スパイロメーターとは、呼吸機能を検査するための医療機器で、肺の容量や呼吸力などの肺機能を簡易的に検査することができます。本記事では、スパイロメーターの価格相場に加えて、おすすめのメーカーや比較ポイントについても解説します。ぜひ参考にしてみてください。
スパイロメーターは、スパイロメーター検査(肺機能検査)に使われる装置のことで、肺の働きや呼吸の状態を簡単に調べることが可能です。肺の働きなどをチェックすることで、呼吸器系の疾患の診断や経過観察に広く利用されています。
スパイロメーターは様々なメーカーやモデルがあり、価格もそれぞれです。基本的な機能を備えたエントリーレベルのスパイロメーターから、専門的な用途に特化した高度な機能を持つスパイロメーターまで、選択肢は豊富にあります。
使い方や予算に合わせて適切なスパイロメーターを選ぶことが大切になってくるでしょう。
スパイロメーターの価格相場は、サイズや用途によって10万円〜30万円程度と金額に幅があります。一例として、世界最小クラスの携帯型デジタルスパイロメーターは10万円程度です。
一方で、充実した解析機能がついていて、VC(肺気量)・FVC(努力性肺活量)・MVV(最大換気量)を測定できる電子式診断用スパイロメータ・オートスパイロは、30万円程度かかるでしょう。
スパイロメーターやスパイロメーターの価格相場について解説してきました。
この章では、おすすめのスパイロメーター3選をご紹介します。ぜひメーカー選びの参考にしてください。
フクダ電子は、国内初の心電計開発を手がけ、1939年に創業した老舗メーカーです。時代の変化に素早く柔軟に対応し、世界中の人々の健康に貢献できる医療テクノロジーの創造に全力を注いできました。
また、日本の医療イノベーションの推進をリードしており、心電計をはじめとする呼吸や循環器系の医療機器を製造・販売し、人々の健康と地域の医療に貢献しています。
フクダ電子の比較ポイント
製品情報
製品名 | 電子式診断用スパイロメータ スパイロシフト SP-390Rhino |
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医療機器分類 | 管理医療機器 特定保守管理医療機器 |
価格 | 要問合せ |
寸法 | (幅) 253 (奥行) 245 (高さ) 115 mm |
重量 | 本体1.7kg フローセンサ150g |
特徴 | 従来品より大きさは変えずに機能を向上させた小型スパイロメーターです。鼻科手術の決定やSASの診断目的で行う鼻腔通気度検査とCOPDの状態把握を行う動的肺過膨張検査を搭載しています。 ヘルプビューア・ポイントが多く難しいFVC測定の練習モード・「LMS法による日本人のスパイロメトリー新基準値」を搭載しているので、より正確に肺機能を検査することができるでしょう。 |
チェスト株式会社は、呼吸器領域において幅広い医療機器の開発・製造・販売を行っています。検査機器から治療器まで、様々な製品を提供可能です。
呼吸器系の専門メーカーとして、高い専門性を持つ製品を取り扱っていて、検査・診断から治療、在宅医療まで、呼吸器医療の進歩に貢献しています。
チェスト製品は世界60か国以上で紹介されており、その輸出だけでなく、日本においても世界の優れた呼吸器関連製品の輸入・販売も行っています。
チェスト株式会社の比較ポイント
製品情報
製品名 | 電子スパイロメータCHESTGRAPH HI-301U |
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医療機器分類 | クラスⅡ(管理医療機器) 特定保守管理医療機器 |
価格 | 要問合せ |
寸法 | (幅) 230 (奥行) 240 (高さ) 85 mm |
重量 | 2.0kg |
特徴 | 高流量域の測定に最適なスペックを備えています。ATS/ERS(アメリカ呼吸器学会/欧州呼吸器学会)が推奨するセンサー抵抗の低減を実現し、ディスポータイプの着脱式センサーなので衛生的です。 測定前にゼロ調整を行う必要がなく、18L/sまでのピークフロー値を高精度に計測することができます。操作はタッチパネル式で、7インチのワイドカラー液晶モニタです。 その上、このスパイロメーターは本体内蔵メモリに最大20,000件の測定データを保存することが可能です。データの送受信機能は無線方式でオプションとして提供されており、充電式ニッケル水素バッテリーが搭載されています。 |
