「どの内視鏡洗浄機を選んだらよいか分からない…」
「内視鏡洗浄装置の価格を知りたい」
「おすすめの内視鏡洗浄機が知りたい」
内視鏡洗浄装置を導入を検討されている方は、このような思いを抱いてはいないでしょうか。この記事では各社から販売されている、内視鏡洗浄装置の機能や特徴を比較しております。どの内視鏡洗浄装置を選んだらいいかお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
内視鏡洗浄機を比較する際の選定ポイントは以下の3つです。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
内視鏡洗浄機を選ぶ上で、製品の機能や性能の高さは重視したいポイントです。以下の2点は特に注目してみてください。
洗浄時間がどれくらいかかるのかをチェックするとよいでしょう。日本消化器内視鏡学会が発表しているガイドライン(※1)の通りに手作業で洗浄した場合、全工程で30分以上かかります。一方、内視鏡洗浄機の場合は約15分で洗浄が完了するモデルがほとんどです。
上部消化管内視鏡だけを洗浄するモードや大腸用内視鏡だけを洗浄するモードなど、洗浄する器具によっては10分もかからずに洗浄完了するモデルもあります。普段使用している内視鏡器具と照らし合わせて、ぴったりな洗浄モードが搭載されているモデルを選ぶのが望ましいでしょう。
出典:※1 日本消化器内視鏡学会 『消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドライン』
洗浄機の中に内視鏡を入れる際、セットしやすい構造のモデルを選ぶのがおすすめです。内視鏡をセットするのにコツが必要だったり、決まった巻き方があったりすると、せっかく内視鏡洗浄機を導入しても使いづらさが勝ってしまいます。
内視鏡を洗浄機内のラックに引っ掛けるだけだったり、洗浄槽内に置くだけだったりと、誰も簡単にセットできるようなタイプがよいでしょう。結果的に内視鏡への負担も少なく、洗浄中の破損防止にも効果的です。
内視鏡洗浄洗浄装置を選ぶ際によく確認して頂きたいのが、洗浄・消毒時に使用する洗浄材や消毒薬の種類です。種類によって洗浄効果や特徴が異なってきます。また日々使用する機器になりますので、ランニングコストも各社差が生じてきます。「消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドライン」によると機器を用いた洗浄消毒について下記のように記されています。
世界の標準では内視鏡検査施行時の洗浄・消毒は高水準消毒が推奨されている。そのためには,ベッドサイド洗浄・用手洗浄時の酵素系洗剤の使用,自動洗浄における高水準消毒薬として過酢酸消毒薬もしくはフタラールかグルタラールが必要である。酵素系洗剤の定価は 10,500 円,機器内で使用するアルカリ洗浄剤は 2,500 円,過酢酸消毒剤は 13,000 円(それぞれ消費税別)であり,約 30 件の洗浄・消毒が可能とすると内視鏡検査 1 回(1 本)当たり約 900 円となる。フタラール,グルタラール洗浄でも同等の費用が必要である。
上記で挙げている消毒薬の種類以外には、酸性電解水による消毒を採用しているメーカーもあります。高水準消毒と比較してランニングコストを抑えられるというメリットがあります。一方で日本独自の基準によって使用されているという点も良く理解した上で製品を選ぶようにしましょう。
内視鏡洗浄機が設置したいスペースに収まるかは導入前に確認しておかなければなりません。外形寸法に加えて、洗浄機の扉を開閉することや給排水のホースが伸びることなども考慮し、ある程度余裕を持ったスペースを確保する必要があります。
ここまで、内視鏡洗浄機を比較する際の選定ポイントについてお伝えしました。上記で挙げたポイントをふまえ、次項ではおすすめの内視鏡洗浄機7選を紹介していきます。
本項では、おすすめの内視鏡洗浄機7選を紹介します。
今回紹介する内視鏡洗浄機は以下の通りです。
では早速みていきましょう。
洗剤洗浄から送気までの全工程をたった15分で完了します。専用のアルカリ洗剤で有機物を除去した後に強酸性電解水で消毒を行います。消毒レベルを検知するスペックモニタリング機能が搭載されており、消毒の異常を見逃しません。
