がレセコンを導入しています。

これからレセコンの導入を検討している場合は、今回の記事の内容を参考にしてみてください。どのメーカーのレセコンを選べばいいか迷った際は、紹介したおすすめの調剤薬局向けレセコンのなかから選んでみると良いでしょう。

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セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n33882f74cd71

国立大学を卒業後、新聞記者として4年間勤務。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、レジの導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野はレジ関連(POSレジ、自動精算機)、ナースコール、レセプト代行。

中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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