デイサービスの建築費用はいくら?初期費用、必要な準備も解説

更新日 2023.01.11
投稿者:豊田 裕史

デイサービスの開業にあたり、必ず考えなければならないのが建築費用です。
また、一般的な建築とは異なり、法律や条例で定められた様々な設備が必要になります。
今回は、デイサービスの建築費用について解説し、必要な設備もご紹介します。
また、デイサービスの建築費用を少しでも抑える方法も解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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そもそもデイサービスとは?

デイサービス(通所介護)とは、要介護の利用者がデイサービスセンターに日帰りで通い、入浴や食事介助などを受けられる施設のことです。原則として、社会福祉法人が運営主体となっています。

また、デイサービスでは入浴や食事介助以外にも

  • レクリエーション
  • 機能訓練
  • 排泄介助
  • 自宅と施設間の送迎

といったサービス内容を提供しています。

要介護者の生活水準を上げる目的だけでなく、そのご家族の介護負担を軽減することも利用目的の一つといえるでしょう。

デイサービス建築に必要な費用

デイサービスの建築に必要となる費用は、主に下記の4つです。

  • 内装工事
  • 入浴設備
  • 送迎車両
  • その他設備

施設規模によっても大きく異なるため、それぞれ詳しく見ていきましょう。

内装工事

内装工事にかかる費用は、デイサービスの規模によって異なります。

例として、コンクリートの打ちっぱなしの状態から開業した場合、坪単価が15万〜20万円程度かかるとされています。入浴施設がない場合は、40坪で600万〜800万円程度です。

加えて、デイサービスには大型テレビ等やリハビリ設備等も必要なため、1,000万円以上はかかると考えておいた方がいいでしょう。

出典:デイサービスの開業時に必要な内装工事の中身と費用相場を解説

入浴設備

デイサービスでは入浴介助があるので、入浴設備が必要になります。しかし、要介護の利用者が入るためには、一般的な入浴設備では機能しないでしょう。そのため、手すりや段差をなくすなどのバリアフリー工事も同時に必要になります。

入浴設備については【2023年版】法人向け介護浴槽メーカー11選を徹底比較でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

送迎車両

デイサービスでは利用者の送迎業務があるため、送迎車両の購入が必要です。送迎用の車両は、7〜8人程度が乗れるワンボックスカーを選ぶことが多いでしょう。ただし、車椅子の利用者を想定して福祉車両の購入を検討しなければなりません。その分金額も高くなるため、注意が必要です。

その他設備

上記の設備以外にも、厨房や消防設備の設置が必要になります。厨房に関しては、配食業者や地域の弁当屋と連携する方法もあるため、広い視点で検討するのも大切です。

消防設備の設置が不十分な場合、消防署の許可が下りずデイサービスを開業できない恐れがあります。他にも施設によってはテレビやパソコン、机・椅子などの備品も必要です。デイサービス建築の前には、これらの設備をしっかりと考慮した上で、進めるようにしましょう。

開業支援については介護業界のコンサルティング会社比較21選|選び方のポイントもでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

デイサービスの建築費用を少しでも抑える為に

デイサービスの建築には、様々な設備にお金がかかることがわかりました。デイサービスを安定して運営していくためには、建築費用をできるだけ抑えたいところです。

ここでは、建築費用を安く抑えるために、どのような手段をとればよいのか解説していきます。

相見積もりを取る

デイサービスの建築費用で最も高額な内装工事費ですが、内装業者を安く抑えるためには相見積もりを取りましょう。1社にのみ見積もりを取って決めてしまうと、費用の相場感がわからないまま契約することになります。

内装業者と契約した後に、「相場よりもかなり高かった」となっては手遅れです。相見積もりの方法として、「一括見積もりができるサイトを利用する」「複数社に見積もりを取って価格競争させる」などがあります。

ただし、デイサービスの建築業者を選ぶ際に、「価格だけを見ない」ことも大切です。工事実績があり信頼できる業者を選ぶことで、質の高い工事を手がけてくれるでしょう。

設備等を自分で手配する

内装や設備などを自分で手配することで、費用を安く抑えられます。業者に依頼すると管理費や手数料などがかかるため、その分費用も高くなるでしょう。

ただし、手間と時間がかかり、どの設備を選べばよいかわからない方も多いため、おすすめはしません。そのため、相見積もりを取って信頼できる業者に依頼することをおすすめします。

デイサービスに必要な設備とは?

デイサービスを建築するにあたって、必要な設備とはなにかについて触れていきます。規模や地域、利用者の傾向によって異なってきますが、ここでは一般的に必要な設備について解説します。

事務所

デイサービスには利用者が過ごす環境だけでなく、介護士や事務員が利用する事務所が必要です。スタッフが働きやすい環境にするために、人数分の机や椅子などを用意しましょう。デイサービスは書類関係が多くなりがちなため、余裕のあるスペースの確保が大切です。

会議室

デイサービスでは、ケアマネージャーが作成したケアプランの内容をもとに、サービス担当者会議を行います。最低でも4人が座って会議ができるスペースが必要です。事務所や相談室で行う場合もありますが、十分なスペースがない場合は会議室が必要になるでしょう。

食堂・機能訓練室

食堂や機能訓練室は、デイサービスが提供するサービスの中でも大きな割合を占める部分です。法律で「利用定員×3㎡以上が必須」であることが定められています。

当然ですが食堂には、利用者全員が食事をするための机と椅子も必要です。例えば利用定員が30名の場合、90㎡以上の広さと30名の利用者が十分なスペースで食事ができる机と椅子が必要になるでしょう。ただし、車椅子の利用者も想定して、無理のない動線の確保が大切です。

出典:厚生労働省「通所介護及び療養通所介護」

静養室

体調不良など必要に応じて利用者が静養できる、専用のベッドを設置した静養室が必要になります。広さについて法律で定められていませんが、ベッドや照明などを設置することを考えてスペースを確保するのが大切です。

また、利用者が落ち着いて過ごせるように個室の設置、または食堂や機能訓練室にプライバシーを守れる空間の確保が必要でしょう。

トイレ・洗面台

ほとんどのデイサービスでは、利用者とスタッフが使うトイレ・洗面台は分けて設置します。そのため、利用定員に合わせてトイレの数と洗面台の設置が必要です。また、車椅子専用トイレの設置や、トイレ内にナースコール・非常用の呼び出し設備も検討しておきましょう。

浴室

入浴介助を提供するデイサービスでは、脱衣所、洗い場、浴槽の設置が必要です。また、浴室は滑りやすい環境のため、手すりの設置や段差をなくすなどの工夫も大切になります。

消火設備

消防法によると、150㎡未満の事務所であれば設置の義務はありませんが、安全の為に設置が推奨されています。

消火設備は主に下記の項目が挙げられるでしょう。

  • スプリンクラー
  • 自動火災報知設備
  • 火災通知設備
  • 消化器

また、災害時に備えて避難経路の確保も欠かせません。

出典:一般社団法人 日本消火器工業会「消火器の設置義務」

まとめ

デイサービスの建築費用は、安く抑えても1000万円以上は必要です。費用の中には内装工事や入浴設備、送迎車両などがあり、必要な設備を整えなければなりません。

デイサービスの建築費用を少しでも抑えるために、相見積もりを取りましょう。また、利用者が快適に過ごせる空間づくりと、スタッフが働きやすい環境にすることが失敗しないデイサービス開業に繋がります。

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中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。


フリーランスWEBライター
URL:https://twitter.com/kakeru5152

元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。

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