自動精算機は、スタッフの手を介さずに患者自身で精算することができる会計システムです。
スタッフの業務効率化を念頭に医療機関でも導入が進んでいます。
しかし、
などの理由でお悩みの方も多いのではないでしょうか。
こうしたお悩みを解決するために、医療機関の製品選定をサポートしているセカンドラボが、独自の比較項目に基づいて、病院でおすすめの自動精算機を紹介しています。なお本記事は、実際に病院やクリニックが自動精算機を導入する際の相談に50件以上対応している専任コンシェルジュが執筆しています。
自動精算機の基礎知識や選び方についてもわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
自動精算機はクリニックでも病院でも導入可能です。一方で、それぞれで必要なスペックは異なるので、自院に適した自動精算機を選ぶようにしましょう。ここでは、クリニック向け自動精算機と、病院向け自動精算機のおもな違いを紹介します。
病院向け自動精算機の価格は、450万~600万円程度。一方クリニック向け自動精算機の価格は、300~400万円程度です。
後述するように、病院向けの自動精算機は、対応できる硬貨の枚数や紙幣の種類が多いなどクリニック向け自動精算機と比べてハイスペックです。その分初期費用も高くなる傾向にあります。
自動精算機の価格については自動精算機の価格はどれくらい?|費用相場・各メーカーの価格比較まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
クリニック向け自動精算機の中には、1円硬貨・5円硬貨の取扱いに対応していないものもありますが、病院向け自動精算機は両方の硬貨に対応しています。
現金収納枚数は、硬貨1金種100枚程度、紙幣400~800枚程度で、クリニック向け自動精算機よりも大量の硬貨・紙幣を取り扱うことができるスペックがあります。
より多くの現金を取り扱えるのは、病院の来院患者数がクリニックよりも多いことも影響しています。病院向け自動精算機は患者数100人~300人が目安で、クリニック向けは患者数50人~100人が目安と考えておきましょう。
病院向け自動精算機は、操作画面が大きく設定されています。クリニックと比べて病院は高齢者の利用が多いため、誰でも見やすいように大型の画面が採用されているといえます。
病院にあった自動精算機を選ぶために、下記の点に注目しましょう。なお、クリニック向け自動精算機 を選ぶ際にも重要な「電子カルテとの連携」「価格」「オンライン資格確認への対応」「設置スペース」は、ここでは説明を省きます。気になる方は、リンク先の記事もご覧ください。
ここからは、自動精算機の選び方を詳しく解説していきます。
クリニック向け自動精算機の選び方についてはクリニック向け自動精算機おすすめメーカー20選|価格や選び方まで【徹底比較】でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
現金以外にも、カードや電子マネーが使える自動精算機なら、患者さんは毎回来院するときに現金を引き出す手間が省けて支払いが楽になります。また最近はQRコード決済を希望する人が増えているので、QRコード決済ができる機種なら患者の満足度向上につながります。特に病院ではさまざまな方が来院されるため、多くの決済方法に対応できるとよいでしょう。利用したい決済方法がオプションとなるのか初期搭載機能となるのか、どこまで対応かなどは導入前にチェックしておきましょう。
自動精算機で5,000円札が使えないものもありますので、注意する必要があります。5,000円札しか持っていない患者は受付で両替しなければならなくなり、受付スタッフの業務に時間がかかってしまう場合があります。
また、新紙幣への対応も確認しておきましょう。
新紙幣は、2024年7月前半を目途に発行開始予定です。
日本銀行は2023年10月1日、新紙幣の発行を発表しました。新紙幣は、1万円札、5千円札、千円札の3種類で、2024年7月前半を目途に発行開始予定です。新紙幣のデザインは、従来の紙幣に比べて、より複雑で精緻なデザインとなっています。また、偽造防止のための新たな技術も導入されています。
自動精算機の新紙幣対応についてはレジ・券売機の新紙幣対応はどうする?費用や補助金まで徹底解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
自動精算機に迷われている方へ
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ここからは、病院におすすめの精算機をご紹介します。それぞれの製品の特長をまとめましたので、自動精算機を選ぶ際には参考にしてください。
企業名 | 株式会社アルメックス | 株式会社アルメックス | システムギア株式会社 | 株式会社インテクア |
---|---|---|---|---|
製品名 | 病院向け自動精算機TH-Z | マイナタッチ一体型 自動精算機 | セミセルフ自動精算機システム Schut-Stnd (ADC-5350 Type-M) | スマセルR1 |
価格 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
電子カルテ連携 | あり | あり | なし | あり |