万が一消毒レベルの未達などが確認された場合、対処法が表示されるため安心です。洗浄槽が広く、トップカバーも大きく開閉できるため、誰でも内視鏡のセットや取り出しを容易に行えます。消耗品の交換も簡単にできる設計になっており、属人化の解消や作業性の向上を図れるでしょう。
CLEANTO KD-1の比較ポイント
製品情報
洗浄時間(全工程) | 洗浄剤有り:15分 洗浄剤無し:10分 |
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消毒液の種類 | 酸性 |
外形寸法(mm) | W480×D865×H1066 |
1台で上部用内視鏡と大腸用内視鏡の両方の洗浄に対応しています。自動ブラッシングシステムを搭載しており、チャンネル内に付着した汚れを確実にこすり落とすことが可能です。上部モードの場合、洗浄時間はたった6分しかかかりません。内視鏡は洗浄槽内のラックに引っ掛けるだけのため、時間短縮とともに労力削減を実現します。
電解水生成装置が内蔵されている同機では、洗浄には強アルカリ性電解水、消毒には強酸性電解水を使用します。消毒薬を使用しないため、ばく露防止とコスト削減が可能です。
鏡内侍ⅡG(かがみないし つーじー)の比較ポイント
製品情報
洗浄時間(全工程) | 上部モード:6分 下部モード:9分 |
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消毒液の種類 | 強酸性電解水 |
外形寸法(mm) | W480×D600×H1485 |
消毒薬には5分間の浸漬で高水準消毒が可能な過酢酸製剤「エスサイド消毒液6%」を使用しましす。過酢酸はアルデヒド基を含まないため、汚れ(有機物)の固着による残留がありません。同機は手で触れなくても操作できるよう、フットペダルやフットスイッチを装備しています。手で触れるスイッチ類はメインパネルにすべて集約されており、感染予防に配慮したゾーン別設計です。
洗浄中の工程はLEDの色や点灯具合で確認できます。都度どの工程まで進んだのかを離れた場所からでも視認できるため便利です。
ENDOSTREAMの比較ポイント
製品情報
洗浄時間(全工程) | 約16分/1本、約18分/2本(漏水検知、アルコールフラッシュ除く) |
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消毒液の種類 | エスサイド消毒液6%(過酢酸) |
外形寸法(mm) | W547×D776×H917 |
専用の工具が必要だった水フィルターの交換作業がワンタッチで完結。また、屈んで行わなければならなかった消毒薬の濃度チェックが立ったままで行えます。従来の煩雑な作業が簡潔になり、作業負担の低減に効果的です。消毒薬のカセットボトルの交換が、たったのワンステップで完了します。スムーズに本体機内に押し込める仕様になっているため、ボトルをわざわざ持ち上げる必要がありません。
同機にはポータブルメモリーポートが搭載されているため、より安心・安全なリプロセスの履歴管理が可能です。
OER-6の比較ポイント
製品情報
洗浄時間(全工程) | 1〜10分で設定可能(消毒時間は5分または10分) |
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消毒液の種類 | アセサイド6%消毒液(過酢酸) |
外形寸法(mm) | W450×D788×H955 |
同機は泌尿器・気管支・鼻咽喉で使用する内視鏡専用の洗浄機です。用手による一次洗浄後、特許を取得した液体波動洗浄で短時間で洗浄消毒が完了します。鉗子付ファイバーのチャンネル内の同時洗浄も対応が可能です。
洗浄槽へは内視鏡の有効軟性部が重ならずに入れられます。その結果、短時間で効率的に全体を洗浄できる上、約5リットルの節水仕様です。
洗浄に使用する洗剤はワンタッチで規定量を注入できるため、都度計量する必要がありません。アルコールフラッシュ用のアルコールは専用口から簡単に注入でき、作業の手間が省けます。
ESPAL-Ⅴの比較ポイント
製品情報
洗浄時間(全工程) | 約6分 |
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消毒液の種類 | 専用消毒液セクリン(二酸化塩素) |
外形寸法(mm) | W330×D650×H1150 |
