在宅医療のレセプトは、算定ルールが複雑なためミスが生じやすく、お困りのクリニックも多いのではないでしょうか。患者様によって介護保険が適用されるケースがあったり、公費を併用するケースがあったりと、通常の外来以上に複雑な処理が求められます。
そんなレセプト業務でお困りの在宅クリニックの解決策となりうるのが、今回ご紹介する「レセプト代行サービス」です。経験豊富なプロのスタッフがクリニックのレセプト業務をサポートしてくれます!上手く活用出来れば、職員の負担軽減、クリニック全体の収益UPにつながることでしょう。
今回は、在宅医療向けのレセプト代行業者について詳しく解説していきます。おすすめのレセプト代行サービスの紹介に加えて、代行業者の選び方や、レセプトの課題に対するその他の解決策も紹介しています。レセプト業務にお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
まず最初に、当サイトが特におすすめする在宅医療向けレセプト代行業者をご紹介します。
3社とも遠隔で医療機関様でお使いの電子カルテにログインしてレセプト業務を行います。お使いの電子カルテによってはサービスを利用できないこともありますので、最初に確認が必要です。
製品名 | iisy | MedOS(メドス) | クラウドクリニック |
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企業名 | 株式会社ソラスト | OASIS INNOVATION株式会社 | 株式会社クラウドクリニック |
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対象医療機関 | クリニック、在宅 | クリニック、在宅 | 在宅 |
サービス提供方法 | リモート | リモート | リモート |
提供内容 |
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2ndLaboでは毎月20件近くレセプト代行サービスに関するお問合せをいただいています。それだけ多くの医療機関様でレセプトに関する課題やお困りごとを抱えていることだと思います。
しかし、一方で「企業が提供出来ること」と「医療機関が求めていること」に乖離があり、多くのミスマッチングが発生していることも事実です。レセプト代行サービスが全てのレセプトの問題を解決してくれる訳ではないということは最初の時点で認識しておきましょう。
レセプト代行サービス以外の手段で解決できる可能性もありますので、複数手段から自院にとって最適な解決策を選択することをおすすめします。下記にレセプト代行サービスを探し始める前に確認して貰いたいことをチャート図にまとめましたのでご確認ください。
レセプトチェックソフトにも興味を持たれた方は【2024最新】レセプトチェックソフトおすすめ7選|選び方や価格までで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
以下は、在宅医療・訪問診療向けのおすすめレセプト代行業者になります。
株式会社ソラストが提供する「iisy(イージー)リモート医事サービス」。在宅医療レセプト向けの「訪問まるっとプラン(訪問プラン)」があります。
計算(往診・訪問診療)~オンライン請求までの全工程にリモートで対応しています。電子カルテ、レセコンのアカウントをソラストに共有する運用方法となっています。
在宅レセプト業務を外注することで、クリニックのスタッフが医業に集中することができるでしょう。
株式会社ソラストの比較ポイント
製品情報
対応エリア | 全国 |
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料金 | 月額5万円~ |
サービス提供範囲 | 計算(往診・訪問診療)⇒オンライン請求をトータルでリモート対応いたします。 |
対応実績 | 100件以上(2022年4月) |
OASIS INNOVATION株式会社が提供する遠隔医療事務サービス「MedOS(メドス)」。 院内の医療事務業務を「請求業務」と「受付業務」に明確に棲み分け、「診療報酬請求」「患者対応」の質を向上させます。
在宅クリニック向けのレセプト代行サービスとして「在宅MedOS」を展開しています。レセプトチェックやレセプト作成、オンライン請求、査定・返戻対応まで対応しています。
