ハンフリー視野計は、緑内障診断のために全世界で使用されており、その価格相場は数百万円〜です。
本記事では、ハンフリー視野計の価格相場やおすすめの製品、選び方などを徹底解説します。
目次
ハンフリー視野計(静的視野検査)とは、視野(見える範囲)や欠落部の有無を検査する機器です。検査方法は顔と目線を固定して一点を見つめ、さまざまな位置に明るさの違う光が出るので、光が見えたらブザーを押してもらいます。これを片目ずつ行います。両目の検査が終わるまでにかかる時間は15分〜30分程度です。主に中心部の視野を詳しく調べることが可能で、緑内障の早期発見や進行具合などを確認できます。
ハンフリー視野計の一般的な相場は、数百万円〜です。しかし、ハンフリー視野計の価格は、メーカーや機能によって異なります。数百万円〜と高額な機器ですが、「長期的な視点で考えてメンテナンスをしっかり行う」「中古で導入する」などの方法をとるとコストを抑えられます。ハンフリー視野計の費用を抑える方法についての詳細は後述していますので、ぜひ参考にしてください。
ハンフリー視野計を導入する上で最も苦労することは、その製品選びと言っても過言ではありません。ここでは、数多くあるハンフリー視野計の中でもおすすめの製品を6つご紹介します。製品選びで迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
株式会社クリュートメディカルシステムズのアイモ vifaは、従来の検査とは異なりアイパッチでの遮蔽が不要で、両眼を開けたまま検査が可能です。
リラックスした姿勢で検査ができるため、患者様からは「ラクだ」と好評の声が挙がっています。
また、45cm×60cmの省スペースでも設置可能で、グッドデザイン賞を受賞しているコンパクト設計が特徴です。覗き込むことで外部からの光を遮断し、機械内で暗室を再現できます。
アイモ vifaの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | 20cm(W)×18cm(D)×12cm(H) |
測定範囲 | ±30° |
視標サイズ | ゴールドマンⅠ~Ⅴ相当(Ⅴ以上も可 |
サポート | 電話 |
メーカー名 | 株式会社クリュートメディカルシステムズ |
ヘッドマウント型視野計 アイモは、最新の演算と高度なアルゴリズム処理によって正確さと測定スピードの向上を実現した視野計です。
オリジナルプログラム「AIZE-Rapid」で閾値決定までの試行回数を減らすことで、検査のスピードをアップしています。
また、検査中は瞳孔の動きをリアルタイムでモニタリングし、固視ズレが生じた際は固視に追従して視標呈示位置を自動で補正します。
小型軽量なので、測定場所を選ばない設計も魅力といえるでしょう。
ヘッドマウント型視野計 アイモの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | 要お問い合わせ |
測定範囲 | ±35° |
視標サイズ | ゴールドマンⅠ~Ⅴ相当(Ⅴ以上も可) |
サポート | 電話 |
メーカー名 | 株式会社クリュートメディカルシステムズ |
オクトパス600はTFTモニタで刺激と背景を作成する新しい視野測定技術を導入した自動視野計です。
緑内障を早期発見するPulsar視野測定と、長期フォローアップのためのwhite-on-white視野測定を1台に搭載しているため、限られたスペースでも設置できます。
使いやすさと検査時間の短縮により、患者様のフォローアップ視野検査の受診率まで向上させることが可能です。
オクトパス600 プロセットの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | W467×D508×H500mm |
測定範囲 | 中心視野30° |
視標サイズ | Pulsar:5° W/W:0.43°(ゴールドマンⅢ)※測定結果により変化することがある |
サポート | 要お問い合わせ |
メーカー名 | アールイーメディカル株式会社 |
オクトパス900 プロセットは一台で静的・動的視野測定に対応し、精度・快適性・使いやすさ、コスト面や設置スペースにも配慮された自動視野計です。
最大の特徴としては先進の診断プログラム、検査時間を短縮する高速ソフト、自動瞳孔径測定機能など、最先端の精度で正確な測定を実現します。
