スチコンのメリットとは?導入効果やおすすめメーカーを解説

更新日 2024.06.25
投稿者:豊田 裕史

「スチームコンベクションオーブン」通称「スチコン」は、食事提供サービスを伴う医療福祉施設において注目されています。とはいえ、どのようなメリットがあるのかも分からず、導入を迷う方も多いことでしょう。

当記事では、医療福祉施設にスチコンを導入するメリットやデメリットを詳しく解説していきます。おすすめのスチコンメーカーも紹介していきますので、スチコンの導入を検討中の方はぜひ参考にしてください。

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スチコンとは?何ができる?

「スチコン」は「スチームコンベクションオーブン」の略称です。熱と蒸気を調整して、「焼く」「煮る」「炊く」「炒める」「揚げる」「茹でる」「蒸す」「温める」といったさまざまな調理方法を可能にします。

オーブンにスチーム発生装置を取り付けることで、庫内全体の温度と湿度をコントロールしムラのない仕上がりを実現できるのが特長です。また、一度に大量の調理ができるため、医療福祉施設だけでなく飲食店やホテル、給食施設といった現場でも導入が進んでいます。

スチコンの選び方、メーカーについては【2024】スチコンメーカー比較6選|価格や機能を徹底比較でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

スチコン導入のメリット

スチコン導入のメリットとしては、主に下記が挙げられるでしょう。

  • 調理時間を短縮
  • 誰でもおいしく作れる
  • 安心の衛生管理

ここからは、スチコン導入のメリットを詳しく解説していきます。

調理時間を短縮

最初のメリットは「調理時間を短縮」できるという点です。加熱調理にスチームを使用することにより、熱伝導が良くなります。その結果、調理時間を大幅に短縮することができるのです。

また、スチコンを使うと一度に複数の調理もできるようになります。スチコンでの調理を待つ間に、調理人が他の作業を進めることもできるでしょう。それにより、大量の料理を短時間で効率的に調理を進められるのです。

誰でもおいしく作れる

次のメリットは「誰でもおいしく作れる」という点が挙げられます。スチコンはボタンひとつで自動調理を行ってくれます。事前に調理方法や時間などをプログラミングで記録しておけば、その都度細かな設定をする必要もありません。そのため、初心者であっても難しい調理が簡単に作れるようになるのです。

また、芯温センサーを用いることで、正確に温度を測ることができます。そのため、無駄な加熱による味の低下や時間のロスを防げるでしょう。

安心の衛生管理

最後のメリットは「安心の衛生管理」です。スチコンには芯温管理センサーが付いているため、生焼けや加熱不足を防ぐことができます。それにより、食中毒を防ぐことができるでしょう。

また、スチコンでの調理中は庫内が密閉されているため、異物混入の心配もいりません。厨房内にも蒸気が拡散しないので、調理室全体の衛生管理の向上にもつながるでしょう。機器によっては、庫内自動洗浄機能もあるため安心して利用することができます。

スチコン導入のデメリット

さまざまなメリットがあるスチコンですが、下記のようなデメリットもあるので注意しましょう。

  • 操作方法への慣れ
  • 小容量の調理には向いていない

操作方法への慣れ

最初のデメリットは「操作方法への慣れ」が挙げられます。スチコンは機器にある操作パネルと用いて、加熱方法や時間を設定しなければなりません。難しい操作ではありませんが、慣れていないと操作に手間取り時間を要してしまいます。

とはいえ、購入時にメーカーの担当者から、操作方法などの説明を受けることが可能です。初めての導入であれば、その際に説明をしっかり聞くようにしましょう。最初に聞いておけば、不慣れな方でも問題なく使用できるようになるので安心してください。

小容量の調理には向いていない

次のデメリットとして「小容量の調理には向いていない」という点が挙げられます。スチコンは一度に大量の調理ができることをメリットにした製品です。反対に小規模・小容量の調理となると、機器に対してのサイズが小さすぎてスチコンのメリットを発揮できない可能性が高いでしょう。

それどころか、少なすぎるとうまく調理ができない可能性もあるので注意が必要です。事前にどのくらいの量の調理が必要なのか、施設に必要な量をあらかじめ計算しておきましょう。そのうえで、検討中のメーカーのスチコンがうまく調理できる量なのかどうかを事前に問い合わせておくことをおすすめします。

スチコンおすすめ10選

ここからは、それぞれのメーカーの特長を解説していきます。施設に合ったスチコンを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

