オートクレーブの導入を検討しているが、設置スペースが限られているため、一般的な大きさのものは設置できないという方は多いでしょう。今回の記事では、小型のおすすめオートクレーブ5選を紹介し、導入する際にサイズ以外で注意するポイントも解説しますので参考にしてください。
ここでは、オートクレーブのサイズ・大きさについて解説していきます。
オートクレーブの一般的なサイズは、幅40cm×奥行き50cm×高さ70cm程度です。
ただし、メーカーによって異なるので、導入する際は事前にサイズと設置スペースを確認しておくようにしましょう。
小型オートクレーブの場合は、幅30cm×奥行き40cm×高さ60cm程度です。こちらもメーカーによって異なるので、導入する際は事前にサイズと設置スペースを確認しておく必要があります。
小型オートクレーブは、設置スペースが限られる研究室などでニーズがあり、卓上型の製品もあるので狭いスペースでも設置可能です。
ここでは、小型のおすすめオートクレーブ5選を紹介していきます。
株式会社平山製作所はさまざまなタイプ・サイズのオートクレーブを提供しています。卓上小型高圧蒸気滅菌器のHFシリーズは、滅菌温度を選択し、滅菌時間も設定可能です。また、送風ポンプが内蔵されており、乾燥時間も自由に設定できます。
その他、メモリー機能があるため、前回の設定を記憶してくれるので同じ設定を何度も使用する際に便利です。
平山製作所の比較ポイント
製品情報
メーカー(会社、ブランド)名 | 株式会社平山製作所 |
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製品名 | HF220 |
用途 | 医療用 |
サイズ(W×D×H mm) | 430×453×367 |
重量 | 27㎏ |
価格 | 550,000円(税込) |
使用温度範囲 | 121℃ / 132℃ 選択式 |
タイマー | 滅菌: 121℃ : 20分~90分 / 132℃ : 5分~90分、乾燥:0分 ~ 90分 |
柴田科学株式会社が提供しているオートクレーブは卓上タイプです。マイクロピペットのノズル内部も滅菌でき、滅菌から乾燥まで全自動で行えます。また、100V電源で使用でき、簡単に操作できるため、日々の滅菌作業を効率的に行うことが可能です。
ラックチップや器具、開栓状態の容器なども滅菌でき、加圧用の水は上面の給水口から2.8Lを注ぎ入れるだけで使用できます。
柴田科学の比較ポイント
製品情報
メーカー(会社、ブランド)名 | 柴田科学株式会社 |
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製品名 | 卓上高圧蒸気滅菌器 SAC-1型 |
用途 | 理化学用 |
サイズ(W×D×H mm) | 430×453×367 |
重量 | 27kg |
価格 | 約60万円~70万円 |
使用温度範囲 | 121℃/132℃ |
タイマー | ー |
アルプ株式会社のオートクレーブは複数シリーズを展開しており、対話式液晶ディスプレイが搭載されているタイプやローラー付引き出しトレーを採用したタイプなどがあります。
対話式液晶ディスプレイが搭載されている CLGシリーズは、さまざまな情報を画面上に表示でき、対話型の入力操作となっており、日本語の他、英語・ドイツ語表示も可能です。また、ロックレバーにより、フタのロック・解除を簡単かつ確実に行えます。
アルプの比較ポイント
製品情報
メーカー(会社、ブランド)名 | アルプ株式会社 |
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製品名 | CLG-32L |
サイズ(W×D×H mm) | 550×620×990 |
用途 | 理化学用 |
重量 | 71kg |
価格 | 711,000円 |
使用温度範囲 | 100~140℃ |
タイマー | オプションで追加可能 |
株式会社ニチリョーが提供しているオートクレーブは、オートクレーバブルマイクロピペットや、小型器具の滅菌に最適な卓上横型タイプです。
操作は非常にシンプルで、滅菌から送風乾燥まですべて自動で行えます。滅菌と送風乾燥を別で行うことも可能です。また、加圧用の水は本体天面から給水タンクに2.8Lを注ぎ入れるだけで使用できます。
ニチリョーの比較ポイント
製品情報
