内装工事の耐用年数はどのくらい?会計処理の注意や自社物件と賃貸の違いまで

更新日 2023.06.30
投稿者:横山 洋介

設備工事には法律で定められた耐用年数に応じて資産計上が可能です。特に、内装工事費はすべてまとめて資産計上するわけではなく、建物と同様に資産として計上できる場合とそうでない場合があります。

本記事では、内装工事の耐用年数について解説していきます。会計処理を行う際の注意点や物件の種類による違いも記載していますので、参考にしてみてください。

耐用年数とは?

耐用年数と似た言葉に、耐久年数というものがあります。耐久年数は、物品を製造したメーカーが、耐久年数の範囲内では安全に利用できると独自に判断した年数のことです。

一方で、今回解説していく耐用年数とは、法律で定められている、対象資産の一般的な使用期間のことを指します。資産計上の時、減価償却資産は利用している間にどんどんその価値が失われていきます。対象資産の利用を開始した日から起算し、耐用年数の終了日まで、毎年少しずつ経費として計上していくのです。

内装工事の中でも建物と一体のもの(クロスや床、壁紙など)は建物の耐用年数に応じて固定資産として会計処理します。賃貸物件から退去するときの原状回復工事は、修繕費で処理することに注意しましょう。

出典:内装工事の耐用年数と減価償却の注意点【賃貸/自社物件】 | 株式会社JLA

耐用年数と減価償却の関係

減価償却は、対象資産について国が定めた法定耐用年数にしたがって行います。耐用年数はあくまで一般的に使用できる年数として定められており、各メーカーが製品に対して独自に設定する耐久年数とは異なります。

財務省令の別表「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」では、各償却資産の耐用年数が定められています。内装工事の費用を減価償却する場合、内装の種類から耐用年数を判断し、複数年にわたって経費を計上していきます。

内装工事における耐用年数と勘定科目

内装工事における耐用年数と勘定科目は以下のとおりです。

構造・用途 細目 耐用年数 勘定科目
鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造のもの 事務所用 50年 建物
飲食店用
(木造内装部分面積3割超)
34年
店舗用
(木造内装部分面積3割超)
39年
れんが造、石造又はブロック造のもの 事務所用 41年
飲食店・店舗用 39年
金属造のもの(骨格材の肉厚が4ミリメートル超) 事務所用 38年
店舗用 34年
飲食店用 31年
金属造のもの(骨格材の肉厚が3ミリメートル超4ミリメートル以下) 事務所用 30年
店舗用 27年
飲食店用 25年
金属造のもの(骨格材の肉厚が3ミリメートル以下) 事務所用 22年
店舗用 19年
飲食店用 19年
木造又は合成樹脂造のもの 事務所用 24年
店舗用 22年
飲食店用 20年
木造モルタル造 事務所用 22年
店舗用 20年
飲食店用 19年
アーケード又は日よけ設備 主として金属製のもの 15年 建物付属設備
その他のもの 8年
冷房、暖房、通風又はボイラー設備 冷暖房設備(冷凍機の出力が22キロワット以下のもの) 13年
給排水又は衛生設備及びガス設備 15年
店用簡易装備 3年

出典:減価償却資産の耐用年数等に関する省令 | e-Gov法令検索

内装工事に関わる勘定科目

ここからは、内装工事に特に関係する勘定科目について解説していきます。建物として計上する場合と、建物付属設備として計上する場合の2種類があります。

建物

まずは建物として計上する場合です。勘定科目を建物で考えるのは、壁や床の内装工事など建物と一体になっているケースです。

例えば、木造飲食店の壁を内装工事する場合、耐用年数は22年となります。建物の用途によって耐用年数も変わるので注意しましょう。

建物付属設備

次に、建物付属設備として計上する場合です。上の表に記載してある通り、建物と一体のように見える設備でも、電気設備(照明設備など)、給排水設備、ガス設備、冷暖房設備などは建物付属設備として計上します。

その他にも、陳列棚やカウンターなどの店用簡易装備や可動式のパーテーションなどもこちらに該当します。

自社物件と賃貸物件による耐用年数の違い

自社物件と賃貸物件では耐用年数が異なります。内装工事の中でも「建物付属設備」に分類された科目以外の内部造作( 建物の床・天井など)は建物の耐用年数に応じて減価償却します。それぞれの場合について確認していきましょう。

自社物件の内装工事

自社物件の場合は、建物の耐用年数に応じて減価償却しますが、対象の建物が新築か、中古かによっても異なります。

新築の場合、建物の種類から法定耐用年数をチェックし、耐用年数を判断します。木造又は合成樹脂造の飲食店で床の内装工事をした場合、耐用年数は20年です。

中古物件の場合、使用可能期間から耐用年数を算出します。使用可能期間(耐用年数)は、(法定耐用年数 – 経過年数)+(経過年数 × 20%)で計算します。

詳細な計算方法は国税庁のホームページを確認してみてください。

出典:No.5404 中古資産の耐用年数|国税庁 (nta.go.jp)

賃貸物件の内装工事

賃貸物件の場合は、「内装工事をおこなった建物の耐用年数や種類・用途・使用材質等を考慮して合理的に耐用年数を見積もる」という方針が示されています。
合理的であれば問題なく、一般的には10〜15年です。

以下の条件を全て満たしていれば、賃貸期間を耐用年数として考えることができます。

  • 賃借期間の定めがある
  • 賃借期間の更新ができない
  • 有益費の請求または買取請求をすることができない

冷暖房設置のように建物付属設備にあたる内装工事は、各法定年数を用います。

出典:国税庁 No.5406 他人の建物に対する造作の耐用年数

減価償却で注意すべきポイント

内装工事における減価償却には、工事の種類によって気を付けるべきポイントがあります。以下では、改修工事と原状回復工事について解説していきます。

改修工事の扱い

改修工事とは、建物の外観・内観をきれいにしたり使いやすくしたりすることで、当初よりも資産の価値を向上させる工事のことです。

工事の内容によって、建物の工事費用を資産に計上できる場合と、必要経費に計上できる場合に分かれます。それぞれ、資本的支出にあたる場合は固定資産に計上し、修繕費に当たる場合は必要経費として費用計上します。詳しい定義については国税庁のHPで解説を確認してください。

どちらか判断がつかない場合、下記に当てはまれば必要経費として計上できます。

  • 対象金額が60万円に満たない場合
  • 固定資産の前期末における取得価額の約10%以下である場合

出典:第8節 資本的支出と修繕費|国税庁 (nta.go.jp)

原状回復工事の扱い

原状回復工事とは、建物を借り始めたときの当初の状態に戻すための工事のことです。

国税庁の定義によれば、「維持管理や、き損した状態を回復する要した工事」、つまり原状回復工事は修繕費にあたります。

必要経費として計上するには、明確に「原状回復工事」であることを明確にしておかないと資産計上しなければいけない場合があるので注意しましょう。

まとめ

本記事では、内装工事の耐用年数について紹介しました。内装工事の内容によって、建物または建物付属設備として資産計上し、減価償却を行っていくことができます。

自社物件か、賃貸物件かの違いや、新築か中古化によっても耐用年数が異なりますので、それぞれのパターンに応じた耐用年数を確認して会計処理を行っていきましょう。

内装業者の選び方については内装業者の選び方|失敗しない方法、内装工事の基礎知識を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。


セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n33882f74cd71

国立大学を卒業後、新聞記者として4年間勤務。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、レジの導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野はレジ関連(POSレジ、自動精算機)、ナースコール、レセプト代行。


フリーランスWEBライター
URL:https://twitter.com/kakeru5152

元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。

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