株式会社マルゼン|SSCX-10D

株式会社マルゼン

出典:株式会社マルゼン http://www.maruzen-kitchen.co.jp/

株式会社マルゼンは業務用厨房機器の製造や販売を行う会社です。マルゼンから販売されている「スーパースチームエクセレントシリーズ」は、オート調理やマルチ調理機能、庫内自動洗浄など豊富な機能を取り揃えています。

操作には7インチカラー液晶タッチパネルを搭載し、使いやすく一目でわかりやすいデザインとなっています。また、マルゼン考案の庫内環境管理システム「クロスシステム」を導入しており、庫内温度と蒸気量を正確に制御することが可能です。

株式会社マルゼン|SSCX-10Dの比較ポイント

  • 前面ガラス扉とLEDライトで庫内の様子が確認しやすい
  • ストップポジション付き3重ガラス扉
  • より簡単により節水できる進化した庫内洗浄機能

製品情報

サイズ W845×D775×H1080
価格 2,680,000円
特長 複数のメニューを同時調理可能となっており時間短縮と人手不足の両方からアプローチ可能

タニコー株式会社|TGSC-5C

タニコー株式会社

出典:タニコー株式会社 https://www.tanico.co.jp/

タニコー株式会社は創業以来、業務用厨房機器のノウハウと実績を積み重ねてきました。スチコンは小型店舗にも置ける省スペースかつ大容量の調理が可能です。小型ながら業界最高水準のスチーム量で、短時間で食材を加熱し調理時間も短縮できます。

必要に応じて「自動洗浄機能付き」か無しの2つのタイプから選ぶことができるので、予算に合わせて選べるでしょう。自動洗浄機能付きであれば、洗浄・すすぎ・庫内を清潔に保つことができます。汚れの度合いに応じて、3段階の洗浄モードから選ぶことが可能です。

タニコー株式会社|TGSC-5Cの比較ポイント

  • タンク排水機能でタンク内は常に清潔
  • 汁受け自動排水機構のため「外して捨てる」手間が不要
  • 扉の開閉は左右どちらのタイプも用意

製品情報

サイズ W700×W590×H660
価格 要問合せ
特長 5段サイズで業界最高水準のスチーム量

ニチワ電機株式会社|SCOS-610RY

ニチワ電機株式会社

出典:ニチワ電機株式会社 https://www.nichiwadenki.co.jp/

ニチワ電機株式会社はスチコンや赤外線連続フライヤーといった調理機器を販売している業務用厨房機器専門メーカーです。電気スチームコンベクションオーブンRYは、蒸し物や焼き物、解凍、真空調理など多彩なメニューを一台で調理できるハイスペックタイプの調理機器になります。

AI調理時間自動補正機能やAI自動調理機能を搭載しているため、簡単な操作だけで自動で調理が可能です。AIが庫内環境の温度変化を察知し、調理時間を自動で補正してくれるので安定した品質を保つことができるでしょう。

ニチワ電機株式会社|SCOS-610RYの比較ポイント

  • 庫内自動洗浄はもちろんで洗浄中の庫内温度データも記録・確認が可能
  • シンプルで簡単な操作パネル
  • ハンドルは大きく握りやすいダブルアクションラッチ機構

製品情報

サイズ W900×D800×H1395
価格 要問合せ
特長 AI自動料理機能搭載でタッチパネルから選ぶだけで調理開始が可能

株式会社フジマック|FICP61E

株式会社フジマック

出典:株式会社フジマック https://www.fujimak.co.jp/

株式会社フジマックは、フードビジネスのトータルサポートを行なう会社です。スチコンや冷機器、炊飯器機やベーカリー機器といった幅広い調理機器を販売しています。フジマックでは25年間前から、スチコンを販売してきました。

フジマックで販売しているスチコンは「コンビオーブン」と呼ばれ、加熱温度1℃、湿度1%まで使う人の意図に沿って正確に加熱ができる圧倒的な性能の高さを誇ります。初めての方でも直感的に操作できるディスプレイを搭載しているので、安心して導入できるでしょう。

株式会社フジマック|FICP61Eの比較ポイント

  • 先進のプログラム機能と経済性に優れたランニングコスト
  • 手軽かつ確実に庫内を清潔な状態に保つことができる自動洗浄機能
  • サービススタッフがいつでも迅速にお伺いするアフターサービス体制

