現在、病院内の給食については全て手作りで対応して提供しているが、効率化と職員の負担軽減の為に、クックチルや外部委託を検討している人も多いのではないでしょうか。
しかしながら、クックチルでは提供時には料理が冷めてしまい味の劣化や衛生面の心配が残ったり、外部委託ではコストが大きすぎたりして、別の課題が発生してしまいます。
そこでおすすめなのは、クックチルを応用した新しいシステムである「ニュークックチル」です。ニュークックチルを導入すれば、より料理の提供が簡単になったことにより、人件費を削減できるほか、料理の品質も保てます。ニュークックチルを導入した結果、業務の効率化と職員の負担を軽減させる効果を実感している職員が多くいるようです。
本記事では、ニュークックチルを導入するメリットや、病院向けのおすすめ業者について説明します。他の病院でどのように導入・活用されているのかも合わせて説明するので、導入までの流れをイメージしやすく、自院にあった導入方法について検討できるでしょう。
ニュークックチルは、一度に調理した食事を短時間で急速冷却することで、衛生的かつ効率的な食事の提供を実現した、新しい調理システムです。クックチルは、チルド状態の料理を再加熱したのちに盛り付けます。それに対して、ニュークックチルはチルド状態のまま盛り付けを行ない、食事を提供する直前に器ごと再加熱をします。前もって再加熱以外の作業工程を終わらせておくことで、患者様へ料理を提供するまでの時間がより短縮できます。
その恩恵として、スタッフの出勤時間を遅らせたり、人数削減できたりします。また、ニュークックチルは、患者数が多い大規模病院であるほど効果的な調理システムです。クックチルの場合、患者様の数が多いほど再加熱後の盛り付けに時間がかかるため、盛り付け中に料理が冷めてしまうという問題がありました。ニュークックチルであれば、再加熱後の盛り付けが必要ないので、患者様に提供するまでに料理が冷めることはありません。そんな中、最近では中小規模病院にニュークックチルを導入した場合でも、スタッフからは高い満足度を得られているケースがあるようです。
ニュークックチルついてはニュークックチルとは|クックチルとの違いやメリットを解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ここでは、実際にニュークックチルが導入されている病院で、どういった効果があったのか説明していきます。
病院では、慢性的な人手不足が課題となっています。新しい職員が入ってこない要因の一つとして、「365日休みなし、早出出勤、作業内容の複雑さ」の3つが挙げられます。鹿児島県にある某小規模病院では、以上3つの要因を改善し、人手不足を解消させるための施策として、調理現場の生産性向上のためのニュークックチルを導入しました。導入前における当調理現場の仕事内容は、職員は5時に出社して「調理→盛り付け→配膳」までの作業を3人で行っていました。「365日休みなし、早出出勤、作業内容の複雑さ」の3拍子が全て揃った状態です。
ニュークックチルを導入したことで、まず作業内容が簡単になります。調理と盛り付けは前日に済ませる必要があるため、当日の作業は「配膳」のみです。また、作業内容が減ったことで、調理現場に割く人手も少なく済みます。よって、導入後における当調理現場の仕事内容は、職員は6時に出社すれば良くなり、導入前より人手を減らした2名体制で「配膳」するだけで、仕事は完了です。ニュークックチルを導入したことにより、人手不足による問題は改善されて、職員の負担軽減に成功しました。
神奈川県にある某小規模病院ではニュークックチルが導入されています。当時は、小規模病院にニュークックチルを導入するのは、メリットを活かせないと言われていました。なぜなら、ニュークックチル導入には約300㎡の厨房スペースが必要で、導入先は大規模の施設であることが想定されているからです。この病院には、必要な面積の半分程度しか厨房スペースがなく、ニュークックチルをフル稼働させることはできません。
そこで、この病院では、最も作業環境が過酷であった朝食の時間帯のみ、ニュークックチルを運用させることにしました。朝食のみニュークックチルを運用したことで、作業人数を減らせたのはもちろん、4時起きだった職員の出勤時間を1時間遅らせることができて、職員の負担を軽減させることにも成功しました。朝食のみのニュークックチル運用は前例がないことでしたが、少しでも労働環境を改善できるようにということで、ニュークックチルの導入を決意したのです。
ニュークックチルを病院で導入する具体的なメリットは、以下の4点です。
1つずつ解説していきます。
