内装解体工事の単価はどのくらい?価格の内訳や工事の詳細まで

更新日 2024.06.26
投稿者:横山 洋介

内装解体工事を行う予定の方のなかには、単価が気がかりな方がいらっしゃるのではないでしょうか。相場や提示された見積もりの金額が適正なのかわからないと業者に依頼するのも不安ですよね。

物件の面積やどのような設備を解体するのかで内装解体工事の費用は大きく異なります。この記事では内装解体工事の単価が気になる方に向けて、下記のことをわかりやすく説明しました。

・工事の種類
・単価の決まり方
・業種別の坪単価の目安
・業者を選ぶポイント
・安く抑えるための方法

内装解体工事を予定されている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

内装解体工事とは?|解体工事の種類

内装解体工事とは設備機器や備品を撤去し、内装部分を解体する工事です。借りている物件を管理会社に返し、退去する場合などに施工されます。

内装解体工事は建物本体はそのままで、床や壁などで工事した部分の解体を行います。内装をすべて解体する場合だけではなく、 パーテーションを部分的に撤去する工事なども内装解体工事に含まれます。

内装解体工事は原状回復工事とスケルトン工事に分けられます。ここではそれぞれの工事の種類について詳しく説明しますので、参考にしてください。

原状回復工事

原状回復工事は、オフィスやテナントを入居時の状態に戻す工事です。入居後に設置した間仕切りや設備機器の撤去はもちろん、電気や水道の設備工事をした場合は解体を行います。また、内装を解体するだけではなく塗装やクロス貼替、カーペット貼替なども行うケースがあります。

工事にかかる期間は、面積やどの程度内装を変更していたのかで異なります。シンプルで小規模のオフィスなら1週間かからないこともありますが、趣向を凝らした内装だと1ヶ月以上かかる場合もあるでしょう。

原状回復工事では修復工事の方法や範囲など、賃貸契約を確認した上で貸主と工事範囲について打ち合わせを行うことが大切です。

スケルトン工事

スケルトン工事は、その名の通りスケルトン(建物の骨組み)のみを残して解体する工事です。内部は何もなく、建物を支える梁や柱だけの状態まで解体します。

借りた時の状態がすでに骨組みだけだった場合は、原状回復工事=スケルトン工事です。骨組みだけを残すため、新たな借主に内装や設備を全て自由にデザインしてもらう場合に適しています。

スケルトン工事は時間がかかるため、遅くとも3ヶ月前には準備を始めましょう。

内装解体工事の単価はどう決まる?

内装解体工事の単価は業者によって異なります。提示された見積もりが不明瞭な場合は内訳を詳しく聞いてみましょう。
内装解体工事の内訳には、大きくわけて以下のような項目があります。

  • 解体費用
  • その他工事費用
  • 廃棄物処理費用
  • 什器・備品の処分費
  • 諸費用

それぞれについて説明します。

解体費用

解体費用は、内装材を取り壊し撤去する費用です。延べ床面積で計算されるため、解体する範囲が広ければその分費用がかかります。

単価は業者によって異なりますが、単位が坪単価と平方メートル(㎡)の場合があります。
1坪=約3.3㎡ですので見比べる際は注意してください。

その他工事費用

車庫や看板の撤去など、内装解体に付帯する工事の費用です。入居時にあった壁や天井を取り払って利用していた場合は、元通りに戻す工事がその他工事として含まれます。

内装解体以外の工事費用はすべてその他工事費用として計上されます。

廃棄物処理費用

廃棄物処理費用は内装解体を行って発生した廃棄物を処分場まで運搬し、廃棄するための費用です。廃棄物には木くずやプラスチック、コンクリートや金属くずなどが含まれます。

内装解体費用の4割ほどを占めるとも言われており、高額になるケースが多いでしょう。あまりにも廃棄物処理費用が安い業者は不法投棄をしているおそれもあり、注意が必要です。

什器・備品の処分費

店舗ならばショーケースや陳列棚などの什器(じゅうき)、オフィスならばデスクや椅子などの備品、住宅ならば家具などを処分する費用です。

エアコンやテレビなどの家電リサイクル法で定められた製品を処分する場合はリサイクル料がかかります。

諸費用

内装解体工事は諸費用として重機の回送費や、一時的に工事に必要な物を置くための借地料、届出書類の作成費などがかかります。

届出書類はアスベストを除去したり、道路に車両を停めるための道路使用許可を申請したりする場合に必要です。申請費用や書類作成費もかかる場合があります。

内装解体工事の坪単価が高くなるケース

内装工事の坪単価が高くなりやすいのは以下のようなケースです。

  • 夜間や早朝に工事を依頼する
  • 大型家電や粗大ゴミが残っている
  • 重機が入りにくい狭い立地である
  • 2階以上でエレベーターがない
  • 電気やガスの配管が複雑な構造である
  • アスベストが使用されている
  • 厨房設備が多い

上記の条件では内装解体工事のコストが高額になる傾向があります。コストカットを図りたい場合は、複数業者に見積もりをとるなど対策を行いましょう。単価を安く抑える方法については記事の最後にも紹介しています。