鼻咽喉科専用の同機は給排水不要のタンク式内視鏡洗浄機です。100Vのコンセントさえあれば場所を選ばず設置できます。キャスター付きのため移動も可能です。気泡洗浄で管内壁面全体だけでなく、鉗子付ファイバーのチャンネル内もくまなく洗浄・消毒を行います。残留もなく人体への被害もない二酸化塩素を使用しており、短時間で滅菌レベルの消毒に効果的です。
内視鏡の有効軟性部を伸ばした状態で洗浄槽に収納できる構造のため、効率よく洗浄・消毒が可能です。必要水量はたったの1リットルで、高い節水効果が見込めます。
ESPAL-bの比較ポイント
製品情報
洗浄時間(全工程) | 約5分 |
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消毒液の種類 | 専用消毒液セクリン(二酸化塩素) |
外形寸法(mm) | W390×D330×H900 |
卓上でも使用可能な鼻咽喉科専用の内視鏡洗浄機である同機は、広いスペースが確保できなくても設置できます。標準タイプとロングタイプの2種類展開しています。
内蔵の加温槽で約30℃まで加温でき、水温が低い冬場でも洗浄効果が下がることはありません。チャンネル細管内は気泡洗浄で強力洗浄と消毒を行います。洗浄時は管内壁面全体に剥離作用を与え、消毒時は微細部まで消毒剤が行き渡るため、効率的に確実な洗浄・消毒が完了します。操作部も洗浄可能で、衛生面の向上を図れるでしょう。
ESPAL+の比較ポイント
製品情報
洗浄時間(全工程) | 約5分 |
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消毒液の種類 | 専用消毒液セクリン(二酸化塩素) |
外形寸法(mm) | 標準タイプ:W300×D290×H720 ロングタイプ:W300×D290×H790 |
本項では、内視鏡洗浄装置の導入前に知っておきたい基礎知識をお伝えしていきます。
内視鏡洗浄装置とは、検査や手術に使用した内視鏡を自動洗浄・消毒する医療機器のことです。内視鏡には血液や分泌物などが付着するため、入念に洗浄・消毒を行わなければなりません。もし洗い残しがあった場合、交差感染や誤診のリスクが高まり非常に危険だからです。なおガイドラインに沿って洗浄・消毒を行った場合、手作業で少なくとも30分はかかってしまいます。
内視鏡洗浄装置の場合、1稼働あたり5〜15分程度で洗浄・消毒の全工程が完了するため、大幅な時間短縮が可能です。それに伴い、洗浄・消毒の業務負担軽減が見込めます。ほかにも内視鏡洗浄装置の導入メリットはざまざまありますので、次項でお話していきましょう。
内視鏡洗浄装置を導入することで得られるメリットは以下の通りです。
内視鏡の洗浄・消毒を手作業で行った場合、全工程で30分はかかると言われています。ですが洗浄・消毒業務を内視鏡洗浄装置に任せられれば、数分から十数分で作業を終えることが可能です。
洗浄・消毒業務にかかる労力も減り、ほかの業務に当てられる時間も増えるでしょう。またシンク内で手作業で洗浄する場合、飛沫による感染が不安です。内視鏡洗浄装置は洗浄と消毒が洗浄槽内で完結するため、交差感染のリスク低減を図れます。
また手洗いの場合、作業中は水を流し続けることがほとんどですが、内視鏡洗浄装置を利用すれば少ない量の水で洗浄することができます。このように内視鏡洗浄装置はメリットが多く、非常に利便性の高い医療機器と言えるでしょう。
内視鏡洗浄装置の導入価格の相場は100万円〜200万円程度です。電源を取るための動力工事や、給排水を確保するための設備工事が必要な場合は、さらに費用がかかります。上記のような工事の有無で導入費用は大きく変わるため、導入前の確認は慎重に行うようにしてください。なお、内視鏡洗浄装置にかかるランニングコストはメーカーやモデル、使用頻度によってさまざまです。ランニングコストに差が生じる要因は、消毒剤や洗浄剤などの消耗費によるところが大きいです。
本記事では「おすすめの内視鏡洗浄機7選」をご紹介しました。内視鏡洗浄機を利用することで、内視鏡の洗浄・消毒に伴う作業時間の短縮、業務負担の軽減、感染や誤診リスク低減など、メリットがたくさんあります。内視鏡洗浄機はメーカーやモデルによって特長はさまざまです。内視鏡洗浄機を導入する際は、ぜひ今回紹介した内容を元に比較検討してみてください。