尿分析装置のおすすめメーカー4選|仕組みや耐用年数も

更新日 2024.04.09
投稿者:豊田 裕史

尿分析装置は複数のメーカーから提供されており、それぞれ特徴やサイズが異なります。今回の記事では、尿分析装置について種類別に解説した上で、仕組みや耐用年数も紹介しますので導入する際の参考にしてください。また、 尿分析装置のおすすめメーカー4選も紹介しているので、導入を検討する際の参考にするといいでしょう。

尿分析装置とは

尿分析装置とは、専用の試験紙を測定して、光度測定法または粒子パターン認識によって尿中の化学物質を同定および測定する装置のことです。主に、検査室で使われるため、普段は目にすることが少ないでしょう。

尿分析装置の種類

ここでは、尿分析装置の種類別の特徴・長所・短所を解説していきます。
尿分析装置には全自動タイプと半自動タイプがあり、それぞれの調剤・短所は以下の通りです。

長所 短所
全自動タイプ ・検体量が少なくて済む
・余剰尿の干渉を受けない
・試験紙への検体供給量が一定なのでデータが安定的
・1パッドずつ点着するため処理速度が遅くなってしまう
・検体の性状によっては吸引しにくいものがあり、結果に影響する可能性がある
半自動タイプ ・処理速度が速い
・導入費用が安い
・余剰尿の付着により他項目への干渉が起こる可能性がある
・試験紙パッド部分がすべて浸かるだけの尿量が必要
・検体によってパッドへの浸透の仕方が違う

全自動タイプの特徴

尿を分注したスピッツなどをセットするだけで、尿試験紙への尿の点着・測定を自動で行うことができます。また、半自動尿定性分析装置よりも大量に検体を処理可能です。
大部分の装置において尿沈渣分析装置と搬送ラインを組むことができ、システム構築も難しくありません。

半自動タイプの特徴

半自動タイプは、尿試験紙をマニュアルで尿に浸してから装置へセットして、測光を行う方式です。尿試験紙への点着動作はありません。測光のみを行うので、全自動尿定性分析装置と比較して処理速度が速い傾向にあります。また、小型軽量タイプもあり、健診用などで持ち運びが可能です。

尿分析装置の測定原理

尿分析装置の測定原理

尿分析装置のメーカー一覧

シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社

シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社

出典:シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社 https://www.siemens-healthineers.com/jp/urinalysis-products/urinalysis-systems

シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社は、クリニテック ステータス プラスとクリニテック アドバンタス、2つの尿分析装置を提供しています。

クリニテック ステータス プラスは、試験紙のオートチェック機能で試験紙の種類を自動識別し、ランダムにさまざまな試験紙の測定が可能です。

また、操作者IDロックアウト機能を活用することで、700人分の操作者IDを登録でき、登録されていない操作者は使用できないよう機器をロックできます。

シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社の比較ポイント

  • 試験紙のオートチェック機能で試験紙の種類を自動識できる
  • ランダムにさまざまな試験紙を測定可能
  • 登録されていない操作者は使用できないよう機器をロックできる

製品情報

製品名 クリニテック ステータス プラス
処理速度 60検体/時間(使用試験紙により異なる)
検体容器 要問合せ
必要検体量 要問合せ
寸法 17.1(幅)x27.2(奥行)x15.8(高さ)cm
重さ 1.66kg(専用アダプタおよび電池を除いた重さ)

栄研化学株式会社

栄研化学株式会社

出典:栄研化学株式会社 https://www.eiken.co.jp/products_technique/clinical/uropaper/

栄研化学株式会社は、複数の尿分析装置を提供しているメーカーです。「尿自動分析装置 US-1200」は、試験紙が置きやすく、メンテナンスしやすい構造になっており、コンパクト設計なので狭いスペースでも問題なく検査できます。

また、独自の画像解析システムを搭載しているため、測定の精度・解析能力が高いです。最大480検体/時間の高速処理能力を実現しています。

栄研化学株式会社の比較ポイント

  • 試験紙が置きやすくメンテナンスしやすい構造
  • コンパクト設計なので狭いスペースでも問題なく検査可能
  • 測定の精度・解析能力が高い

製品情報

製品名 尿自動分析装置 US-1200
処理速度 最大480テスト/時間(測定間隔:7.5秒)
検体容器 要問合せ
必要検体量 要問合せ
寸法 幅約315mm×奥行約215mm×高さ約135mm
重さ 約3.0kg

アークレイ株式会社

アークレイ株式会社

出典:アークレイ株式会社 https://www.arkray.co.jp/japanese/products/index.html

アークレイ株式会社は、「小型尿分析装置ポケットケム UA PU-4010」「半自動尿分析装置オーション イダテン AE-4070」2つの尿分析装置を提供しています。

「小型尿分析装置ポケットケム UA PU-4010」はクラス最小サイズとなっており、随時尿で腎疾患スクリーニングが可能です。また、「半自動尿分析装置オーション イダテン AE-4070」は、表示部に日本語タッチパネルを採用しており、直観的に操作できます。

アークレイ株式会社の比較ポイント

  • 「小型尿分析装置ポケットケム UA PU-4010」はクラス最小サイズ
  • 尿で腎疾患スクリーニングが可能
  • 「半自動尿分析装置オーション イダテン AE-4070」は表示部に日本語タッチパネルを採用

製品情報

製品名 小型尿分析装置ポケットケム UA PU-4010
処理速度 50テスト/時間
検体容器 要問合せ
必要検体量 要問合せ
寸法 本体:124(W)×81(D)×36(H)mm
プリンタ:125(W)×133(D)×36(H)mm
重さ 本体:180g(乾電池含まず)
プリンタ:180g(感熱記録紙含まず)

シスメックス株式会社

シスメックス株式会社

出典:シスメックス株式会社 https://products.sysmex.co.jp/products/general/ST010053/index.html

シスメックス株式会社は、「全自動尿中有形成分分析装置 UF-5000」を提供しており、ハルンカップ対応モデルも提供しています。

UF-5000では、従来の分析法に加えて、光が描く波形の面積を捉えることが可能です。この新しい技術は、核酸量や内部構造の複雑性を加味した大きさ情報の検出に応用されており、有形成分の分類性能向上に貢献しています。

シスメックス株式会社の比較ポイント

  • ハルンカップ対応モデルもある
  • 光が描く波形の面積を捉えることが可能
  • 有形成分の分類性能に優れている

製品情報

製品名 全自動尿中有形成分分析装置 UF-5000(ハルンカップ対応モデルあり)
処理速度 最大105検体/時間
最大20検体/時間(体液測定モード)
検体容器 要問合せ
必要検体量 要問合せ
寸法 W726×D754×H855(㎜)
重さ 約95㎏

尿分析装置の耐用年数

尿分析装置の耐用年数は5年です。そのため、購入から5年が経つ製品は買い替えを検討したほうがいいでしょう。

まとめ

尿分析装置は、全自動タイプと半自動タイプがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。しかし、尿試験紙の呈色を反射光でとらえる「反射率測光法」 が採用されている点は、どちらも共通です。

尿分析装置の導入を検討している方は、記事の中で紹介した尿分析装置のおすすめメーカー4選を参考にしてみてください。

中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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