レセプトの取り下げは、提出したレセプトに誤りがあった場合に自院にレセプトを差し戻して請求し直すことです。
これまでは紙媒体での再審査請求が主流だっため、オンラインでのレセプト取り下げを行う方法がわからない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、オンラインによるレセプト取り下げの方法を社保と国保に分けてわかりやすく解説します。レセプトの取り下げや返戻が発生するのを防ぐ手段として、レセプトチェックソフトも紹介しているので、参考にしてみてください。
レセプトの取り下げとは、提出したレセプトに記載ミスがあった場合、自院にレセプトを差し戻して請求し直すことです。
返戻・査定の指摘を受けてから再請求するよりも、誤りに気づいてレセプトを取り下げるほうが、医療機関への入金が結果的に早くなります。
各都道府県の国保連合や支払基金によって、呼び方は異なりますが基本的には同じです。
従来通り、紙での取り下げ依頼も可能ですが、オンラインでの取り下げが推奨されています。
レセプト期間が終わったら、取り下げをする必要がなくなるよう、レセプト点検の精度を上げることも検討しましょう。
レセプトチェックソフトについては【2023最新】レセプトチェックソフトおすすめ7選|選び方や価格まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
取り下げと返戻・査定は似たような内容として間違われることがあります。下表にそれぞれの違いをまとめたので、参考にしてください。
返戻 | 査定 | 取り下げ | |
---|---|---|---|
実施時期 | 医療行為の適否が判断し難い場合 | 請求が不適切と判断された場合 | 提出したレセプトに記載の誤り等があった場合 |
内容 | 審査側が請求を差し戻す | 審査側が不適当な項目を修正(減額・減点など)する | 医療機関側が自院にレセプトを戻す |
支払い | ー | 減額分が差し引かれて支払われる | ー |
再請求 | 可能 | 不可 | 可能 |
上表のとおり、審査側が判断する返戻や査定と違って、取り下げは医療機関側から行うものです。
レセプトの返戻についてはレセプト返戻とは?再請求の方法や返戻の理由、返戻対策も解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
レセプトの査定についてはレセプトの査定とは?返戻との違いや査定を減らす方法を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
取り下げを依頼する機関は、「社会保険診療報酬支払基金」と「国民健康保険団体連合会」の2つに分かれています。
取り下げを行う際の請求先の違いで記入用紙にも違いがあるため、間違った機関に請求しないように注意してください。
取り下げ再請求の流れは以下のとおりです。
ここでは、オンラインでのレセプト取り下げのやり方を、社保と国保の場合に分けて解説します。
支払基金では「当月請求分以外」のオンラインでの取り下げ依頼が可能です。
より詳細なマニュアルは、支払基金のホームページを確認してください。
出典:再審査等請求ファイル作成ツール|社会保険診療報酬支払基金
東京都を例として、国保の場合のレセプト取り下げ方法を紹介します。国保連でも支払基金と同様に「当月請求分以外」オンラインでの取り下げ依頼が可能です。
送信可能な期間は、毎月5日〜月末です。(東京都の場合)。国保の場合の取り下げ方法は以下のような手順で行います。
詳しくは、各都道府県の国保連ホームページを確認してください。
出典:診療(調剤)報酬明細書等再審査・取下げ依頼関係はこちら|東京都国民健康保険団体連合会
オンラインでのレセプト取り下げのやり方は、社保と国保によって違います。どちらも、「当月請求分以外」のオンラインでの取り下げ依頼が可能です。
それぞれの取り下げのやり方をおさらいすると、
【社保】
【国保】
詳しくは、各都道府県の支払基金、国保連のホームページを確認してください。