製品情報

サイズ W850×D842×H808
価格 要問合せ
特長 業種・業態に関わりなく用途や設置環境に合わせて選べるラインナップが充実

ホシザキ株式会社|MIC-6SC3

ホシザキ株式会社

出典:ホシザキ株式会社 https://www.hoshizaki.co.jp/

ホシザキ株式会社は総合厨房機メーカーとして飲食サービスをトータルでバックアップするメーカーです。自動製氷機や業務用冷凍冷蔵庫、業務用食器洗浄機といったさまざまな機器を販売しています。

スチコン「クックエブリオ」では、調理の最初の段階から蒸気を投入することで凝縮熱を最大限に活用します。それにより、食材の中までしっかり熱を通すことができるでしょう。それだけでなく、食材のおいしさや栄養素を活かした調理が可能です。

ホシザキ株式会社|MIC-6SC3の比較ポイント

  • 独自の技術で正確で安定した蒸気量をコントロール
  • コンビモードの蒸気量設定は最大6段階
  • おいしさを引き出す凝縮熱を最大限に活用

製品情報

サイズ W900×D770×H750
価格 要問合せ
特長 3つの調理モードで加熱調理の約8割を実現できるスチコン

株式会社コメットカトウ|CSX-G61

株式会社コメットカトウ

出典:株式会社コメットカトウ https://www.cometkato.co.jp/

株式会社コメットカトウは調理用石炭メーカーとして、1920年に名古屋市で誕生したメーカーです。スチコンCSXシリーズはバーナーやヒーターの形状を一新し、ガス式はメルとニットバーナーを採用しています。そのため、ガス消費量を削減し省エネできるタイプとなっています。

なお、メニューは最大9工程の加熱を999メニューまで登録することが可能です。メニューの登録はWeb上で行い、本体に転送するため簡単に行うことができます。

株式会社コメットカトウ|CSX-G61の比較ポイント

  • 蒸気発生器で蒸気を発生させ、蒸気をオーブン庫内へ送る
  • 3点感知ができる芯温センサーが標準仕様
  • 各操作に対して日本語でのガイダンスを流すことも可能

製品情報

サイズ W870×D770×H861
価格 要問合せ
特長 ガス消費量を削減し業界最高水準の省エネ性を実現したスチコン

株式会社エフ・エム・アイ|XJVC-1011-EPRM

株式会社エフ・エム・アイ

出典:株式会社エフ・エム・アイ https://www.fmi.co.jp/

株式会社エフ・エム・アイは1971年に創業し、新幹線内のコーヒーマシンやレストラン用のアイスクリーム製造機といった自社開発製品を販売してきました。スチコン「UNOX」シリーズは、曲線1本描くだけで狙い通りの調理をすることが可能になります。

また、アダプティクッキングテクノロジーにより、オーブン内の食品の量や温度低下を感知し調整してくれます。そのため、スチコンの初心者やアルバイトでも、簡単に完璧な状態の料理を作ることが可能です。

株式会社フジマック|FICP61Eの比較ポイント

  • スチームマキシで圧倒的な蒸気生成量
  • 熱風を送り込むことで徹底的に水分を排出
  • 調理ムラを抑えるために最適な数のファンを搭載

製品情報

サイズ W750×D783×H1010
価格 要問合せ
特長 芯温計を使わずに繊細な調理ができるスチームコンベクションオーブン

北沢産業株式会社|KSTE-61W

北沢産業株式会社

出典:北沢産業株式会社 https://www.kitazawasangyo.co.jp/

北沢産業株式会社は昭和26年に創業し、食品加工機械の販売や厨房設備設計などを行ってきました。スチコンにはオートクリーニングシステムが標準装備されており、庫内の汚れに応じて自動的に洗浄してくれます。

電気式・ガス式ともに6段・10段・20段の3サイズが用意されており、厨房の規模や予算に応じて最適な機器を選ぶことができるでしょう。耐熱手袋や棚網、マルチシートといったアクセサリーが標準付属品として付いてくるのも北沢産業株式会社の特長です。

北沢産業株式会社|KSTE-61Wの比較ポイント

  • オートクリーニングが標準装備されており庫内を自動洗浄
  • 幅広いラインナップで厨房に適したサイズのスチコンを選択可能
  • 必要なアクセサリーが標準付属品としてセット

製品情報

サイズ W860×D795×H835
価格 要問合せ
特長 高性能スチーミングにより、より簡単・安全・高品質で効率的な調理を実現

株式会社ラショナル・ジャパン|icombi Classics

株式会社ラショナル・ジャパン

出典:株式会社ラショナル・ジャパン https://www.rational-online.com/ja_jp/home/

株式ラショナル・ジャパンは40年以上にわたり、調理システムを販売してきた会社です。ラショナル・ジャパンの調理システムは日本国内だけでなく、世界中で使用されています。

