「先生、私辞めます」
開業から半年、ようやく経営も安定してきたと思ったら、また新しい悩み事が……。
オープニングスタッフが辞めてしまうことは、経営上の大きな損失です。
この記事では、クリニックにおいてオープニングスタッフが辞めてしまう理由と、その防止策、また、辞めてしまった場合の対処法などを紹介します。
オープニングスタッフが長く働きたいと思えるような職場環境を構築し、安定した経営を目指しましょう。
目次
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某クリニックでは、オープニングスタッフがある日、全員で辞表をもってきたという恐ろしい出来事が、、、。当然ながら、スタッフ全員が退職してしまってはクリニックの経営は成り立ちません。仕方なく一時休業という選択をすることになったクリニック。一体何が原因だったのでしょうか?
このケースでは、「オープニングスタッフはすぐ辞めるから、最初の求人はあまり力を入れなかった」という、採用時のスタンスが最大の原因と考えられます。オープニングスタッフはなかなか定着しないということは業界内では珍しい話ではありません。しかし雇う側であるクリニックの経営者が、「どうせ辞める」という思いで採用していることを、スタッフは気づいています。結果、小さな理由で見切りをつけられ退職に至るケースが少なくありません。
ドミノ退職とは、一人が辞めると仕事量が増え、その結果二人目が辞める、さらに仕事が多くなり、三人目も辞めてしまう、まるでドミノ倒しのように次々とスタッフが辞めてしまう現象のことです。
辞める人が増えると、残っているスタッフへの負担が大きくなります。オープニングスタッフだからといって「とりあえず」でクリニックに合わない人材を雇ってしまうと、一人が辞めたことをきっかけに、次々とスタッフが辞めてしまう結果に。スタッフが少なくなると、クリニックの運営自体が難しくなるので注意が必要です。
スタッフが退職すると、次のスタッフ採用のための広告費や、制服代、備品代など多方面でコストがかかります。特に、開業したばかりだと余剰資金が少ない場合が多いかと思います。そんな中でオープニングスタッフが辞めてしまうのは、キャッシュフローに大打撃です。
また、スタッフが辞める⇒新たにスタッフを雇用するというのを何度も繰り返すと、採用面接や教育・研修、各種手続きなど、その都度で時間的なコストが多く割かれてしまいます。スタッフが辞めてしまうことは経営上の大きな損失に繋がることは容易に想像出来ます。
また、スタッフが一度に辞めてしまったり、辞める人が続いたりすることでクリニックとしてのブランド力が低下することも懸念されます。悪いうわさが広がり、スタッフを募集しても集まらなくなってしまうと、なかなか優秀な人材の雇用に結びつきません。拡大や、安定した経営に大きな足かせとなってしまいます。
そうならないためにもスタッフが辞めてしまう原因をしっかり分析し、改善するための策を検討しましょう。
オープニングスタッフが辞めてしまう理由は主に以下の内容が挙げられます。
中でも、以下のような勤務条件や労働条件に対しての不満は特に多いようです。
また、とりあえず人手が足りないからといって、採用方法や、採用するスタッフを間違えてしまうこともオープニングスタッフの離職をまねく原因となります。
スタッフがすぐに辞めてしまう傾向があるというクリニックは、職場の環境づくりや採用時の力の入れ具合がおろそかになっている可能性が高いです。
ここでは、オープニングスタッフが辞めてしまうのを防ぐ方法を2つ紹介します。
クリニックに限らず職場環境や人間関係が悪い職場は人が定着しません。スタッフ間の人間関係だけでなく、クリニック経営をおこなう院長やリーダーとの関係も重要です。
職場環境・人間関係の改善をするために以下の4つに気を配ってみましょう。
採用前後の教育や指導には、時間をしっかりかけることが重要です。経営者である医師が自身で指導にあたること、また、クリニック内でおこなう研修だけでなく、必要に応じて外部研修を活用することも効果的です。教育や指導に力を入ることで、スタッフのモチベーションを向上させるだけでなく、スキルアップも見込めます。
