ブロック塀の設計基準や工事費用は?基礎の深さや塀の高さまで

更新日 2023.06.27
投稿者:横山 洋介

ブロック塀の工事費用は1㎡あたり30,000円程度で、リフォームの場合は取り壊しや処分に費用が上乗せされます。

プライバシー保護のためにブロック塀の工事を検討している方もいらっしゃるかと思いますが、作業工程や工事期間、注意点など押さえておくべき点も多いです。

本記事では、ブロック塀の設計基準や工事費用、作業日程など網羅的に解説していきます。ブロック塀について理解し、工事を成功させるための参考にしてください。 

ブロック塀の構造

ブロック塀の構造

まず、土台となる基礎があり、その上にブロック塀が積み上げられています。積み上げられたブロックは、鉄筋やモルタルによって、倒れないように補強されているのが特徴です。この補強が適当になると、笠木が落ちて人が怪我をしたり、塀の寿命を縮めてしまったりします。ブロック塀は法令や規準を守って作れば、住宅環境が保護され安心・安全な外構としての役割を果たしてくれるでしょう。

出典:一般社団法人 全国建築コンクリート

ブロック塀工事の作業工程は?

ブロック塀工事の作業工程は大きく、「掘削工事」「基礎工事」「ブロック積み」の3段階に分けられます。ここでは、工程ごとの概要と費用を簡単に解説していきます。

掘削工事

掘削工事は、基礎を作るために土を掘ったり埋め戻したりする工事です。掘削工事は、建築において必要不可欠な工程です。相場は10,000円〜30,000円程度で、新設する範囲が大きい場合は30,000円を超える場合もあります。

基礎工事

次に、掘削工事が終われば基礎工事を行います。ブロックを積み上げるために土台をコンクリートで作る工事で、丈夫さを左右する非常に重要な工程です。1㎡あたり14,000円〜20,000円が相場となっています。

ブロック積み

糸を張って高さを揃えてブロックを積んでいく工程です。費用相場は1㎡あたり9,000円〜12,500円程度です。

ブロック塀を建てる際にかかる費用は?

ブロック塀を建てる際にかかる費用の項目は、大きく分けて4つあります。それぞれの概要と費用相場は、以下のとおりです。

工事内容 概要 費用
掘削工事 基礎を作るために、掘削と埋め戻しをする作業 10,000~30,000円
既存構造物撤去工事 リフォームの場合、取り壊しや撤去に費用が発生します 5,000~10,000円/㎡
基礎工事 土台となる基礎をコンクリートで作る作業 14,000~20,000円/㎡
ブロック積み 基礎の上にブロックを積み上げていく工程 9,000~12,500円/㎡

ブロック塀の種類は?

ブロック塀に使われるコンクリートブロックの種類には、「普通のコンクリートブロック」と「化粧コンクリートブロック」の2種類があります。ここでは、それぞれの種類の特徴と費用相場についてみていきましょう。

普通のコンクリートブロック

一般的によく見かけるコンクリートブロックは、安価で人気のあるブロックです。<耐久性や強度にも優れており、比較的安価で設置ができるのが特徴としてあります。費用相場は1ブロック200円〜400円程度です。ホームセンターなどでも手軽に購入でき、大きさによっても異なりますが150円〜300円程度で販売されていることが多いです。

化粧コンクリートブロック

化粧コンクリートブロックは、ブロック自体に着色していたり、凹凸などのデザインが入っていたりするのが特徴です。門柱や花壇、床材などさまざまな用途で用いられています。普通のコンクリートブロックよりも費用は高くなる傾向があります。費用相場は、1ブロック600円〜8,000円程度です。デザインなどによっても大きく価格は異なります。

ブロック塀工事の工事期間

ブロック塀工事にかかる期間は、ブロック塀の長さや高さによっても異なりますが、だいたい3〜4日程度です。ブロック塀が倒れたり、沈んだりしないようにコンクリートの乾燥に時間がかかります。また、リフォームで取り壊しや撤去などを行う場合は、さらに日数が必要になるでしょう。

前章で解説した化粧コンクリートブロックなどの特殊なものもありますが、工事期間はコンクリートブロック塀と基本的には同じです。

ブロック塀の設計基準に注意!

