病院内は常に清潔に保たれることが求められており、新型コロナウイルスの影響により、以前にも増して院内環境・感染予防の重要度は増しています。
病院において清掃マニュアルの必要性は高く、清掃する人によって清掃度合いに偏りが出ないようにしなければなりません。
今回の記事では、病院清掃マニュアルについて詳しく解説していきますので、作成する際の参考にしてください。
病院清掃マニュアルとは、院内の清掃におけるルールや手順を示したものです。清掃マニュアルがあることで、全スタッフが共通の認識で清掃を行えます。
院内清掃のルールや手順を明確にしておくことで、院内を常に清潔に保つことが可能です。また、清掃会社に委託した場合でも、 院内の汚れやすい場所などを効率的に伝えることができます。
病院清掃は、主に日常清掃と定期清掃があるので、それぞれのマニュアルを作成しておくようにしましょう。
病院は、一般的なオフィスや小売店などよりも衛生面に配慮しなければなりません。清掃を怠ることで院内にウイルスが蔓延する恐れがあるので、感染予防という意味でも、病院清掃マニュアルの重要性は非常に高いです。
しかし、院内を清潔に保ち続けるためには時間と労力がかかります。院内の広さによっては、病院清掃マニュアルを作成した上で、清掃業者に依頼するのも検討してみるといいでしょう。清掃業者のなかには、病院清掃を専門に行なっている清掃業者もあります。
ここでは、 病院清掃マニュアルのメリットを解説していきます。病院清掃マニュアルのメリットは、主に以下の3点です。
清掃のルールや手順が、全スタッフの共通認識になることで清掃度合いに偏りがなくなり、誰がやっても一定の清掃効果を期待できます。 たとえば、 東京ディズニーリゾートの清掃基準は「赤ちゃんがハイハイできるレベル」です。
テーブル清掃のマニュアルでは、ただ「テーブルをきれいにする」と指示するのではなく「ダスターを使い左から右へ拭く」「天板を拭き終えたら次にテーブルの緑の部分を右回りに1周拭く」などと、手順を具体的に示しています。
この厳しい基準を設けることで、東京ディズニーリゾートは開業30年以上経った今でも店内が清潔に保たれているのです。
病院の構造や状況によって、高頻度接触部位は異なるため、自院の状況に合ったマニュアルが必要です。
清掃箇所や清掃するタイミングも明確化するといいでしょう。 清掃業者に依頼する場合でも、事前にマニュアルを渡しておけば気付きにくい清掃箇所にも対応してもらえます。
新人スタッフの教育の際に、マニュアルがあればそれをもとに説明可能です。マニュアルがあれば、清掃業務のルールや手順をしっかりと把握できるので、教えてもらう側も理解しやすいでしょう。
新人スタッフが入ってくる度に、最初から最後まで口頭で説明するのは非常に労力を要します。清掃マニュアルを作成しておけば、その必要がなく効率的に教育することが可能です。
ここでは、病院清掃マニュアルの作り方を解説します。大規模病院の場合は、各科や職種ごとに構造や扱う機器などが異なるので、それぞれマニュアルがあるといいです。
定期清掃箇所は、主にエアコンなどの清掃に時間がかかる場所です。高い場所は危険が伴うので、基本的に業者に依頼したほうがいいでしょう。
自院のスタッフで行うにしても、高い場所の清掃を行う際は脚立に乗る人と脚立を支える人の2人1組で行う必要があります。
清掃箇所をリストアップしたら、各清掃箇所の清掃方法を細かく記載しましょう。病院清掃では、以下の3つの清掃方法を用います。
待合室や手術室など、清掃箇所によって清掃の重要度合いが異なるので、それぞれをエリア分けして清掃レベルを管理します。
トイレや汚物処理室などは「汚染拡散防止区域」、手術室は「清潔区域」などとして、病院全体の清潔さを保つようにしましょう。
病院清掃を行うにあたっては、各清掃箇所で使用する清掃道具を変えるようにしましょう。たとえば、トイレで使用したモップを食道や病室で使ってしまうと、汚染されてしまう危険性があります。
清掃用具を色分けすることで、 各清掃用具の使用場所が明確になるので他のエリアへの汚染を防ぐことが可能です。
拭き清掃は、一方向拭きが基本です。モップやダスターで往復して拭いてしまうと、 一度拭き取った汚染物や細菌が再度付着してしまいます。
見た限り綺麗になっていたとしても、除菌にはなっていません。往復して拭くのは、感染リスクが高まってしまうので気を付けましょう。
各清掃用具の使用方法と管理方法も明確にしておくようにしましょう。きれいに洗ったからといって、トイレで使用した雑巾を他の清掃箇所で使用するのはよくありません。トイレはトイレ専用、食堂は食堂専用の雑巾を使うようにします。
また、清掃終了時は必ず、清掃用具を綺麗に洗って消毒しなければなりません。 これを怠ってしまうと清掃用具に汚れが残った状態になり、次回清掃時に前回の汚れを広げてしまうことになります。
保管する際は床への直置きを避け、風通しの良い所に保管しましょう。
血液や体液などによる汚染の際は、すみやかに清掃し汚染除去を行わなければなりません。 しっかりと防護具を装着し、ディスポーザブルの吸収材で清掃しましょう。
その後、消毒液で湿らせた布かペーパータオルで拭き取ります。
病院内は、 常に清潔であることが求められています。病院内を清潔に保つ上では、病院清掃マニュアルが欠かせません。マニュアルがあることで、一定の水準を満たした清掃効果が期待できます。
病院清掃マニュアルの作成を検討している方は、今回の記事の内容を参考にしてみてください。