病院食は「味がうすい」「飽きる」などネガティブなイメージを持たれがちですが、なぜおいしくないと言われてしまうのか、その理由は様々です。今回は、病院食がおいしくないと言われてしまう理由や、改善のための工夫などについて詳しく解説します。
病院食の改善に悩んでいる方や、食事のクオリティを上げて患者満足度を上げたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
入院生活においては、時間や行動がある程度制限されてしまうため、自分の好きなように過ごせず楽しみが減ってしまうという人も少なくありません。
その中で食事の時間というのは一つの楽しみにもなり得るのですが、病院食は「まずい」「美味しくない」という印象を持つ方も多いようです。
なぜ病院食がおいしくないと感じてしまうのか、その理由を詳しく解説していきます。
まず、栄養・健康を第一に考えていることが大きな理由として挙げられます。
病院食を利用するのは、病院で治療を受けている患者さんですから、栄養バランスや消化のしやすさといった健康への配慮が欠かせません。
また、それほどコストもかけられないため、レストランのように味や見た目にこだわるのが難しいのも事実です。
栄養・健康を最優先にした食事は、塩分を控える必要があるなど薄目の味つけになる場合も多く、普段の食事とのギャップを感じる方もいます。
病院食がまずいと言われる理由には、食事が冷めてしまっていることが多いことも考えられます。
特に多くの患者さんを治療している病院では、同じタイミングで食事を提供するために一気に料理を作るため、提供の時間には冷めてしまっていることがよくあるでしょう。
病院内の施設は治療のための利用が優先されますので、保温のための機材を導入するのが難しかったり、そこまでコストをかけられなかったりするケースもあります。
せっかくの料理も、冷めてしまうと固くなるなど本来の美味しさが失われて、おいしくないと感じてしまうのです。
病院での食事は、提供時間や食事の時間が明確に決められている場合も多く、ゆっくり食べられないことも、病院食がおいしく感じられない要因の一つでしょう。
病院によっても異なりますが、配膳から回収まで20分〜30分程度としている病院が多いようです。
例えば、せっかく好みのメニューが出てきたのに、時間の制限によって急いで食べないといけないとなると残念な気持ちになってしまいます。
病院食に関しては、メニューのバリエーションが少なくマンネリ化してしまうというネガティブな声もよく聞かれます。
具体的には、「主食がごはんばかりで飽きてしまう」「おかずの種類が少なく物足りなさを感じる」といった方が多いです。
幅広い年代の様々な病状を持つ患者さんたちがいますので、共通して食べやすく健康・栄養に配慮した食事となると、どうしても選択肢が限られてしまいます。
人によって食の好みは異なりますが、それぞれに対応した食事というのはなかなか難しいのが現実なのでしょう。
病院食がおいしくないと、完食してもらえず健康面で悪影響が出たり、病院の利用者自体が減ってしまったりするリスクも考えられます。
そのため、病院食のクオリティを上げるための工夫をしている病院も増えているようです。
患者においしく食べてもらうためにどのような工夫が行われているのか、詳しく解説していきます。
まず、飽きがこないようメニューもバリエーションを増やす工夫があります。
塩分をおさえる、栄養バランスを良くするという観点から、病院食は和食が多くなる傾向にありますが、洋食や中華のメニューを導入する病院もあるようです。
また、正月にはおせち料理を出したり、クリスマスには少し豪華な食事が出たりとイベントや季節に合わせて一味違ったメニューを用意するところもあります。
バラエティを充実させることで、飽きが来ず患者さんに食事を楽しんでもらえることも期待できるでしょう。
栄養バランスの観点から塩分量は変えられないものの、スパイスを使うことでおいしく感じてもらうようにする工夫も実施されています。
塩分量を増やさずとも、出汁や薬味を用いることで味を濃くしたり変化を持たせたりすることが可能です。
特にスパイスは香り高く風味を豊かにしてくれるので、薄い味つけになりがちな病院食を味わい深くするのに有効と言えます。
スパイスを活用してエキゾチックなメニューの提供を可能にしている病院もあるようです。
食事の美味しさについては、味わいはもちろんのこと見た目の良さや彩りも大きく関わってくるものです。
そのため、料理の彩りを鮮やかにしようという工夫を凝らす病院もあります。
特に、軟食やきざみ食など噛む力が低下している患者さん向けの食事は見た目があまり良くない場合も多く、食欲を減退させてしまうこともしばしば。
最近では、通常食と似た見た目になるよう工夫された治療食を用意したり、食事の盛り付け・配膳を工夫したりするところも増えています。
患者さんの治療が優先され、それほどコストもかけられないことから、病院食の改善は後回しになっているという病院も多いのではないでしょうか。
しかし、病院食が美味しくないと完食してもらえない、患者さんから不満が出るといった事態にもなりかねません。
そこで、病院食を給食業者に委託するという選択肢もあります。
給食を業者に委託すると何が変わるか、患者満足度の向上が望める理由を解説します。
ここまで述べてきた通り、病院食がおいしくないと言われる理由は様々に考えられますが、業者に委託することにより改善が望める可能性があるのです。
具体例としては、クックチル・ニュークックチルという調理方式を活用し、温かい料理を提供できるようにすることが挙げられます。
事前に調理しておいた料理を、再加熱して提供するという方法で、できたてのような味わいが実現できて、患者満足度の向上につながることが期待できるでしょう。
まとめて調理できるため、業務改善につながるというメリットもあります。 調理するスタッフによって味に差が出にくく、雑菌繁殖を防ぐといった安全面でも利点が多いです。
病院食のクオリティを上げたい、患者さんの満足度を上げたいとお考えの方は、チェックしてみてください。
クックチル業者についてはクックチル業者10選を徹底比較|導入の基礎知識から選び方まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ニュークックチルについてはニュークックチルとは|クックチルとの違いやメリットを解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
病院食がおいしくないと言われることが多いのは、栄養バランスを優先していることやメニューのバリエーションが少ないことなど様々な理由が考えられます。
食事が美味しくないと、完食してもらえなかったり患者さんの満足度が下がってしまったりするリスクも出てくるでしょう。
昨今では病院食のクオリティを上げるために様々な工夫を凝らしている病院も多くあります。
給食委託業者に依頼して、新たな調理方式を取り入れるというのも一つの手段ですので、ぜひ検討してみてください。