「レセプトの請求が厳しくなった」
「返戻や減点が増えて収益が不安定だ」
そう感じることはありませんか?近年、診療報酬の審査は全国で統一化・厳格化が進み、人為的なミスや請求漏れが以前より見逃されにくくなっています。
レセプト精度調査は、医療機関の診療報酬明細書(レセプト)の内容を専門家が詳しく調べ、請求漏れや間違いがないかを確認し、適正な収入確保と経営改善を目的とする調査です。
本記事では、レセプト精度調査の基本的な内容に始まり、メリット、具体的な実施手順、収益改善に繋げるための活用法までを徹底解説!レセプトに関する不安や悩みがある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
レセプト精度調査とは、医療機関が作成する診療報酬明細書(レセプト)の記載内容が正確であるかを確認する調査です。主な目的は、請求漏れや請求誤り(過大請求・過小請求)がないかを確認し、適正な診療報酬の請求と医療機関の経営改善につなげることです。具体的には、カルテや伝票などの診療記録とレセプトを照合し、請求プロセス全体の問題点を分析し、改善策を提案します。
近年、審査機関(支払基金・国保連合会)によるレセプト(診療報酬明細書)の審査は年々厳しくなっています。レセプト審査の厳格化が勧められているのは、国が医療費を適正にするため、審査機関のやり方を変えているからです。
以前はバラバラだった審査の基準を全国で統一し、さらにコンピュータチェックを強化しています。これにより、すべてのレセプトがデジタルで細かく分析され、以前なら見逃されていたような小さなミスも機械的に見つけ出されるようになり、請求が通りにくくなっています。

出典:出典:厚生労働省|審査支払機能の在り方に関する検討会 報告書
レセプト審査が厳格化が進む中、重要になるのがレセプト精度調査です。院内のスタッフだけでは、日常業務の中で慣れや思い込みから、請求ルールや業務フローの見逃しが生じがちです。第三者の客観的な目を通すことで、自分たちのチェックでは気づけない算定漏れやミスを根本から洗い出すことができます。これにより、請求のやり直し(返戻)や減点(査定)を防ぎ、本来もらえるはずのお金をしっかり確保できるようになります。
クリニックがレセプト精度調査を実施することでのメリットを3つ紹介します。
毎日同じ仕事をしていると、スタッフは慣れでミスを見逃しがちです。外部の専門家は第三者の立場から、見慣れた場所にあるミスや、請求し忘れている項目(算定漏れ)をしっかり見つけてくれます。見落としの発見はそのままクリニックの収入増加につながります。
国や審査機関のチェックはどんどん厳しくなり、ルールも変わります。専門家は最新の審査基準を熟知しているので、その厳しい基準に合わせてレセプトを直してくれます。結果、差し戻しや減点のリスクを減らすことができます。
大量のレセプトを細かくチェックするのは、スタッフにとって大変な負担です。外部に任せることで、スタッフは患者さんへの対応や医療の仕事に集中できます。また、専門家から正しいやり方を教えてもらえるので、今後の仕事のレベルも上がります。
レセプト精度調査は、外部の専門業者に依頼するのが一般的です。主に以下のステップで進められます。
まず、調査の専門家が院長先生や事務長に対して、どんな診療をしているか、日頃の請求で困っていることは何かをヒアリングします。調査の目標や、どの期間のレセプトを調べるかを決めます。
特定の期間のレセプトを選び出し、それに対応するカルテ(診療記録)、検査伝票、指示箋などの原資料と一つ一つ照合していきます。
患者さんの診療が終わってから、お金の請求(レセプト作成)をするまでの仕事の流れを追います。情報が医事担当に伝わる途中で、どこか間違ったやり方がないかをチェックします。
チェックで疑問に思ったことや、何度も出ているミスについて、先生やスタッフに直接話を聞き、なぜそのミスが起きたのか、本当の原因を探ります。
調査の結果、見つかったミスの数や、増える見込みのお金を報告書にまとめます。さらに、「このやり方を直しましょう」「この申請をするともっと収入が増えます」といった、具体的なアドバイス(改善策)を提案します。
レセプト精度調査は、実施した後が大切です。調査で明らかになった問題点を解決し、具体的な行動に移していくことで、将来の請求精度と収益の安定化につながります。
減点されたレセプトはすぐに修正して再請求し、もらい忘れていたお金(算定漏れ)も遅れて請求します。また、レセプトを出すコンピュータの設定ミスもすぐに直します。
ミスが起きた原因となった仕事の流れ(業務フロー)を見直して改善します。スタッフ全員でミスが多い部分を学び直す研修を行い、マニュアルもわかりやすく書き直します。
専門家が提案してくれた新しい施設基準を申請し、もらえるお金の土台を大きくします。そして、精度を下げないように、決まった時期に自分でレセプトをチェックする仕組みを取り入れます。費用はかかりますが、レセプトチェックソフトを導入することも手段の1つです。
レセプト精度調査に必要な料金は、調査会社ごとに異なります。点検の範囲、調査対象となるレセプト枚数、レセプトの種類(外来、入院、在宅)、調査方法等の違いにより、料金が決まります。公式サイト上で依頼料金を開示している2つの企業を紹介します。
| 株式会社メディカルタクト | 120,000円(税別) |
|---|---|
| 株式会社メディセオ | 45,000~円 ※ 外来レセプト 300件での料金目安(税抜)です。300件以上または入院、在宅等のレセプトは要相談。 |
最後にレセプト精度調査を行っている企業を紹介します。ここで紹介する3社は、レセプト業務に精通しており、実績も豊富です。レセプト精度調査に関心がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

