介護施設では利用者の満足度だけではなく、スタッフの作業効率や利便性の向上のために、状況に合わせてリフォームやリノベーションが必要です。
今回の記事では、介護施設のリフォームに関する基本的なことやリフォーム業者の選び方を解説していきます。また、おすすめの介護施設リフォーム業者5選も紹介していますので、自施設でリフォームを依頼する際の参考にしてみてください。
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一般住宅と同様に経年劣化による改修に加えて、介護方針や利用者の介護度の変化などによるリフォームも必要となる場合があります。既存の施設をリフォームするケースと、空き家をリフォームして介護施設として利用するケースがあるので、状況に合わせてリフォーム依頼をしましょう。
廊下やトイレ、浴室に歩行の補助となる手すりを取り付ける、開閉しやすい引き戸の扉に変える、滑りにくい材質の床に変える、段差をなくす、出入口に広いスペースをつくるなどが基本的な介護施設のリフォームです。
介護施設のリフォームは専門的な対応が必要なため、何に注意してリフォームを検討していくべきかを解説していきます。リフォームして開業する場合はぜひ以下の記事も参考にしてください。
介護サービス提供方針の変化や利用者・スタッフの利便性向上など、リフォームにいたる事情はさまざまです。介護施設として、方針に沿ったサービスを提供できるように環境を整える必要があります。介護施設のリフォームを検討する際は、まず介護の方針を明確にしましょう。
介護施設では、機能訓練室・静養室・食堂・トイレなど、さまざまな部屋・設備の設置が義務付けられています。それぞれ細かな要件が定められており、リフォームを行う上で非常に重要な部分です。
デイサービスや通所など、施設形態によって自治体の定める設備基準を満たす必要があります。そのため、設備基準に関して詳しく理解しなければなりません。
近年、空き家が増えている影響もあり、空き家を介護施設にリフォームするケースが多くなっています。対象となる物件は築20~30年で、デイサービスの場合、改修費用は100万円以下に抑えられる場合が多いです。
介護施設をリフォームする目安は以下の通りです。
以下でさらに詳しく解説します。
施設が古くなりヒビ割れや水漏れが発生している場合は、建物の安全性が低く入居者の安全にも影響するため、早めにリフォーム・改修工事を行う必要があります。建物の劣化状況によっては建て替えが必要になる場合もあります。壁のヒビ割れや水漏れが発生している場合はなるべく早く専門の業者に連絡しましょう。
また、空調やお風呂などの設備が故障している場合も工事が必要です。例えば空調の効きが悪くなっている、動かなくなっている、お風呂のお湯が出にくくなっている、などです。
空調設備は室内の温度調整だけでなく、気流の調整や空気の清浄など重要な役割を担っています。特に高齢者の方は体温調節機能が低下しやすく、暑さや寒さが感じにくくなります。空調設備が正常に作動していないと体調不良や重度の熱中症を引き起こすリスクもあるため、なるべく早く改修や整備を行いましょう。
お風呂も不調がある場合は急に使えなくなってしまう場合があり、業務に支障をきたします。悪化する前に早めに専門家に連絡しましょう。その他、浴室内にすべり止めがついていない、手すりがない、角がとがっていてケガの危険性がある、といった場合も改修・リフォームが必要です。より安全性が高く、利用者の方にやさしい浴槽設備へのリフォームを検討してみましょう。
近年、地震や台風などの自然災害が多発しています。介護施設でも入居者の安全を守るために、耐震性や防災性などの強化が必要です。利用者の方の多くは自力で避難することが難しいため、災害時の安全確保は重要なポイントです。また、停電や断水などの緊急時に備えて、非常用発電機や貯水タンクなどの設置も検討する必要があります。
消防法と内装については消防法における内装制限とは?|罰則や緩和策も解説でも解説しています。ぜひ参考にしてください。
介護施設は入居者のニーズに応えるために、機能性だけでなく快適性やプライバシーも重視する必要があります。例えば、プライバシーを守れる個室を提供することで、入居者の精神的な負担を軽減できます。入居者の心理的な安心感を高めるために、個室や共有スペースの改善、増築などが必要です。
介護施設のリフォームは、施設規模やリフォームの規模によって費用が異なります。大規模なリフォームの場合は1億円以上かかる場合もあります。浴室のリフォームは30~100万円、引き戸の扉に変更する場合は5~8万円、手すりの設置は3~5万円くらいが目安です。
介護施設リフォームに使える補助金・助成金を確認するここでは、介護施設のリフォーム業者の選び方について解説します。介護施設のリフォームを行う際は、以下の2点に注意しましょう。
一般住宅とは異なり、介護施設特有の設備や動線が多くなるため、専門性がなかったり実績が少なかったりする業者はあまりおすすめはできません。依頼する際は、介護施設のリフォーム実績や専門性があるか否かを確認するようにしましょう。
以前から付き合いのある業者に頼むのも一つの手段ですが、複数業者に相見積もりをとることで、適正な価格相場を理解できます。また、サービス内容によって差があるので、費用だけで決めるのは避けたほうがいいです。依頼する前に複数業者から相見積もりをとって、費用と内容を確認しましょう。
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ミサワリフォーム株式会社では、有料老人ホーム・通所介護・認知症グループホームなどのリフォームを依頼可能です。また、設備基準を考慮した設計や内装デザインも依頼できます。
過去にはグッドデザイン賞を受賞したことがあるので、デザイン性に優れたリフォームが可能です。 ミサワホームのグループ会社なので、信頼性が高く安心してリフォームを任せられます。
ミサワリフォーム株式会社の比較ポイント
製品情報
介護施設のリフォーム実績 | 多数 |
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対応可能エリア | 東京、神奈川 (埼玉、千葉、茨城、群馬は ミサワリフォーム関東株式会社で依頼可能) |
特徴 | 住宅関連事業大手のミサワホームのグループ会社。設備基準を考慮した設計が可能 |
株式会社ヤマヒサでは、利用者・スタッフの両方の負担を軽減するリフォームが可能です。 身体的な負担だけではなく精神的な負担も減らすために、開放的な吹き抜けにした設計も依頼できます。
