注目のリモート医事サービスとは?|ソラストとニチイ学館のサービスを比較

投稿日 2022.05.30 / 更新日 2022.08.18
投稿者:豊田 裕史

感染症の猛威により、医療機関の業務量は増大しました。人手不足の問題もあり、医療機関には余裕がなくなっています。そんな医療機関の負担を改善するために注目されているのが、リモート医事サービスです。

大手医療系企業のソラストやニチイ学館から提供されており、導入する医療機関が少しずつ増えています。では、リモート医事とはどのようなサービスなのでしょうか?

この記事では、リモート医事サービスの解説と、サービスを提供しているソラストとニチイ学館を比較します。リモート医療事務に興味のある方は是非参考にしてください。それでは、具体的に見ていきましょう。

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この記事は2022年5月時点の情報に基づいて編集しています。


リモート医事サービスとは?

感染症の猛威により、医療事務スタッフの負担は増えました。

検温やアルコール消毒などの感染症対策が必要になり、さらに感染症への不安から辞める人が増えたことで、現場は疲弊しきっています。

そんな医療事務の人手不足の問題を解消するために生まれたのが、リモート医療事務です。

病院で対応していた事務作業を外部の会社がリモートで行うことで、スタッフの負荷が軽減します。

それでは、リモート医事はどのような業務を改善できるのでしょうか。

以下、具体的に解説していきます。


医療事務を省力化

リモート医事とは、受付やレセプト業務のオンライン代行サービスです。リモートセンターでスタッフが病院と連携しながら、リアルタイムに業務を行います。

具体的な業務内容は、以下の5点です。

  • 予約受付
  • 問い合わせ対応
  • 受付処理
  • 料金計算
  • 診療報酬請求

とくに月末月初に集中する診療報酬請求は専門的で複雑なため、残業時間が多くなりがちです。

その点、リモート医療事務では専門性を持ったスタッフが料金計算や診療報酬請求の業務を行います。そのため、院内での残業は発生しません。さらに労務管理の手間も減らすことが可能です。