【業種別】内装解体工事の坪単価

立地や設備によって異なりますが、業種別の内装解体工事の坪単価相場は以下の通りです。

物件の種類 坪単価
オフィス 1万5000円〜3万円
マンション・アパート(スケルトン解体) 1万5000円〜3万円
一般住宅 1万5000円〜3万円
ショップ・店舗 1万1000円〜4万円

オフィス

オフィスビルや雑居ビル内の内装解体工事の相場は1坪あたり1万5000円〜3万円です。

入居時に天井や床、壁を取り外したり付け加えたりした場合は原状回復の費用も必要になります。高層階の物件でエレベーターがない場合は、作業の難易度が上がるため単価も高くなります。

マンション・アパート

マンションやアパートの内装解体工事は坪単価1万5000円〜4万5000円が相場です。

部屋の階数や、2階以上の場合はエレベーターの有無で費用が変わります。入居後にトイレやお風呂など水回りのリフォームを行った場合は、配管を元に戻す工事も必要です。

一般住宅

一般住宅の内装解体工事の相場は1坪あたり1万5000円〜4万5000円です。

住宅は物件によって面積が様々ですが、狭くて重機が入りにくい場所では坪単価は高くなる傾向があります。

店舗

店舗の内装解体の相場は1坪あたり1万1000円〜4万円です。

飲食店は厨房設備の撤去や排気ダストの撤去費用がかかるため1万5000円〜4万円が相場です。美容室やエステは1坪当たり1万5000円〜3万円が目安になります。洗髪台やパーテーションの撤去費用がかかります。

内装工事の坪単価については内装工事の坪単価相場は?業者によって価格が違う理由も解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

内装解体業者を選ぶポイント

内装解体業者を選ぶ際は以下のポイントに注意しましょう。

  • 早めにスケジュール調整をする
  • オーナーや管理者と打ち合わせを徹底する

内装業者の選び方については内装業者の選び方|失敗しない方法、内装工事の基礎知識を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

早めにスケジュールを調整する

内装解体工事においては、解体が決まったらとにかく早めにスケジュール調整をすることが重要です。オフィスや店舗では契約終了の期日までに内装解体工事を完了させる必要がある場合がほとんどです。期日までに内装解体が終わらずに物件を引き渡せないと違約金や延滞料金が発生する場合もあります。

内装解体工事は12月から3月が繁忙期のため、ほかの時期よりも時間がかかったり早めの打ち合わせが必要です。物件の引き渡し日に間に合うように、余裕を持ったスケジュール調整を行いましょう。

とくにスケルトン工事は時間がかかるため、遅くとも3ヶ月前には準備を始める必要があります。

オーナーや管理者と事前の打合せを徹底する

内装解体工事が決まったら、オーナーや管理者との打ち合わせをしっかり行いましょう。施設によっては解体業者が指定されている場合もあります。

契約書を確認することはもちろんですが、次の入居者との兼ね合いで契約書とは違う原状回復でも良い場合があります。また、オーナーが契約書にない要望を出してきたり、金額を一部負担してくれたりするケースもあるようです。

内装解体工事を行ってから修正することは難しいので、何をどこまで壊すのかをしっかり確認しておく必要があります。内装解体の業者に連絡する前に、オーナーと費用や工事の範囲に関してすり合わせを行っておきましょう。

単価を安く抑える方法

内装解体の費用を安く抑えるためには、家具などの処分を自分たちで行うことと、複数業者から相見積もりをとることが大切です。

経費を削減するための方法を詳しく紹介します。

自分で家具などを処分する

経費削減のためには家具や備品などはできる限り業者に頼らず自分たちで処分しましょう。まだ使える物はリサイクルショップや同業者に売ったり、次の店舗やオフィスでも再利用したりすることで処分費用を削減可能です。いつかまた利用する可能性がある場合は別の場所で保管しておく方法も考えられます。

業者に依頼すると産業廃棄物として処分するため、運搬費用と廃棄費用がかかります。自分で処分を行うことで内装解体の単価を安くすることはもちろん、SDGsの観点からも利点があるでしょう。

相見積もりをとる

内装解体の単価を安く抑えるためには複数の業者に相見積もりを依頼することも大切です。内装解体は業者や時期によって費用が大きく異なります。複数の業者に見積もりを依頼することで、内装解体にかかる費用の相場感をつかむこともできます。

依頼したことがあったり懇意にしていたりする業者に決めるのではなく、単価を抑えるためには見積もりを複数とって比較検討しましょう。 見積もりだけであれば無料の業者がほとんどです。

また、家を売るための基礎知識はこちらの記事で解説しています。「すまいステップ」

まとめ

内装解体工事は物件の面積や解体する設備によって単価が大きく異なります。 内装解体業者を選ぶ際は早めにスケジュールを調節しオーナーや管理者と打ち合わせを徹底することが重要です。

また、まだ使える家具や備品を再利用したり複数の業者から相見積もりを取ったりすることで工事の単価を抑えることができます。

この記事で紹介した内装解体工事の相場や単価の決まり方を参考にしていただき、早めに適正な費用の業者に工事を依頼するようにしましょう。


セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n33882f74cd71

国立大学を卒業後、新聞記者として4年間勤務。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、レジの導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野はレジ関連(POSレジ、自動精算機)、ナースコール、レセプト代行。

関連記事

PAGE TOP