OASIS INNOVATION株式会社の比較ポイント
製品情報
対応エリア | 全国 |
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料金 | 要問合せ |
サービス提供範囲 |
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対応実績 | 要問合せ |
「在宅医療事務アウトソーシングサービス」 は、ますます需要が高まり、多岐に渡る在宅医療業務をさまざまな角度から支援してくれます。サービスラインナップが豊富で、うまく利用することで自院の片腕となってくれるでしょう。
コールセンター業務では各医療機関ごとに専用の電話番号を設け、連携先や患者様からの受電に迅速に対応。さらに、「クラウド連携室」サービスでは、新規患者様の受け入れ時における多職種連携なども代行してくれます。
株式会社クラウドクリニックの比較ポイント
製品情報
対応エリア | 全国 |
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料金 | 要問い合わせ |
サービス提供範囲 | 医療算定・介護算定 算定漏れチェック コンタクトセンター(コールセンター) クラウド連携室(新患受入れ対応) 書類作成 カルテ準備・記載 その他 |
対応実績 | 2024年3月末までで延べ195の医療機関様をご支援(スポット利用含む) |
ニチイ学館運営の集約センターから、遠隔で在宅医療に関わる診療報酬関連業務をサポートしてくれます。全国8,000もの医療機関と契約することで得た知見とノウハウを持っているため、非常に心強いです。
人為的なミスを排除するため、マニュアル化の徹底やシステムの自動化を行っています。集約センターのセキュリティ環境は、医療情報を多く扱うNTT東日本が構築。高度な担保力により、データも安心です。
株式会社ニチイ学館の比較ポイント
製品情報
対応エリア | 全国 |
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料金 | 要問い合わせ |
サービス提供範囲 | 日常業務、定期業務 患者登録業務(保険証画像をもとに資格登録) 外来レセプトの点検業務 オンライン診療や緊急往診に関する算定・点検業務 医療機関職員への教育業務 患者様への請求書業務・システム提供 過去の査定返戻分析業務 |
対応実績 | ー |
完成した状態にある紙レセプトの内容をチェック・添削してくれます。訂正箇所があれば教えてもらえるので、自院側で修正することでスタッフの育成にも役立つでしょう。確認してくれる内容は、プランにより異なります。
これから在宅医療を始める施設のために、スタートアップサポートサービスにも対応。また、医療事務に必要な知識を得られる無料メールマガジンも配信しています。
これらを利用することで、今後期待される在宅・訪問診療を安心して始められるでしょう。
株式会社スマイルの比較ポイント
製品情報
対応エリア | 要問い合わせ |
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料金 | スタートアップサポート費用・220,000円 基本サポート費用・1ヶ月55,000円 レセプト代行入力費用・1件3,300円など |
サービス提供範囲 | レセプト点検・指導、レセプト精度調査、人材育成 |
対応実績 | 月1000件以上の在宅レセプト支援 |
15年の実績年数を持つ請求代行業者です。豊富な経験を持っているため、レセプト作成と同時に診療行為や病名などのチェックもしてもらえます。在宅医療を行う際に必要な書類の作成にも対応可能です。
月に一回行わなければならない患者様一人ひとりへの請求書・領収書発送業務も行っています。開業に関わるコンサルやホームページ作成・不動産賃貸もワンストップで依頼でき、負担が軽減できるでしょう。
株式会社グローバルメディックの比較ポイント
製品情報
対応エリア | 要問い合わせ |
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料金 | 要問い合わせ |
サービス提供範囲 | 在宅医療に関わるレセプト代行 在宅医療に関わる開業コンサルタント クリニックに関わる経理・総務代行 ホームページ制作やパンフレットなどのデザイン 不動産賃貸事業 |
