月初めから10日まで、毎月のように残業が発生しているという医療機関も多いのではないでしょうか。コロナ禍で人手不足が慢性化する中、レセプト業務はより一層スタッフの負担となっていることでしょう。
医療事務の人手不足にお困りの医療機関におすすめなのが「レセプト代行」サービスです。今回の記事では、レセプト代行の料金にスポットをあてて、料金形態やおすすめの代行業者、レセプト代行業者の選び方も合わせて解説します。
まず最初に、当サイトが特におすすめするレセプト代行業者をご紹介します。なお、ここでご紹介しているサービスは3社ともクリニック向けのレセプト代行サービスになります。
製品名 | iisy | 診療報酬請求事務集中センター | クラウドクリニック |
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企業名 | 株式会社ソラスト | OASIS INNOVATION株式会社 | 株式会社クラウドクリニック |
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対象医療機関 | クリニック、在宅 | クリニック、在宅 | 在宅 |
サービス提供方法 | リモート | リモート | リモート |
提供内容 |
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採用サイトで自院のブランディング、中長期での採用コスト削減を実現。採用ミスマッチを抑えつつ、求職者の直接応募数を増やすご支援が可能です。
一括りにレセプト代行と言っても、実は複数の種類があります。それぞれのタイプによって、依頼出来る業務範囲、導入可能な医療機関、利用料金が変わってきます。まずはどこまでの業務範囲を依頼したいのかを明確にした上で、各社の料金を比較することが大切です。
派遣型 | リモート型 (作成~点検~請求) |
リモート型 (点検のみ) |
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代行業者が雇用するスタッフをクリニックに派遣するタイプ。 「人」が動くことになるため、利用料金は一番高くなる。また代行業者も医療事務が不足しているため、すぐに依頼出来ないことも多い。 |
遠隔で医療機関の電子カルテに入り、レセプト作成~点検~請求までを一気通貫で行うタイプ。 お使いの電子カルテの環境によって利用できないことも多い。基本的にクリニック向けのサービス。 |
レセプトデータをCD-ROM、USB、ファイル共有サービスなどの手段で、外部の業者と共有して、点検のみを依頼するタイプ。 一部の業務のみの依頼のため、利用料金は一番安くなる |
1つ前にお伝えしている通り、レセプト代行には大きく3つの種類があります。レセプト代行業者によって料金形態は様々です。従量課金制で月毎のレセプト枚数などに応じて価格が変動する形が主流となっていますが、中には月額課金制の業者もあります。依頼できる業務範囲も、各業者によって異なりますので、きちんと確認する必要があるでしょう。
HPで料金体系を公表している企業を紹介します。こちらでおおまかな料金イメージを持ちましょう。
月間レセプト枚数 1000 枚程度を目安 (1000 枚超過の場合、別途ご相談)
顧問先 (月次コンサル契約を締結している場合のオプションとして) |
月額:15,000円~50,000円 (オプション契約頂かない場合も、ご依頼いただければ随時、無料点検サービスは行います。月初レセ点検期間は除く) |
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単発チェック(社内) | 30,000円~80,000円 ※当社内でデータをお預かりしての点検 (レセプト枚数と医療機関規模により、事前にお見積もり致します) |
単発チェック(現地) | 40,000円~90,000円+別途交通費実費 ※医院様に訪問して現地での点検 (レセプト枚数と医療機関規模により、事前にお見積もり致します) |
「点検のみのプラン」、「入力~点検~請求まで全て依頼出来るプラン」、「労災請求まで対応可能なプラン」の3つのプランがあります。下記の料金イメージはレセプト枚数が600枚/月の場合です。
レセプト点検プラン (点検のみ) |
基本料金:5万円/月 従量課金:600件/月 × 180円/件 ⇒ 合計:15.8万円 / 月 |
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レセプト業務代行プラン (入力~点検~請求) |
基本料金:5万円/月 従量課金:600件/月 × 200円/件 ⇒ 合計:17万円 / 月 |
労災請求代行プラン ※レセプト業務代行プラン+労災レセプト対応 |
基本料金:5万円/月 従量課金:600件/月 × 200円/件 (労災10件の場合) 従量課金:10件/月×2500円/件 ⇒ 合計:19.5万円 / 月 |
レセプト代行業者によって対応して業務範囲や料金体系は様々です。具体的な金額はレセプト枚数などを確認した上で提示されることがほとんどのため、気になる企業があれば一度話を聞いてみるようにしましょう。