株式会社メディカルタクトは、レセプト業務代行と医業経営コンサルティングを行う会社です。正確なレセプト請求を通じて、クリニックの経営効率化と安定化を支援しています。
レセプト精度調査を定期的なレセプトの健康診断として行うことで、レセプト精度を一定に保つことができます。問題点の抽出・改善プロセスの提示を通じて、無理のない経営改善をサポートします。メディカルタクトは調査結果を基にした医療事務スタッフの知識レベル向上に重点をおいており、レセプト精度調査を行うこと職員のスキルアップにもつながります。
メディカルタクトのレセプト代行についてはメディカルタクトのレセプト代行を徹底解説|料金形態や業務範囲などで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
メディカルタクトの柳社長にレセプト・医療事務に関する想いを語っていただきました。【インタビュー】メディカルタクトの柳社長が見据える医療事務の未来。ぜひこちらの記事もご一読ください。

株式会社ニチイ学館は、医療事務教育と人材派遣のパイオニアとしての豊富な実績と専門知識が最大の特徴です。保険請求に関する専門知識・ノウハウをもとにしたきめ細かい調査を提供しています。
提供するレセプト精度調査では、単なる請求誤りの指摘にとどまらず、カルテとレセプトの突合による算定漏れの検証や、部門別・診療科別の運用上の問題点分析を行います。さらに、増収に向けた新たな施設基準の届出やコスト意識向上のための改善策まで提案し、経営改善を包括的に支援します。同規模病院の診療収入情報との比較データ提供も強みです。

株式会社ソラストは、医療・介護分野での長年の実績とICTツール活用に強みを持つ大手企業です。医療事務の教育・人材派遣で培った豊富なノウハウを基に、質の高いサービスを提供しています。
提供する「診療報酬請求精度調査」は、現在の請求実態を詳細に把握し、算定機会の損失(請求漏れ)と算定誤り(返戻リスク)の両軸から問題点を洗い出すのが特徴です。特に、調査が難しい潜在的算定項目の掘り起こしにも注力し、長年のノウハウを集約したICTツールを活用して効率的かつ正確な調査・分析を実施。結果を基に実質的な収益改善を目的とした課題解決と提案を行います。
本記事では、レセプト精度調査の重要性から具体的な実施方法、そして調査結果を収益改善に繋げる具体的な活用策までを解説しました。審査が厳格化する現代において、第三者による客観的なチェックは、算定漏れを防ぎ、適正な収益を確保するための必須対策です。調査は、単にミスを直すだけでなく、業務フローの見直しやスタッフのスキルアップ、さらには長期的な経営基盤強化に繋がります。メディカルタクト、ニチイ学館、ソラストといった専門企業の特徴を参考に、貴院の課題に合った調査を依頼し、確実な収益アップと業務効率の改革を実現しましょう。
レセプト代行については【徹底解説】レセプト代行・外注が気になる方必見!料金や選び方などでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。