医療機関や介護施設で提供される食事には、栄養面だけでなく味や美味しさも求められています。その中で注目されているのが、1台で蒸し料理や焼き料理などができる多機能の厨房機器「スチコン」です。
厨房内の生産性が向上するスチコンですが、「いくらかかるのか」「どのメーカーが自施設に適しているのか」悩む方も多いでしょう。
そこで今回は、クックチルの導入に欠かせないスチコンの価格について、主要メーカーを比較しながらご紹介していきます。
本記事を読むことで、自施設に適したスチコンのサイズや価格がわかるようになり、導入を進めることができるでしょう。
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ここでは、「小型」「中型」「大型」とサイズ別でスチコンの価格を比較します。サイズによって価格が異なるため、価格相場は導入時の参考にしてください。また、ガス式と電気式でも若干の価格差があるので、選ぶ際は注意が必要です。ガス式と電気式であれば、ガス式の方が火力が強く、立ち上がりが早いため電気式より価格が高くなりがちです。それでは、サイズ別のスチコンの価格相場を見ていきましょう。
各サイズのスチコン価格相場は、以下の通りです。
スチコンのサイズ比較 | スチコン価格相場 | |
小型モデル | W500~600×D400~600×H350~500 | 50万~100万程度 |
中型モデル | W700~1000×D700~1000×H700~1000 | 100万~250万程度 |
大型モデル | W1000~×D1000~×H1000~ | 200万円~600万円もしくはそれ以上 |
スチコンを選ぶ際は、価格相場の把握と設置スペースの確認もしておきましょう。また、給排水設備やフードの取り付けなどの工事費用がかかる場合もあるので、導入予定のメーカーに問い合わせが必要です。
スチコン以外にも、ブラストチラーや付帯工事など様々な費用が上乗せされることを想定して、導入方法の違いを解説します。ここでは、大きく分けて以下の3種類の導入方法についてご紹介していきます。
スチコンの導入時に、一括で支払うと貸借対照表の「資産」の部に計上できます。導入も簡単にできますが、高額な費用が必要となるため、新規開業などの際は初期費用に注意が必要です。また、新品購入だけでなく中古での導入も可能です。ただし、中古での導入はメーカーの保証がない場合が多いので、必ずチェックしておきましょう。
レンタルでの導入は、比較的短期での導入を検討している方におすすめです。そのため、スポットで必要になった場合や、購入前に使い勝手を見てみたい場合などに向いています。中型サイズであれば、7日間で6万円〜7万円がレンタル費用の相場になるでしょう。レンタル費用に関しては、各レンタル業者で異なるので、導入前に問い合わせが必要です。
リースでの導入であれば、初期費用に多額の費用が必要とならないため、導入しやすいでしょう。他にもリースのメリットは、リース料を経費で処理できるため、コストの把握が容易であることです。ただし、基本的には5年程度のリース期間が決まっているので、途中解約ができない点には注意が必要です。費用に関しては、月額利用料金2万円から導入できる業者もあるので、各リース会社へ問い合わせてみてください。
スチコン選びに迷われている方へ
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ここでは、中型サイズのスチコンおすすめ10選をご紹介します。それぞれの特長を把握し、自施設に合ったスチコン選びの参考にしてください。
マルゼンのスチコンは、7インチのカラー液晶タッチパネルを搭載し、誰でも簡単に便利な機能を使いこなせるのが特徴です。便利な機能のひとつに、「マルチ調理」があります。複数のメニューを同時に調理できるので、時短効果だけでなく少人数での調理を効率よく行えるでしょう。
また、「庫内自動洗浄機能」により、洗浄〜乾燥まで自動で行なってくれるので、洗浄にかかる手間を大幅に削減できるのも魅力です。
株式会社マルゼンの比較ポイント
製品情報
サイズ | W845×D775×H1080 |
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価格 | 2,680,000円(税抜) |
ニチワ電機のスチコンにはAI自動調理機能が搭載されており、より簡単に、素早く調理することが可能です。使い方は、調理したいメニューを液晶タッチパネルから選ぶだけの簡単操作のみ。液晶タッチパネルに調理メニューの画像がカラーで表示されるので、見やすいのも嬉しいポイントです。
また、庫内自動洗浄には、庫内の温度データをUSBに保存・確認することができます。
ニチワ電機株式会社の比較ポイント
製品情報
サイズ | W900×D800×H1395 |
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価格 | 要問い合せ |
タニコーのスチコンは小規模施設でも置ける設計で、大容量の調理が可能です。基本モードには、「蒸す」「煮る」「焼く」の3つのモードがあり、食材をさらにおいしく仕上げます。
また、棚位置を変えられる設計なので、20mm薄型ホテルパンに対応しています。スチコン内の付属品は取り外して掃除ができるので、衛生面でも問題なく使えるでしょう。
タニコー株式会社の比較ポイント
製品情報
サイズ | W700×W590×H660 |
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価格 | 1,584,000円(税込) |
厨房機器の中には、操作が複雑で操作方法を覚えるのに時間がかかることもあるでしょう。ホシザキが提供するスチコンは、機械操作に慣れていない方でも扱える操作性が特徴です。スチコンの操作はボタンとダイヤルのみで、「上から下へ」操作する手順なので直感的に扱えます。
また、ダブルアクションハンドルを採用しており、扉を開けた際の水蒸気によるやけどを防ぎます。
ホシザキ株式会社の比較ポイント
製品情報
サイズ | W900×D770×H750 |
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価格 | 1,925,000円(税込) |
フジマックのスチコン「FICP61E」の最大の特徴は、「多品種同時調理」ができることでしょう。登録したメニューに沿って、それぞれの段に異なる食材を投入するだけで、同時に調理をしてくれます。スチコン本体が食材の投入、取り出しのタイミングを知らせてくれるので、非常に便利な機能です。
