脳波計は、ひと昔前までアナログ(ペン書き)タイプが主流でした。しかし、近年ではペーパーレスタイプやウェアラブルなど、選択できる機器が増加しているのです。さらに電子カルテと連携することで、患者様のデータを容易に管理できるようにもなるでしょう。
今回はおすすめの脳波計メーカー5社・8製品を紹介します。本体価格の相場や施設ごとのおすすめ機器タイプについても解説しますので、参考にしていただければ幸いです。
「だれでも」「どこでも」「らくらく使える」を目指した、記録器付きデジタル脳波計です。コンパクト設計で楽に移動ができます。測定ナビゲーション機能で手順をアイコン表示するため、スムーズな検査が期待できるでしょう。ECGフィルタ機能を利用すれば、脳波に混入した心電図を全チャネル一括で除去できます。ディスプレイには最大64チャネルと、多彩な脳波波形の表示が可能です。紙記録と同じ大きさに調節して表示することもでき、スムーズな判読を実現できます。
日本光電工業株式会社のおすすめポイント
検査室内外でもスムーズに扱えるよう工夫されています。さまざまな検査シーンに対応できるよう、目的や用途に応じて入力デバイスの選択が可能です。データの品質を4段階評価し、SQI値として脳波上に表示させることもできます。波形品質がひと目でわかるため、データの参照時に役立つでしょう。再生端末を使って脳波計から離れた場所でも測定状況の確認や操作ができます。これにより病棟やICUにいる患者様の変化にいち早く気づき、スピーディーに対応できるのです。
日本光電工業株式会社のおすすめポイント
限られたスペースでも設置がしやすいコンパクト設計です。無線タイプの入力ユニットに対応しており、救急外来などスペースが限られた場所にも設置できます。電極接続箱(JE-921A)を使って観測データをデジタル変換すれば、外部ノイズの影響をほとんど受けません。これにより、EEG-1260など大型機と同レベルの脳波測定を実現できます。脳波検査レポート作成機能を標準搭載しており、3種類のフォーマットから選択可能です。3D電位や周波数マップなどのデータ解析も添付できるため、より詳しいレポートを作成できます。
日本光電工業株式会社のおすすめポイント
架台の高さを空気圧式アジャスタで調節でき、NICU・ICU・病棟での脳波測定に最適な省スペース設計です。PC一体型で、23.8インチのワイドディスプレイはタッチパネルにも対応しています。デジタル入力箱を搭載することで外部からのノイズを軽減するため、ベッドサイドでも正確な脳波が測定可能です。ECGフィルタ機能で、脳波に混入した心電図をデジタル処理により全チャネル同時に除去できます。オプションの専用センサを使用すればETCO2・SpO2の測定にも対応でき、より詳細な結果を導き出せるでしょう。
日本光電工業株式会社のおすすめポイント
日々行うルーチン検査から長時間ビデオ脳波まで対応した高解像度のEEGシステムです。オーストラリアのCompumedics社の製品を輸入販売しております。Grael EEG アンプユニットは高入力範囲と24ビット分解能を備えたDC結合アンプにより表面、皮質、深度電極からの脳波生理信号の増幅とデジタル化を実現します。付属品の追加により心電波形・心拍数・呼吸波形の記録や再生が可能です。
フクダ電子株式会社のおすすめポイント
大阪大学関谷毅教授の研究成果をもとに開発された、パッチ式脳波計です。Storageモードを選択すれば、脳波計本体にデータを保存できます。他の機器につなぐ必要がなく、自由な姿勢で計測が可能です。連携したタブレットへデータを送信するWirelessモードも搭載しています。手のひらサイズで42gの軽量設計、額に貼るだけなので睡眠中の脳波計測もスムーズです。装着に専門的な技術は不要で、誰でも簡単に計測を開始できます。
PGV株式会社のおすすめポイント
クリニカル脳波計「Routine EEG ソリューション」と、長時間脳波モニタリングの「LTM ソリューション」があります。どちらの製品もBrain Monitorをはじめ、4種類のアンプと組み合わせが可能です。アンプとビデオカメラはDHCPを使って自動検出・接続ができます。難しい操作は必要なく、スムーズにセットアップが完了できるのです。カートは人間工学に基づいて高さ調整ができ、身体に負担を感じることなく操作ができます。
