血圧脈波検査装置とは、血管の硬さや詰まり具合を測定し、動脈硬化の進行度を評価することができる装置です。動脈硬化は進行すると、心筋梗塞や脳卒中などの生活習慣病を引き起こす可能性があり、早期発見と対策が大切になってきます。本記事では、血圧脈波検査装置のおすすめメーカー3社を紹介し、動脈硬化の原因や検査の使い方についても詳しく解説しますので、参考にしてください。
血圧脈波検査装置は、動脈硬化の進行度を評価するために使用される医療用装置です。この章では、血圧脈波検査装置の概要と動脈硬化について解説します。
血圧脈波検査装置は、手首や足首などの動脈にセンサーを装着し、脈波の形状を測定します。脈波の形状は、動脈の硬さや狭さによって変化しますので、脈波の形状から動脈硬化のリスクを評価することが可能です。検査の流れは以下のようになります。
血圧脈波検査装置は、循環器内科や、生活習慣病に対処する際にも使われる装置です。
動脈硬化とは、血管の内壁に血や脂のかたまりが付いて狭くなり、血の流れが悪くなる病気です。血流が悪くなることで、体全体に酸素や栄養が効率よく供給されにくくなります。
動脈硬化が進行すると、心臓や脳などの重要な臓器に血液が適切に届かず、心疾患や脳血管疾患につながる恐れがあるでしょう。高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、運動不足などが主な原因とされており、予防と早期の発見が重要です。
血圧脈波検査装置の概要や動脈硬化について解説してきました。
この章では血圧脈波検査装置のメーカー3社を紹介します。血圧脈波検査装置はメーカーが少ないので、新規購入や装置の入替の際は、各社を比較すると良いでしょう。
フクダ電子は、国産第1号の心電計開発から始まった老舗メーカーです。創業から「お客様第一主義」を行動の基本にしています。
時代の変化に素早く柔軟に対応し、世界中の人々の健康に貢献できる医療テクノロジーの創造に全力を注いできました。心電計をはじめとする呼吸や循環器系の医療機器を製造・販売し、人々の健康と地域の医療に貢献しています。
フクダ電子の比較ポイント
製品情報
製品名 | 血圧脈波検査装置 VS-2500システム Premium Edition |
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価格 | 要問合せ |
寸法 | (幅) 545 (奥行) 500 (高さ) 1,246 mm (本体ユニット、表示ユニットおよびサーマルレコーダユニットをトロリーへ装着時) |
質量 | 25.4kg (本体ユニット、表示ユニットおよびサーマルレコーダユニットをトロリーへ装着時) |
特徴 | ・状況に合わせて検査をカスタマイズ、血管と心臓に関わる様々な検査が1台で完結 ・15インチの大きな液晶ディスプレイで波形や検査結果を確認可能 |
オムロン ヘルスケアは、家庭用血圧計や電気治療器などの多くの製品でグローバルシェアのトップクラスを誇る医療機器メーカーです。
「Going for ZERO -予防医療で世界を健康に-」というビジョンを掲げ、機器の製造販売のみならず、健康管理アプリや遠隔診療サービスなども展開しています。
医療向けの血圧計や体重体組成計から家庭向けの電動歯ブラシや歩数計まで、幅広い健康機器を取り扱っています。
オムロン ヘルスケアの比較ポイント
製品情報
製品名 | 血圧脈波検査装置 HBP-8000 |
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価格 | 要問合せ |
寸法 | メインユニット(幅) 191 (奥行) 232(高さ) 104 mm/アンクルユニット(幅) 82 (奥行) 189(高さ)54mm/ |
質量 | 1.5kg(メインユニット本体)/0.5kg(アンクルユニット本体) |
特徴 | ・コンパクトサイズの血圧脈波検査装置 ・血圧(両上腕)・ABI・PWVの3つの測定モードを、用途に合わせて切替可能 |
エー・アンド・デイは計測・計量・医療・健康機器メーカーです。健康をサポートする製品を提供するために、健康経営に積極的に取り組み、その取り組みが評価され、「健康経営優良法人2023」に4年連続で認定されました。
そのうえ、環境への負荷を少なくするため、製品の調達において環境に配慮した取り組みを推進しており、ユニット、材料、部品、包装材など、製品全体の環境負荷を低減することに取り組んでいます。
製品に関しては、血圧脈波検査装置 シグモコアXCEL TM-2805Vは、座ったままで計測ができるという画期的な装置です。
エー・アンド・デイの比較ポイント
製品情報
製品名 | 血圧脈波検査装置 シグモコアXCEL TM-2805V |
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価格 | 税抜2,800,000円 |
寸法 | (幅) 189.7 (奥行)84.7 (高さ) 167.5 mm |
質量 | 790 g(本体ユニット) |
特徴 | ・血圧脈波検査が上腕のカフのみ装着で可能 ・座ったままで測定が可能 ・測定時間は約60秒と短時間 |
血圧脈波検査装置の価格相場は、個別に金額を公開していないメーカーが多いですが、100万円前後です。
高い買い物になりますので、実際に購入する際は、メーカーやサイズ・使い方などでしっかり検討し、自院のニーズにあった血圧脈波検査装置を選びましょう。また、一社だけでなく、複数社へ見積を依頼して比較すると違いがよく分かります。
血圧脈波検査装置の使い方は下記の流れです。
検査時間は5分〜10分程度で終わります。
この章では、それぞれの項目について詳しく解説します。
患者さんに仰向けになっていただき、手首や足首の動脈にカフを装着します。
CAVI(キャビィ)測定では、約50 mmHgの圧力をかけ、5〜6秒間圧脈波を取り込めば終了です。一方、ABI(エーピーアイ)測定では左右に分けて血圧を測定します。まず右側を測定し、それが終わった後に左側を測定すれば終了です。
血圧脈波検査装置検査は血圧測定と同じぐらい手軽に受けることができます。
血圧脈波検査装置の装着後、電源をいれて測定開始します。2種類の検査方法があり、CAVI は動脈の硬さが分かり、ABIは血管の詰まりが測定可能です。
CAVIは動脈の硬さを評価し、血管年齢を表示します。動脈硬化が進行すると、CAVI値が上昇し、値が9.0以上になると、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが増える値です。
ABIは下肢動脈の閉塞状態を検査し、ABI値が0.9未満になると、末梢動脈疾患の可能性が高まります。値が低くなるほど重症です。
CAVI(キャビィ)値は心臓足首血管指数ともいい、動脈のかたさを表します。CAVI値が9.0以上のときは動脈硬化の可能性が高く、脳出血・心筋梗塞などの病気にかかりやすい状態です。
ABI(エーピーアイ)値は足関節上腕血圧比ともいい、動脈のつまりを表します。ABI値が0.9以下になると足の動脈がつまっている状態です。動脈がつまると閉塞性動脈硬化症になる可能性があるでしょう。
足の筋肉への血流が減少し、歩行時に足の痛みなどの症状が現れることがあり、病気が進行すると、足先が壊死し、手術が必要となる場合もあります。
この記事では、血圧脈波検査装置のおすすめメーカーを紹介し、動脈硬化の原因や血圧脈波検査装置の使い方についても説明しました。
血圧脈波検査装置のメーカーは複数ありますが、それぞれ特徴が異なり、まずは情報を集めて比較検討をすることが重要です。
どこのメーカーに依頼するか迷った際には、今回紹介したおすすめの中から問い合わせてみてはいかがでしょうか。
最適な血圧脈波検査装置を選び、より患者さんのためになるような診療を実現しましょう。