リモート医事サービスiisy

引用:リモート医事サービス |【iisy】ひととICTの医療DXパッケージ |ソラスト


リモート医事サービスを導入するメリット

リモート医事サービスは、様々な業務効率化を実現できます。

では、具体的なメリットはどのようなものがあるのでしょうか。順番に見ていきましょう。


医療スタッフが医業に集中できる環境を築ける

データ入力や診療報酬の請求業務に関しては、医師や看護師が行うクリニックもあります。その場合、事務作業に追われることになり、肝心の医業に集中できません。

リモート医事サービスでは、時間のかかるデータ入力や診療報酬の計算や請求業務の代行が可能です。

事務作業を外注することで、医師や看護師の労働負荷が下がります。

そのため、医師や看護師は医業に集中できるのは大きなメリットと言えるでしょう。


受付や会計業務がスムーズになり患者様満足度が向上する

医療事務の仕事はマルチタスクです。

診察の受付や会計業務を行いながら、データ入力を行わなければなりません。

個別に患者の対応をすることもあるため、業務が滞り、待ち時間が増えることもあります。

リモート医事では、受付処理と料金計算をリモートかつリアルタイムに代行することが可能です。

業務を分担化することで業務の滞りはなくなり、待ち時間は削減されます。

患者様の満足度の向上に繋がると言えるでしょう。


職員の教育コストの削減、配置人数の最適化

リモート医療事務サービスを導入すると、教育コストは削減され、配置人数は最適化されます。

というのも、リモート医療事務では専門性を持ったスタッフがセンターに常駐しているからです。

スタッフを教育する時間や多めの人材採用が必要なくなります。

リモート事務の導入することで、教育コストの削減と配置人数の最適化を実現できると言えるでしょう。


医療事務の現状と課題

医療事務の業務内容は多岐にわたります。

院内の清掃や感染症対策、さらに顧客対応や事務作業まで行わなければなりません。

それでは、医療事務の仕事内容と課題はどういった点にあるのでしょうか。

以下、具体的に解説していきます。


医療事務の仕事とは

医療事務の主な仕事内容は以下の4点です。

  • 院内の清掃や感染症対策
  • 受付・会計業務
  • レセプト作成・点検
  • カルテ管理

接客から事務作業まで幅広い業務に取り組む必要があると言えるでしょう。

また、医療事務は、その働きやすさから女性に人気があります。

派遣社員やパート、アルバイトなどの勤務形態の割合が高く、柔軟な働き方が可能な職種と言えるでしょう。


新型コロナウイルスによる業務量の増加

業務領域が広い医療事務ですが、新型コロナウイルスの流行によりさらに仕事量が増えました。

患者からの発熱やPCR検査の問い合わせ対応、こまめなアルコール消毒などをしなければならなくなったのです。

結果、医療事務の負担が高まり、退職する人が増えました。

ひとり当たりの業務負荷を下げることが、医療事務における主要な課題と言えるでしょう。


テレワークが難しい業種

疫病の流行により、一般企業ではテレワークの普及が進みました。

オンラインでのやりとりを増やし、専門ソフトを導入することで、疫病対策をするとともに業務改善に繋げています。

しかし、医療業界ではテレワークの普及が進んでいません。

総務省の調査によると、医療業界のテレワーク導入率は4.3%と全業界の中で最も低い結果がでています。

それでは、なぜ医療福祉業界ではテレワークの導入が進まないのでしょうか。

それは3点の課題があるからです。順番に見ていきましょう。


患者や利用者と接する業務が多い

医療業界では、診察や医療措置を行う際に患者と直接接する必要があります。

病気の検査をする際に専用の機器や薬品も必要です。

対面業務の多さが、テレワーク導入を進められない理由のひとつになっていると言えるでしょう。


個人情報の持ち出しが難しいこと

病院の個人情報漏洩は大きな問題になります。

病院から書類やデータを持ち出したことで、置き忘れや紛失に繋がったことも少なくありません。

個人情報漏洩の有効な対策は持出禁止にすることですが、どうしても個人の責任に依るところが大きくなります。

情報面でシステム的な対策を取れないことが、テレワーク導入の大きな壁になっていると言えそうです。


書類の電子化が進んでいないこと

これまで医療の現場では情報を紙で保管してきました。

コロナ禍により、突然電子化の波が訪れましたが、現場の業務は増加傾向です。

時間の余裕がなく、体制を整えることができないため、書類の電子化が遅れてると言えるでしょう。

また、テレワーク導入の難しさが、医療業界の人手不足の一因になっています。

新型コロナウイルス感染を心配するスタッフは離職し、さらに人手も集めにくくなりがちです。

書類の電子化を進め、テレワークを導入することが医療業界の課題と言えるでしょう。


専門的な知識を持つ人材を確保することが困難

医療事務の仕事は資格がなくても就くことができます。

ただ、業務を行うためには専門的な医療や保険制度への知識が必要です。

カルテの読み取りや保険や薬の点数計算を行う必要があるため、初めての方は仕事を覚えるのに時間がかかります。

また、医療系の専門知識を持った人材は多くありません。

コロナ禍においては、人材不足が加速しており、医療事務を採用することが困難です。採用活動が長期化するケースもあります。

専門知識を持つ人材をどうやって育成し、確保するのか、医療業界の大きな課題と言えるでしょう。


リモート医療事務サービスを提供する2つの企業

人材不足が叫ばれる医療業界ですが、その課題の解消のひとつとしてリモート医療事務のサービスがはじまりました。

リモート医療事務は2つの会社がサービスを提供しています。

それでは、2社にはどのようなサービスの違いがあるのでしょうか。各サービスの内容を見ていきましょう。


株式会社ソラスト|リモート医事サービスiisy(イージー)

株式会社ソラスト

出典:株式会社ソラスト https://iisy.co.jp/

株式会社ソラストとは、医療事務のサービスを提供している会社です。人材派遣や病院経営のコンサルティングも行っており、現場と経営の両方のノウハウがあると言えるでしょう。

そんな医療に強みを持ったソラストの提供するリモート医事サービスが、iisy(イージー)です。

リモートセンターで、予約や受付処理、レセプト業務を行います。

また、現場とセンターはコミュニケーションツールを使用し、リアルタイムにやりとり可能です。離れていてもスムーズに業務ができると言えるでしょう。

そして、情報セキュリティに関しても安心です。

センターでは、IDカードが必要なことに加えて、監視カメラも設置されています。そして、デバイスを起動するには指紋認証が必要なため、内部の限られた人しか使用できません。

さらに3省2ガイドラインに準拠した上で、ISMS/ISO27001 認証も取得しています。情報セキュリティに問題はないと言えるでしょう。

リモート医事サービスiisy(イージー)の比較ポイント

  • リモートで予約や受付処理、レセプト業務が可能
  • ツールを使用し、現地とセンターでスムーズな業務遂行が可能
  • IDカード・監視カメラ・指紋認証の3段構えで情報セキュリティを担保

製品情報

共同開発企業 ソフトバンク株式会社、名古屋大学医学部附属病院メディカル IT センター、日本医師会 ORCA 管理機構
リリース日 2021年6月
料金 <体験プラン>
対象:リモート医事サービスの利用が初めての診療所(分院可)
申込上限枠:先着50件限定プラン
料金:先着50件まで5万円/月(税抜)
※月間の受付回数が1,000枚を超えると超過枚数は従量課金制を適用
ご契約期間: 4カ月~1年間(最低4カ月利用、最長1年間)
<新規開業医様限定プラン>
対象:開業準備中若しくは新規開設後1年未満の診療所(分院可)
申込上限枠:先着50件まで
料金:最大:10万円/月(税抜)
※10万円までは受付回数に応じた従量課金制を適用
ご契約期間:開業届出から、1年間限定のキャンペーン(1年後に価格の見直しを実施)
<通常プラン>
対象:すべての診療所
申込上限枠:ー
料金:従量課金制
ご契約期間:なし