患者様への快適性にも配慮されており、光学台は足元に十分なスペースを確保しているため、あらゆる種類の車椅子にも対応可能です。
オクトパス900 プロセットの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | 648×519×796mm(本体のみ |
測定範囲 | 90° |
視標サイズ | ゴールドマン Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ |
サポート | 要お問い合わせ |
メーカー名 | アールイーメディカル株式会社 |
ハンフリーフィールドアナライザー HFAⅢは、従来の検査精度を維持しながらも、より早い視野検査を実現したSITA Fasterで、視野検査の流れがスムーズになりました。
検査時間は、SITA Standardと比べて約50%、SITA Fastと比較すると約30%短縮されます。特徴的な機能としては、前回の検査から患者様の屈折値を自動的に読み込むことができ、検査準備時間の短縮が可能です。
患者様の流れが改善し、検査準備時のレンズ選択のミスが減少します。
ハンフリーフィールドアナライザー HFAⅢの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | 580(H)mm x 520(W)mm x 460(D)mm |
測定範囲 | 90°(耳側) |
視標サイズ | ゴールドマン Ⅰ-Ⅴ |
サポート | 要お問い合わせ |
メーカー名 | カールツァイスメディテック株式会社 |
スマートフィールドは、独自の検査ストラテジーと検査プログラムで、簡単&スピーディな視野検査が可能なハンフリー視野計です。
オクルス社製の従来機より大幅な小型化を実現しているため、設置場所を選びません。また、液晶ディスプレイを採用し、モーターなどの動作音の心配もなくなります。
90,000件以上の視野所見をもとに、迅速かつ正確な測定が可能で、患者様の検査にかかる負担を軽減することができます。
オクルス スマートフィールドの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | 402(H)mm x 332(W)mm x 418(D)mm |
測定範囲 | 要お問い合わせ |
視標サイズ | ゴールドマン Ⅲ |
サポート | 電話 |
メーカー名 | 株式会社ニコンソリューションズ |
ハンフリー視野計の導入には、数百万〜の予算が必要です。その高額な導入費用を抑える方法を以下の2つ紹介します。
ハンフリー視野計の価格は数百万円〜ですが、数年で買い換えるものではないため、長く使うほどトータルコストを抑えられます。ハンフリー視野計の耐用期間はメーカーによって異なりますが、定期的な保守点検を実施すれば、製造出荷後6〜8年程度だと言われています。耐用年数とは、対象資産を利用できると考えられる期間のことです。この耐用年数はあくまで目安なので、長く使うためにはメンテナンスをしっかり行うことが大切なのです。
ハンフリー視野計の価格を抑える方法として、中古で導入するのもおすすめできます。新品で購入すれば数百万円の費用が必要ですが、中古で導入することで費用を抑えての導入が可能です。中古で導入する際の注意点として、故障時のサポートが受けられなかったり、サポートの対応が遅くなったりする可能性があります。また、新品で導入するよりも、メンテナンスの回数が多くなる点にも注意しましょう。
ここでは、ハンフリー視野計を選ぶときに見るべきポイントについて解説していきます。具体的には、以下のとおりです。
まず確認しておきたいのは、本体のサイズです。医院に設置できるスペースがあるかチェックしておかなければ、動線に問題が生じる可能性があります。たとえば、本体サイズと医院のスペースが合っていないと、スタッフが検査の準備をスムーズに行えなくなるでしょう。そのため、ハンフリー視野計の本体サイズをチェックし、スタッフがスムーズに検査の準備を行えるかイメージすることが大切です。
ハンフリー視野計を選ぶうえで、サポート体制がしっかり整っているかを見るのも重要です。ハンフリー視野計の費用相場は数百万円〜と高価な機器のため、万が一トラブルが発生しても迅速に対応してもらえるかが大切になります。サポート体制がしっかり整っていなければ、故障してから修理にかかる時間までに時間がかかり、業務に支障をきたします。ハンフリー視野計は高価な機器のため、長く使うためにも保守・サポートが受けられるかどうか必ず確認しましょう。
