外壁コーキングを新しくしたいと考えている方は、どのくらいの費用がかかるのか気になるでしょう。また、工事の内容がよくわからないという方もいると思います。
そこで今回の記事では、外壁コーキングについて詳しく解説していくので、参考にしてください。
目次
外壁コーキングは、外壁材同士の間に生じる隙間を埋めるために使用するゴムのような素材の充填剤です。この充填剤のことをコーキングと言い、充填された箇所のところもコーキングと呼ばれています。
以下では、コーキングの役割とシーリングとの違いも解説していくので参考にしてください。
コーキングは、水の侵入を防いだりクッションとしての役割を果たしてくれたりします。外壁や浴槽などの他、建材を固定する際に使用されることが多いです。
また、コーキングという言葉を耳にしたことがある方は、シーリングも聞いたことがあるかもしれません。次ではコーキングとシーリングの違いを解説していきます。
結論、コーキングとシーリングの違いは明確にはありません。シーリングもコーキングと同様の役割を果たすので覚えておきましょう。そのため、建築現場ではどちらも同じ意味で扱われています。地域や会社によって呼び方が異なる程度なので、どちらも同じものだという認識で問題ありません。
下記の表は、30坪の住宅、つなぎ目の長さが計200mの場合の価格相場です。つなぎ目の長さとコーキングの工法によって費用が変わるということを覚えておきましょう。2つの工法については、次の項で説明します。
打ち換え工法 | 増し打ち工法 | |
---|---|---|
単価(m) | 700〜900円/m | 500〜700円/m |
工事費用 ※つなぎ目:計200mの場合 |
14万〜24万円 | 10万〜14万円 |
足場代 | 15万円前後 | 15万円前後 |
総工費 | 29万〜39万円 | 25万〜33万円 |
出典:外壁コーキングは必要?費用はいくら?工事で注意したいポイントを解説!
ここでは、打ち換えと増し打ちについてそれぞれ解説していきます。
打ち換えの場合は古いコーキング剤を取り除き、すべて新しくします。
そのため、コストが高くなりますが、外壁の隙間をしっかり埋めて防水性・柔軟性を確保することが可能です。
耐用年数は7~10年となっており、劣化しにくい環境であれば12~15年近くもちます。
増し打ちの場合は、すでに打ってあるコーキングの上からさらにコーキング剤を打ちます。ひび割れなどを隠すことはできますが、見た目が綺麗になるだけで古いコーキングと馴染むわけではありません。
そのため、増し打ちしても中がひび割れていたりすると徐々に剝がれていってしまいます。打ち換えよりも時間とコストを抑えられますが、耐用年数は2~5年程度と短いです。
ここでは、コーキングの劣化症状に関して解説していきます。以下のような状態の場合は、補修工事を検討したほうがいいでしょう。
外壁コーキングは紫外線を浴び続けると、ひび割れを起こします。コーキングの成分には可塑剤というものが含まれており、これが紫外線によって気化してしまうと、コーキングの伸縮性が失われてひび割れを起こすのです。
外壁にコーキングを注入する際、量が少なすぎると肉やせが起きます。また、寿命が来た場合も肉やせしするので注意が必要です。紫外線によって気化した可塑剤が表面に浮き出ることで肉やせするケースもあるので覚えておきましょう。
欠落・剥離は、ひび割れが進行することで発生します。また、コーキングを注入する際にプライマーの塗布が不十分だと、しっかりと接着されずに剥がれてしまうというケースもあるので注意しましょう。
コーキング材の分類方法は2つあり、1成分型か2成分型に分ける方法と、主成分によって分類する方法があります。 以下でそれぞれ解説しますので参考にしてください。
1成分型は1液型とも呼ばれており、1液のみで使用できるタイプです。ホームセンターなどでも販売されており、素人の方でも簡単に使用できます。
2成分型は2液型とも呼ばれており、コーキング剤そのものである「主剤」と、コーキングを固める役割を果たす「硬化剤」の2液に分かれているものです。
施工・管理に手間がかかり、経験豊富な職人でなければ取り扱うのは難しいでしょう。ただし、1液型よりも耐久性に優れており、耐用年数も長いです。
コーキング剤は、主成分によっても分けられています。コーキング剤は、以下の4成分に分かれているので参考にしてください。
アクリル系は水性コーキングで、湿気の多い場所で多く使用されます。ただし、耐久性は低いので外壁向けではありません。
また、アクリル系は硬化する際にコーキング剤に含まれている水分が飛んでしまうので肉やせしやすいです。
ウレタン系は耐久性が高く、コンクリートのひび割れ部分などによく使われます。硬化後も高い弾力性を保ち、建物などの動きに対しても柔軟に対応可能です。
ただし、比較的安価ではありますが、紫外線に弱いので使用する際は塗装で保護する必要があります。
シリコン系はコーキング剤にシリコンが含まれているため、耐水性・耐熱性に優れています。シリコンは水を弾くので、その特性を活かして水回りの設備に使用されることが多いです。
しかし、塗料も弾いてしまうのでコーキングの上に塗装はできません。ただ、絶対にできないというわけではなく、最近ではシリコン系コーキングの上からでも塗装をできるようにするためのプライマーが出ています。
変性シリコン系は通常のシリコン系とは異なり、コーキングの上からでも塗装が可能です。そのため、よく外壁に使用されます。また、目地汚れに強く、柔軟性に優れたコーキング剤です。
ただし、紫外線にはあまり強くないので、塗料を上塗りして耐久性を保つ必要があります。
外壁コーキングを自分でやりたいと考えている方もいるでしょう。 DIYでのコーキングは可能ですが、危険が伴うので高所などケガをする恐れがある場合は、無理せずプロに依頼するようにしましょう。
コーキングは自分で行うことも可能です。基本的な手順は以下のようになるので、参考にしてください。
コーキングの充填は、そこまで難しそうに思えないかもしれませんが想像よりも大変なのでDIYはおすすめしません。危険も隣り合わせで、梯子から転倒してしまったという事故も少なくありません。養生テープを上手く剥がせずに失敗してしまったということもよくあります。
自分では上手くできたと思っていても、施工不良があると雨漏りなどによって家が劣化してしまう可能性もあるので、非常に危険です。
外壁コーキングを業者に依頼する場合はそれなりのコストがかかりますが、大切な家を守るためには業者に依頼したほうがいいです。自分でできないこともありませんが、危険なのでおすすめしません。
今回の記事の内容を参考にコーキングについて理解した上で、業者への依頼を検討してみてください。