エレベーターは、ビルやマンションなどの建物にとって欠かせない設備です。
ただ、主要なエレベーターメーカーは、国内で主流の「油圧式」エレベーターの部品供給を順次停止することを発表しています。マンションやビルのオーナー・管理組合の方の中には、
などとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事は、エレベーター点検業者の見直し相談に100件以上対応してきたセカンドラボの専任コンシェルジュが執筆。当社では、必ずしもメーカーの提案通りにリニューアルする必要はなく、独立系業者にもリニューアルを相談することをおすすめします。
エレベーターのリニューアル・更新工事をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
まずは、エレベーターのリニューアルに適したタイミングについて解説していきます。以下の3つのケースが考えられます。
エレベーターメーカーの生産が終了してしまい、メンテナンスに必要なパーツの供給を受けられない場合は、更新工事を行うタイミングです。記事をご覧の方は、メンテナンス会社から連絡を受けてパーツ供給の停止を知るケースが多いのではないでしょうか。
そうなってしまうと、万が一のことを考えて予定を前倒ししての工事を実施せざるを得ないでしょう。通常は、エレベーターが生産中止になっても20年程度は保守パーツ供給義務がメーカーには生じます。ただし、設置のタイミングによっては耐用年数前に供給義務の時期が終了してしまう場合もあるのです。
耐用年数を迎えたタイミングは、エレベーターのリニューアルを検討するもっとも一般的な時期です。では、耐用年数とはどのくらいなのでしょうか?以下に国税庁や国土交通省・メーカーで提示しているエレベーターの耐用年数をまとめました。
法定償却耐用年数(国税庁) | 17年 |
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エレベーターメーカー推奨の耐用年数 | 20〜25年 |
長期修繕計画ガイドライン(国土交通省) | 15年目で修繕、30年目で交換 |
建築物のLC評価用データ集 改訂第4版(建築・設備維持保全推進協会) | 20〜25年 |
それぞれで細かな違いはありますが、およそ20〜25年程がひとつの目安といえるでしょう。一般的なマンションでは、通常12年周期で大規模修繕計画が立てられています。その2回目に当たる24年目に、エレベーターのリニューアルを盛り込む管理者が多いです。
エレベーターの耐用年数についてはエレベーターの耐用年数は何年?適切なリニューアルタイミングとは?でさらに詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
故障や不具合によりエレベーターにトラブルが発生している場合も、リニューアルを考える方が多いです。不調が頻発している建物なら、すぐにでもリニューアルを検討したくなるでしょう。油圧式エレベーターを導入したものの、使い勝手の悪さからロープ式に切り替えるケースも増えています。
エレベーターの点検についてはエレベーターに必要な点検の種類|法定点検と保守点検の違いは?でさらに詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
ここでは、依頼する施工会社の選び方について解説します。
エレベーターメーカーに関係なく製品を扱うことができる施工会社です。既存エレベーターのメーカーに関わらず、リニューアル工事全般を依頼することができます。現在は実績のある独立系施工会社は多数存在し、技術力はメーカー系に劣りません。ただし、パーツの仕入れはメーカーからになるので、工事開始までに時間がかかる場合があります。費用を抑えることもできるため、独立系に依頼する場合は事前に余裕をもって工事を依頼すると良いでしょう。
>>独立系のエレベーターリニューアル業者はこちらで紹介しています
エレベーターの独立系業者については独立系エレベーター保守・リニューアル会社のランキング9選|メーカー系との違いまででさらに詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
日本の代表的なエレベーターメーカーとして三菱電機・日立製作所・東芝エレベーターがあげられます。その他にもさまざまなメーカーがありますが、それらの系列がメーカー系施工会社です。直系メーカーのエレベーターに関する知識や経験が豊富で、パーツも比較的早く仕入れられます。
逆に自社系列以外のエレベーター工事には対応しないのが基本です。一部の油圧式エレベーターや生産終了機種などについても対応できません。油圧式に関しては、メーカーが対応している別の駆動方式へのリニューアル工事を勧められる場合が多いでしょう。