ニュークックチルは、クックチルよりもさらに効率的に料理を提供できる仕組みになっています。料理を提供するまでの最も忙しい時間帯で、職員がその日にやるべきタスクは料理を「再加熱」するだけです。タスクが少なく簡単になったことで、調理現場に割く人数を減らせるうえ、作業時間が削減できるため、結果的に調理作業の効率化に繋がります。
食事を提供するうえで、最も注意するべきなのは安全性ですが、ニュークックチルを導入すれば問題ありません。加熱調理をしたあとは、管理システムに則って、芯温3℃以下になるまで料理を急速冷凍するのが大原則です。細菌増殖に適した温度帯を一瞬で通過し、食中毒のリスクを軽減できるため、安全に料理を提供できます。
クックチルでは、再加熱後の盛り付けの間に料理が冷めてしまうことがあります。しかし、ニュークックチルを導入した場合には、盛り付けは前日までに済んでおり、提供直前に再加熱すればいいだけなので、料理の味が落ちません。患者数の多い大規模な病院であっても、いつでも美味しく温かい料理を、患者様のもとへ提供できます。
システムを導入していないときのように、都度調理する必要はなく、決まった人数分を都度注文して調理となるので、食品ロスが発生しにくくなります。また、ニュークックチルを利用して料理を提供するときは、料理を再加熱すればいいだけの簡単な作業です。提供時に大人数で作業する必要がないため、人件費も削減できます。
株式会社ナリコマホールディングスには、365日サイクルの献立プラン「すこやか」と、28日サイクルの献立プラン「やすらぎ」の2種類のプランがあります。患者様の入院期間に合わせてプランを選ぶといいでしょう。患者様に料理を楽しんでもらえるような献立作りを徹底している企業です。また、病院の抱えている課題を解消するために、トータルコンサルティングも充実しています。人材不足の解消や経営の安定化、コスト削減を手助けします。
株式会社ナリコマホールディングスの比較ポイント
製品概要
対応可能エリア | 北海道・沖縄以外対応可能 |
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特長 | 各地方にセントラルキッチンがありニーズを満たしてくれる。 |
フジ産業株式会社は、豊田通商グループに属する子会社です。膨大なネットワークを活かして、食材の仕入れからおこなっています。「治療食」「介護食」「アレルギー対応」などの情報を簡単入力して、料理を発注できます。禁止食を登録しておけば、別の献立が送られるように設定することも可能です。患者様の食事には、嚥下事故の危険が付きまといますが、ミキサー食・ムース食も提供できるため、事故を未然に防げます。
フジ産業株式会社の比較ポイント
製品概要
対応可能エリア | 関東、静岡、名古屋、関西他 |
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特長 | 真空料理により柔らかくしっかり味がしみ込む。 |
株式会社メフォスは、病院・医療給食において、豊富な実績と高い専門性を持つ企業です。特に、患者様の栄養管理に着目した献立を作っており、栄養サポートチーム(NST)を導入し、適切に栄養管理いたします。病院・福祉分野に特化した部署に所属している経験豊富な専門トレーナーによるサポート体制も強力です。バックアップ体制があったり、急な欠員が出た時に調理を代行したりして、病院の調理業務をサポートいたします。
株式会社メフォスの比較ポイント
製品概要
対応可能エリア | 要問合せ |
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特長 | オール電化厨房作業に対応 |
株式会社ミールイノベーションは、全国の50を超える施設で、1日20,000食を提供する実績から、季節やイベントに合った献立をリーズナブルな価格で提供します。衛生管理手法「HACCP(ハサップ)」に基づき、真空調理法を用いて、塩分を抑えつつ美味しい食材を使用した料理が魅力です。衛生面・健康面ともに優れており、高齢者を中心に高い満足度を得ています。
株式会社ミールイノベーションの比較ポイント
製品概要
対応可能エリア | 要問合せ |
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特長 | 事前の個別試食会も開催あり |
ニュークックチルを病院で導入する場合、クックチルや外部委託を取り入れるよりも恩恵が多いことがお分かりいただけたでしょうか。ニュークックチルを導入することで、料理の安全性・品質を確保するだけでなく、調理作業の簡略化により業務効率化を促します。最終的には、病院の業務全体における生産性も向上するでしょう。ぜひ、自院に適した企業のニュークックチルを導入して、調理現場における手間を減らしていきましょう。