感染症の猛威により、医療機関の業務量は増大しました。人手不足の問題もあり、医療機関には余裕がなくなっています。そんな医療機関の負担を改善するために注目されているのが、リモート医事サービスです。
大手医療系企業のソラストやニチイ学館から提供されており、導入する医療機関が少しずつ増えています。では、リモート医事とはどのようなサービスなのでしょうか?
この記事では、リモート医事サービスの解説と、サービスを提供しているソラストとニチイ学館を比較します。リモート医療事務に興味のある方は是非参考にしてください。それでは、具体的に見ていきましょう。
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感染症の猛威により、医療事務スタッフの負担は増えました。
検温やアルコール消毒などの感染症対策が必要になり、さらに感染症への不安から辞める人が増えたことで、現場は疲弊しきっています。
そんな医療事務の人手不足の問題を解消するために生まれたのが、リモート医療事務です。
病院で対応していた事務作業を外部の会社がリモートで行うことで、スタッフの負荷が軽減します。
それでは、リモート医事はどのような業務を改善できるのでしょうか。
以下、具体的に解説していきます。
リモート医事とは、受付やレセプト業務のオンライン代行サービスです。リモートセンターでスタッフが病院と連携しながら、リアルタイムに業務を行います。
具体的な業務内容は、以下の5点です。
とくに月末月初に集中する診療報酬請求は専門的で複雑なため、残業時間が多くなりがちです。
その点、リモート医療事務では専門性を持ったスタッフが料金計算や診療報酬請求の業務を行います。そのため、院内での残業は発生しません。さらに労務管理の手間も減らすことが可能です。
リモート医事サービスは、様々な業務効率化を実現できます。
では、具体的なメリットはどのようなものがあるのでしょうか。順番に見ていきましょう。
データ入力や診療報酬の請求業務に関しては、医師や看護師が行うクリニックもあります。その場合、事務作業に追われることになり、肝心の医業に集中できません。
リモート医事サービスでは、時間のかかるデータ入力や診療報酬の計算や請求業務の代行が可能です。
事務作業を外注することで、医師や看護師の労働負荷が下がります。
そのため、医師や看護師は医業に集中できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
医療事務の仕事はマルチタスクです。
診察の受付や会計業務を行いながら、データ入力を行わなければなりません。
個別に患者の対応をすることもあるため、業務が滞り、待ち時間が増えることもあります。
リモート医事では、受付処理と料金計算をリモートかつリアルタイムに代行することが可能です。
業務を分担化することで業務の滞りはなくなり、待ち時間は削減されます。
患者様の満足度の向上に繋がると言えるでしょう。
リモート医療事務サービスを導入すると、教育コストは削減され、配置人数は最適化されます。
というのも、リモート医療事務では専門性を持ったスタッフがセンターに常駐しているからです。
スタッフを教育する時間や多めの人材採用が必要なくなります。
リモート事務の導入することで、教育コストの削減と配置人数の最適化を実現できると言えるでしょう。
医療事務の業務内容は多岐にわたります。
院内の清掃や感染症対策、さらに顧客対応や事務作業まで行わなければなりません。
それでは、医療事務の仕事内容と課題はどういった点にあるのでしょうか。
以下、具体的に解説していきます。
医療事務の主な仕事内容は以下の4点です。
接客から事務作業まで幅広い業務に取り組む必要があると言えるでしょう。
また、医療事務は、その働きやすさから女性に人気があります。
派遣社員やパート、アルバイトなどの勤務形態の割合が高く、柔軟な働き方が可能な職種と言えるでしょう。
業務領域が広い医療事務ですが、新型コロナウイルスの流行によりさらに仕事量が増えました。
患者からの発熱やPCR検査の問い合わせ対応、こまめなアルコール消毒などをしなければならなくなったのです。
結果、医療事務の負担が高まり、退職する人が増えました。
ひとり当たりの業務負荷を下げることが、医療事務における主要な課題と言えるでしょう。
疫病の流行により、一般企業ではテレワークの普及が進みました。
オンラインでのやりとりを増やし、専門ソフトを導入することで、疫病対策をするとともに業務改善に繋げています。
しかし、医療業界ではテレワークの普及が進んでいません。
総務省の調査によると、医療業界のテレワーク導入率は4.3%と全業界の中で最も低い結果がでています。
それでは、なぜ医療福祉業界ではテレワークの導入が進まないのでしょうか。
それは3点の課題があるからです。順番に見ていきましょう。
医療業界では、診察や医療措置を行う際に患者と直接接する必要があります。
病気の検査をする際に専用の機器や薬品も必要です。
