オンラインでレセプト取り下げを行う方法は?社保と国保に分けて解説

更新日 2025.06.03
投稿者:横山 洋介

レセプトの取り下げは、提出したレセプトに誤りがあった場合に自院にレセプトを差し戻して請求し直すことです。

これまでは紙媒体での再審査請求が主流だっため、オンラインでのレセプト取り下げを行う方法がわからない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、オンラインによるレセプト取り下げの方法を社保と国保に分けてわかりやすく解説します。レセプトの取り下げや返戻が発生するのを防ぐ手段として、レセプトチェックソフトも紹介しているので、参考にしてみてください。

目次

レセプトの取り下げとは?

レセプトの取り下げとは、提出したレセプトに記載ミスがあった場合、自院にレセプトを差し戻して請求し直すことです。

返戻・査定の指摘を受けてから再請求するよりも、誤りに気づいてレセプトを取り下げるほうが、医療機関への入金が結果的に早くなります。

各都道府県の国保連合や支払基金によって、呼び方は異なりますが基本的には同じです。従来通り、紙での取り下げ依頼も可能ですが、オンラインでの取り下げが推奨されています。

返戻や査定との違い

取り下げと返戻・査定は似たような内容として間違われることがあります。下表にそれぞれの違いをまとめたので、参考にしてください。

返戻 査定 取り下げ
実施時期 医療行為の適否が判断し難い場合 請求が不適切と判断された場合 提出したレセプトに記載の誤り等があった場合
内容 審査側が請求を差し戻す 審査側が不適当な項目を修正(減額・減点など)する 医療機関側が自院にレセプトを戻す
支払い 減額分が差し引かれて支払われる
再請求 可能 不可 可能

上表のとおり、審査側が判断する返戻や査定と違って、取り下げは医療機関側から行うものです。

レセプトの返戻についてはレセプト返戻とは?再請求の方法や返戻の理由、返戻対策も解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

レセプトの査定についてはレセプトの査定とは?返戻との違いや査定を減らす方法を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

取り下げを依頼する機関について

取り下げを依頼する機関は、「社会保険診療報酬支払基金」と「国民健康保険団体連合会」の2つに分かれています。

取り下げを行う際の請求先の違いで記入用紙にも違いがあるため、間違った機関に請求しないように注意してください。

取り下げ再請求の流れは以下のとおりです。

  1. 医療機関側が自院にレセプトを戻す
  2. 内容の不備を確認して修正を行う
  3. 再請求をする

オンラインでのレセプト取り下げのやり方

ここでは、オンラインでのレセプト取り下げのやり方を、社保と国保の場合に分けて解説します。

【社保の場合】オンラインでのレセプト取り下げ

支払基金では「当月請求分以外」のオンラインでの取り下げ依頼が可能です。

  1. オンライン請求システムにアクセスする
  2. 「医療機関再審査等請求ファイル作成ツール」をダウンロードする
  3. ダウンロードした「isaisinSetup.exe」ファイルをダブルクリックする
  4. 「医再審請求ファイル作成ツール」がインストールされる
  5. ファイル作成ツールを起動しデータを入力する
  6. 作成したファイルを送信する

より詳細なマニュアルは、支払基金のホームページを確認してください。

出典:再審査等請求ファイル作成ツール|社会保険診療報酬支払基金

【国保の場合】オンラインでのレセプト取り下げ

東京都を例として、国保の場合のレセプト取り下げ方法を紹介します。国保連でも支払基金と同様に「当月請求分以外」オンラインでの取り下げ依頼が可能です。

送信可能な期間は、毎月5日〜月末です。(東京都の場合)。国保の場合の取り下げ方法は以下のような手順で行います。

  1. オンライン請求システムにアクセスする
  2. オンライン請求システムの「マニュアル」にある「操作手順書(医療機関再審査等請求ファイル作成ツール)」を参照しファイルを作成する
  3. 作成したファイルを送信する

詳しくは、各都道府県の国保連ホームページを確認してください。

出典:診療(調剤)報酬明細書等再審査・取下げ依頼関係はこちら|東京都国民健康保険団体連合会

【おまけ】レセプトに課題をお持ちの方におすすめのサービス

最後にレセプト業務に課題を感じている医療機関におすすめの2つのサービスを紹介します。「レセプト代行」と「レセプトチェックソフト」です。レセプトのミスが多いような場合には、こういったサービスを活用することも検討してみましょう。

  • レセプト代行
  • レセプトチェックソフト

レセプト代行

レセプト代行は、医療機関のレセプト作成・点検・請求業務を外部の専門業者が代行するサービスです。医療事務スタッフの負担軽減や、専門的な知識による請求ミスの削減、業務効率化が期待できます。レセプト業務の負担が軽くなることで、医療機関はコア業務である診療に注力できるようになります。

レセプト代行については【徹底解説】レセプト代行・外注が気になる方必見!料金や選び方などで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

レセプトチェックソフト

レセプトチェックソフトは、医療機関が作成したレセプト(診療報酬明細書)の内容を自動でチェックするソフトウェアです。病名と診療行為の矛盾、保険ルールの違反、禁忌薬剤の使用などを検出し、請求ミスを防ぎます。これにより、保険者への請求の正確性を高め、医療事務の効率化に貢献します。人的なチェックだけでは見落としがちなエラーを発見できるのが特徴です。

レセプトチェックソフトについては【2025】おすすめレセプトチェックソフト|価格や選び方を解説!でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

まとめ

オンラインでのレセプト取り下げのやり方は、社保と国保によって違います。どちらも、「当月請求分以外」のオンラインでの取り下げ依頼が可能です。

それぞれの取り下げのやり方をおさらいすると、

【社保】

  1. オンライン請求システムにアクセスする
  2. 「医療機関再審査等請求ファイル作成ツール」をダウンロードする
  3. ダウンロードした「isaisinSetup.exe」ファイルをダブルクリックする
  4. 「医再審請求ファイル作成ツール」がインストールされる
  5. ファイル作成ツールを起動しデータを入力する
  6. 作成したファイルを送信する

【国保】

  1. オンライン請求システムにアクセスする
  2. オンライン請求システムの「マニュアル」にある「操作手順書(医療機関再審査等請求ファイル作成ツール)」を参照しファイルを作成する
  3. 作成したファイルを送信する

詳しくは、各都道府県の支払基金、国保連のホームページを確認してください。


セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n33882f74cd71

国立大学を卒業後、新聞記者として4年間勤務。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、レジの導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野はレジ関連(POSレジ、自動精算機)、ナースコール、レセプト代行。

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