ウォッシャーディスインフェクターの価格相場は、小型のタイプで1台おおよそ100〜200万円程度です。血液などのタンパク質の除去を目的とする機器で、洗浄、すすぎ、消毒、乾燥までを自動で行ってくれます。
本記事では、ウォッシャーディスインフェクターの価格相場や選び方、注意点などを解説します。
ウォッシャーディスインフェクターの価格相場は、小型のタイプであれば1台おおよそ100〜200万円程度です。しかし価格相場は、ウォッシャーディスインフェクターの価格はメーカーや機能によって異なります。価格相場を見るうえで大切なのは、価格とスペックが見合っているか、つまりコストパフォーマンスに優れているかを見るべきです。価格が安くても、必要な機能が搭載されていなければ導入の意味がありません。価格相場を把握しながら、必要な機能面なども考慮して確認しましょう。
ウォッシャーディスインフェクターは、医療機材のタンパク質の除去を目的として、
の工程を自動で行う機器です。医療機材を一度に処理できる上、用手洗浄※1に比べて切創リスクを減らし、院内の感染予防対策が可能となります。また、スタッフのスキルや指導が不要になるので、誰でも安全に操作できるのが特徴です。
※1 用手洗浄:スポンジ等を使って物理的に人の手で洗浄を行うこと
おすすめのウォッシャーディスインフェクターについてはおすすめウォッシャーディスインフェクター5選|価格や選び方を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ここでは、おすすめのウォッシャーディスインフェクターを5製品ご紹介します。製品選びで迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
ミーレ ジェットウォッシャーPG8591は、国際規格(ISO15883)に準拠した、高性能洗浄器です。歯科用器具を確実に洗浄・消毒し、安全のためのモニタリング機能で洗浄不良を防止します。循環水量が毎分500リットルのヒーター内蔵可変循環ポンプにより、工程に合わせてポンプの回転数が変化し、エネルギーの省力化が可能です。また、適切な量の洗剤を自動導入できるDOSモジュールを内蔵しているため、省スペースでの設置ができるのも特徴の一つと言えます。
ミーレ ジェットウォッシャーPG8591の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | W600 × D600 × H835mm(天板付き) W600 × D600 × H820mm(天板なし) |
消費電力 | 要お問い合わせ |
洗浄時間 | 要お問い合わせ |
サポート | 要お問い合わせ |
メーカー名 | メディア株式会社 |
ウォッシャー・ディスインフェクター AW-150は、国際規格(ISO15883)に基づいて開発された日本生まれの器具除染用洗浄器です。全自動洗浄・熱水消毒・熱風乾燥により、作業者への感染防止はもちろん、作業負担の低減にも役立ちます。洗浄槽内が見えるガラスドアを採用し、二重ガラス断熱構造のため、熱水消毒の際でも表面は熱くなりません。また、洗浄槽内にはLEDライトを搭載しており、洗浄・すすぎ・消毒・仕上・乾燥・終了の状況を全5色で表示してくれるのでわかりやすいのも特徴です。
ウォッシャー・ディスインフェクター AW-150の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | W580XD600XH840 mm |
消費電流 | 14A |
洗浄時間 | 要お問い合わせ |
サポート | オンライン打ち合わせ可能 |
メーカー名 | チヨダエレクトリック株式会社 |
ウォッシャー・ディスインフェクター IC Washerは、器具の洗浄・消毒・乾燥までを全自動で行ってくれる器具除染用洗浄器です。洗浄室内の様子が一目で確認できるシースルーパネルとLEDライトを採用し、洗浄〜乾燥までの工程を色で確認できます。日本語表示のタッチパネルを搭載しているため、洗浄・消毒コースの選択やエラー表示も一目で内容がわかるようになっています。また、高温洗浄マークがついているハンドピースの洗浄・消毒・乾燥が可能な点も特徴です。
ウォッシャー・ディスインフェクター IC Washerの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | W580×D635×H780+キャスター60mm (扉開放時:D1106mm) |
消費電力 | 3200VA |
洗浄時間 | 洗浄/消毒(80℃ 10分)乾燥なし 約76分、乾燥あり 約94分 |
サポート | お客様相談センターを設置 |
メーカー名 | 株式会社モリタ |
MMM社製 UniCleanは、大型タイプと小型タイプがあり、ユーザー目線の仕様設計がなされた器具除染用洗浄器です。UniCleanはISOに準拠した仕様を搭載し、MMM社がヨーロッパ市場で長年培ってきた独自のアイデアと技術を詰め込んでいます。ユーザーやメンテナンス性を追及した設計により、レイアウトからワークフローまで大きく見直すことができるでしょう。
MMM社製 UniCleanの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | 要お問い合わせ |
消費電力 | 要お問い合わせ |
洗浄時間 | 要お問い合わせ |
サポート | 要お問い合わせ |
メーカー名 | 株式会社ニチオン |
