「建物の老朽化が目立ってきた」「今の設備では、スタッフの介助がしにくそうだ」と感じることはありませんか。 介護施設のリフォームは、単に見た目をきれいにするだけでなく、入居者様の安全を守り、スタッフの心身の負担を減らす大切なステップです。
とはいえ、いざ計画しようとすると「運営を続けながら工事ができるのか」「予算はどれくらいが妥当なのか」など、次々と疑問や不安が出てくるものです。また、介護現場特有のルールに詳しい業者を探すのも、簡単ではありません。
この記事では、介護施設のリフォームで押さえておくべき費用相場や補助金の知識、そしてスムーズな進め方を、初めての方にも分かりやすく解説します。
毎日を過ごす場所を、より安全で、より働きやすい空間に変えるためのヒントとして、ぜひ最後まで目を通してみてください。
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「まだ使えるし、もう少し先でもいいかな」 そう思って、リフォームを後回しにすることもあるかもしれません。しかし、今のタイミングで施設を見直すことには、実は大切な意味があります。
建物をきれいにすること以上に、施設に関わる方々の「安心」につながる3つのポイントをお伝えします。
入居を考えている方やそのご家族は、期待と不安を抱えて見学に来られます。その際、壁の汚れや設備の古さが目に入ると、どうしても心配になってしまうものです。お部屋や共有スペースを明るく清潔に整えましょう。利用者様には「心地よさ」を、ご家族には「ここに任せて大丈夫」という安心感を届けることができます。
スタッフがゆとりを持って働ける環境は、良いケアを続けるために欠かせません。
こうした改善の積み重ねが、日々の業務負担を少しずつ軽くしてくれます。「働きやすさ」を整えることは、スタッフが笑顔で長く活躍できる職場づくりにつながります。
長く大切に使ってきた建物でも、時間が経つと少しずつ傷みが出てくるものです。「手すりが少しぐらついてきた」「床が滑りやすくなった気がする」こうした日々の生活で感じる不安を、リフォームで解消しましょう。入居者様の安全をしっかり守ることは、施設への信頼をより確かなものにしてくれます。
介護施設のリフォーム費用は、建物の広さや導入する設備のグレードによって大きく変動します。まずは「どこを直すか」という場所ごとの目安と、「全体でいくらか」という規模別の相場に分けて解説します。
よくご相談いただく箇所について、費用の目安と修繕のポイントをまとめました。
| 改修場所 | 費用の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 居室 | 約10万〜50万円 |
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| 浴室 | 約100万〜500万円 |
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| トイレ | 約20万〜80万円 |
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| 食堂・廊下 | 約50万〜300万円 |
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施設全体の予算を検討する際は、以下の総額相場を参考にしてください。
| 工事の規模 | 費用の目安 | 主な内容と特徴 |
|---|---|---|
| 部分的な改修 | 約100万〜500万円 |
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| フロア別の改修 | 約500万〜1,500万円 |
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| 建物全体の改修 | 約2,000万円以上 |
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介護施設のリフォームは、一般住宅より高い耐久性や安全性が求められます。そのため、選ぶ素材や設備で金額が大きく変わります。