株式会社ニチイ学館|遠隔医療事務サービス Nichii Connect

株式会社ニチイ学館

出典:株式会社ニチイ学館 https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20220425_01.html

ニチイ学館とは、医療事務の受託事業や医療コンサルティングなどの事業を展開している会社です。ヘルスケア事業や教育事業も展開しており、社員が多いため、人材に強みがあると言えるでしょう。

そんなニチイ学館の提供するリモート医事サービスがNichii Connectです。集約センターにて、リモートで診療報酬の計算や点検・修正などの業務を行います。

医療事務で最も専門知識が必要な業務が、診療報酬請求です。

自社ノウハウを活用し、専門人材の育成をすることで、ニチイ学館は人材不足問題の解決を目指していると言えるでしょう。

遠隔医療事務サービス Nichii Connectの比較ポイント

  • 診療報酬請求業務に特化
  • 蓄積してきたノウハウにより高品質な業務を実現
  • NTT東日本との提携により、センターと医療機関ネットワークが繋がりやすい

製品情報

共同開発企業 東日本電信電話株式会社
リリース日 2022年5月
料金 要お問い合わせ


2社の特長を比較

医療事務サービスを提供しているソラストとニチイ学館ですが、どんな部分に違いがあるのでしょうか。

この2社の違いについて表にまとめました。それでは見てみましょう。

項目 ソラスト ニチイ学館
サービス名 iisy Nichii Connect
共同開発企業 ソフトバンク NTT東日本
リリース日 2021年6月1日 2022年5月1日
対象施設 新規開院クリニック、有力医療法人、地方の病院やクリニック 地域の医療法人、人口減少地域の医療機関
料金 新規開業医様限定プラン:10万円/月
通常プラン:従量課金制
要問い合わせ
業務領域 受付、会計、レセプト業務 診療報酬請求

ソラストとニチイ学館の大きな違いは、業務領域にあります。

リモート事務を導入する際には、「どの程度外注するか?」という検討が必要と言えるでしょう。


リモート医事サービスを利用したお客様の声

業務効率化を進められるリモート医事サービスですが、実際の導入でどのような問題が解消されたのか気になる方もいると思います。

ここでは、実際に導入したお客様の声を紹介します。それでは見ていきましょう。


iisyを利用しているお客様の声

会計業務をリモートでやってもらえると院内の仕事が少しずつ減ってすごく楽になりました。

積み重なって楽になった時間を他の仕事に振り分けることができて、現場の仕事に集中することができるようになったのです。

また、患者様が多く、スタッフが休んでしまった状況でもなんとか乗り切れた経験があります。

ノウハウを外から持ってくるという意味で、リモート医療事務の活用は大いにありだと思います。

(神奈川県/クリニック/院長)


Nichii Connectの実証実験に参加したお客様の声

診療所における診療報酬請求業務は一段と複雑になりつつあります。

そんな状況のなか、今までのように窓口業務の片手間でレセプト請求を行うのは困難です。

まず、様々な点数条件を勘案して、素早く正確に診療報酬を計算できる人材は多くありません。

また、各診療所・クリニックにおける算定内容や算定方法などを覚える必要があるため、人材育成にも時間がかかります。

そのため、小さい診療所やクリニックで高度なスキルを持った人材を確保することは困難になりつつある状況です。

現在、小さいクリニックや大きい病院どちらも診療請求に頭を抱えている状況です。

ニチイ学館のリモート医療事務サービスでは、専門分野に詳しい医療事務スタッフが業務を行います。

高品質な診療報酬請求を実現に向けて、大いに期待できると言えるでしょう。

(東京都/医院/院長)


リモート医事サービスの今後の可能性

リモート医事サービスを導入すると、医療事務の一部を外注することになります。そのため、ひとり当たりの業務量削減が可能です。

また、専門性のある診察請求業務を代行してもらうことで、採用業務の悩みもなくなると言えるでしょう。

医療事務サービスは、ソラストからもニチイ学館からも登場したばかりのサービスです。今後、導入する病院が増えることで、機能や品質がアップデートしていくと予想されます。

人口減少地域の医療機関や専門人材の確保に苦労している医療機関の課題を解決する可能性をもったサービスと言えるでしょう。

リモート医事サービス選びの専門知識・時間が無い方
コンシェルジュが代わりに探してご案内します!

業界に精通したコンシェルジュが、希望条件をお伺いし、ピッタリなメーカー・製品をご案内。
時短&手間ナシで情報収集が可能です。相場観や補助金情報などのご質問にもお答えします。


セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.

URL:https://twitter.com/toyoda_2ndLabo

セカンドラボ株式会社の社員。病院・介護施設のDX&業務効率化オタク。中小企業診断士取得予定(8月)です。毎日医療福祉施設向けの製品やサービス、企業の調査研究を行っています。


フリーランスWEBライター

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元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。