メラグ社製のメラサーム10は、使用済みの器材の洗浄・消毒から、十分な乾燥までを全自動で行ってくれる器具除染用洗浄器です。メラサーム10の導入により、医療従事者の院内感染を防止し、作業負担も軽減します。また、ハンドピースなどの中空物に対応しているのも特徴です。専用のアルカリ性洗浄剤を使用すれば、落ちにくいタンパク質汚れも徹底的に除去できます。さらに、中和剤を用いれば、器材へのダメージも軽減可能です。
メラグ社製メラサーム10の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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外形寸法 | 598mm(幅)×678mm(奥行き)×818mm(ビルトイン式)/ 836mm(ステンレス天板付)(高さ) |
消費電力 | 要お問い合わせ |
洗浄時間 | 要お問い合わせ |
サポート | 電話・メール |
メーカー名 | 株式会社ジーシー |
ウォッシャーディスインフェクターの価格を抑えるためには、「初期費用ではなく、長期的なトータルコスト」を考えるのが大切です。ここでは、ウォッシャーディスインフェクターの価格を抑える方法として、長期的なトータルコストについて深掘りして解説します。
ウォッシャーディスインフェクターのような高額な機器を導入する際に重要なのは、長期的なトータルコストです。初期費用こそかかるものの、長く使うほどトータルコストを抑えられます。そのため、初期費用を重視するよりも、維持費を重視し、メンテナンスを行わなければなりません。ウォッシャーディスインフェクターの耐用期間は、メーカーによって異なりますが、定期的な保守点検を実施すれば、製造出荷後6〜8年程度と言われています。長期的なトータルコストを意識して長く使うためには、メンテナンスをしっかり行うことが大事といえるでしょう。
ここでは、ウォッシャーディスインフェクターを選ぶときに見るべきポイントを解説します。具体的には以下のポイントです。
一つずつ見ていきましょう。
ウォッシャーディスインフェクターを選ぶ際に、まずチェックしたいのはサイズです。サイズ選びに失敗してしまうと、患者様や歯科衛生、歯科助手の動線に問題が生じる可能性があります。具体的なサイズ選びの方法としては、シンクのそばに問題なく置けるかチェックすると良いでしょう。スタッフがスムーズに器具の洗浄や、準備が行えるかどうかをイメージすることが大切です。
洗浄時間の短さを見るのも重要なポイントの一つです。洗浄時間が短ければ、効率よく器具を再使用できるため、余分な器具を購入する必要がなくなります。洗浄後のオートクレーブなどによる滅菌時間とあわせて、最短何分で器具を再使用できるかチェックしておきましょう。
ウォッシャーディスインフェクターを選ぶ際は、洗浄できる器具のサイズや種類も見ておくのが大切です。洗浄する器具のサイズ・種類が、ウォッシャーディスインフェクターに対応していなければ、器具を新たに購入する必要があります。医療器具は形や大きさがさまざまなので、洗浄したい器具が対応しているかチェックしましょう。
ウォッシャーディスインフェクターを導入することで、以下のようなメリットがあります。
ウォッシャーディスインフェクターは、高いレベルの洗浄・消毒を自動で行えるメリットがあります。手作業では高温の熱水や器具の裏側までの洗浄は非常に難しいです。また、スタッフの習熟度によっても、仕上がりに差が生まれます。ウォッシャーディスインフェクターを導入すれば、誰もが高いレベルの洗浄と消毒を自動で行えるようになるのです。
ウォッシャーディスインフェクターの導入により、人件費の削減につながる点もメリットといえます。洗浄・消毒、乾燥までを自動で行ってくれるので、スタッフの作業負担を軽減してくれます。スタッフが洗浄、消毒に時間を割かれないので時間に余裕が生まれ、人件費の削減にもつながるでしょう。
手洗いで鋭利物を洗浄すると、針刺しによる切創事故のリスクがあります。そこからスタッフへの感染を考えると、非常にリスクの高い作業といえます。ウォッシャーディスインフェクターは、医療器材を自動で洗浄、消毒、乾燥を行うため、感染リスクを減らすことが可能です。自動洗浄によりスタッフの習熟度や指導も不要なので、誰でも安全に操作できます。
ここでは、ウォッシャーディスインフェクターに関するよくある質問をみていきましょう。
A0(エーノート)値とは、80℃のお湯で熱水消毒する場合の秒数に換算して消毒レベルを表示したものです。国際規格(ISO15883)によると、血液で汚染された手術器具は、ウォッシャーディスインフェクターの性能にA0値3000以上を達成できるものを求めています。
器材に異物(セメントやワセリンなど)が付着している場合は、ウォッシャーディスインフェクターの使用前に1次洗浄が必要です。また、必ず医療用の洗剤を使用しなければならない点は知っておく必要があるでしょう。血液のタンパク質は、食器洗剤などでは洗えないからです。血液をお湯で洗うと凝固してしまうため、血液汚れを水で洗い流し、血液のタンパク質を溶かす専用の洗剤を使う必要があります。この一連の流れを行えるのが、ウォッシャーディスインフェクターなのです。
本記事では、ウォッシャーディスインフェクターの価格相場や製品の選び方、注意点などを解説してきました。ウォッシャーディスインフェクターの価格相場は、小型のタイプで1台おおよそ100〜200万円程度です。メーカーや機能によっても価格は異なりますが、価格を抑えるために長期的なコストを考えてメンテナンスを行うのが大切です。ウォッシャーディスインフェクターは高いレベルの洗浄・消毒を自動で行える上、感染リスクの低減にも繋がります。どの製品を選べばいいか迷っている方は、今回紹介したおすすめのウォッシャーディスインフェクターを参考に、製品選びをしてみてはいかがでしょうか。