盛土の費用相場とは?盛土工事についても詳しく解説

更新日 2024.06.26
投稿者:横山 洋介

盛土費用の相場は、一般的に1㎡あたり4,000〜5,000円程度です。盛土の費用には単純に土代以外だけではなく、工事に付帯する重機費も含まれる場合があります。費用の中にどの程度まで含まれているかは、業者によって異なるので確認が必要です。

今回は、盛土の相場費用や工事の内容について詳しく解説していきます。

盛土工事とは?

まずは盛土工事について詳しく解説していきます。

盛土とは?

盛土とは、地盤が低い・斜面など地盤が安定しない土地に土を盛って平坦にする造成工事のことです。土地の形状によっては傾斜地を平坦にするため、土を削り取る切土工事と組み合わせられる場合もあります。

盛土専用の土を外部から持ってくることで、地盤を好みの高さに調整できるのが特徴です。

工事の概要

盛土工事は、正確かつスムーズに行うために大まかな工程が決められています。以下で実際に工事を行う際の工程を見ていきましょう。

測量

敷地内の「どの部分」を「どの程度」盛土するのかを正確に把握するために、土地測量は最も重要な作業です。同時に依頼者以外の土地に越境しないよう、隣地との境界を確認するといった役割もあります。

測量のみの費用相場は35万〜45万円程です。さらにプロの測量士による確定測量であれば、60万円以上の費用を見ておくとよいでしょう。

整地作業

測量により土地の状況を正確に把握できたら、土をきれいな状態にする整地作業を行っていきます。重機などを使い土地を平坦にするとともに土を踏み固め、建築物を安全に建てるための重要な作業です。

草木がある場合には、再度生えてこないよう根元までしっかり取り除きます。整地作業は、盛土を行う前に行うのが通常です。

地盤改良・転圧

整地や盛土が完了したら地盤改良を行い、土地を強固にしていきます。土地を宅地として活用する場合には特に、建物の重みに耐えられるような強い地盤にする必要があるのです。耐震面や思わぬ事故を防止するためにも、非常に重要な作業といえます。

土地の状態によって地盤改良の工事内容は大きく異なるため、費用相場の算出は困難です。保有する土地の地盤改良の内容については、依頼する業者に事前に確認することで安心して工事を進められるでしょう。

場合によっては許可が必要

国土交通省が定める「宅地造成等規制法」にある通り、一定の条件をこえた場合は都道府県知事の許可が必要です。以下の条件で盛土や切土工事を行う場合は、周囲にも大きな影響を与える可能性があるため必ず許可を取りましょう。

  • 切土で高さが2mを超えるがけを生ずるもの
  • 盛土で高さが1mを超えるがけを生ずるもの
  • 切土と盛土を同時に行って2mを超えるがけを生ずるもの
  • 切土又は盛土をする土地が500㎡を超えるもの

盛土の費用相場は?

ここからは、盛土費用の相場について解説していきます。冒頭でも説明した通り盛土費用に加え各種工事費用もかかってくるので、その点についてもこの章で確認しましょう。

盛土費用の相場

盛土費用の相場は地形や土の状態によっても異なるため、地域ごとに若干異なります。以下の表は、地域ごとの相場を表したものです。国税庁により公開されている、平坦地の宅地造成費の金額表をもとに算出しています。

エリア 盛土費用(㎡当たり)
北海道エリア 3,700円
東北エリア 4,600円
北関東甲信越エリア 4,100円
首都圏エリア 4,200円
北陸エリア 4,000円
東海エリア 4,100円
関西エリア 4,000円
中国エリア 3,900円
四国エリア 4,000円
北九州エリア 3,900円
南九州エリア 3,900円
沖縄エリア 4,300円

盛土に関わる各種工事費用の相場

盛土工事に関わる各種工事費用の相場は、地域ごとに大きな差は見られませんでした。以下は、各種工事の相場を表したものです。

項目 費用(㎡当たり)
整地費用 400~500円
伐採・伐根費用 400~800円
地盤改良費用 1,200円~1,300円
土止費用 35,000円~49,000円