ミナト医科学は、医療機器やシステムの製造・販売、そしてメンテナンスを通じて、エレクトロニクスの技術を活用し、使いやすさと優しさを提供しています。
取扱品目は評価測定機・理学療法機・リハビリテーション機器です。スパイロメーターの他には、エアロモニタ・聴力測定器なども、健康診断などで幅広く活用されています。
ご購入から11ヶ月後に、往復はがきによる「CSカード」が送られてくるので、製品を使用した感想や、患者さんからの意見などを書いて投函するといいでしょう。製品に何らかの不具合が生じた場合、無料保証期間(5年間)内であれば無償で対応してくれます。
ミナト医科学株式会社の比較ポイント
製品情報
製品名 | 呼吸機能測定装置 オートスパイロ[AS-610] |
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医療機器分類 | 管理医療機器 特定保守管理医療機器 |
価格 | 要問合せ |
寸法 | (幅) 240 (奥行) 180 (高さ) 105 mm |
重量 | 1.0kg |
特徴 | AS-610は、B5用紙サイズに収まるコンパクトなボディですが、多機能です。高精度な熱線流量計方式なので、低フローでも±3%の精度で測定可能です。楕円形のハンドルを採用することで、「握力が弱い」など、測定時にハンドルを維持することが難しい患者さんに対しても、検査者が補助しながら測定できます。また、従来の機種と比べて、印字速度が1.5倍に向上し、紙ベースでも記録を残すことができるでしょう。操作キーと表示内容を大きくし、操作性を高めることで使用しやすくなりました。さらに、コントラストの大きいインターフェイスデザインは、視認性を向上させ、操作をサポートします。 |
ここまでスパイロメーターの価格相場やおすすめメーカーについて紹介してきました。 この章では、スパイロメーター検査(肺機能検査)の基礎知識を解説します。ぜひ参考にしてください。
スパイロメーター検査とは、肺の機能を調べるための検査です。以下は計測する項目ごとに、低下すると診断される可能性の高い、呼吸器系の疾患をまとめました。
また、スパイロメーター検査と喘息を測定するピークフローメーターの違いは、スパイロメーター検査は総合的な肺機能評価に適していて、ピークフローメーターは喘息の管理や経過観察に特化していることです。
ピークフローメーターは、患者さんが最大の息を吹き出す際の最大気流速度(ピークフロー)を測定し、気道の狭窄や気管支の状態の変化を調べます。喘息発作の前兆や症状の変化を把握することが可能です。
スパイロメーター検査の流れは、VC(肺気量分画測定)とFVC(努力性肺活量測定)によって異なりますので、それぞれに分けて説明します。
以下はVC(肺気量分画測定)のスパイロメーター検査の流れです。
以下はFVC(努力性肺活量測定)のスパイロメーター検査の流れになります。
VC(肺気量分画測定)のスパイロメーター検査は、最大限に息を吸ったりはいたりできる量を測定し、肺の大きさについて調べるので、呼吸をゆっくり行うことがポイントです。
一方で、FVC(努力性肺活量測定)のスパイロメーター検査は、いっぱいまで吸った息を一気にどれだけ強く最後まではききることができるかを測定します。がんばって最後まではききることがポイントです。
この記事では、スパイロメーターの価格相場を紹介し、おすすめメーカーの比較やスパイロメーター検査の基礎知識についても説明しました。
スパイロメーターはたくさんありますが、それぞれ特徴が異なり、まずは情報を集めて比較検討をすることが重要です。
どこのメーカーに依頼するか迷った際には、今回紹介したおすすめの中から問い合わせてみてはいかがでしょうか。
最適なスパイロメーターを選び、より患者さんのためになるような診療を実現しましょう。