対応実績 | 15年 |
在宅医療事務認定士®︎ の資格取得者が、20名以上在籍しています。独自の教育ツールによりスタッフ全員の知識底上げに力を入れており、安定した品質を得られるでしょう。サービス開始前に施設の現状をヒアリングし、独自のルールブックを作成。
院内スタッフにストレスがないサポートを提供するために、事前にルールを決めたうえで業務を進めていきます。在宅医療の算定コストに特化した独自ツールを持っており、取りこぼしを防いでくれる点も特徴です。
株式会社プロアスの比較ポイント
製品情報
対応エリア | 要問い合わせ |
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料金 | ライトプラン(在宅患者100人未満) レセプト1人につき1,800円/月 スタンダードプラン(在宅患者100人以上) レセプト1人につき1,500円/月+月額基本料30,000円 |
サービス提供範囲 | 算定アドバイス、カルテ・会計入力、病名入力 |
対応実績 | クリニック様30件以上、レセプト10万枚以上 |
オンライン上でカルテの内容をチェックしながら、レセプト代行作成を行ってくれます。伝送処理ができる状態まで仕上げてくれるので、非常に心強いです。患者様のケアに集中できるので、満足度の向上も期待できるでしょう。
レセプトチェックは紙・UKEファイルのどちらでも対応可能です。修正は自院で行えるため、院内スタッフの実績づくりにも役立ちます。
リライズ株式会社の比較ポイント
製品情報
対応エリア | 要問い合わせ |
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料金 | 要問い合わせ |
サービス提供範囲 | カルテチェック・レセプト代行作成オンラインサポート レセプトチェック 開業コンサルティング 資産運用コンサルティング |
対応実績 | ー |
レセプト代行はもちろんのこと、在宅医療における事務代行全般を任せられるサービスを提供しています。オンラインでの遠隔対応を行っているため、全国のクリニックで利用可能です。対応の速やかさには定評があり、患者様や他機関からの信頼を向上できます。
スタッフは在宅医療事務歴の長いベテランばかりなので、安心して業務を任せられるでしょう。料金は患者様数により異なります。
ダニエール株式会社の比較ポイント
製品情報
対応エリア | 全国 |
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料金 | 在宅医療専門オンライン医療事務サービス(丸ごとパック) 患者様50名まで220,000円、51〜100名まで440,000円など 在宅医療専門オンライン医療事務サービス(レセプト代行のみ)など |
サービス提供範囲 | レセプト業務(返戻・月遅れ処理含む) 介護保険主治医意見書作成料請求業務 居宅療養管理指導料算定業務(返戻処理含む)など |
対応実績 | ー |
在宅医療や訪問診療の報酬に精通したスタッフが、レセプトの代行入力やチェックを行ってくれます。通常の外来レセプトと比べて、在宅医療は患者の病状が重篤な場合が多いため、診療内容が複雑で、レセプト作成に時間がかかります。場合によっては、複数の医療機関や介護施設と連携して治療をすることもあるため、レセプト代行の費用も高く設定されているケースがほとんどです。
特殊な形式のレセプトとなると、在宅医療のレセプト点検をスムーズにこなせる医療事務スタッフの確保も難しくなります。「新たに在宅医療を始めたいけど、レセプトの知見がない」在宅医療のレセプト点検代行は、そんなクリニックにおすすめのサービスとなっています。
通常の外来レセプト代行については【徹底比較】レセプト業務の代行・外注業者9選|導入メリットや注意点まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
在宅医療・訪問診療向けレセプト代行業者についての知識が不明瞭だと、比較自体が難しくなります。ここでは、在宅医療や訪問診療でも安心して任せられるレセプト代行業者の選び方を確認していきましょう。
一言でレセプト代行と言っても、サポートできる範囲は業者によって異なります。在宅医療のレセプト業務の仕事内容は、レセプト算定、訪看ステーションなどへの書類作成、患者様への医療費請求などがあり、どの業務を「代行」してくれるかを確認する必要があります。