例えば、日立のエレベーターを担当する日立ビルシステムのホームページでは、部品供給停止のお知らせがまとめられています。お客様に対しては、「現在ご契約いただいている保守契約の継続が困難となる可能性があることについてご理解を賜りたく(中略)」とした上で、「信頼性・安全性など性能の向上を目的としたリニューアルをご検討賜りますよう、宜しくお願い申し上げます」との文言を公開しています。
>>メーカー系のエレベーターリニューアル業者はこちらで紹介しています
出典:部品供給停止のお知らせ
以上を踏まえて、おすすめの依頼先について具体例をあげて見ていきましょう。
一般的に、メーカー系よりも独立系の方がコストは安く済ませられます。しかし、メーカー系は自社のエレベーターに関する知識が豊富です。内容によってはメーカー系の方が安くなる場合があるので、独立・メーカーの両方に相見積もりを取りましょう。
メーカー系のメリットとしてパーツの取り寄せがスムーズという点があげられます。独立系も取り寄せの際にはメーカーに依頼することになるので、その分時間がかかってしまうのです。スピードを求める場合は、メーカー系に依頼しましょう。
メーカー系は自社のエレベーターの施工実績が多く、特別仕様に対応している場合があります。独立系も経験豊富な業者であれば、建物管理者の期待に応えられるでしょう。メーカー系と実績数の多い独立系、両方への問い合わせがもっともおすすめです。
前述した通りメーカー系は油圧式エレベーターの生産を終了している場合が多く、対応が難しくなります。事情により油圧式を使用し続けたいようであれば、独立系施工会社に依頼すると良いでしょう。
エレベーターは、作動原理によって「ロープ式」「油圧式」の2種類に大別できます。リニューアル工事において、どの部分のリニューアル・更新が必要になるかを具体的にイメージするため、ロープ式・油圧式それぞれの一般的な機器構成を知っておきましょう。
作動原理別のエレベーターの種類についてはエレベーターってどんな種類がある?用途・仕組み別に紹介!でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
電動モーターでワイヤーロープを巻き取り・巻き戻しを行うことでエレベータールームを昇降させる方式です。
エレベーターのリニューアルをする際、すべての部品を入れ替える「フルリニューアル」だけでなく、一部の部品だけを取り替える制御リニューアル工事、準撤去リニューアル工事という方法もあります。この図のうち、最上部にある巻き上げ機や制御盤だけをリニューアルするケースも多いです。
出典:エレベーター駆動の仕組み
油圧式は、人や荷物が載るかご部分と油圧シリンダーを「プランジャー」で直結しています。かごとシリンダーの間をつなぐプランジャー(上下する部分)が上下することで、エレベーターが動く仕組みです。動きがなめらかで、乗り心地が快適な一方で、定期的なオイル交換が必要だったり、新規製造を中止しているメーカーがある等のデメリットもあります。
出典:エレベーター駆動の仕組み
1990年代から2000年代にかけて、日本全国に毎年3万台弱のエレベーターが設置されました。その多くが「油圧式」のエレベーターです。ただ現在は多くのメーカーが「油圧式」部品の製造を中止しています。
各エレベーターメーカーは2020年以降、順次「油圧式」のエレベーター部品の供給を停止する方針を発表しています。油圧式エレベータ―には時間の「機械室」と呼ばれるスペースが必要ですが、メーカー各社は機械室が不要の「ロープ式(ルームレスエレベータ―)」を開発しています。
新規で設置するエレベータ―のほとんどが「ロープ式」のため、旧型の油圧式エレベータ―に対応する必要性が薄れた、というのが背景にあります。
油圧式に対応していない各メーカーは「ロープ式」のエレベーターの製造がほとんどで、「油圧式」から「ロープ式」にリニューアルするには、6階建ての建物だとエレベーター1基につき費用は500万円超と、多額のコストがかかります。
安全のためにはリニューアルが必須であるものの、コスト面の悩みを抱えるビルオーナーやマンション管理組合は少なくありません。また、利用者や入居者にとって、エレベーターが使えなくなることは、日常生活に大きな支障をきたすでしょう。
こうした流れで、「ロープ式」に切り替えることなく「油圧式」エレベータ―の部品リニューアルに対応できる独立系エレベータ―業者への問合せが急増しています。セカンドラボでは、地域に応じて対応可能な独立系エレベータ―業者を紹介できるので、お困りの方はお問い合わせください。
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エレベーターのリニューアル・更新工事には以下3種類の方法があります。
それぞれの方法について、リニューアルや更新工事の費用相場や工期とあわせて解説します。
費用の相場 | 1,200万~1,500万円程度 |
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工期(エレベーターを使えない日数) | 25~40日程度 |
製作日数 | 50~120日程度 |