例えば機械浴槽などの特殊設備は、機種によって数百万円の差が出ることもあります。また、間取り変更の際は、構造の補強費用が必要になるケースも少なくありません。
正確な予算を把握するためには、まずは専門業者に見積もりを依頼し、現場の状況を確認してもらうのが最も確実です。
リフォーム費用を抑えるために、まず検討したいのが国や自治体の補助金です。なかでも、厚生労働省の「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金」は、防災や安全対策のために毎年実施されている代表的な制度です。
この制度は、施設の安全性を高めるための幅広い改修が対象となります。
| 事業名 | 主な補助内容 |
|---|---|
| スプリンクラー整備 | 設置基準の強化に伴う、スプリンクラーや自動火災報知機の設置。 |
| 防災改修・大規模修繕 | 耐震化や水害対策に加え、老朽化に伴う大規模な修繕への支援。 |
| 非常用発電・給水設備 | 停電時や断水時に備えた、自家発電機や給水設備の整備。 |
| 防犯・安全対策 | 非常通報装置や防犯カメラ、外構のフェンス設置などの強化。 |
※施設の種類(老健、特養、グループホーム等)によって、対象となる事業や補助率が細かく決まっています。
平成27年にスプリンクラー設備の設置基準が強化されています。この基準に適合するよう促す事業です。
| 対象施設 | 軽費老人ホーム、有料老人ホーム、小規模多機能型居宅介護事業所、看護小規模多機能型居宅介護事業所等の宿泊を伴う事業 |
|---|---|
| 補助率 | 定額補助 |
| 補助上限 |
|
水害対策強化・耐震化整備・大規模修繕等・非常用自家発電設備整備を推進するための事業です。
| 対象施設 |
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|---|---|
| 補助率 | 定額補助 |
| 補助上限 |
|
| 対象施設 | 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、養護老人ホーム、軽費老人ホーム |
|---|---|
| 補助率 | 国 :1/2、自治体:1/4、事業者:1/4 |
| 補助上限 | なし |
| 対象施設 |
|
|---|---|
| 補助率 | 国 :1/2、自治体:1/4、事業者:1/4 |
| 補助上限 | なし |
| 対象施設 | 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、軽費老人ホーム、養護老人ホーム、介護医療院、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護事業所など |
|---|---|
| 補助率 | 国 :1/2、自治体:1/4、事業者:1/4 |
| 補助上限 | なし |
| 対象施設 | 特別養護老人ホームおよび併設される老人短期入所施設、その他老人短期入所施設など |
|---|---|
| 補助率 | 定額補助 |
| 補助上限 | 4,000円/㎡ |
出典:地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金補助対象整理表|厚生労働省
補助金制度を賢く利用するために、以下のポイントを必ず確認してください。まずは「自社の施設がどの補助を受けられるのか」を、実績のある業者に確認してみることから始めましょう。
| 必ず着工前に申請する | 契約や着工後の申請は一切認められないため、計画の初期段階で相談が必要です。 |
|---|---|
| 自治体との事前協議が必須 | 市区町村を通じた手続きには時間がかかるため、早めの確認が欠かせません。 |
| 申請実績のある業者を選ぶ | 複雑な書類作成をスムーズに進めるには、介護施設に慣れた業者の協力が不可欠です。 |
| 最新の募集要項を確認する | 年度ごとに条件が変わるため、常に最新の情報を自治体や業者に確認しましょう。 |
補助金だけでは予算が足りない場合や、手元の運転資金を減らしたくない場合には、融資を活用するのが一般的です。介護事業者が利用できる主な調達先をまとめました。
| 融資先 | 特徴 |
|---|---|
