オージオメーターの価格相場は?主要メーカーを比較

更新日 2024.04.09
投稿者:豊田 裕史

オージオメーターは、聴力の測定に用いる医療機器です。オージオメーターの概要や価格を知り、自身のニーズを満たす製品を選ぶための情報をまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

オージオメーターとは?

オージオメーターは、聴力を測定する医療機器です。ヘッドホンを通じてさまざまな音量や周波数(音の高さ)の音を被検者に聞かせ、被検者がボタンを押すことで聴力を測定します。取り扱っている主な施設は、総合病院や耳鼻咽喉科のクリニック、健診施設などです。オージオメーターから出力される検査結果は、難聴の程度や種類を診断し、適切な治療法を選択するために用いられます。

オージオメーターの価格相場は?

では、オージオメーターの価格はどの程度なのでしょうか。オージオメーターは、10万円〜30万円の金額で販売されていますまた、1人用、2人用、5人用のラインナップがあり、それにより価格やサイズが異なります。

オージオメーターの主要メーカー4選

ここでは、オージオメーターの主要メーカー4社をご紹介します。特徴や対象施設についてもまとめてお伝えするので、製品選びの参考にしてください。

リオン

リオン

出典:リオン https://medpo.rionet.jp/medport/product/detail/?tid=AAH10009

リオンは物理学と音響学の研究成果を製品化しているメーカーです。医療検査機器、補聴器・聴能設備機器、音響・振動計測器、微粒子計測器などの製品を展開しています。オージオメーターは精密検査・臨床・研究用のハイエンドモデルを展開しており、操作性の向上やコンパクトサイズ化など、さまざまな改良をしている点が特徴です。

リオンの比較ポイント

  • タッチパネルで簡単操作
  • 検査用音源内蔵でCDプレイヤーの接続不要
  • 聴覚検査結果支援システム「メディレポ」とのLAN接続可能

製品情報

製品名 オージオメーターAA-H1
医療機器分類 管理医療機器(クラスⅡ)
対象施設 総合病院、耳鼻咽喉科クリニック、小児耳鼻科、学校検診
大きさ 約495(幅)×470(奥行)×350(高さ)mm
重さ 約23kg
電源 AC100V 50/60Hz 300VA
特徴 精密検査・臨床・研究用のハイエンドモデルを展開

三和製作所

三和製作所

出典:三和製作所 https://www.sanwa303.co.jp/product/910/

三和製作所は、健康・安全・教育に係わるアイテムを25万点以上、全国に流通させているメーカーです。オージオメーターは利用シーンにこだわった、シンプルで操作しやすい製品を展開しています。学校保健法施行規則によって推奨されている、定期校正の初回無料サービスがついている点も魅力です。

三和製作所の比較ポイント

  • シンプル操作で使いやすい
  • 健診用に最適化された、コンパクトでわかりやすいヘッドホン
  • 初回校正無料サービス付

製品情報

製品名 サンワ オージオメーター MT
医療機器分類 管理医療機器(クラスⅡ)
対象施設 一般検診検診施設、学校検診施設
大きさ 約280(幅)×224(奥行)×102(高さ)mm
重さ 約1.2kg
電源 AC100V 50/60Hz
特徴 1人用~5人用まで全ての機器に対応した専用収納ケースあり

ミナト医科学

ミナト医科学

出典:ミナト医科学 https://www.minato-med.co.jp/medical/products/sac1-2/

ミナト医科学は、物理療法機器や運動療法機器、評価・測定機器などの医療機器を提供しているメーカーです。オージオメーターは、手動式の一般検診用製品を展開しています。軽量・コンパクトでハンディ操作が可能なため、被験者の横にスタッフが座る、リラックスした検査環境が作れる点が最大の特徴です。

ミナト医科学の比較ポイント

  • 軽量・コンパクトでハンディ操作可能
  • 遮音性に優れたイヤホンで、周囲のノイズを気にせず検査可能
  • 環境騒音モニターで検査環境の騒音レベルを検知

製品情報

製品名 スマートオージオSA-C1
医療機器分類 管理医療機器(クラスⅡ)
対象施設 一般検診施設
大きさ 125(幅)×200(奥行)×65(高さ)mm
重さ 0.25kg
電源 AC100V 50/60Hz
特徴 一般健康診断に適したモデル

モリタ製作所

モリタ製作所

出典:モリタ製作所 https://www.morita.com/jmmc/ja/products/ent/examination-equipment-ent/audiometer-sai-60/

モリタ製作所は、歯科用機器・耳鼻咽喉科用機器・画像診断用機器などを開発・製造し、世界に向けて販売しています。オージオメーターは組み合わせ自由な設計となっており、組み合わせかたによっては省スペースでの設置も可能です。また、人間工学に基づいて配置されたダイヤルや発光タイプのパネルスイッチなど、操作をわかりやすくサポートする構造になっています。

モリタ製作所の比較ポイント

  • 組み合わせ自由なコンポーネントタイプ
  • キーボードタイプの操作部分
  • 発光タイプのパネルスイッチで操作をわかりやすくサポート

製品情報

製品名 オージオメーターコンポーネントシステムSAI-60
医療機器分類 管理医療機器(クラスⅡ)
対象施設 総合病院、耳鼻咽喉科クリニック
大きさ 360(幅)×270(奥行)×265(高さ)mm
重さ 14.5kg
電源 AC100V 50/60Hz
特徴 オプションとして聴力検査室の施工あり

オージオメーターの仕組み、使い方

ここでは、オージオメーターの仕組みや使い方を動画を交えてご紹介します。

まずは動画を確認!

まずは、動画でオージオメーターの使い方を確認しましょう。

聴力検査での使い方

つぎに、聴力検査でのオージオメータの使い方を、文章でも確認していきましょう。

おおまかな検査の流れは以下の通りです。

  1. 被験者がヘッドホンを装着する
  2. スタッフは、125Hzから8000Hzの範囲のさまざまな周波数で、少しずつ音量を上げながら音を流す。(※検査は片耳ずつ行うこと)
  3. 被験者は音が聴こえ始めた瞬間にボタンで合図をする
  4. その値(閾値)をオージオグラムに記録する

また、この検査は周囲の雑音を遮蔽するために、防音室で行う必要があります。

学校で使うオージオメーターは校正が必須

学校でオージオメーターを使う場合に、注意すべきことも確認しておきましょう。学校で使用するオージオメーターは、学校保健安全法によって校正が義務付けられています。校正とは、機器の精度・機能・動作を確認し、測定結果の正確さを保証するためのものです。

学校検診では、オージオメーターを用いて子ども達の聴力を測定し、聴覚障害の有無や程度を判断します。2021年度の統計データでは、幼稚園児の2・0%、小学生の6・76%、中学生の4・89%、高校生の2・51%に耳の疾患が見られました。

聴覚障害は、日常生活・言語発達・知識の獲得などに影響を与える可能性があるため、子ども達の聴覚障害の早期発見と対策は非常に重要です。オージオメーターの定期的な校正を行い、子ども達の耳の健康を守りましょう。

出典:令和3年度学校保健統計調査ー文部科学省

まとめ

この記事では、オージオメーターの概要や価格相場、聴覚検査における使い方などについて解説し、主要メーカー4社を紹介しました。また、検査の正確性を保証するために必要な、機器の校正についても解説しています。

耳の健康を守るためには、正確で信頼性の高いオージオメーターが欠かせません。自身のニーズに合ったオージオメーターを選び、正確な聴覚検査を行いましょう。

中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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