建築確認 | 必要 |
既存のエレベーターを細かな部品を含めて全て撤去し、まるごと新しい製品に交換する工事方法です。フルリニューアル(全撤去)の費用相場は1,200万~1,500万円程度と高額になります。フルリニューアルのメリットは、全ての部品を新品の状態にできるという点になります。その分工事費が高いことや、エレベーターを使えない期間が長いという点がデメリットです。エレベーターが複数台設置されている建物であれば、問題なく工事を進められます。しかし、1基しかない建物である場合は住民や使用者との調整が必要になるでしょう。
費用の相場 | 400〜700万円程度 |
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工期(エレベーターを使えない日数) | 3〜15日程度 |
建築確認 | 不要な場合が多い(要確認) |
部分リニューアルのひとつで、巻上モーターや制御盤などの細かなパーツを中心に交換していく工事になります。制御リニューアルの費用相場は400〜700万円程度と、リニューアル工事の中でもっとも時間とコストの掛からない方法です。既存エレベーターの状態と予算を考慮しながら、無理なく工事内容を決められます。工事後は既存と新品のパーツが使われることになるので、次回の交換時期を混合しないよう注意が必要です。既存のパーツ交換については、改めて改修計画を練り管理すると良いでしょう。
費用の相場 | 700〜1,000万円程度 |
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工期(エレベーターを使えない日数) | 15〜25日程度 |
製作日数 | 50~120日程度 |
建築確認 | 必要な場合が多い(要確認) |
既存エレベーターの各階に固定されている三方枠や敷居などを残し、新しいエレベーターに交換する方法です。準撤去リニューアルの費用相場は700〜1,000万円程度です。制御リニューアル工事と同様、部分リニューアルのカテゴリに含まれます。エレベーターの製作日数はフルリニューアルと変わらないものの、費用や工期は多少の短縮が可能です。機種が古い場合はパーツ調達に時間がかかるため、期間が伸びる可能性もあります。
ここからは、独立系とメーカー系それぞれのおすすめ施工会社を紹介します。まずは独立系から確認していきましょう。
まず最初に、特におすすめのエレベーターリニューアル施工業者4選をご紹介いたします。
エレベーターの更新・リニューアル工事にかかる費用を最初に知りたい方はこちらをクリックしてください。
製品名 | エレベーターコミュニケーションズ株式会社 | ジャパンエレベーターサービスホールディングス株式会社 | エス・イー・シーエレベーター株式会社 | 日伸セフティ株式会社 |
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お問い合わせ |
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独立系・メーカー系 | 独立系 | 独立系 | 独立系 | 独立系 |
ロープ式リニューアル | ○ | ○ | ○ | ○ |
油圧式リニューアル | ○ | ○ | ○ | ○ |
制御リニューアル | ○ | ○ | ○ | ○ |
準撤去リニューアル | ○ | ○ | ○ | ○ |
全撤去リニューアル | ○ | ○ | ○ | ○ |
対応メーカー | 東芝エレベータ、三菱電機ビルソリューションズ、日立ビルシステム、日本オーチス・エレベータ、フジテックほか | 東芝エレベータ、三菱電機ビルソリューションズ、日立ビルシステム、日本オーチス・エレベータ、フジテックほか | 東芝エレベータ、三菱電機ビルソリューションズ、日立ビルシステム、日本オーチス・エレベータ、フジテックほか | 東芝エレベータ、三菱電機ビルソリューションズ、日立ビルシステム、日本オーチス・エレベータ、フジテックほか |
対応エリア | 全国 | 全国 | 全国 | 関東圏、関西圏に特化 |
エレベーターコミュニケーションズは全メーカー・全機種に対応できる体制を整えており、特定のメーカーに偏らない幅広いスキルとノウハウを持っています。高度な専門知識を持つスタッフを万全な体制でスタンバイさせており、24時間365日対応が可能です。複数のリニューアルプランを用意しており、低価格で高品質なリニューアルを実現します。また、メーカーからの部品供給が停止している機種にも対応しています。その他、リニューアルに必要な資金調達を可能にするファイナンスリースの提案なども行っています。
エレベーターコミュニケーションズ株式会社の比較ポイント
製品情報
対応エリア(支店所在地) |
|
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ロープ式リニューアル | 〇 |
油圧式リニューアル | 〇 |
制御リニューアル | 〇 |