ガデリウス・メディカル株式会社のおすすめポイント
Bluetoothで接続できるため、かさばる配線を扱う必要がありません。10時間接続できるバッテリーを搭載しており、長時間も利用可能です。最大32チャンネルまで対応しているので、より詳細な計測ができます。スマートフォンでのストリーミング再生にも対応しているため、リアルタイムで計測結果を得られるでしょう。
株式会社フィジオテックのおすすめポイント
脳波計の種類は非常に多く、どれを選べばよいのか迷っていしまう方も多いでしょう。ここからは、脳波計の選び方をポイントごとに解説します。
外部システムと連携できるかという点は、医師によっては重要ポイントとなります。近年は社会全体でIT化が進んでおり、もちろん医療業界も例外ではありません。電子カルテと連携すれば、院内での情報共有がスムーズです。脳波データと他の検査結果との比較が容易になり、診察や処置方法をスムーズに判断できます。
検査室やICUなど院内で利用するのか、在宅で利用するのかによって機種の大きさや必要な機能が変わってきます。院内でも複数の部署で利用するのであれば、利用する場所の広さを考慮して機種を選ぶ必要があります。
脳波計の価格はメーカーや機能によって異なりますが、200万円〜600万円程度が相場となっています。
ここまで、クリニックごとに求めるニーズや価格帯について紹介しました。では、脳波計の価格を上下させる要因にはどのようなものがあるのでしょうか。以下で詳しく解説します。
電子カルテとの連携ができる・できないで価格は大きく異なります。脳波計メーカーと電子カルテメーカー双方に連携費用が発生するためです。異なる医科の診察履歴や検査結果も参照でき利便性が良くなるため、病院に最適の機能といえます。
IPカメラを使用することで、てんかんなどの疾患を持つ方の様子を詳細に確認できます。非常に便利ですが、搭載すれば価格は100万円程変動するのです。こちらも詳細な記録を求める病院に適しています。
脳波の判読に自信がない・経験の浅い医師にとっては、欲しい機能です。こちらの機能も搭載するとしないとでは100万円程の差が生まれるため、必要に応じて導入しましょう。判読プログラム機能は、クリニックや中小規模の病院など幅広い施設で求められています。
PCのタイプによっても価格は変動します。一般的にデスクトップPCの方がスペックが高いのでコストは高いです。対してノートPCはデスクトップに比べるとスペックは劣るものの、軽量でスムーズに移動ができます。
アナログ脳波計は専用のペン書き機で記録していくため、細かい部品が多く開発コストがかかります。そのため、必然的に価格も高くなるのです。対してペーパーレスタイプはPCから直接プリンタを介して印刷されるため、部品は少なくなります。開発コストも安く済むため、アナログ脳波計に対して価格帯は安くなります。
以下では、脳波計に関するよくある質問をまとめています。
メーカーによってはレンタルの対応をしています。気になる製品がある方は、メーカーHPあるいは営業担当の方に確認をしてみましょう。
脳は非常に多くの神経細胞で構成されており、情報を伝達する際に微弱な電流が発生します。1つの細胞から生じる電流はとても弱いのですが、神経細胞は通常何万単位で同時に活動するのです。数万単位の神経細胞が発生させた電位差を測定したものが脳波になります。脳波計はその電位差を機器に伝えて増幅させ、オシログラフや用紙に記録する仕組みです。
従来はペン書きタイプのみしか選択肢がなかった脳波計ですが、現在ではペーパーレスタイプも登場しています。電子カルテとの連携や判読プログラム・IPカメラなど、機能やオプションも選べるようになりました。選択する機器や機能によって価格は異なるので、施設に必要なポイントを洗い出す必要があるでしょう。最適な機器を選ぶために、複数製品を比較するのがおすすめです。