障がい者支援施設を建築するには?形態別の建築基準や建築基準法まで

更新日 2022.12.28
投稿者:豊田 裕史

障がい者施設の建築において、建築基準法や設備基準などの確認は必須です。障がい者施設と一口に言っても様々な施設形態があるので、それにより建設地域なども変わっていきます。

本記事では、障がい者施設の種類や建築基準法の基礎知識などを解説します。通常の社会福祉施設とは違い、障がい者支援施設の建設可能な場所は限定されているので、新たに建築する際の参考にしてください。

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障がい者支援施設とは?

障がい者支援施設とは、自宅で生活を送ることが困難な方で、介護や援助が必要な障がい者を対象とした入所施設です。障がい者支援施設の運営を行えるのは、国や地方公共団体、社会福祉法人です。

知的障がい者や発達障がい者、身体障がい者など様々な方が対象になっており、

  • 生活介護を受けている障害支援区分が4以上
  • 50歳以上は区分3以上の方
  • 施設に通うことが困難な方

などが定められています。

また、障がい者支援施設は、下記の区分によって分けられているので見ていきましょう。

障がい者総合支援法による区分

障がい者総合支援法による区分では、多くのサービスに分かれています。

具体的なサービス名を一部抜粋すると、下記の通りです。

18歳以上であれば、上記の障がい者総合支援法による区分になり、施設入所やグループホームなどの施設が利用可能です。

出典:厚生労働省|障害福祉サービス等について

児童福祉法による区分

続いて、児童福祉法による区分についても、厚生労働省の「障害福祉サービス等について」を参考に見ていきましょう。

18歳未満の方は、児童福祉法による区分になります。障がいの程度によって施設の利用が可能です。

出典:厚生労働省|障害福祉サービス等について

その他の区分

障害者総合支援法による障害福祉サービスには、「介護給付」と「訓練等給付」に分けることができます。介護の支援を受ける場合は介護給付、訓練などの支援を受ける場合は訓練等給付に位置付けられます。

また、障がいを持つ方が入所する施設には、下記の4種類に分けられるでしょう。

  • 障害者更生施設
  • 障害者授産施設
  • 生活施設
  • 地域利用施設

これらの区分については、障がい者支援施設を建築する上で必要な知識なので、知っておく必要があるでしょう。

障がい者グループホームの設備基準

障がい者グループホームは、事業者が30分程度で移動できる範囲内にある共同生活住居やサテライト型住居からなる施設です。

ここでは、障がい者グループホームを例として、建築の際に考慮すべき設備基準について解説します。

立地場所

障がい者グループホームでは、利用者さんの家族や地域住民との交流の機会を確保することが大切です。

立地場所に関しては、厚生労働省の「障害者の居住支援について」で次のように示されています。

  • 住宅地または住宅地と同程度に利用者の家族や、地域住民との交流の機会が確保される地域にあること
  • 入居施設または病院の敷地外にあること

また、施設の設置に反対する近隣住民の方もいらっしゃるので、近隣住民の理解がなければトラブルにつながる可能性もあります。そのため、説明会を開くなどして近隣住民に理解してもらう配慮も大切といえるでしょう。

出典:障害者の居住支援について

建築基準法

障がい者グループホームは、建築基準法上の用途分類において「寄宿舎」として取り扱われます。そのため、一般的な住宅と比べて厳しい防火・避難関係規定に適合させなければなりません。

また、既存の住宅を障がい者グループホームへ用途変更する場合は、工事を着手する前に「建築確認申請」が必要です。場合によっては申請が不要な場合もあるため、建築士などの専門家に相談してください。

消防法

障がい者グループホームは、消防用設備の厳しい「特定防火対象物」に指定されています。特定防火対象物は、避難が困難な障がい者が入居している施設(6項ロ)とそれ以外の施設(6ハ)に分けられます。避難が困難な障がい者が入居している(6項ロ)に該当する施設は、「スプリンクラーの設置」が必須です。

その他には、下記の消防用設備が必要になります。

  • 消化器
  • 自動火災報知設備
  • 消防機関に通報する火災通報装置

詳しくは、消防署予防課で確認しておきましょう。

設備基準

障がい者グループホーム内には、下記のような設備が必要です。

  • 利用者さんのプライバシーが守られた個室(原則1人部屋)
  • 利用者さんが交流を図るためのリビングや食堂
  • 浴室、トイレ、キッチン

障がい者グループホームの居室の広さは、収納設備などを除いた面積「7.43㎡(4.5畳)以上」と定められています。原則1人部屋ですが、夫婦などサービス提供にあたって必要と認められれば2人でも可能です。

設備などに関する不明点は、契約前に専門家または指定行政庁に問い合わせましょう。

障がい者施設の建築基準法

障がい者支援施設の建築には、物件が建築基準法を満たしている必要があります。

令和元年の法改正で建築基準法を満たしている場合は、使用面積200㎡未満の物件に対して建築確認申請が不要となりました。

床面積が200㎡を超えていれば、工事着手前に用途変更の建築確認申請が必要となり、高額な費用が必要です。

また、既存の建物で建築する場合には、建築基準法に沿っているかがわかる「完了検査済証」があるか確認しましょう。完了検査済証がない限り、工事の着工ができません。完了検査の記録は、物件所在地の「建築確認所管行政庁」で確認することができます。

まとめ

障がい者施設の建築において、建築基準法や設置基準なども理解が必要です。

また、開業にあたっては事業計画の策定や物件選び、申請手続きなど必要な準備や作業があります。

障害者支援施設の運営では、障害者総合支援法や厚生労働省からの解釈通知の内容などを理解しておく必要もあるでしょう。

専門家や行政庁などに確認を取りながら、障害者施設の建築を進めることが大切です。

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中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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