ブロック塀の設計には、規準・規定を守って作る必要があります。

最低限守らなければならない、「建築基準法」。日本建築学会では、ブロック塀の安全を確保するための規準が推奨されています。それぞれの具体的な規準についてみていきましょう。

建築基準法による基準

建築基準法で定められているブロック塀の高さの規準は、2.2m以下で厚さ15cm以上が必要です。ただし、高さ2m以下のブロック塀の場合は、厚さ10cm以上の規準になります。また、ブロック塀の内部には、縦横9mm以上の鉄筋を設置しなければならない規準もあり、その間隔は80cm以下です。

ブロック塀の高さが1.2m以上であれば、長さ3.4m以下の間隔で直径9mm以上の鉄筋を入れた控え壁が必要になります。高さは、35cm以上で根入れの深さは30cm以上と定められています。

日本建築学会による基準

日本建築学会で設けられている規準は、前述した建築基準法よりも厳格な規準です。ブロック塀の厚さ、鉄筋の太さなど、基礎の形状や地盤によって細かく決められています。中でも壁の厚さは厳しく定められており、塀の高さが2mまでは12cm以上、2mを超えれば15cm以上です。

また、直径10mmの異形鉄筋を設置しなければならず、その間隔は縦40〜80cm、横80cm以下です。基礎の高さは40cm以上、根入れの深さが35cm以上が定められています。

ブロック塀の耐用年数は?

しっかりメンテナンスを行っている場合、ブロック塀の耐用年数は最大30年です。ブロック塀の厚さによって、耐用年数の目安も変わってきます。

たとえば、10cmであれば12年程度、12cmで15年程度、15cmは30年程度です。ただし、目安の耐用年数よりも実際は早く寿命を迎えるケースが多いです。その原因として挙げられるのが、

  • 手抜き工事による施工不良
  • メンテナンス不足による劣化

などによって耐用年数が短くなります。そのため、信頼できる業者選びや、定期的なメンテナンスが大切といえるでしょう。

ブロック塀工事のDIYは危険!外溝業者に依頼するのがおすすめ!

ブロック塀の工事には高い費用がかかるため、安く抑えるために自分で施工を行うDIYを考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、DIYでブロック塀を設置した場合、危険が伴うためおすすめしません。DIYでブロック塀の工事を行うと、

  • ブロックが落下するリスクがある
  • 耐久性が不十分で、倒壊するリスクがある
  • 外構業者に依頼するよりも、時間や手間がかかる
  • 失敗した場合、修繕費用や追加工事で高額な出費になる

などのリスクがあるからです。ブロック塀の工事には危険が伴うため、安全面のリスクが非常に大きいといえます。見た目以上に高度な知識と技術が必要なため、素人がブロック塀の工事を行うと事故の原因にもなるでしょう。ブロック塀の工事を行う際は、信頼できる外構業者へ工事を依頼するのがおすすめです。

まとめ

本記事では、ブロック塀の設計基準や工事費用などについて解説してきました。ブロック塀の工事費用は、「掘削工事」「既存構造物撤去工事」「基礎工事」「ブロック積み」の4つに分けられます。それぞれにかかる費用をおさらいすると、

  • 掘削工事:10,000~30,000円
  • 既存構造物撤去工事:5,000~10,000円/㎡
  • 基礎工事:14,000~20,000円/㎡
  • ブロック積み:9,000~12,500円/㎡

上記が費用相場です。また、ブロック塀の設計規準は、建築基準法や日本建築学会によって定められています。そのため、ブロック塀を建てる際は、信頼できる業者に工事を依頼しなければなりません。本記事を参考に、理想のブロック塀を完成させる一助にしてください。


セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n33882f74cd71

国立大学を卒業後、新聞記者として4年間勤務。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、レジの導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野はレジ関連(POSレジ、自動精算機)、ナースコール、レセプト代行。

関連記事

PAGE TOP