屋根の葺き替え工事費用はどれくらい？費用を安く抑える方法も解説

屋根の葺き替え工事の価格相場

屋根の葺き替え工事の相場は一戸建て住宅の場合、だいたい70万円～250万円程度です。

新しく設置する屋根、および取り換える屋根の素材や材料によって価格が変動します。

特に、取り換える屋根が古いスレート材でアスベストを含んでいる場合、別途アスベストの処理費用が必要です。

屋根の葺き替え工事の費用内訳

葺き替え工事にかかる費用には、屋根本体の値段以外にも様々な金額が含まれます。
主に下記のような工程に費用がかかり、屋根の大きさなど状況によって金額が上下します。

・屋根の撤去作業
屋根を葺き替えるにはもともと設置されていた屋根を撤去する必要があります。

・下地の補修
新しい屋根を設置する際には、下地の補修をする必要があります。
下地の補修をすることで、サビにくく、はがれにくい、長持ちする屋根になります。 また雨漏りを防ぐことにもつながります。

・葺き替え
上述したように、葺き替え工事は屋根の材質によって値段が変化します。
一般的には瓦屋根が最も高額になるケースが多く、スレート材が安い傾向にあります。

・足場設置
屋根は高所にあるため、取り換え作業をおこなうためには足場が必須です。
足場を組む面積によって、必要になる金額が変化します。

・アスベスト処理
アスベストは発がん性物質に分類されている素材で、現在は仕様が禁止されています。
古い屋根材にはこのアスベストが含まれている場合があり、これを処理するためには費用がかかります。

以下の表はそれぞれの工程にかかる金額の一例です。

屋根の葺き替え工事にかかる期間はどれくらい？

屋根の葺き替えに必要な工事期間はだいたい2～3週間程度になることが多いです。
ただし、状況によって日数が大きく変化します。

例えば屋根の面積や勾配、劣化状況などによって必要な日数は変ってきますし、瓦屋根の場合は他の材質の屋根よりも工期が長くなる傾向があります。

さらに、工期の長さは天候によっても左右されます。
雨天や猛暑日の工事は難しい場合があるため、時期によっては通常よりも工期が長くなる可能性が考えられます。

屋根の種類と耐用年数

屋根の材質によって耐用年数は異なります。
以下の表に材質ごとの耐用年数の目安をまとめました。
ただし、周囲の環境やメンテナンスを行う頻度によっても年数が変化するため注意が必要です。

屋根の葺き替え工事が向く場合と、向かない場合

屋根を修理したい場合、屋根の葺き替え工事を行ったほうが良い場合と、そうでない場合があります。
それぞれの状況について詳しく見ていきましょう。

屋根の葺き替え工事が向く場合

屋根の葺き替え工事が向く場合は主に以下のような状況が考えられます。

• 屋根の劣化が著しい場合
• 下地の劣化が深刻な場合
• 瓦屋根の場合
• カバー工法によって屋根を重くしたくない場合

屋根の葺き替え工事は屋根全体を取り替える工事です。
そのため、屋根や下地の劣化が著しく、補修では不十分な場合は葺き替え工事が向いています。

また瓦屋根の場合は、上から新しい屋根を被せて補修するカバー工法を施工するのが難しいといわれており、葺き替え工事が向くケースが多いです。

屋根の葺き替え工事が向かない場合

屋根の葺き替え工事が向かない場合は以下のような状況が考えられます。

• 屋根の劣化が軽微な場合
• 工事費用を安く済ませたい場合
• 騒音や埃のトラブルを避けたい場合
• 取り換える屋根にアスベストが含まれている場合

屋根の劣化が軽微な場合は、わざわざ葺き替え工事をして屋根を全て取り替えなくても、補修だけで十分な場合があります。

葺き替え工事の場合、古い屋根を取り除く際に騒音や埃が発生する可能性があるため、近隣とのトラブルを避けたい場合は、他の方法を検討してもよいかもしれません。

また、2004年以前に作られたスレート屋根にはアスベストが使われてる可能性があります。撤去する際、有害物質であるアスベストが飛散してしまうことがあり、処理費用もかかるため、葺き替え以外の方法で対処したほうが良い場合があります。

このように、屋根の葺き替え工事が向かない場合は、カバー工法（重ね葺き）が有効な手段の一つです。

屋根の葺き替え工事で補助金を活用出来る場合も

屋根の葺き替え工事には補助金が適用される場合があります。
利用できる補助金は以下の通りです。

• 長期優良住宅化リフォーム推進事業制度
• 住宅・建物の耐震化に関する支援制度
• その他地方自治体が提供している補助金

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

長期優良住宅化リフォーム推進事業制度

長期優良住宅化リフォーム推進事業制度とは、既存住宅の性能向上や子育てしやすい環境などを整備するためのリフォームを支援する制度です。
屋根の葺き替えについても適用される場合があります。

以下の費用に対して、補助対象費用の1/3、100万円まで支給されます。

• 性能向上リフォーム工事に要する費用
• 子育て世帯向け改修工事に要する費用
• インスペクション、維持保全計画、履歴作成に要する費用（補助金を受け取るために必要です）

住宅・建築物の耐震化に関する支援制度

耐震性が不十分な住宅に対して、国や地方自治体が改修や建て替えの支援を行っています。
屋根の軽量化は耐震効果が高いため、例えば、瓦屋根からガルバリウム鋼板への葺き替え工事は支援制度の対象になる可能性があります。

その他地方自治体が提供している補助金

地方自治体によっては、屋根の葺き替え工事に適用される補助金を出しているところがあります。

上述した耐震化や、太陽光パネルの設置、断熱塗装、アスベスト対策には、補助金が設けられている場合が多くあり、屋根を葺き替える際、これらの条件に合致していれば補助金が下りる場合があります。

あなたがお住まいの地域にも、調べてみると利用できる補助金制度があるかもしれません。ぜひチェックしてみることをおすすめします。

まとめ

この記事では、屋根の葺き替え工事について主に以下の内容をお伝えしてきました。

• 屋根の葺き替えは、屋根の材質や状況によって金額の相場が変る
• 葺き替え工事にかかる期間は約2~3週間、ただし天候や屋根の状況によって変動する
• 屋根の耐久性は屋根の種類によって異なる
• 屋根や建物の状況によって葺き替え工事が向く場合と向かない場合がある
• 屋根の葺き替えには補助金を利用できる場合がある。

屋根の葺き替え工事は、雨漏りや浸水の防止、耐震性や断熱性の向上など機能面でのメリットだけでなく、建物全体の見た目を良くし、景観の向上にも役立ちます。

また場合によっては、屋根を全て新しくすることで、定期的なメンテナンス費用を削減できる場合もあるため、葺き替え工事を行うことが適切な住宅の場合は、是非、早めの工事を検討してみてください。