準撤去リニューアル | 〇 |
全撤去リニューアル | 〇 |
対応メーカー | 東芝エレベータ、三菱電機ビルソリューションズ、日立ビルシステム、日本オーチス・エレベータ、フジテック |
メーカー系に比べて価格が安く、高い技術力と社会的認知度を誇る施工会社です。全国に拠点を持ち、売上高は297億円・保守契約台数は85,400台を突破しています。複数の特許技術で開発されたリモート遠隔サービス「PRIME」が特徴です。故障の予兆をいち早く察知し障害が発生する前に対応することで、点検時の停止時間を短縮できます。リニューアルを契約した場合、無料で防犯カメラ機能付きデジタルサイネージが設置可能な点も特徴です。
ジャパンエレベーターサービスホールディングス株式会社の比較ポイント
製品情報
対応エリア(支店所在地) |
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ロープ式リニューアル | 〇 |
油圧式リニューアル | 〇 |
制御リニューアル | 〇 |
準撤去リニューアル | 〇 |
全撤去リニューアル | 〇 |
対応メーカー | 東芝エレベータ、三菱電機ビルソリューションズ、日立ビルシステム、日本オーチス・エレベータ、フジテック |
専門知識を有するスタッフが24時間365日即時対応できる体制づくりを整えています。全メーカー・全機種に対応しており、50年以上のリニューアル実績。さらに、製造メーカーとしても有名です。完全停止期間を最短で1日に設定することも可能です。さらに、エレベーターの状態を確認したうえで最適なプランを提示してくれます。リニューアル工事で心配な工期とコストの心配を解消できるでしょう。
エス・イー・シーエレベーター株式会社の比較ポイント
製品情報
対応エリア(支店所在地) |
|
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ロープ式リニューアル | 〇 |
油圧式リニューアル | 〇 |
制御リニューアル | 〇 |
準撤去リニューアル | 〇 |
全撤去リニューアル | 〇 |
対応メーカー | 東芝エレベータ、三菱電機ビルソリューションズ、日立ビルシステム、日本オーチス・エレベータ、フジテックほか |
関東圏と関西圏に特化した施工会社です。契約から工事完了までの全工程を、3カ月以内で完了できるというスピーディーさを保持しています。リニューアル工事をはじめ、エレベーター保守・機械整備・清掃なども対応可能。ビル管理の全てをワンストップで依頼できるため、管理者の手間を省くことができます。経験豊富なスタッフが建物の状態を確認しながら最適なプランをアドバイスしてくれる点も特徴です。
日伸セフティ株式会社の比較ポイント
製品情報
対応エリア(支店所在地) |
|
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ロープ式リニューアル | 〇 |
油圧式リニューアル | 〇 |
制御リニューアル | 〇 |
準撤去リニューアル | 〇 |
全撤去リニューアル | 〇 |
対応メーカー | 東芝エレベータ、三菱電機ビルソリューションズ、日立ビルシステム、日本オーチス・エレベータ、フジテックほか |
創業から60年以上の実績がある辰東エレベーター工業株式会社の100%子会社で、全国に対応可能です。経験が豊富で高い技術力を持っているため、エレベーターに関わる全ての工事に対応できます。リニューアル後の基幹部分については、業界最長の5年間無料保証を実施。他メーカーの保証期間は一般的に1年程度なので、工事後も長期間にわたり安心を得られます。保守サービスも24時間体制です。
株式会社エレベーター・デポ東京の比較ポイント
製品情報
対応エリア(支店所在地) | 要問合せ |
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ロープ式リニューアル | 〇 |
油圧式リニューアル | 〇 |
制御リニューアル | 〇 |
準撤去リニューアル | 〇 |
全撤去リニューアル | 〇 |
対応メーカー | 東芝エレベータ、三菱電機ビルソリューションズ、日立ビルシステム、日本オーチス・エレベータ、フジテックほか |
神奈川県を中心とした首都圏をカバーしている施工会社です。工期を短時間で終わらせたいなど、他社で断られた要望にも柔軟に対応してくれます。耐震対策や地震時管制運転装置の設置も可能。設置後の保守・メンテナンスにもこだわっており、24時間365日エレベーターの安全運行を見守っています。エレベーターごとにメンテナンス計画を作成し、独自のチェックシートに基づく整備を行っているため安心です。
株式会社エレテックコーポレーションの比較ポイント
製品情報
対応エリア(支店所在地) | 横浜市を中心に神奈川県全域、東京都、千葉県、埼玉県 |
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ロープ式リニューアル | 〇 |
