離床センサーは、入所者や患者の転倒・転落対策に欠かせない機器として、導入する施設が増えています。
離床センサーのスイッチを入れ忘れてしまうと、利用者の離床に気づかず、ヒヤリハットや転倒事故につながる可能性があるためとても危険です。
本記事では離床センサーのスイッチ入れ忘れに対するリスクや、それに対する対処方法についてご紹介します。以下に詳細を記載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
テクノスジャパンの調査によると、調査対象の62%の施設で、離床センサーの電源を入れ忘れたことがあったと分かりました。これは6割以上の施設で身近に危険性があるということを意味し、きちんと指導する必要性があると考えられます。
離床センサーは、ベッドのサイド側に設置されることが多く、赤外線を使い利用者の離床を検知すると作動します。介助時は、スタッフの動きによる誤報を防ぐため、離床センサーのスイッチをオフにします。反対に、介助を終えて退室する際、忘れずにスイッチをいれる必要があります。 もしスイッチを入れ忘れてしまうと、利用者の離床を検知することができず、思わぬ事故に繋がってしまう可能性があるでしょう。
万が一、利用者の離床に気づかず転倒事故になった場合、どのようなリスクがあるのか、具体的にみていきます。
ベットからの転落は、大きな怪我につながる可能性があります。身体が弱い人であれば、骨折や脱臼をしてしまうでしょう。
もし、スイッチを入れ忘れた場合、離床の発見が遅れてしまい、早期発見ができず怪我等の処置が手遅れになります。最悪の場合は、施設側の管理責任が問われ、訴訟問題にまで発展する可能性があるため注意が必要です。
人の命を授かっている仕事になるため、神経を使う職員は多いはずです。また、責任が重い仕事でもあり、常に不安な気持ちを持っている職員が多く存在します。
など、さまざまな不安を抱いているはずです。 多くの業務が立て込んでいれば、集中力が次第に低下していき、事故を引き起こしやすくなります。また、夜間だと人手が減り対応できる人数も限られるため、全体を管理するのが難しくなるでしょう。
介助時にスイッチを切り忘れると、何度もセンサーに触れてしまい誤報が頻発します。センサーからお知らせがくれば、他の介助者は事故が起きていないか確認する必要が生じるため、何度も対象者の部屋へ足を運ぶことになるでしょう。
結果、誤報によって業務量が増えてしまい、他介助者への負担増加に繋がります。
離床センサーの入れ忘れに関して、医療機関や介護施設で働く多くの職員が不安に感じています。 ここでは、職員がスイッチを入れ忘れてしまうことへの不安について、SNSでの投稿を紹介します。
昨日の夜勤~明け
— がきんちょちょ(@gakincho1011) October 6, 2020
朝方に2人ベッドから転落していた。
1人は、離床センサー無しでトイレに行こうとして転落したらしい。物音あり。ふらつき凄すぎ!
もう1人は離床センサーあったがスイッチが切れていて、見たら床を四つん這いではっていた。
#介護あるある
— はまー (@0360Brimstone) March 5, 2019
『離床センサー反応しねーじゃねーか?』
(洪水の様な失禁を片付けつつ)
最後に利用者さんを横にした介護員がスイッチを入れていない。
離床センサーのスイッチ入れ忘れに対する対策を紹介します。 各職員がスイッチの確認を徹底する、職員間でスイッチのオンオフを共有するなどの基本行動に加え、メーカーが紹介している入れ忘れを防ぐ具体的な工夫も紹介します。
ベッドサイドに離床センサーのON/OFFカードを吊り下げて、一目でセンサーの状況を確認出来るようにします。
ポイントは、必ず目につきやすい箇所に設置しておくことです。必ず見える位置に設置すれば、離床センサーの「ON/OFF」の対応を忘れずにすむでしょう。
家族訪問時に離床センサーのスイッチをオフにする場合、タイマーをセットして、一定時間経過後にアラームを鳴らして、電源の確認をするようにします。 タイマーが鳴れば、業務に追われ忘れていたとしても気づくことが可能です。
スタッフが気づかないうちに、面会者が帰宅してしまう状況を防ぐために、面会カードを作成しましょう。面会カードは、受付で面会者に渡し、帰宅時に面会カードを返却してもらう流れにしておいてください。
面会者から面会カードの返却があった際に、対象の居室の離床センサーの電源を確認するようにしておけば、スイッチの入れ忘れがなく安心です。