在宅医療・訪問診療のレセプト代行については在宅医療・訪問診療向けレセプト代行業者比較|メリットや選び方まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
株式会社ソラストが提供するiisy(イージー)は、リモートでクリニックのレセプト業務をサポートしてくれます。現在は①レセプト点検プラン、②レセプト点検(診療報酬請求まるっとプラン)、③訪問まるっとプランの3つのプランを提供しています(2024年10月現在)。
株式会社ソラストの比較ポイント
製品情報
対応可能範囲 |
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料金体系 | 要問い合わせ |
対応実績 | 100件以上(2022年4月) |
対象施設 | クリニック、在宅クリニック |
OASIS INNOVATIONでは診療報酬請求事務集中センターによる、リアルタイムでの医療事務請負業務を提供しています。「外来診療」「在宅医療」「入院診療(※)」とすべての「診療科」に対応。 院内における医療事務業務を「請求業務」と「受付業務」に明確に棲み分けることで、「診療報酬請求」「患者対応」双方の質を向上できます。
※入院MedOSは有床診療所向けサービスです。
OASIS INNOVATION株式会社の比較ポイント
製品情報
対応可能範囲 |
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料金体系 | 要問い合わせ |
対応実績 | 要問い合わせ |
対象施設 | クリニック、在宅クリニック、有床診療所 |
クラウドクリニックは、訪問医療に特化したレセプト代行サービスを提供しています。在宅医療算定経験が10年以上のメンバーが在籍しており、迅速で丁寧な高品質のサービスが特徴です。日々の点検から請求までをサポートしてもらえます。
株式会社クラウドクリニックの比較ポイント
製品情報
対応可能範囲 | 入力~点検~請求 |
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料金体系 | 要問い合わせ |
対応実績 | 要問い合わせ |
対象施設 | 在宅クリニック |
株式会社メディカルタクトは、病院経営の観点からレセプト請求業務を強力にサポートしてくれます。
レセプト代行のほか、レセプト精度調査やスタッフの育成にも力を入れており、自院スタッフの力を向上させることで経費削減を目指すことも可能です。
レセプト代行費用は、外来であれば1件100円〜。在宅では居宅1件1,000円〜、施設1件500円〜となっています。そのほか、スタッフ研修と新規開業やレセプト精度調査などを組み合わせたプランもあります。
株式会社メディカルタクトの比較ポイント
製品情報
対応可能範囲 | レセプト代行、レセプト精度調査、医療事務スタッフ育成(教育研修) |
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料金体系 |
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対応実績 | 関東、東海、北陸エリアの医療機関と契約実績あり |
対象施設 | 医科 |
株式会社MJメディカルは、30年以上の実績と信頼を基に、医療機関の開業支援と医療経営のコンサルティングを展開している企業です。
医療経営で重要な位置にあるレセプト業務を支え、あらゆるコストの削減を図り、スタッフの変動があってもレセプト請求業務を滞りなく対応できます。
レセプト管理の費用は、月間1,000枚程度の依頼で月額15,000円〜50,000円となり、そのほか単発チェック(現地or社内)のプランも対応可能です。
いずれも希望開始月の前月10日までの申込で、レセプトの枚数と医療機関の規模により費用は変動しますので、ご注意ください。
株式会社MJメディカルの比較ポイント
製品情報
対応可能範囲 | レセプト点検・再審査、返戻・取り下げ請求支援、診療報酬改訂時の届出 |
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料金体系 | 従量課金制 |
対応実績 | 要問い合せ |
対象施設 | 医科 |
株式会社ニチイ学館は、最新のICT技術を持ち、契約医療機関約8,000施設の実績があります。スタッフの雇用や育成はニチイがおこなってくれるため、事務作業に関する負担が大きく軽減されるのが特徴です。
料金は従量課金制で、初期費用はかかりませんが受付業務とレセプト業務で料金形態が変化します。また、業務整理が必要になる場合などは追加費用が発生しますので、最初の面談時に現在のクリニックの状況を細かく伝えるようにするといいでしょう。
株式会社ニチイ学館の比較ポイント
製品情報
対応可能範囲 | 診療報酬計算、レセプト点検・修正、総括、査定返戻対応、資格確認業務など |
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料金体系 | 従量課金制 |
対応実績 | 約8,000施設で契約実績あり |