油圧式リニューアル | 〇 |
制御リニューアル | 〇 |
準撤去リニューアル | 〇 |
全撤去リニューアル | 要問合せ |
対応メーカー | 東芝エレベータ、三菱電機ビルソリューションズ、日立ビルシステム、日本オーチス・エレベータ、フジテックほか |
続いてはメーカー系のおすすめ施工会社を紹介します。
ロープ式と油圧式の両方に対応してくれます。工期は制御のみであれば最短5日、全撤去であれば早くて30日程で対応可能です。エレベーターを遠隔で監視・診断し、1台ごとの稼働データを収集します。日々のデータをもとに状況を解析することで、最適なメンテナンス計画を提供してくれるのです。地震発生後に、管理者がスマホからエレベーターの状況を確認できる最新保全サービスも利用できます。
株式会社日立ビルシステムの比較ポイント
製品情報
ロープ式リニューアル | 〇 |
---|---|
油圧式リニューアル | 〇 |
制御リニューアル | 〇 |
準撤去リニューアル | 〇 |
全撤去リニューアル | 〇 |
対応メーカー | 日立ビルシステム |
対応エリア | 全国 |
主にロープ式のリニューアルに対応しています。油圧式に関しては、ロープ式へ生まれ変わらせることで既存スペースの有効活用が可能です。ボタンやインジケーターなどは、身体が不自由な方でも使いやすいよう工夫されています。色覚の個人差に左右されない画面設計により、カラーユニバーサルデザインの認証を獲得。もちろんデザイン性だけでなく乗り心地にも配慮しています。振動や騒音は少なく着床精度は向上させることで、建物の資産価値も向上できるでしょう。
東芝エレベータ株式会社の比較ポイント
製品情報
ロープ式リニューアル | 〇 |
---|---|
油圧式リニューアル | × |
制御リニューアル | 〇 |
準撤去リニューアル | 〇 |
全撤去リニューアル | 〇 |
対応メーカー | 東芝エレベータ |
対応エリア | 全国 |
こちらも油圧式エレベーターについては、ロープ式へのリニューアルであれば受付可能です。顧客のニーズに合わせて3つのプランが用意されています。従来通りまとまった期間での工事を希望する場合は、エレモーション・プラスがおすすめです。エレモーション・プラス[ゼロ]であれば、使えない日をゼロにすることができます。1回の工賃を抑えたい場合、エレモーション・プラス[ステップ]であれば工事を5年で最大3回に分割可能です。
三菱電機ビルソリューションズ株式会社の比較ポイント
製品情報
ロープ式リニューアル | 〇 |
---|---|
油圧式リニューアル | × |
制御リニューアル | 〇 |
準撤去リニューアル | 〇 |
全撤去リニューアル | 〇 |
対応メーカー | 三菱電機ビルソリューションズ |
対応エリア | 全国 |
ロープ式・油圧式のどちらにも対応しています。押しボタンには、文字の表示をくっきり表示できるタクタイルボタンを採用。さらに発音機能や機能別カラー区別などを搭載しており、誰でも利用しやすくなっています。ドア両側の壁面やかご内の操作盤にあるフェースプレート部分は、ステンレスバイブレーション仕上げです。光沢を抑えた落ち着いたデザインを採用することにより、高級感を演出できるでしょう。
フジテック株式会社の比較ポイント
製品情報
ロープ式リニューアル | 〇 |
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油圧式リニューアル | 〇 |
制御リニューアル | 〇 |
準撤去リニューアル | 〇 |
全撤去リニューアル | 〇 |
対応メーカー | フジテック株式会社 |
対応エリア | 全国 |
世界レベルでの知名度が高く、実績数が多いエレベーターメーカーです。業界最多レベルである、210万台以上のエレベーターやエスカレーターをメンテナンスしています。現在リニューアルに対応した機器は住宅用を含めた4種類です。どの機種もカラーバリエーションが豊富で、建物のイメージを崩すことなく設置ができます。24時間365日リアルタイムで昇降データを監視してくれるため、事故も未然に防止できるのです。
日本オーチス・エレベータ株式会社の比較ポイント
製品情報
ロープ式リニューアル | 〇 |
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油圧式リニューアル | × |
制御リニューアル | 〇 |
準撤去リニューアル | 〇 |
全撤去リニューアル | 〇 |
対応メーカー | 日本オーチス・エレベータ |
対応エリア | 全国 |
先に紹介した企業は全国に対雄できるエレベーターリニューアル独立系業者ですが、リニューアル工事に対応する独立系業者は、各地に存在しています。エレベーターの不具合が発生した際、すぐに現場に駆け付けられるサポート体制の厚さを重視して地場の業者様を選ぶ選択肢もあり得ます。各地の業者を見ていきましょう。