| 福祉医療機構(WAM) | 労省所管の機関。低利で長期の借り入れが可能で、最も定番の選択肢です。 |
| 日本政策金融公庫 | 政府系金融機関。新事業や防災対策など、目的別の融資メニューが豊富です。 |
| 民間銀行(地銀・信金) | 日頃の取引実績が重視されます。独自の「介護経営支援ローン」を持つ銀行も多いです。 |
融資を受ける際は、リフォームが「経営改善」にどう繋がるかの視点が重要です。改修による入居率の向上や、スタッフの離職率低下といったメリットを事業計画に盛り込み、現実的な返済計画を立てましょう。
また、工事直後の支払いを抑えるために、元本返済を待ってもらう「据置期間」の活用も有効です。補助金と融資を賢く組み合わせることで、手元の資金を確保しながら理想的な環境づくりが可能になります。
介護施設のリフォームは、生活の場を維持しながら進める「居ながら改修」が一般的です。入居者様の心身への負担を最小限に抑えるための工夫が必要です。
最も効果的なのは、フロアやブロックごとにエリアを区切って段階的に進める「区分施工」です。一時的に空室へ移動していただくなどの調整は必要ですが、生活エリアと工事エリアを完全に分けることで、粉塵の飛散や接触事故のリスクを大幅に下げられます。
また、音や振動の激しい作業は、入居者様がデイサービスや散歩などで外出されている時間帯に集中させるよう、業者と綿密な工程調整を行いましょう。あらかじめスタッフを通じて「明日は少し大きな音がします」といった丁寧な声掛けを徹底することも、不安を解消するための大切な工夫です。
工事期間中は、資材の搬入経路や作業員の動線を一般の方と別にするなど、徹底した安全対策を求められます。また、普段と違う環境は入居者様にとって大きなストレスになりやすいため、工事箇所の仮囲いに明るい色のシートを使ったり、進捗状況を掲示板で共有したりするなどの配慮も有効です。
「運営を止めない」リフォームは、施工業者とのチームワークが不可欠です。介護現場の特性を熟知し、柔軟な工程管理ができるパートナーを選ぶことが、最終的な満足度を左右します。
介護施設のリフォームは、入居者様の安全とスタッフの動線を両立させる難しさがあります。そのため、単に「価格が安い」だけでなく、施設の特性を理解しているかどうかが重要です。
最も重視すべきは、介護施設特有の「バリアフリー基準」や「補助金申請」に慣れているかという点です。高齢者特有の動作(立ち上がりや伝い歩き)を理解している業者であれば、手すり一本の高さや位置についても、現場に即した適切な提案が期待できます。また、過去の施工事例を見せてもらい、自社に近い施設形態での実績を確認しておくと安心です。
入居者様が生活している中での工事となるため、現場スタッフの動きを邪魔しない配慮ができるかどうかも鍵となります。
「騒音が出る作業を日中の外出時間帯に合わせられるか」「養生や清掃を徹底し、安全な動線を確保できるか」など、現場のルールを尊重できる業者を選びましょう。事前の打ち合わせで、こちらの運営スケジュールに柔軟に合わせてくれる姿勢があるかを確認することが大切です。
介護施設向けのリフォーム補助金は手続きが複雑なため、申請に必要な図面や見積書をスムーズに用意してくれる業者は非常に心強い存在です。「どの補助金が使えるか」のアドバイスから、自治体への提出書類の作成まで、ワンストップでサポートしてくれる実績豊富な業者を選ぶことで、資金面での失敗を防ぐことができます。
介護施設リフォームの成否は、現場のルールやバリアフリー基準を知り尽くした「専門性の高い業者」を選べるかで決まります。
ここでは、複雑な補助金申請の代行や、運営を止めない「居ながら改修」に強みを持つ、介護施設リフォームの実績豊富な5社を厳選しました。自施設の予算や改修目的に最適なパートナー探しにお役立てください。

ミサワリフォーム株式会社では、有料老人ホーム・通所介護・認知症グループホームなどのリフォームを依頼可能です。また、設備基準を考慮した設計や内装デザインも依頼できます。
過去にはグッドデザイン賞を受賞したことがあるので、デザイン性に優れたリフォームが可能です。 ミサワホームのグループ会社なので、信頼性が高く安心してリフォームを任せられます。
ミサワリフォーム株式会社の比較ポイント
製品情報
| 介護施設のリフォーム実績 | 多数 |
|---|---|