対面業務の多さが、テレワーク導入を進められない理由のひとつになっていると言えるでしょう。
病院の個人情報漏洩は大きな問題になります。
病院から書類やデータを持ち出したことで、置き忘れや紛失に繋がったことも少なくありません。
個人情報漏洩の有効な対策は持出禁止にすることですが、どうしても個人の責任に依るところが大きくなります。
情報面でシステム的な対策を取れないことが、テレワーク導入の大きな壁になっていると言えそうです。
これまで医療の現場では情報を紙で保管してきました。
コロナ禍により、突然電子化の波が訪れましたが、現場の業務は増加傾向です。
時間の余裕がなく、体制を整えることができないため、書類の電子化が遅れてると言えるでしょう。
また、テレワーク導入の難しさが、医療業界の人手不足の一因になっています。
新型コロナウイルス感染を心配するスタッフは離職し、さらに人手も集めにくくなりがちです。
書類の電子化を進め、テレワークを導入することが医療業界の課題と言えるでしょう。
医療事務の仕事は資格がなくても就くことができます。
ただ、業務を行うためには専門的な医療や保険制度への知識が必要です。
カルテの読み取りや保険や薬の点数計算を行う必要があるため、初めての方は仕事を覚えるのに時間がかかります。
また、医療系の専門知識を持った人材は多くありません。
コロナ禍においては、人材不足が加速しており、医療事務を採用することが困難です。採用活動が長期化するケースもあります。
専門知識を持つ人材をどうやって育成し、確保するのか、医療業界の大きな課題と言えるでしょう。
人材不足が叫ばれる医療業界ですが、その課題の解消のひとつとしてリモート医療事務のサービスがはじまりました。
それでは、2社にはどのようなサービスの違いがあるのでしょうか。各サービスの内容を見ていきましょう。
株式会社ソラストは、医療事務のサービスを提供している会社です。医療に強みを持ったソラストの提供するリモート医事サービスが、iisy(イージー)です。
今まで各医療機関で行われてきたレセプトチェック、オンライン請求をオンラインで代行するサービス。医事サービスを外注することで、スタッフが診療業務に集中でき、業務負担の軽減にもつながります。開業直後でレセプト点検のノウハウがないクリニックにもおすすめです。
リモート医事サービスiisy(イージー)の比較ポイント
製品情報
共同開発企業 | ソフトバンク株式会社、名古屋大学医学部附属病院メディカル IT センター、日本医師会 ORCA 管理機構 |
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リリース日 | 2021年6月 |
料金 |
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ニチイ学館とは、医療事務の受託事業や医療コンサルティングなどの事業を展開している会社です。ヘルスケア事業や教育事業も展開しており、社員が多いため、人材に強みがあると言えるでしょう。
そんなニチイ学館の提供するリモート医事サービスがNichii Connectです。集約センターにて、リモートで診療報酬の計算や点検・修正などの業務を行います。
医療事務で最も専門知識が必要な業務が、診療報酬請求です。
自社ノウハウを活用し、専門人材の育成をすることで、ニチイ学館は人材不足問題の解決を目指していると言えるでしょう。
遠隔医療事務サービス Nichii Connectの比較ポイント
製品情報
共同開発企業 | 東日本電信電話株式会社 |
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リリース日 | 2022年5月 |
料金 | 要お問い合わせ |
医療事務サービスを提供しているソラストとニチイ学館ですが、どんな部分に違いがあるのでしょうか。
この2社の違いについて表にまとめました。それでは見てみましょう。
項目 | ソラスト | ニチイ学館 |
---|---|---|
サービス名 | iisy | Nichii Connect |
リリース日 | 2021年6月1日 | 2022年5月1日 |
対象施設 | 医科クリニック | 地域の医療法人、人口減少地域の医療機関 |
料金 | 通常プラン:月額5万円~ | 要問い合わせ |
業務領域 |
|
診療報酬請求 |
ソラストとニチイ学館の大きな違いは、業務領域にあります。
リモート事務を導入する際には、「どの程度外注するか?」という検討が必要と言えるでしょう。
リモート医事サービスを導入すると、医療事務の一部を外注することになります。そのため、ひとり当たりの業務量削減が可能です。
また、専門性のある診察請求業務を代行してもらうことで、採用業務の悩みもなくなると言えるでしょう。
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