オプション機能 |
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ミラーモニター |
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クレジット決済 |
サイズ | W650×D860×H1770(mm) | W354×D170×H139(mm) | W550×D450×H950(mm) | W550×D450×H1505(mm) |
株式会社アルメックスは、医療機関やビジネスホテル、アミューズメント施設などに向けた自動精算機やセルフチェックイン機などの製品・サービスを提供している企業です。さまざまな種類の自動精算機を販売しているアルメックスですが、中でも「自動精算機TH-Z」は医療現場の声から生まれた病院向けの自動精算機となっています。
21.5インチの大型モニタを採用しているため、目の不自由な患者さんや視力の弱い高齢者でも使いやすい仕様です。さらに、銀行Payやクレジットカードなどのキャッシュレス精算にも対応しており、患者さんや職員の負担を軽減してくれるでしょう。
病院向け自動精算機TH-Zの比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
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電子カルテ連携 | あり |
オプション機能 |
|
サイズ | W650×D860×H1770(mm) |
「マイナタッチ一体型自動精算機」は、マイナンバーカードと健康保険証でオンライン資格確認ができる自動精算機です。指定の場所に保険証やマイナンバーカードを置くだけで、機械が読み取りを行ってくれます。
自動精算機にはカメラが搭載されており、マイナンバーカードの顔写真データと照合して本人確認が可能です。マスクをしたままでも顔認証ができるため、病院でその都度マスクを外す必要もありません。
マイナタッチ一体型 自動精算機の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
---|---|
電子カルテ連携 | あり |
オプション機能 | ミラーモニター |
サイズ | W354×D170×H139(mm) |
システムギア株式会社は1972年に創業した会社です。医療機関やホテル・ゴルフ場などの施設に対応する自動精算機、文教施設向け証明書発行機などの製品開発・販売を行っています。
「医療向け セミセルフ自動精算機システム Schut-Stnd」は医療費の精算業務負担を減らし、正確な精算を実現するセミセルフ自動精算機です。
人手不足で窓口のスタッフが少なくても患者様を待たせることなく確実に精算を行うことが可能です。
セミセルフ自動精算機システム Schut-Stnd (ADC-5350 Type-M)
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
---|---|
電子カルテ連携 | なし |
オプション機能 |
|
サイズ | W550×D450×H950(mm) |
株式会社インテクアは1996年に創業した会社で、医療機関や外資系企業に対し、利用性の高いITシステムの提案・データ再利用の提案を行ってきました。「スマセルR1」はコンパクトに作られているため、省スペースでも設置できる自動精算機です。スペースが限られており、大型の自動精算機は諦めざるを得なかった小規模な医療機関でも導入できる可能性があるでしょう。
会計呼び出しでは、受付番号をそのまま利用して患者さんを呼び出すことができます。会計処理ができるまで会計窓口前で待たせることなく、患者さんのタイミングで支払いができるようになるでしょう。
スマセルR1の比較ポイント
製品情報
価格 | 要お問い合わせ |
---|---|
電子カルテ連携 | あり |
オプション機能 | クレジット決済 |
サイズ | W550×D450×H1505(mm) |
病院が自動精算機を導入する際、会計情報が記録されたレセコンと精算機を連動させて使うことが一般的。自動精算機とレセプトの連携方法には「データ連携」「バーコード連携」の2種類があり、連携方法によって処方箋の扱いも変わります。
バーコード連携では、レセコンから出力する紙の領収書に記載されたバーコードを自動精算機に読み込ませます。
スタッフから紙の領収書を受け取る際、一緒に紙の処方箋も受け取ることになります。つまり、バーコード連携の場合、自動精算機で会計をする前に処方箋を受け取ります。
データ連携では、レセコンと自動精算機を同じネットワークに接続させて使います。レセコンに記載された会計データが、自動精算機にも反映される仕組みです。
患者様が診察券のIDやQRコードを自動精算機に読み取らせると、自動精算機に会計額が表示されます。
会計終了後、精算機から領収書が出ます。薬の処方がある場合は処方箋引換券も一緒に出るので、窓口で処方箋と交換する運用が一般的です。つまり、データ連携の場合、自動精算機で会計した後に処方箋を受け取ります。
自動精算機を導入しようと思っても、コストがかかるという点で導入を諦めている医療機関も少なくありません。確かに簡単に購入できる金額のものではありませんが、補助金を活用することで導入のハードルは下がるでしょう。自動精算機を導入するうえで、活用できる可能性のある補助金は下記の通りです。