全てのスタッフが公平に、また気軽に休みを取れるようにする、タイムマネジメントをしっかりするといった労働条件の見直しも、スタッフの離職を防ぐ防止に効果的でです。
例えば、業務が忙しく休憩が取れないような日々が続いたり、子供の学校行事や予定で休みたい時に休みを申請できなかったりするとスタッフにとってはストレスにつながります。ほかにも、診察終了間際まで受付をおこなっているクリニックでは、残業が増えることも。まずはスタッフ一人一人が何にどれだけ時間を使っているかを整理することで、「休憩時間がしっかりとれる」、「有給がとりやすい」、「残業が少ない」スタッフが働きやすい職場づくりを進めていきましょう。
経営者である医師と、スタッフ間のコミュニケーションは非常に重要です。開業当初は、経営者側とスタッフが一丸となって進みます。しかしオープニングスタッフが辞めていくのは、開業後2~3ヶ月後。経営者目線の院長と、従業員目線であるスタッフの間ではどうしても温度差が生まれてしまいます。日頃からコミュニケーションをとることで、スタッフのささいな意見に耳を傾けてみましょう。そうすることで、経営者である医師とスタッフ間の信頼関係は徐々にはぐくまれていきます。また、若いスタッフは会議などで直接意見を発しすることに気後れして、意見をうちに秘めてしまうケースも多くあります。そういったスタッフからの意見を拾えるように、コミュニケーションツールの導入も検討しましょう。
朝礼や定期的なミーティング、スタッフとの面談があるクリニックほど、スタッフの定着率がよいといわれています。普段からクリニックの目標や理念を共有し、「目標に向かって日々の業務をおこなう」という意識を植え付けることで、開業したばかりのクリニックを盛り上げようという共通の認識が生まれます。スタッフと一丸で長期的なビジョンの実現、短期的な目標の達成に向かっていけるようなクリニックを目指しましょう。
オープニングスタッフだからといって、とりあえず雇用することは危険です。採用時点で、クリニックに合う人物を綿密に定義し、採用するスタッフを見極めることが重要です。
採用前には労働条件やクリニック内のルールをしっかり取り決めておきましょう。書面にして示すことが重要です。特に不満が出やすいのが給与と待遇です。口約束ではなくオープニングスタッフの雇用に関しては、明確な条件を書面で示しましょう。
履歴書に書いてある内容だけで、安易にスタッフを採用することは危険です。実際に経営者である医師がその目で応募者を確認し、信頼できると感じた人材を採用することが重要です。自身の好みで偏りが出てしまわないよう、一人だけで面接するのではなく複数人の意見を取り入れることもおすすめします。
退職時のトラブルはできるだけ回避するようにしましょう。スタッフが退職する時、もめてしまうケースは少なくありません。退職時のトラブルは、その後のクリニック運営に様々な悪影響を及ぼすケースがあります。
例えば、退職したスタッフが悪いうわさを流してしまうと、求人を出したとしても悪いイメージがつき、応募者が減ってしまうこともあります。
また、辞める人が続出すると、「常に求人が出ているクリニック」=「あそこのクリニックはすぐに人が辞めてしまう」=「環境がよくない」というイメージがついてしまいます。
もし退職を考えているスタッフがいれば、お互いの妥協点を探り、できるだけ円満に退職する方向へもっていきましょう。
この記事では、オープニングスタッフが辞める理由や、それを防ぐ方法を紹介しました。
オープニングスタッフの退職は、金銭的にも時間的にも大きな損失です。一斉退職やドミノ退職による一時休業という最悪のケースも、全く他人事ではありません。できるだけ、退職を回避できるように防止策を講じることは、経営上の最優先項目のひとつです。
また、退職が決定した場合でも、できるだけトラブルは回避するようにしましょう。そして新しい採用をおこなう際は、クリニックに合う人材かどうか、慎重に見極めることが必要です。
クリニックのスタッフが一丸となって働けるような職場環境の構築は安定したクリニック経営の第一歩です。今回の記事を参考に、オープニングスタッフがずっと働いていたくなるようなクリニックを目指していきましょう。
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