盛土のメリットとデメリット

ここからは、盛土を行うことのメリットとデメリットについて解説します。

盛土のメリット

まずは盛土を行うことに対するメリットを見ていきましょう。

浸水被害対策

盛土による浸水被害対策は、一番のメリットとも言えます。既存の地盤より高い位置に建築できるため、雨水が流れ込む確率が極めて低くなるのです。実際に、東日本大震災では盛土をしていたおかげで自宅が流されずに済んだといった例もありました。

このように、水害による被害から宅地を守るためにも盛土は有効な手段です。

プライバシー保護

人通りが多い土地の場合、どうしても気になってしまうのが外からの視線です。道路に並行した位置に家を建てるとなると、歩行者の視界に入りやすくなってしまいます。しかし、盛土をして地盤を高くすれば外部から見えにくくすることが可能です。

盛土のデメリット

続いて盛土を行うことのデメリットを解説します。

費用がかかる

盛土工事は材料費がかかる分、他の工事より費用が高額な点がデメリットです。例えば、4,500円/㎡の地域で敷地面積が200㎡ある土地に1m盛土をしたとしましょう。その場合200㎡分の工事を行うことになり、費用は90万円になります。

加えて各種工事費用もかかってきますので、トータルコストで見ても決して安い金額とはいえません。宅地の建設を検討する際には各種工事も含めた費用を確認したうえで、業者を選ぶのがおすすめです。

地盤沈下のリスクがある

地盤改良が正しく行われてない場合、年数が経過すると共に地盤沈下や土砂災害などが発生しやすくなってしまいます。特に山などの傾斜を切り開いた土地では切土と盛土が混在していることも多く、より危険性が高まってしまうのです。

正しく地盤改良が行われているのかは、一見しただけではよく分かりません。家を建てる前に信頼できる専門家に地盤調査をしてもらうことで、リスクを大幅に回避できます。

工事を安く実施する為には

これまで述べてきたように、通常盛土は単体で行われることはほとんどありません。整地や伐採・伐根費用などの工事と組み合わせることで、強固な土地を作り上げられるのです。しかし、工程が増えるとともに費用もかかってしまうのは難点といえるでしょう。

ここでは、工事を実施するにあたって費用を抑えるための方法を解説します。

工事毎に発注をする

ハウスメーカーなどに依頼すると、整地工事から住宅建設まで窓口を一本化することができます。依頼者にとっては、余計な手間がかからず非常に便利です。しかし実際に施工するのは、ハウスメーカーのスタッフではなく「下請業者」であることがほとんどでしょう。

建築工事の内容が決定すると、ハウスメーカーは下請業者に工事の依頼をかけます。その際に数十万〜数百万円の依頼手数料が発生してしまうのです。依頼する業者ごとに手数料は発生するため、トータルコストは高くなります。

窓口が複数になるため時間と手間は増えますが、それぞれの専門業者に直接依頼すれば手数料が抑えられるでしょう。

複数の業者に見積を取る

例えば一社だけの見積で決めてしまった場合、そこが悪党業者であれば法外な金額を支払うことにもなりかねません。もっと悪質であれば、充分な工事がされていない状態で引き渡される可能性もあるでしょう。

適正価格で経験豊富な業者に依頼したいのであれば、複数社へ見積を依頼することが原則です。気になる業者をいくつかピックアップし、同じ条件で見積依頼することで比較がしやすくなります。

業者によっては施工実例をホームページにアップしているので、候補を選ぶ際の参考にするのもおすすめです。

土地の掃除を自分で行っておく

雑草や木の伐採・処分など、できる範囲のことは自分で行うことも費用を抑えるための有効な手段です。自分でできることを業者に依頼すると、人件費や処分代によりコストが高くなってしまいます。

安全面に配慮しつつ、無理のない範囲で土地の整理や掃除を行っておきましょう。

まとめ

盛土工事は、災害防止やプライバシーを守るために有効な手段です。費用の相場は地域や土地の状態により異なりますが、一般的には1㎡あたり4,000〜5,000円程度で見ておけば良いでしょう。

通常は盛土単体で行われず、整地や切土など複数工事と組み合わせて安定した土地が作られます。細かい費用については業者により異なるので、必ず複数社の相見積もりを依頼し検討するのがおすすめです。


セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n33882f74cd71

国立大学を卒業後、新聞記者として4年間勤務。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、レジの導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野はレジ関連(POSレジ、自動精算機)、ナースコール、レセプト代行。

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