各主要都市に支店を構えており、ほぼすべてのエリアに対応できる点は大きな魅力です。 YouTubeやインスタグラムなどで積極的に施工の様子を発信しているので、気になる場合は一度見てみるといいでしょう。
株式会社ヤマヒサの比較ポイント
製品情報
介護施設のリフォーム実績 | 多数 |
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対応可能エリア | 全国(沖縄県を除く) |
特徴 | 利用者・スタッフの負担を軽減させるリフォーム |
株式会社ナッセは福祉介護業界に強く、専門的な知識を活かしたリフォームの提案が可能です。リフォーム工事はもちろん、資金調達や補助金などの申請補助も行ってくれるので、ワンストップで依頼できます。空間プロデュースを得意としており、施設に合わせたオリジナル家具の提案・企画開発も可能です。予算に合わせて提案してもらえるので、一度相談してみるといいでしょう。
株式会社ナッセの比較ポイント
製品情報
介護施設のリフォーム実績 | 多数 |
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対応可能エリア | 大阪(他地域は要問合せ) |
特徴 | 施設に合った家具を特注でオーダー可能 |
大和ハウスリフォーム株式会社では、抗ウイルス・抗菌機能を備えた部材を採用したり、室内を抗ウイルスコーティングしたりするサービスを提供しています。また、換気や空気の循環を配慮した設計も提案しており、時代のニーズに合ったリフォームが可能です。大和ハウスのグループ会社なので、多くの実績と信頼があるため安心して依頼できます。
大和ハウスリフォーム株式会社の比較ポイント
製品情報
介護施設のリフォーム実績 | 多数 |
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対応可能エリア | 全国 |
特徴 | 時代のニーズに合った提案が可能。 大和ハウスのグループ会社のため信頼性が高い。 |
パナソニックエイジフリー株式会社は、介護施設を開業・運営してきた経験を活かしたリフォームの提案が可能です。また、社会状況に合わせた施設のコンセプトも提案してくれるので、方針が定まっていない場合も安心して相談できます。
パナソニックグループの強みを生かした省エネ機器の導入ができるので、運営におけるランニングコストを抑えることも可能です。
パナソニックエイジフリー株式会社の比較ポイント
製品情報
介護施設のリフォーム実績 | 多数 |
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対応可能エリア | 要問合せ |
特徴 | 介護施設を開業・運営してきた経験がある。パナソニックグループだからこその省エネ設計 |
介護施設のリフォームには多くの費用がかかりますが、補助金や助成金を使うことでコストを抑えることができます。自治体や介護施設の規模によって補助金が異なるため、該当する自治体の情報も確認しましょう。ここでは各地で実施されている補助金制度を一部紹介します。
「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金」とは、介護施設における防災・減災対策を推進するための制度です。自治体と協議する必要があるため時間がかかりますが、補助金額は大きいです。以下でそれぞれの内容を解説します。
平成27年にスプリンクラー設備の設置基準が強化されています。この基準に適合するよう促す事業です。
対象施設 | 軽費老人ホーム、有料老人ホーム、小規模多機能型居宅介護事業所、看護小規模多機能型居宅介護事業所等の宿泊を伴う事業 |
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補助率 | 定額補助 |
補助上限 |
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水害対策強化・耐震化整備・大規模修繕等・非常用自家発電設備整備を推進するための事業です。
対象施設 |
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補助率 | 定額補助 |
補助上限 |
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対象施設 | 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、養護老人ホーム、軽費老人ホーム |
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補助率 | 国 :1/2、自治体:1/4、事業者:1/4 |
補助上限 | なし |
対象施設 |
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補助率 | 国 :1/2、自治体:1/4、事業者:1/4 |
補助上限 | なし |
対象施設 | 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、軽費老人ホーム、養護老人ホーム、介護医療院、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護事業所など |
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補助率 | 国 :1/2、自治体:1/4、事業者:1/4 |
補助上限 | なし |
対象施設 | 特別養護老人ホームおよび併設される老人短期入所施設、その他老人短期入所施設など |
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補助率 | 定額補助 |
補助上限 | 4,000円/㎡ |
出典:地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金の実施について|厚生労働省
介護施設のリフォームは、利用者の満足度だけではなく、スタッフの作業効率や利便性の向上のために必要なことです。今後の運営に大きくかかわるので、依頼する際は慎重に検討しましょう。今回紹介した介護施設のリフォームの基本と業者の選び方をおさえた上で、自施設のリフォーム依頼を検討してみてください。
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