スチコン「icombi Classics」は、自動クリーニングはユニットの汚れ具合に応じて3段階から適切なクリーニング段階を決定します。すべての洗浄レベルはディスプレイから選択できるので、どのようなクリーニングでも簡単に行うことができるでしょう。そのため、常に衛生的な調理システムを保つことができます。

株式会社ラショナル・ジャパン|icombi Classicsの比較ポイント

  • 46年にわたる調理研究に基づいて開発されたスチコン
  • 約1,200,000台の普及台数
  • 最大100件までの調理プログラムが保存可能

製品情報

サイズ 要問合せ
価格 要問合せ
特長 ユニットの汚れ具合に応じて必要なクリーニング段階を自動で決定

株式会社 AIHO

株式会社 AIHO

出典:株式会社 AIHO https://www.aiho.co.jp/

株式会社AIHOは昭和28年に創業し、昭和32年から業務用厨房機器・設備の製造や販売を行ってきた会社です。スチコンは「焼く」「蒸す」「煮る」といった多彩な調理方法が可能です。

大画面カラー液晶パネルを搭載しており、誰でも簡単に使うことができます。庫内温度は独自の高効率燃焼機構により最大320℃で、おいしさをひきだしながら焦げ目もこんがりときれいに作ることができるでしょう。

さらに、パススルー方式を採用しているのも特長のひとつです。パススルー式にすることで、食品の投入と調理後の取り出しを別々の部屋で行うことが可能になります。それにより、交差汚染を防止することができるでしょう。

株式会社 AIHOの比較ポイント

  • ホットエアー、コンビネーション、スチームの3つの調理モード
  • メニュー登録機能、芯温調理、クリーニング機能など便利な機能
  • 彩る7インチの大型カラー液晶

製品情報

サイズ 要問合せ
価格 要問合せ
特長 庫内温度は最大320℃、スチーム最高温度130℃のパワーアップした加熱調理

スチコンの購入方法

スチコンを導入する際には、ブラストチラーや付帯工事なども必要になります。さまざまな費用がかかることが想定されるので、どのような方法で導入するかを検討する必要があるでしょう。

スチコンには大きく分けて、下記の3つの導入方法があります。

  • 一括購入での導入
  • レンタルでの導入
  • リースでの導入

ここからは、それぞれの導入方法を具体的にみていきましょう。

スチコンの価格についてはスチコンの価格はどれくらい?|主要メーカーの参考価格比較でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

一括購入での導入

まずは「一括購入での導入」する方法です。これは、スチコンを導入する際に費用を一括で支払い、資産化してしまうという方法になります。簡単に導入が完了しますが、初期費用が高額になるという点がデメリットです。

予算オーバーしてしまわないよう、必要な金額をすべて計算しておくようにしましょう。なお、一括で購入できるのは新品だけではありません。中古での導入も可能ですので、予算が限られている場合は検討してみましょう。

レンタルでの導入

次の方法は「レンタルでの導入」が挙げられます。スポットで必要になった際や、とりあえず導入して様子を見てみたい場合におすすめの方法です。レンタルで導入するメリットとしては、初期導入費用が安く抑えられるという点が挙げられます。

中型サイズであれば、7日間で6万円~7万円がレンタル費用の相場となっています。サイズや機能に応じて、レンタル費用は異なりますので各レンタル業者へ問い合わせるようにしましょう。また、長期での使用になると、高くつくケースもあるので注意が必要です。

リースでの導入

最後は「リースでの導入」が挙げられます。リースであれば、レンタルと同じく導入時に高額な費用をかける必要がありません。そのため、今すぐにはまとまった金額を用意できないという施設でも、比較的容易に導入しやすいといえるでしょう。

リースの場合、基本的には5年間等のリース期間が定められています。原則として途中解約はできませんので注意が必要です。月額利用料金は2万円~と、レンタルよりも安く抑えることができます。詳しい価格は、各リース会社へ問い合わせてみましょう。

まとめ

医療福祉施設でスチコンを導入することには、さまざまなメリットがあります。一番大きなメリットとしては、徹底した衛生管理ができるという点が挙げられるでしょう。医療福祉施設において、衛生管理は重要な課題です。

スチコンを使うことで生焼けや加熱不足を防げるので、食中毒のリスクを抑えられます。とはいえ、操作方法への慣れやコストなどの問題もありますので、事前に各メーカーを比較・検討したうえで導入を決めるようにしましょう。

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中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。

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