メーカー(会社、ブランド)名 | 株式会社ニチリョー |
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製品名 | ニチメイト オートクレーブ |
用途 | 理化学用 |
サイズ(W×D×H mm) | 430×453×367 |
重量 | 約27kg |
価格 | 635,000円 |
使用温度範囲 | 121℃/132℃ |
タイマー | ー |
富士医療測定株式会社が提供しているオートクレーブは、未包装品用高圧蒸気滅菌器で、複数のモデルがあります。連続滅菌対応モデルのEAC-4600は、容量38.5Lのチャンバーを搭載しており、直径270㎜×高さ200㎜の丸カストを2個収納可能です。
また、連続滅菌対応システムを搭載しているので、作業終了後すぐに次の滅菌作業を行えます。そのため、診療数が多い医療施設におすすめです。
富士医療測器の比較ポイント
製品情報
メーカー(会社、ブランド)名 | 富士医療測定株式会社 |
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製品名 | EAC-4600 |
用途 | 医療用 |
サイズ(W×D×H mm) | 575×620×450 |
重量 | 62㎏ |
価格 | 要問い合わせ |
使用温度範囲 | 124℃/134℃ |
タイマー | ー |
ここでは、サイズ以外でオートクレーブを選ぶポイントを解説していきます。
基本的には、使う器具の数やサイズ、患者数に応じた容量を選びます。ただし、容量の大きさに比例して本体サイズも大きくなるため、置き場所やスペースを事前に確認して選択しなければなりません。
スペースが限られている場合は、小型のオートクレーブを複数置くのもおすすめです。また、歯科医院の場合は、タービン・ハンドピースの使用本数が多く、滅菌頻度の高いため、タービン・ハンドピース用に小型滅菌機を導入する歯科医院もあります。
製品によりますが、小型機種の価格は20万円~150万円程度です。医療用、理化学用など製品によって使用目的が異なる点にも注意が必要です。
オートクレーブは高圧蒸気滅菌器とも呼ばれ、機器の内部を飽和蒸気によって高温・高圧にすることで、医療用器具やバイオ系実験器具の滅菌を行う機器です。基本的な構造は圧力鍋と似ており、圧力を加えて機器の容器内を高温にします。
滅菌は、物質中のすべての微生物を殺滅・除去するため、除菌や殺菌よりも確実に無菌状態にすることが可能です。120°C程度で20分ほどで滅菌が完了します。
滅菌の方法には、オートクレーブの他にもガス滅菌や乾熱滅菌があります。ガス滅菌はゴム・プラスチックの滅菌に、乾熱滅菌は金属器材に適しています。
続いて、オートクレーブを使う際の注意点を解説していきます。
密閉した容器を滅菌すると、密閉したことで容器内の圧力が上昇します。その場合、容器が圧力に耐えられず、破裂することがあるので非常に危険です。
また、容器を密閉すると空気が抜けにくくなってしまうので、滅菌不良の原因になるので注意しましょう。
高温の液体は、突然沸騰することがあるので注意しましょう。液体は、缶体内の温度よりも冷めるのが遅いです。そのため、衝撃などが原因で突沸する可能性があります。不用意に取り扱うと、火傷や思わぬ事故につながることもあるので十分注意してください。
また、運転終了直後は突沸などにより火傷する可能性があるので、完了表示灯が点灯してから開けるようにしましょう。
滅菌バッグは、口元を狭めたり閉じたりしないでください。滅菌バッグの口元を閉じてしまうと、滅菌バック内の空気が排出できず、缶体内圧力が異常上昇することがあります。すると、圧力異常上昇エラーや温度ムラによる滅菌不良の原因になるので注意しましょう。
滅菌バッグを大きく開けていても、その中に密閉されたものを入れてしまうと、取り出す際に破裂して火傷や重傷事故の原因になるので注意してください。また、密閉された容器内の圧力が異常上昇することもあり、飛散による火傷や重傷事故の可能性もあります。
小型のオートクレーブは、コンパクトなので設置スペースが限られている医療機関や研究室におすすめです。ただし、メーカーによってサイズが異なるので、しっかりと事前に確認してから導入するようにしましょう。オートクレーブの導入を検討されている方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。