あえて、介助時はスイッチを切らない方法もあります。 この場合、介助時は離床センサーをずらしてセンサーを踏まないようにして、介助を終えたあとは元の位置に戻すようにしましょう。
また、夜間など人手が少ない時間帯は、スイッチを切らないように対処することも一つの方法です。
介助が終わった際に、自分でセンサーを作動させて、問題なく起動していることを確認してからベッドを離れるようにします。 また、ベッドから離れた後は、他のスタッフにもセンサーの状況を共有するルーティンにしておくと安心です。
株式会社ネオファームは、医療・介護に関する安全対策用品を製造している企業です。コード付きマットセンサーは、スイッチの入れ忘れを防ぐ不要コール防止機能が搭載され、安全に使用できるマットとして評判を集めています。
また、マットの表面は抗菌処理され、衛生面も安心できるマットです。
株式会社ネオファームの比較ポイント
製品情報
商品名 | コード付き マットセンサーF10 |
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サイズ | 90x60cm |
参考価格 | 77000円 |
付属品・付属機能 | 不要コール防止機能搭載 |
株式会社メディカルプロジェクトは、「医療安全・医療事故予防用製品」を中心に開発・製造・販売をしている企業です。
マットセンサーセレクトプラスでは、対象者だけにセンサーが反応する設計で、職員や外来者がマットを踏んでも反応しないようになっています。よって、対象者の動きだけを管理できるため、職員の業務負担を軽減することが可能です。
株式会社メディカルプロジェクトの比較ポイント
製品情報
商品名 | マットセンサーセレクトプラス |
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サイズ | 90cm×60cm |
参考価格 | 75,000円 |
付属品 | マットセンサー、マットレス下用センサー、コントロール装置、ナースコール接続アダプト |
スマットは、2種類のお知らせ機能が選べる仕様で、環境や運用からタイプに合わせた使用が可能です。もし、専用受信機を使ったお知らせ機能を選べば、ナースコールの設備は必要ないため、余計な設備投資が必要なくなるのも魅力でしょう。
マットには、対象様を識別する機能も搭載されているため安心です。
株式会社テクノスジャパンの比較ポイント
製品情報
商品名 | スマット |
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サイズ | 要確認 |
参考価格 | 110,000円 |
付属品 | ケーブル(ケーブルタイプのみ) |
株式会社ホトロンは、センサー技術のパイオニアとして技術力に定評のある企業です。 置くだけポール君は、非接触型の赤外線センサーを搭載しているため、対象者がベットから降りるとすぐにナースコールでお知らせしてくれます。また、直接触れない仕様で衛生面も問題なしです。
薄型マッ太君は、ベット横に敷くマットセンサーです。マットセンサーとしてのお知らせ機能はもちろんのこと、コンパクトに折りたためるマットになるため、小スペースでの運用が可能です。
株式会社ホトロンの比較ポイント
製品情報
商品名 | 「置くだけポール君」、「薄型マッ太君」 |
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サイズ | 「置くだけポール君」W180×H760×D180mm 「薄型マッ太君」W900×H600×D5mm |
参考価格 | 「置くだけポール君」59,800円 「薄型マッ太君」66,000円 |
付属品 | 「置くだけポール君」AC100V 50/60Hz(専用アダプタ使用) 「薄型マッ太君」なし |
離床センサーは、入所者や患者の転倒・転落対策に欠かせない機器として多くの施設で導入されています。離床センサーのスイッチを入れ忘れてしまうと、利用者の離床に気づかず、転倒事故などにつながる可能性があるため非常に危険です。
スイッチの入れ忘れは、人的ミスで起きうることであるため、スイッチの入れ忘れ防止機能を搭載した離床センサーの導入を検討することをおすすめします。ぜひ検討してみてください。
離床センサーの基礎についてはおすすめ離床センサーのメーカー10選|種類や価格も解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。