大阪や関西地区でエレベーターリニューアルをお考えの際におすすめの独立系業者を紹介します。くわしくは追加の記事もご覧いただけると幸いです。
大阪のエレベーターリニューアル業者については大阪の優良エレベーターメンテナンス・リニューアル対応企業まとめ|業者の選び方・補助金情報まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
岡山県でおすすめの独立系業者を紹介します。くわしくは追加の記事もご覧いただけると幸いです。
岡山のエレベーターリニューアル業者については岡山の優良エレベーターメンテナンス・リニューアル対応企業まとめ|業者の選び方・補助金情報まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
京都府や近畿地方でおすすめの独立系業者を紹介します。くわしくは追加の記事もご覧いただけると幸いです。
京都府のエレベーターリニューアル業者については京都の優良エレベーターメンテナンス・リニューアル対応企業まとめ|業者の選び方・補助金情報まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
北海道でおすすめの独立系業者を紹介します。くわしくは追加の記事もご覧いただけると幸いです。
北海道のエレベーターリニューアル業者については北海道の優良エレベーターメンテナンス・リニューアル対応企業まとめ|業者の選び方・補助金情報まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
福岡県でおすすめの独立系業者を紹介します。くわしくは追加の記事もご覧いただけると幸いです。
福岡県のエレベーターリニューアル業者については福岡の優良エレベーターメンテナンス・リニューアル対応企業まとめ|業者の選び方・補助金情報まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
愛知県でおすすめの独立系業者を紹介します。くわしくは追加の記事もご覧いただけると幸いです。
名古屋・愛知県のエレベーターリニューアル業者については愛知県の優良エレベーターメンテナンス・リニューアル対応企業まとめ|業者の選び方・補助金情報まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
※2024年3月時点で、セカンドラボ編集部ではエレベーター更新工事に使える補助金・助成金を確認できていません。くわしくは各自治体の情報を参照するなどしてください。
ここでは、過去にエレベーター更新工事に適用された補助金や助成金を紹介します。いずれも一部自治体限定で実施されており、今後の実施可能性については各自治体にお問い合わせください。
補助金は事前の審査がありますので、申請すれば必ずもらえるものではありません。また、確保されている予算が終われば予定より早く切り上げる場合もあるので、早めの相談がおすすめです。この記事では3つの補助金情報を紹介していますが、以下の記事では他の自治体での事例も紹介しているので、参考にしてください。
エレベーターリニューアルの補助金情報についてはエレベーターの設置・リニューアルに使える補助金・助成金一覧【最新版】でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
エレベーターの更新工事には、一定の要件をクリアすることで補助金を得られる場合があります。該当する補助金は、国土交通省の「建築物耐震対策緊急促進事業」です。以下は、補助金についての詳細な内容になります。
概要 |
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助成率 | 100分の23 |
限度額 |
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対象事業 | 9号事業 避難場所のエレベーター |
要件 |
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申請受付期間 | 令和5年1月31日までに必着(令和4年度の場合) |
概要 | 戸開走行保護装置を設置する改修工事を助成 |
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助成率 |
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概要 | 平成26年3月31日以前に設置されたエレベーターのうち、共同住宅に設置されているものについて改修費用を補助 |
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条件 |
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助成率 | 補助対象工事の費用に23%を乗じた額(千円未満切り捨て)を補助 |