上記は2023年6月時点で申請ができる補助金制度になります。事前に申請方法や支給対象となる製品について、ホームページで確認したうえで申請するようにしましょう。
自動精算機に関する補助金については【2023年最新】自動精算機・釣銭機導入時に利用したい補助金でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
病院での自動精算機の使い方は以下の通りです。自動精算機は直感的に使用できますが、導入時は患者さんにも使い方を説明できるようにしておくとスムーズです。
以下で具体的に説明します。
ATMを利用するときのような要領で、診察券を入れると患者の氏名や診療科目、支払い金額などが表示されます。自動精算機の種類によってバーコードやQRコードをかざすタイプのものもあります。
患者さんは画面に表示された金額を確認し、現金やカードなどで支払います。現金、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など導入時に決めた決済方法を利用してもらいます。現金で支払う場合は、自動精算機の下部にある投入口にお札や硬貨を入れます。お釣りは自動的に出てきます。カードや電子マネーで支払う場合は、自動精算機にカードを挿入もしくはスマートフォンをかざします。暗証番号やサインなどが必要な場合もあります。QRコード決済で支払う場合は、自動精算機の読み取り部分にQRコードをかざし、決済アプリで支払いを完了させます。
支払い後は、自動精算機から領収書および明細書が発行されます。薬の処方がある場合は処方箋を発行することも可能です。
自動精算機を導入する際には、メリットとデメリットそれぞれを把握し検討することが大切です。ここでは、病院が自動精算機を導入するメリット・デメリットについて解説していきます。
病院が自動精算機を導入することで得られる主なメリットとしては「会計待ち時間短縮」「業務効率アップ」「感染対策」の3点が挙げられます。
「会計待ち時間短縮」は、顧客満足度の向上につながりやすい部分です。待ち時間が短縮されることで、良い口コミが増える可能性もあるでしょう。
また、医療事務スタッフの負担軽減につながります。自動で精算を行ってくれるため、会計時の金額ミスを防ぐことも可能です。特にレセコンや電子カルテと連携できる自動精算機であれば、決済方法や未収金関連の記録を残せるでしょう。さらに、金銭の手渡しをする必要がないため、感染リスクも低減します。インフルエンザシーズンや感染症が増える時期は特に、感染対策のためにも自動精算機は有効でしょう。
上記以外にも病院での自動精算機の導入には多くのメリットがあります。自動精算機の中にはオンライン資格確認や再来受付ができる製品もあります。中には外国語対応の製品もあるので、外国人対応もスムーズに行うことができるでしょう。
病院が自動精算機を導入するデメリットを説明します。主なデメリットは「導入費用やランニングコストがかかる」「連携に費用がかかる場合がある」ことです。
自動精算機の価格相場は300万〜400万円程度と高く、導入後も保守やメンテナンス費用が掛かります。また、自動精算機の耐用年数は約5年程度のため、定期的に更新する必要があります。また、自動精算機を電子カルテやレセコンなどと接続する場合、別途費用が発生する可能性があります。接続方法やシステムによっては、連携のための工事や設定が必要になることもあります。
自動精算機を選ぶ際には、電子カルテとの連携方法や設置スペース等の確認が必要です。自動精算機を選ぶ際のポイントについて、詳しくは病院にあった自動精算機の選び方をご覧ください。
メーカーによってQRコード決済やクレジットカード決済など対応可能な決済方法が異なります。それぞれのメーカーの決済方法を確認することが大切です。
自動精算機と自動釣銭機の違いは、スタッフが付いている必要があるかないかです。自動精算機は、患者さん自身が端末で精算・会計を行うため、スタッフの人員配置や金銭授受が不要になります。自動釣銭機は、機械の操作はスタッフが行い、お金の投入・お釣りの受け取りは患者さんが行います。また、自動精算機と自動釣銭機では、対応する金種や収納枚数、サイズ感なども異なります。
自動釣銭機については【2023年版】自動釣銭機メーカー9社比較|価格や機能、運用方法を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
処方箋が出た場合は、自動精算機から領収書と一緒に引換券などを発行することができます。患者さんに引換券を受け取っていただき、窓口で薬と交換してもらうことになります。
効率的な会計に役立つ自動精算機を導入する病院は少しずつ増えてきています。自動精算機を導入することで、スタッフの負担が軽減されるだけでなく、「待ち時間が減る」「感染リスクが下がる」など患者さんにとっても大きなメリットがあります。
サイズや機能を比較しながら、自院に合った自動精算機を検討してみましょう。コスト面で不安のある方は、活用できる補助金制度がないかどうかも調べながら検討してみてください。ぜひこの機会に自動精算機を導入し、病院の運営を効率化していきましょう。
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