レセプト請求とは?請求の流れや請求時の注意点まで

更新日 2024.06.14
投稿者:横山 洋介

レセプト請求は医療機関において欠かせない業務のひとつですが、これから医療事務の仕事に就こうと考えている人などは、具体的にどのような業務なのか分からない方もいるでしょう。

今回の記事では、レセプト請求について詳しく解説していきますので参考にしてください。

レセプト請求とは

レセプト請求は、組合健保や協会けんぽ、市区町村などの健康保険の保険者に診療報酬を請求することです。
レセプト請求には入院・外来・歯科・調剤の4種類があり、翌月10日までに審査支払機関に提出しなければなりません。なお、請求点数は1点10円です。

レセプト請求の流れ

基本的なレセプト請求の流れは以下の通りです。

  1. 診察・入力
  2. レセプトの作成
  3. レセプトの点検・提出
  4. 審査支払機関にレセプトを提出
  5. 診療報酬の支払い

診察・入力

基本的に、患者の診察が終わったらレセプトのベースになる診療情報を、窓口会計業務と同時作業で「レセコン」に入力していきます。
基本的には、診療内容などに応じたコード・品番を入力すると、診療報酬点数を自動で算出可能です。外来患者の場合は来院するたびに、入院患者の場合は月に数回の精算のたびに入力します。

レセプトの作成

患者一人ひとりの1ヶ月間の診療内容・診療報酬の記録であるレセプトを作成していきます。患者一人ひとりのレセプトを作成する必要があり、大規模病院の場合はその件数が数千単位と非常に多いです。

ただし、作業自体はそれほど難しくありません。しっかりと正確な情報をレセコンに記録しておけば、後はレセコンが自動で集計してくれます。

レセプトの点検・提出

レセプトの点検作業は、レセプト請求においてメインとなる業務です。レセコンに入力された情報は、すべてが正確だとは限りません。医療事務の人が入力ミスをしている可能性があり、医師が診療内容や処方した薬を間違えて申告していることもあります。

そのため、レセコンから出力されたレセプトの内容が正しいものであるか否かをひとつずつ確認しなければなりません。

主に「患者の情報に誤りがないか」「記載されている傷病名と行った診療行為・処方薬などは合っているか」といった部分を点検します。点検をする上で、入力ミスが発覚した場合は迅速な修正が必要です。

審査支払機関にレセプトを提出

ここまで問題なくできたら、レセプトを審査支払機関に提出しましょう。
レセプトと診療報酬請求書は、審査支払機関で慎重かつ厳重に確認作業が行われます。もし、レセプトの記載内容にミスがあると、審査支払機関からレセプトを差し戻されてしまうので注意しましょう(返戻)。

また、診療報酬点数を減点される(減額査定)ことも少なくありません。返戻された場合は、レセプトを精査・修正して、再提出しなければならないので、手間と時間がかかります。

また、2015年4月からは、紙での提出が原則として認められなくなっており「電子媒体」もしくは「オンライン」を利用して提出しなければなりません。なお、最近ではオンライン請求を義務化する動きもあります。

診療報酬の支払い

審査支払機関は、診療報酬請求書とレセプトの内容を厳重に確認し、問題がなければ健康保険組合や共済組合・市区町村などに診療報酬を請求します。健康保険組合などは、審査支払機関の請求に応じて、審査支払機関を通して医療機関に対して診療報酬を支払うのです。

診療報酬の仕組み

作成したレセプトは、そのまま健康保険組合などへ提出するのではありません。審査支払機関を通してレセプトを厳重に確認してもらい、健康保険組合などが受領することで診療報酬が審査支払機関へと支払われるのです。その後、最終的に審査支払機関から、医療機関に診療報酬が支払われます。

審査支払機関とは?

レセプトの内容を厳重に確認し、保険機関から医療機関への支払いを代行する役割を果たすのが支払審査機関です。レセプト内容が正確であるかを、公正かつ適正に審査した上で支払いを行う第3者機関となります。なお、審査支払機関には、社保と国保があるので覚えておきましょう。

社会保険診療報酬支払基金は、東京に本部を置いて各都道府県に支部が設置されている特別民間法人の機関です。法人で働く方は、職域保険である社会保険に属します。また、社保は診療報酬関連の業務の他に、高齢者医療制度や介護保険関連の業務も担当の範囲です。

国民健康保険団体連合会は公法人の機関であり、47都道府県ごとに設置されています。各都道府県にそれぞれの団体があり、保険者は市町村や国保組合です。法人に属さないで個人事業を営んでいる方、または退職している高齢者などは国民健康保険に属します。