| 対応可能エリア | 東京、神奈川 (埼玉、千葉、茨城、群馬は ミサワリフォーム関東株式会社で依頼可能) |
| 特徴 | 住宅関連事業大手のミサワホームのグループ会社。設備基準を考慮した設計が可能 |

株式会社ヤマヒサでは、利用者・スタッフの両方の負担を軽減するリフォームが可能です。 身体的な負担だけではなく精神的な負担も減らすために、開放的な吹き抜けにした設計も依頼できます。
各主要都市に支店を構えており、ほぼすべてのエリアに対応できる点は大きな魅力です。 YouTubeやインスタグラムなどで積極的に施工の様子を発信しているので、気になる場合は一度見てみるといいでしょう。
株式会社ヤマヒサの比較ポイント
製品情報
| 介護施設のリフォーム実績 | 多数 |
|---|---|
| 対応可能エリア | 全国(沖縄県を除く) |
| 特徴 | 利用者・スタッフの負担を軽減させるリフォーム |

株式会社ナッセは福祉介護業界に強く、専門的な知識を活かしたリフォームの提案が可能です。リフォーム工事はもちろん、資金調達や補助金などの申請補助も行ってくれるので、ワンストップで依頼できます。空間プロデュースを得意としており、施設に合わせたオリジナル家具の提案・企画開発も可能です。予算に合わせて提案してもらえるので、一度相談してみるといいでしょう。
株式会社ナッセの比較ポイント
製品情報
| 介護施設のリフォーム実績 | 多数 |
|---|---|
| 対応可能エリア | 大阪(他地域は要問合せ) |
| 特徴 | 施設に合った家具を特注でオーダー可能 |

大和ハウスリフォーム株式会社では、抗ウイルス・抗菌機能を備えた部材を採用したり、室内を抗ウイルスコーティングしたりするサービスを提供しています。また、換気や空気の循環を配慮した設計も提案しており、時代のニーズに合ったリフォームが可能です。大和ハウスのグループ会社なので、多くの実績と信頼があるため安心して依頼できます。
大和ハウスリフォーム株式会社の比較ポイント
製品情報
| 介護施設のリフォーム実績 | 多数 |
|---|---|
| 対応可能エリア | 全国 |
| 特徴 | 時代のニーズに合った提案が可能。 大和ハウスのグループ会社のため信頼性が高い。 |

パナソニックエイジフリー株式会社は、介護施設を開業・運営してきた経験を活かしたリフォームの提案が可能です。また、社会状況に合わせた施設のコンセプトも提案してくれるので、方針が定まっていない場合も安心して相談できます。
パナソニックグループの強みを生かした省エネ機器の導入ができるので、運営におけるランニングコストを抑えることも可能です。
パナソニックエイジフリー株式会社の比較ポイント
製品情報
| 介護施設のリフォーム実績 | 多数 |
|---|---|
| 対応可能エリア | 要問合せ |
| 特徴 | 介護施設を開業・運営してきた経験がある。パナソニックグループだからこその省エネ設計 |
検討段階で多く寄せられる疑問に回答します。
基本的には「居ながら改修」が可能です。フロアを区切って段階的に進めることで、空いた共用スペースや一時的な空室への移動のみで対応できます。大きな騒音が出る日は、レクリエーションの時間を調整するなど、運営側と施工側でスケジュールを共有することが大切です。
非常に複雑なため、専門業者の協力が不可欠です。自治体への事前相談から、図面や改修前後の写真、詳細な見積書の作成まで多岐にわたるため、申請実績のあるパートナーを選ぶことが受給への近道となります。
まずは「安全性」に関わる箇所を優先してください。滑りやすい浴室の床、暗い廊下の照明、ガタつきのある手すりなど、事故リスクを減らす改修は入居率の維持にも直結します。
介護施設のリフォームは、単なる設備の更新ではなく、入居者様の自立支援とスタッフの負担軽減を実現するための重要な投資です。
成功のポイントは、早めに予算の目安を把握し、活用できる補助金のタイミングを逃さないことにあります。特に2026年度に向けた補助金活用を検討されている場合は、今が具体的な相談を始めるべき時期です。
まずは、介護施設の施工実績が豊富な専門業者へ、現地調査と見積もりを依頼することから始めてみましょう。現在の施設の状況に合わせた最適なプランを知ることが、理想的な環境づくりへの確かな第一歩となります。