初めてエレベーターのリニューアル工事を検討する際に、流れが分からず不安に感じる方もいるでしょう。ここでは、リニューアル工事での一連の流れを解説していきます。
「建築確認」とは、これから行う予定の工事が建築基準法や各市町村の条例などに適合しているか確認することです。都道府県や市区町村の担当課に書類を提出し、確認を申し込むことを「建築確認申請(確認申請)」といいます。どの方法でリニューアル・更新工事を行う場合も所轄する役所への確認は必要です。
リニューアル工事する場合、既存のエレベーターが既存不適格に該当するのかを確認する必要があります。既存不適格とは設置当時は法令に合致していたが、法改正により合致しなくなったエレベーターのことです。リニューアル前であれば違法にはなりませんが、工事後は現在法令に準じていなくてはなりません。前提として古いエレベーターは既存不適格である可能性が高いので、必ず確認申請を行いましょう。確認申請が必要になるケースをまとめると、以下の通りです。
出典:既存建築物に昇降機を設ける場合の確認申請の手続きについて|大阪府内建築行政連絡協議会
前述したリニューアルの種類のうち、フルリニューアル(全撤去)をする場合は行政の担当窓口(または民間審査機関)への確認申請が必ず必要になります。上の表をみると、かご枠(人・物が載る場所)とかご床版の交換が必要な場合は、確認申請が必要であることがわかります。
準撤去リニューアル(部分リニューアル)と制御リニューアル工事の場合、以下の条件に当てはまる際に確認申請が必須になります。上の表で示されていない内容も含まれています。
この内容は建築基準法で定められており、エレベーターやエスカレーターなどの「昇降機」を設置する際の手続きとして定められています。
確認申請を行い工事内容がある程度固まったら、施工会社に相談していきます。この時に複数の業者へ相談することがおすすめです。相談先が1社だけだと、工事に対する適正な価格や対応方法を見極めにくくなります。悪徳業者に騙されないためにも、必ず複数業者から相見積もりをとりましょう。どのような施工会社がおすすめかについては後述します。
施工会社と契約を交わし、工事を始める際に気をつけなければならないのがエレベーター利用者への対応です。リニューアル工事中は、どうしてもエレベーターを利用できないタイミングが生じてしまいます。建物の管理者と施工会社は建物の利用者のニーズを把握しながら、工期の検討が必要です。工期が正式に決まったら、できるだけ早く掲示やポスティング・理事会などを通して告知しておきます。クレームが生じる恐れがある場合は、別途個別に説明をしておくことも対策のひとつです。座ったまま階段を昇降できる機器の設置なども、必要に応じて検討すると良いでしょう。
勘定科目とは、取引の内容を分かりやすく分類するために使われる簿記の科目です。エレベーターのリニューアル・更新工事を行う場合、どのように会計処理を行えばよいのでしょうか。
経年劣化による補修や部品の交換を行った場合は「修繕費」として処理します。工事内容としては、ロープの交換や室内の補修などの例があげられます。対して、工事の内容がエレベーターの価値をより高めるものの場合は、「資本的支出」として処理する必要があります。会計上は資本的支出と修繕費の区分が明示されていないので、実際はどちらにするか判断が難しいケースもありますが、会計では以下の通り処理します。
7-8-1 法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となるのであるから、例えば次に掲げるような金額は、原則として資本的支出に該当する。(昭55年直法2-8「二十六」により追加)
国税庁:第8節 資本的支出と修繕費
- (1) 建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額
- (2) 用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した費用の額
- (3) 機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した費用の額のうち通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる費用の額を超える部分の金額
- (注) 建物の増築、構築物の拡張、延長等は建物等の取得に当たる。
エレベーターは人や物を運ぶ際に非常に便利なので、さまざまな場面で活躍しています。反対に、トラブルにより使えなくなってしまうと利用者は不便を感じるでしょう。不慮の事故を防ぐためにも、適正なタイミングでのリニューアル工事は管理者の義務といえます。実績数が豊富な信頼できる施工会社を選ぶことで、安心感や利用者からの信頼も得られるのです。施工会社はメーカー系と独立系に分けられます。それぞれメリット・デメリットがあるので、よく相談したうえで相見積もりをとるようにしましょう。