診療報酬については診療報酬制度とは?仕組みから加算まで簡単にわかりやすく解説!でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

労災のレセプト請求の流れ

仕事中に発生した怪我で医療機関にて受診した際は、労災扱いになります。

オンライン請求を行う場合は、都道府県労働局へ「(労災)電子情報処理組織の使用による費用の請求に関する届出」の提出をしなければなりません。提出後、労働局から労災レセプト電子処理システムユーザー設定情報が送られてきたらパソコンで必要情報を入力します。労災のネットワークは、社保と国保の共用です。そのため、同じシステムで都道府県労働局へレセプト請求できます。

また、紙媒体で労災レセプトを請求する際は、各県の労働局から規定の様式をダウンロードしてレセプトを作成します。たとえば、東京都の場合は、「東京労働保険医療協会」のホームページから規定様式の用紙をダウンロード可能です。必要な情報を記入したら、提出の締切日までに郵送すればレセプト請求が完了します。郵送以外では、FAXでの請求も可能です。

レセプトの返戻・査定とは?

ここでは、レセプトの返戻・査定について解説していきます。

返戻

返戻は、医療行為の適否を判断できない場合、審査側が一方的にレセプト自体を差し戻すことです。実施時期や再請求の可否については以下の表をご覧ください。

実施時期 医療行為の適否が判断し難い場合
内容 審査側が一方的にレセプト自体を差し戻す
支払い なし
再請求 可能

査定

査定は医療機関の請求に対して、審査側が不適当と判断した項目の内容を修正(減額・減点など)して、調整された額で支払いが行われることです。実施時期や再請求の可否については以下の表をご覧ください。

実施時期 審査側が請求を不適当と判断したとき
内容 審査側が不適当な項目の修正(減額・減点など)を行う
支払い 減額分を差し引いて支払われる
再請求 不可

レセプトの再請求期限

医療機関が提出したレセプト内容が、審査支払機関で適当ではないと判断された場合、「レセプト返戻」として医療機関へレセプトが差し戻されます。差し戻された際は、内容の不備や間違いをしっかりと確認して、修正することでレセプトを再請求可能です。

再請求の最終時効は診療月の翌月1日を起算日として、令和2年3月分診療分までが3年間、令和2年4月診療分以降が原則5年間となっています。なお、この期限はレセプト返戻の有無に関わらず適用されるので覚えておきましょう。

レセプト返戻・査定を減らすためにできること

レセプトに知見のあるスタッフを十分に抱えている医療機関はそう多くないでしょう。ここでは、レセプト返戻・査定を減らすためにできることを紹介していきますので参考にしてください。

レセプトチェックソフトの活用

レセプトチェックソフトは、医療機関が作成したレセプト(診療報酬請求書)の点検・分析・修正を行うソフトウェアです。レセプトが正確に記載されているかを事前に把握できれば、重点的に確認すべきレセプトを絞り込むことができます。そうすることで、スタッフの負担軽減や残業時間の短縮、働き方改革につなげることが可能です。

おすすめのレセプトチェックソフトについては【2023最新】レセプトチェックソフト【2023最新】おすすめ7選|価格や選び方まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

院内でのチェック体制の強化

レセプトの返戻。査定を減らすには、まずはレセプト点検前に日頃から正確にチェックすることが必要です。よくある、保険番号や記号の入力・記入ミス、署名の不備などを重点的に確認しましょう。
また、レセプト業務を行う医療事務の担当者のスキルアップも欠かせません。

レセプト請求代行業者の利用

レセプト請求代行業者では、レセプト作成・入力や点検などのレセプト業務を、医療事務のプロが医療機関の代わりに代行してくれます。医療事務のプロが代行するので、診療報酬の請求漏れや入力の誤りを減らすことが可能です。

ただし、レセプト請求代行業者も人手不足なので、希望通りに人手を確保できるとは限りません。

レセプト業務の代行・外注業者については【徹底比較】レセプト業務の代行・外注業者8選|導入メリットや注意点まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

まとめ

レセプト請求は、医療機関において欠かせない業務のひとつです。正確性が求められる業務ですが、入力ミスなどが発生することが多く、手間と時間がかかることも少なくありません。

今回の記事の内容を参考に、請求時の流れや注意点を理解した上で、レセプト請求を行うようにしましょう。


セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n33882f74cd71

国立大学を卒業後、新聞記者として4年間勤務。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、レジの導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野はレジ関連(POSレジ、自動精算機)、ナースコール、レセプト代行。

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