また、高速洗浄モードを搭載しており、業務の合間に汚れを洗浄することもできます。
株式会社フジマックの比較ポイント
製品情報
サイズ | W850×D842×H808 |
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価格 | 2,194,000円(税抜) |
株式会社コメットカトウのスチコンは、1レシピにつき最大9工程、最大999メニューの登録が可能です。また、Web上でのメニュー登録ができ、記録したデータをいつでも機器へ転送して呼び出すことができます。ガス式にはメタルニットバーナーを採用し、業界最高水準の省エネ性を実現しています。
株式会社コメットカトウの比較ポイント
製品情報
サイズ | W870×D770×H861 |
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価格 | 2,050,000円(税抜) |
株式会社エフ・エフ・アイのスチコンは多彩なオート機能を搭載しており、調理時間の短縮を実現します。206種類の自動メニューを記録済みで、ワンタッチですぐに調理が可能です。
他にも、調理時間が異なる食材ごとにタイマーを設定でき、仕上がり時間を知らせてくれる便利な機能もあります。自動洗浄モードでは、庫内の汚れ度合いを自動で測定して、最適な洗浄モードを教えてくれる機能も魅力といえるでしょう。
株式会社エフ・エム・アイの比較ポイント
製品情報
サイズ | W750×D783×H1010 |
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価格 | 要問い合わせ |
北沢産業のスチコンには、ジオリック社の特許技術が使われており、2つのスチーム機能を搭載しています。それにより、立ち上がりの早いスチームと質の高いスチームをひとつにし、速さ・質・効率・節約に大きく貢献。理想的な仕上がりを実現してくれるでしょう。
また、庫内の汚れに応じて洗浄モードを決定するだけで、自動的にクリーニングが開始される点も大きな特徴です。
北沢産業株式会社の比較ポイント
製品情報
サイズ | W860×D795×H835 |
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価格 | 1,990,000円 |
iCombi Classicは、調理レベルは最高峰に仕上げ、操作はシンプルでわかりやすいバランスのとれたスチコンです。高精度の計測・制御システムとパワフルなスチーム発生器で、どんな食材も期待通りの結果になるでしょう。
また、仕上がりに満足すれば、調理プロセスを最大12ステップ記録可能で、最大100件の調理プログラムに対応しています。自動洗浄はディスプレイから簡単に選択して行えるので、手間をかけずに庫内の洗浄が可能です。
株式会社ラショナル・ジャパンの比較ポイント
製品情報
サイズ | W850×D842×H1014 |
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価格 | 要問い合わせ |
株式会社AIHOのスチコンは7インチの大型カラー液晶搭載で、庫内の温度状況や設定内容を瞬時に把握することができます。また、庫内最高温度320℃まで強力加熱ができて、こんがりとした綺麗な焼き上がりが可能です。調理メニューは300種類登録できるので、調理時間や蒸気量に合わせて調理できるのも嬉しいポイントでしょう。
株式会社 AIHOの比較ポイント
製品情報
サイズ | W1000×D775×H1800 |
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価格 | 要問い合わせ |
スチコン選びに迷われている方へ
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スチコン導入にあたり、比較するべきポイントを下記の3つ解説していきます。
毎日食事を作る機器なので、日々のお手入れや衛生管理は欠かせません。スチコンに「自動洗浄機能」が搭載してあると、毎日のお手入れが楽になり、衛生面でも安心です。多くの機種に自動洗浄機能が搭載されているものの、中には搭載されていない機種もあるので確認が必要です。
また、洗浄機能だけでなく、「乾燥機能」を搭載した最新機種もあります。ニチワ電機社とマルゼン社のスチコンは、洗浄から乾燥まで自動で行ってくれるので、ぜひチェックしてみてください。
スチコンを使いこなすためには、メモリ機能の充実さも大切です。メモリ機能は、メニューごとの製造工程や温度管理などを登録し、登録した機能を1プッシュで実行してくれます。そのため、毎回の入力作業の手間がなくなり、効率よく作業を進めることができるでしょう。
メモリ機能が充実しているコメットカトウ社の機器は、最大9工程の加熱を999種の登録が可能です。さらに、メニューをWeb上で登録し、Webから機器本体へ転送できるのも便利です。
スチコンを導入するうえで、設置場所を検討するのは非常に重要なことです。設置場所が悪いが故に作業効率が悪くなり、導入を後悔してしまう可能性もあるでしょう。そのため、実際に使用する動線を確保したうえで、設置場所をしっかり決めていくのがベストです。
今回は、厨房作業を効率化するスチコンの価格相場について解説してきました。おさらいすると、各サイズの価格相場は以下の通りです。
上記の価格相場のように、スチコン導入には非常に高額な費用がかかります。一括購入以外にも、レンタルやリースなどの導入方法もあるので、導入の際にはぜひ検討してみてください。
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豊田 裕史|中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://twitter.com/toyoda_2ndLabo
セカンドラボ株式会社の社員。病院・介護施設のDX&業務効率化オタク。実は中小企業診断士です。毎日医療福祉施設向けの製品やサービス、企業の調査研究を行っています。
カケル
フリーランスWEBライター
URL:https://twitter.com/kakeru5152
元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。