配薬カートとは、患者様に投与する内服薬を患者様別や時間帯ごとに管理できるカートのことです。
簡易的な配薬管理では、異なる薬を投与してしまいそうになる事案や、投与忘れの事案なども少なくありません。
配薬カートを導入することで、当日の与薬状態を一目で把握できるため、誤薬防止につながります。
また、1患者様の内服薬をあらかじめセットすることができるので、毎日の重要な「与薬管理業務」の効率化も可能です。
上記の導入メリットがある配薬カートは、病床数や現場の運用に合わせて、各メーカーから様々な配薬カートが販売されています。
今回は、配薬カート導入のメリット・選び方・おすすめの製品7選をご紹介していきます。
配薬管理の効率化と、配薬の安全性を高めたいとお考えの施設担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
配薬カートを導入するメリットは、「作業効率の向上による時間短縮」や「重大な事故を未然に防げる」ことです。一つずつ見ていきましょう。
病棟勤務では薬剤に関連した業務が多いです。そのため、日勤者・夜勤者は、薬のセッティングのための時間外労働が発生することがあります。
配薬カートを導入すれば、1患者様の1週間〜2週間分の内服薬をあらかじめセットできるので、薬剤管理業務の効率化が可能です。配薬セットにかかる作業時間を短縮することで、時間外労働が減り、スタッフの負担軽減にもつながるでしょう。
与薬管理業務において、誤配薬や投与忘れなどの重大な事故は、絶対に防がなければなりません。しかし、与薬に関するインシデント事例が少なからずあるのも事実です。
配薬カートを導入すると、1患者様ごとにそれぞれの時間帯に必要な内服薬が管理しやすくなります。また、製品の中には静脈認証で患者様を確認するシステムもあります。それにより、人違い・投与量・投与時間・投与忘れなどのヒューマンエラーを防ぐことができるのです。
配薬カートは様々なメーカーから販売されており、その中から自院に合った製品を選ぶ必要があります。ここでは、選ぶ際のポイントを以下の3つに絞って解説していきます。
一つずつ見ていきましょう。
まずは、病床数に応じた収納容量の配薬カートを選ぶことが大切です。選ぶ際には、1病床あたりの患者様の人数や、何日分の薬剤を管理するかをあらかじめ把握しておく必要があるでしょう。
コクヨのメディレージシリーズ 与薬カートには、36床用、27床用、24床用、18床の豊富なバリエーションから選ぶことができます。また、1トレーに1患者様の1日分(朝、昼、夜、寝る前)×8日分の配薬ケースを収納することも可能です。
自院の運用に合った配薬ケースのバリエーションなど、カスタマイズ性に優れているかを確認するのも大切です。カスタマイズ性がない場合、施設の運用方法が変わってしまうと、薬剤管理などで使いづらくなってしまうでしょう。
数多くの製品の中でも、バリエーションの豊富さに定評があるのが、サカセ化学工業株式会社の配薬カートです。1日の服薬回数が3回、4回のもの、薬袋・水薬ボトルを収納できる深型のトレーなど、運用に合わせたカスタマイズが可能な製品です。
配薬カートを選ぶ際は、セキュリティ面にも注目しましょう。例えば、盗難防止や個人情報の保護に配慮した、鍵付きシャッターがついている製品があります。
鍵付きシャッターを選ぶと、地震発生時にトレーが外に飛び出して薬の散乱を防ぐことが可能です。安全性を高めるためにも、セキュリティ面に配慮した製品を選びましょう。
ここからは、おすすめの配薬カート7選をご紹介していきます。
コクヨのメディレージシリーズは、病床数に合わせてバリエーションを選べるのが特徴です。36床用、27床用、24床用、18床用といった、病床数に応じた収納容量が選べます。 また、1トレーに1患者様の1日分(朝、昼、夜、寝る前)×8日分の定時薬を収納することもできます。 さらに、ワンタッチでトレーをロックし、施錠できるセキュリティバーがついているので、セキュリティ面でも安心です。
コクヨ株式会社の比較ポイント
製品情報
会社名 | コクヨ株式会社 |
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製品名 | メディレージシリーズ 与薬カート |
バリエーション | 36床用、27床用、24床用、18床用 |
サイズ | 36床用 W1220×D535×H1335 27床用 W1220×D535×H1090 24床用 W892×D535×H1335 18床用 W892×D535×H1090 |
価格 | ¥503,000~¥828,000 |
サカセの配薬カートは、今回ご紹介している製品の中でも圧倒的なバリエーションを誇ります。 48床用から10床用までの複数ラインナップがあり、大規模な病院から小規模な病院まで対応しているのが特徴です。 また、引き出しは2パターンあり、奥行420mmのL引き出しと、奥行360mmのM引き出しから選べます。 盗難防止や個人情報の保護に便利なシャッター鍵付きタイプもあるので、セキュリティ面でも申し分ないでしょう。
サカセ化学工業株式会社の比較ポイント
製品情報
会社名 | サカセ化学工業株式会社 |
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製品名 | 与薬カート |
バリエーション | 10床用、15床用、18床用、20床用、22床用、24床用、27床用、30床用、33床用、36床用、39床用、40床、44床用、48床用 |