視野検査には、「ハンフリー視野計を用いて行う静的視野検査」と「ゴールドマン視野計を用いて行う動的視野検査」があります。ここでは、それぞれの違いについてみていきましょう。
まずハンフリー視野計は視野計の内側に顔を固定し、中心のマークを見つめたまま小さな光が見えたらボタンを押してもらい、視野の範囲や欠落部を調べる検査方法です。検査は片目ずつ行い、検査にかかる時間は30分程度になります。
一方ゴールドマン視野計は見えている範囲と感度を検査する視野計です。中心の固視灯を見つめた状態で、周辺から中心に光を近づけて見える範囲を調べます。
ハンフリー視野計は「静的」なのに対し、ゴールドマン視野計は動いている光を用いて検査をするため、「動的」の検査です。ハンフリー視野計は主に緑内障の検査で使用され、ゴールドマン視野計での検査結果は疾病の診断や身体障害者の視覚障害による等級判定にも用いられる点が大きな違いです。
ハンフリー視野検査は主に、緑内障の検査で用いられます。正常な視野の場合、検査結果で耳側に盲点があります。この盲点をマリオット盲点といい、誰もが見えない部分のことです。しかし、初期の緑内障の場合は、盲点の周囲に弓型の点が生じ、鼻側の感度が低下します。ハンフリー視野検査は、中心に近い視野を精密に調べることができる機器です。ただし、患者様の理解力や体力が低下している場合は、誤差が大きくなるため、ゴールドマン視野を行う必要があります。
ハンフリー視野検査の結果は、情報量が多く、パッと見ただけでは何が書かれているのかわからないでしょう。まずは、結果用紙の左上に氏名、検査日、右眼・左眼が書かれています。検査機器によって異なりますが、カラーまたは白黒で網膜の感度が表示されます。年齢から比較してよく見えている場合は白色、見えなければ黒色になっているでしょう。
また、緑内障の進行状況を把握するために、「MD値」という数字が役立ちます。MD値の数値が増えていれば、緑内障が進行していると判断ができます。緑内障の重症度を表す一般的な数値として、
のように判断が可能です。
ハンフリー視野検査は自動で行われますが、患者様に安心してもらうためにはいくつかおさえておくべきコツがあります。具体的には以下のとおりです。
上記のポイントをおさえて検査を行うことで、患者様の満足度も向上し、結果的に医院の評判もよくなるでしょう。
ハンフリー視野検査を初めて行う方や検査に慣れていない方は、不安になりやすいです。そのため、患者様に寄り添った声かけを行うことが重要です。具体的には、「共感する声かけ」を意識しましょう。不安そうにしている患者様には、「不安ですよね」「順調に検査は進んでいますよ」などの声かけで安心してもらいます。
また、固視不良などで検査がうまく進まない時も、患者様がネガティブな感情を抱かないような声かけが必要です。たとえば、「ボタンは押せているので、まっすぐ見ているようにお願いしますね」など、患者様が出来ている部分を褒めるようにすれば、柔らかい印象になるでしょう。
目の渇きは視野検査の結果に影響するため、検査中は瞬きの状態を常に確認するのが大切です。検査前に、「瞬きは我慢せずに行っても大丈夫ですよ」と一言伝えておけば、検査がスムーズに行えます。また、テープでまぶたを上げている場合は、患者様が瞬きを我慢することが多いです。目の渇きが気になる様子が見られた際は、検査を中断し、まぶたを緩めましょう。
ハンフリー視野検査が苦手な患者様は、検査に対して疲労を感じやすいです。そのため、検査が半分程度終了した時点で、20〜30秒程度の休憩をはさむことで、患者様の疲労も軽減されます。休憩をはさむことで、患者様の安心感に繋がり、残りの検査も集中して望めるようになるでしょう。
本記事では、ハンフリー視野計の価格相場や価格を抑える方法、選び方のコツなどを解説してきました。ハンフリー視野計の価格相場は、数百万円〜と高額な費用が必要です。「メンテナンスをしっかり行う」「中古で導入する」などの方法をとれば、導入コストを抑えられます。
また、ハンフリー視野計を選ぶ際は価格だけでなく、「本体のサイズ」や「サポート体制が充実している」を見ることで製品選びに失敗しにくくなるでしょう。ハンフリー視野計は、緑内障などの病気の早期発見や進行状況を確認する検査に欠かせない機器です。本記事で紹介した製品を参考に、導入を検討してみてはいかがでしょうか。