値段の安さで選んだ結果、サポート内容が薄ければ依頼した意味がありません。どの程度まで代行してくれるのかは、契約する前に必ず確認しておきましょう。
中にはレセプトの作成だけではなく、不備がないかチェックをしてくれる業者もあります。どの程度のサポートを必要としているのかを明確にしたうえで、比較検討するのもおすすめです。
在宅医療のレセプト代行業者の特徴として、対応できるカルテに縛りがある場合があります。具体的には、「紙カルテか電子カルテか」、「電子カルテの中でもどのメーカーを使っているか」という観点があります。
最初のポイントは分かりやすいですね。スマイルは紙・電子カルテどちらも対応していますが、クラウドクリニックはクラウド型電子カルテを使っていることが利用の前提となっています。
2つ目のポイントは、電子カルテのメーカーについてです。在宅医療向け電子カルテとして有名なモバカルネット(NTTエレクトロニクステクノ株式会社)、セコムOWEL(セコム医療システム株式会社)であれば、代行業者も使い慣れているため、優先的に仕事を受けてもらえる要因の一つになりそうです。
レセプト代行業務は専門的知識を持っているため、医療機関にとって非常に心強い存在となります。しかし、全てを依存しすぎるのはおすすめしません。理由としては、院内のスタッフが成長しにくいという点です。
レセプト業務についてアドバイスをしてくれる業者であれば、それに沿ってスタッフも学ぶことができます。逆にアドバイスをもらえない場合、スタッフの育成につながらず業者に依存せざるを得ない状況に陥るのです。
長期的に依存し続けると、結果として膨大なコストが必要となります。レセプト代行業者を選ぶ際には、コストや運営面を含め長期的な目線を持って選ぶとよいでしょう。
レセプト代行業者は全国に数多く存在しますが、在宅医療・訪問診療に絞ると数は限られてきます。在宅医療は外来診療とは算定方法が異なるので、通常より多くの知識を持つ業者に依頼しなくてはいけません。
過去に在宅医療のレセプト代行を担った実績が分かれば、安心して依頼ができます。契約前には、必ず在宅医療のレセプトにも対応できるか確認しておきましょう。各業者のホームページに、これまでの代行実績が掲載されている場合もあります。
ここからは、在宅医療・訪問診療向けレセプト代行業者を利用するメリットを紹介します。
レセプト作成は複雑で、非常に多くの労力と時間を要します。レセプト代行業者を利用することで、月末月初の残業時間が短くなるでしょう。レセプト作成を行ってくれる業者を利用すれば、施設側はカルテを記入するだけになります。
これにより、煩わしい事務作業の時間を大幅に削減できるのです。削減できた時間を患者様のケアに充てることで、信頼関係の構築にもつなげられます。
在宅医療におけるレセプトチェックは外来診療と異なるため、実績のある事務スタッフの力が必要です。例えベテランスタッフだったとしても、一人で多くの患者様のレセコンチェックは難しいでしょう。
レセプト代行業者では、社内研修を経ている経験豊富なスタッフが多数在籍しています。チェックの方法も各業者でシステム化されているため、返戻・減点リスクもほぼありません。
業者の中には在宅医療の事務業務を全て請け負えるよう体制を整えているところがあります。そちらを利用することで、事務スタッフを直接雇用しなくても在宅医療を始めることが可能となるのです。
在宅医療の知識を持ったスタッフを採用するための面接や、教育する時間も削減できます。業務効率のために求人を必要とする場合も、知識を要する業務を外部に委託すれば応募の間口を広げられます。
欲しい人材の獲得につながりやすく、効率よく人手不足を解消できるでしょう。
高齢化社会に向かっている現代において、在宅医療は今後ますます需要が増えていきます。医師の中には在宅医療を始めたくても、診療報酬における特有の算定方法から二の足を踏んでいる方が多いです。
在宅医療向けレセプト代行業者は、豊富な経験と知識を持つスタッフが多く在籍しています。特に開業したての時期に利用することで、大きなメリットを得られるでしょう。在宅医療に特化した業者は少ないので、実績数やサポート内容も比較しやすいです。
どの程度のサポートを必要としているのか・無理のない料金プランか、などを確認しての検討がおすすめです。