サイズ | 10床用 W358×D528×H1088 15床用 W713×D587×H1125 18床用 W713×D587×H1125 20床用 W713×D587×H1207 22床用 W713×D587×H1289 24床用 W978×D587×H1207 27床用 W978×D587×H1125 30床用 W978×D587×H1207 33床用 W978×D587×H1289 36床用 W978×D587×H1370 39床用 W1243×D587×H1370 40床用 W1243×D587×H1207 44床用 W1243×D587×H1289 48床用 W1243×D587×H1370 ※上記全てLタイプでの記載 |
価格 | ¥227,000~¥581,400 |
株式会社ケルンの配薬カートは、サイズ・配薬トレー・カラーバリエーションが豊富です。 カラーは11色、配薬トレーは180種類の中から、自院の運用に合ったタイプを選ぶことができます。 与薬カートスタンダードモデルでは、2週間分の内服薬の管理ができる2weekタイプもあります。
株式会社ケルンの比較ポイント
製品情報
会社名 | 株式会社ケルン |
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製品名 | 与薬カート |
バリエーション | 与薬カート(180種)、与薬カート スタンダードモデル(26種) |
サイズ | 要問合せ |
価格 | ¥158,000~¥1,306,000 |
株式会社オカムラのリレイトカートは、サイズが11床用、24床用、42床用の3種類を取り揃えています。 ワンデイサイクル運用により、当日分の内服薬を常にトレーの一番前に配置できるため、誤薬防止につながります。 また、シャッターで施錠管理できるので、トレー前面の個人情報保護にも役立つでしょう。
株式会社オカムラの比較ポイント
製品情報
会社名 | 株式会社オカムラ |
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製品名 | リレイトカート |
バリエーション | 11床用、24床用、42床用 |
サイズ | 要問合せ |
価格 | 要問合せ |
河淳株式会社の配薬カートは、アルミフレーム製の軽量モデルかつ省スペース設計で、与薬管理業務をサポートします。 また、サイズは20床用〜48床用まであり、バリエーションも豊富。 オプションの与薬コンテナにミニケースなどをセットすれば、複数の患者様にも対応できます。 さらに、シャッター施錠も可能なので、プライバシー保護やセキュリティ管理の面でも役立つでしょう。
河淳株式会社の比較ポイント
製品情報
会社名 | 河淳株式会社 |
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製品名 | M 与薬カート |
バリエーション | 20床用、24床用、30床用、36床用、40床用、48床用 |
サイズ | 20床用 W714×D536×H1192 24床用 W714×D536×H1341 30床用 W988×D536×H1192 36床用 W988×D536×H1341 40床用 W1262×D536×H1192 48床用 W1262×D536×H1341 |
価格 | ¥377,000〜¥516,000 |
マツヨシ与薬カートは、10床用、18床用、20床用、24床用、30床用、36床用とバリエーションが豊富です。 また、トレータイプと駒タイプがあり、トレータイプは1引き出しにつき、朝・昼・夕・寝る前に区分された1週間分+予備1個がセットされています。 駒タイプでは、1引き出しにつき、朝・昼・夕・寝る前と表示された4色の駒が1週間分セットできます。 シャッター扉を搭載しているので、セキュリティ面でも安心です。
松吉医科器械株式会社の比較ポイント
製品情報
会社名 | 松吉医科器械株式会社 |
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製品名 | マツヨシ与薬カート |
バリエーション | 10床用、18床用、20床用、24床用、30床用、36床用 |
サイズ | 10床用 W435×D505×H1195 18床用 W802×D540×H1125 20床用 W802×D540×H1195 24床用 W802×D540×H1360 30床用 W1102×D540×H1195 36床用 W1102×D540×H1360 |
価格 | ¥319,000〜¥584,000 |
株式会社宮成製作所のメディロックは、介護施設向けの配薬カートです。 調剤薬局と介護施設で共通のトレーを利用することで、配薬・与薬・服薬の業務が効率化されます。 また、オプションの使用で入居者の名前や内服日時、薬の種類ごとに仕分けがしやすくなります。 セキュリティ面では、施設の用途によって2種類の施錠方法から選び、盗難・悪用などから守ることが可能です。
株式会社宮成製作所の比較ポイント
製品情報
会社名 | 株式会社宮成製作所 |
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製品名 | メディロック |
バリエーション | 浅型12段、深型6段 |
サイズ | W500×D415×H987 |
価格 | 要問合せ |
配薬カートを導入すれば、配薬のセットにかかる時間が短縮され、与薬に関する事故を防ぐメリットがあります。様々なメーカーから販売されている配薬カートですが、自院に合った製品を選ぶために、以下の3つのポイントに注目してみてください。
「配薬管理の効率化」や「配薬の安全性を高めたい」とお考えの施設担当者の方は、配薬カートの導入を検討してみてはいかがでしょうか。