対象施設 | 医科 |
レセプト代行業者を利用することでさまざまなメリットがありますが、これまでの業務がどのように変化するのでしょうか。具体的には以下のメリットがあります。
レセプト代行を利用することで、月末から月初めに集中する業務の負担を大幅に削減することができます。レセプト業務は病院経営に直結する業務であり、その重要性からどうしても時間がかかってしまうのが現状です。
しかし、レセプト業務を外部の業者に任せることで日々の負担が減り、患者さまに向き合う時間が増えるなど、本来の業務に時間を使うことができます。これらは、作業効率のアップや日々の業務効率を大幅に改善してくれることでしょう。
職員の教育コストがかからない点も代行サービスを利用するメリットです。特に担当していた職員が辞めてしまった直後は、急いで代わりの人を探さなければならないため、代行業者が即戦力で活躍してくれる点も人気の理由です。
レセプト代行業者は、レセプトに関してのプロフェッショナルです。プロにレセプト業務をお願いすることで、レセプトの不備が少なくなるので、返戻対応や再請求に割いていた時間を別な業務に使うことができます。
返戻や再請求業務が減ることでスタッフも最小限で済むため、人件費の削減も見込めることは大きなメリットです。
レセプト請求では、法改正などにも対応した専門的な知識のアップデートが求められます。スタッフが毎日の業務をこなしながら、これらにすべて対応していくのは大変です。
ベテランの医療事務スタッフがやめてしまった場合なども、レセプト代行の利用で、これまで通りの診療体制を維持することが可能となるでしょう。しかし、代行業者が常に対応してくれるとは限らないことを理解しておきましょう。
レセプト代行を上手く利用できれば、院内の人手不足の問題も解消して、職員の負担軽減にもつながることでしょう。この記事をご覧になられている方も、大なり小なりレセプト業務に課題を抱えていて、レセプト代行に期待することがあるはずです。しかし、レセプト代行が全ての医療機関の問題を解決してくれる訳ではないということは、あらかじめ認識しておく必要があります。
レセプト代行業者は、常に人員を確保できているわけではなく、限られた人員が多くの医療機関のレセプト業務を担当しています。そのため、新規での申し込みを受け付けていない、または契約までに時間がかかるケースも多いと聞きます。
レセプト代行業者にレセプト業務を丸投げしている場合、職場内にレセプトに関するノウハウが蓄積されません。契約期間が過ぎた後にレセプト業者が撤退するケースも考えられます。そうなると、職場にレセプト業務が出来る人がいない・・・、なんて状況に陥ってしまいます。
リモートでのレセプト代行サービスの場合、院内のシステム環境によっては利用できないケースもあります。レセプトを作成するためには、外部から院内の電子カルテ(レセコン)にログインしなければなりません。お使いの電子カルテでレセプト代行サービスを利用できるかどうかは最初に確認しなければなりません。
なお、点検のみの依頼の場合、基本的に院内の電子カルテにログインする必要はありません。UKEファイル等業者が指定する形で情報を受け渡しすることが出来れば問題ないため、使用している電子カルテによる制約は少なくなります。
レセプト代行のメリットとデメリットについてお伝えしました。レセプト担当職員がいない時の「駆け込み寺」として代行業者を使いたい気持ちは理解できますが、代行業者がいつも対応できるとは限らないことを理解しておきましょう。
課題によっては、代行業者を利用する以外の手段も考えられます。最後にレセプト代行以外の選択肢をご紹介します。ぜひ、それぞれの選択肢を比較してみて、自院に合った解決策を探してみてください。
「レセプトの返戻が多い」「月末月初のレセプトチェックが負担になっている」、こんなことにお悩みの方におすすめなのがレセプトチェックソフトです。レセプトチェックソフトを用いれば、レセプト業務で比重の大きい点検業務の負担を大幅に減らすことができます。
そもそも、レセプト代行業者とはどんな業務を行ってくれるのか、という基本から知りたい方は、以下をクリックしてみてください。
レセプト代行業者については【徹底比較】レセプト業務の代行・外注業者9選|導入メリットや注意点まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
レセプト代行の費用は、多くの業者がレセプト枚数に応じての従量課金制を採用しています。その他、遠隔サポートで受付や会計、レセプト業務までおこなう場合やスタッフ育成をおこなう場合、新規開業などによっても費用は変動するでしょう。
レセプト代行サービスを提供している業者は内容も各々違いますが、スタッフの負担軽減や業務効率化、人手不足の解消など大きなメリットがあります。まずは、自院でレセプト代行を検討する背景やどんなメリットを求めているのか、代行してほしい業務を明確にしましょう。
その上で、自院のレセプト業務に対応可能か、代行できる業務の範囲、フォローやフィードバックがあるかなどを検討し代行業者を選ぶことが大切です。
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