無料の介護ソフトはあるの?|有料ソフトとの違いやメリット・デメリット

更新日 2024.03.28
投稿者:豊田 裕史

介護ソフトを活用して業務の効率化を図る現場も増えており、介護ソフトは100種類以上存在しているともいわれます。少しでも支出を抑えるため、無料で使える介護記録ソフトもあるのではないか?と考えるのも自然な発想です。

本記事では無料の介護ソフトの特徴やメリットデメリット、有料版との違いなどを詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。

目次

無料の介護ソフトの特徴

介護記録ソフトを無料で提供しているメーカーは、株式会社ビーシステムのみです(2ndLabo調べ)。導入前のデモ期間として無料で使える期間を設けているメーカーはありますが、永続的に使えるものではありません。セキュリティ上の懸念や法改正への対応がないこと等を総合的に判断し、セカンドラボでは無料介護ソフトの利用は推奨していません

とはいえ、少しでも費用を抑えたいと考えている方にとっては、無料で介護ソフトを利用できるのは魅力的です。株式会社ビーシステムの内容を紹介するので、ぜひどんな機能が利用できるのかチェックしてみてください。

有料で使える介護ソフトについては介護ソフトの料金はいくら?おすすめメーカー比較15選もでも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

無料の介護ソフトを紹介

自社介護ソフトの機能を、一部無料で提供しているメーカーをご紹介します。

ファーストケアHoney(フリー版)|株式会社ビーシステム

ファーストケアHoney(フリー版)

出典:ファーストケアHoney(フリー版) https://www.fc-soft.jp/honey/

有料版の「ファーストケア」の一部機能を利用できる「ファーストケアHoney(フリー版)」を紹介します。

1法人につき1サービスのみ、またパソコン1台のみでの利用という制限はあるものの、製品版に引けを取らない多くの機能を利用できます。居宅介護支援版と居宅サービス提供版が用意されており、どちらか一方を使うことが可能です。

利用者の管理や計画書の作成、記録・請求業務など幅広い業務に活かせる機能を備えており、特に新設の事業所や小規模の事業所の方におすすめと言えるでしょう。一方で、規模の大きい事業所や複数端末でソフトを利用したい人にとっては、不便さを感じる可能性もあります。

できること
  • 利用者管理
  • アセスメント
  • サービス利用票/提供票
  • 提供サービス計画
  • 請求データ作成
  • 予定実績管理
  • 職員間メール
  • 職員日誌
  • FAX連絡票
できないこと
  • インターネット伝送
  • iPad記録
  • 自動バックアップ
  • 複数端末での利用
  • 電話によるサポート

有料ソフトとの違いやメリット・デメリットは?

無料の介護ソフトは導入へのハードルは確かに低いのですが、機能が制限されている場合が多く使いづらさを感じる人もいるでしょう。そもそも無料の介護ソフトは、有料ソフトとは具体的にどのような違いがあるのでしょうか。メリット・デメリットと共にまとめていきますので、ぜひチェックしてみてください。

無料介護ソフト 有料介護ソフト
特徴 一部の機能に特化している、機能が制限されているソフトが多い 多くの機能を備え、利用者管理や計画、請求データ作成等幅広い業務に役立つ
法改正対応などアップデート 遅い場合が多い 常に最新の情報にアップデートしてくれる場合が多い
サポート体制 ほとんどなし 導入・運用に関して手厚いサポート体制が用意されている場合が多い
メリット 予算をおさえて、手軽に導入しやすい 多くの機能を利用でき、業務効率化につながる/サポートが手厚いので困った時も安心
デメリット 利用したい機能が必ず使えるとは限らない/相談やサポートを受けづらい 導入や運用に一定のコストがかかる
導入がおすすめの施設 新設の事業所、小規模事業所 中・大規模事業所、居宅介護・訪問介護を行う事業所

それぞれメリットデメリットがあるので、各事業所ごとにどのような介護ソフトを活用すべきかよく検討してみましょう。まずは無料のソフトを試してみる、有料のソフトと合わせて使ってみるといった使い方も考えられます。

コストを抑えるなら、月額無料の介護ソフトや長期間無料利用できる介護ソフトがおすすめ

無料の介護ソフトの利用を検討している背景には、コストを抑えて介護ソフトを導入したいという思いがあるのではないでしょうか。無料の介護ソフトは一部の機能が制限され、使いづらさを感じてしまう可能性があります。

製品版や有料版でありながら、月額無料のソフトや長期間にわたって無料体験ができる介護ソフトがあることをご存じでしょうか。お試しで導入しやすく、コストを抑えたい方におすすめです。特に、「カイポケ」は長期間無料で利用できるソフトとしておすすめで、最大36ヶ月も無料(条件あり)で利用可能となっています。

おすすめの低コスト介護ソフト6選

前述の通り、月額無料の介護ソフトや長期間無料体験ができるソフトならば、コストをおさえつつ豊富な機能を活用することができます。

おすすめの低コストの介護ソフト6つを厳選しましたので、ぜひチェックしてみてください。無料体験期間で実際に利用しながら使い心地を確認し、施設の環境に適したソフトを選ぶと良いでしょう。

ケア樹フリー|株式会社グッドツリー

ケア樹フリー

出典:ケア樹フリー https://caretree.jp/product/free

ケア樹フリーは最初の2か月間無料体験できるうえ、長期的に見ても低コストで運用できます。シンプルな画面設計と大きなボタンで使いやすく、クラウド型システムのためスムーズな導入が可能です。

任意加入の有償サポートや多くのオプションサービスを展開し、ニーズに合わせて最適なプランを選べるようになっています。

初期アカウント発行費用と年間事務手数料、初年度サポート費用が別途必要な点には注意が必要ですが、システム利用料自体は月額0円です。コストをおさえ、必要な機能を最低限備えたソフトを利用したい人におすすめです。

ケア樹フリーの比較ポイント

  • クラウド型システムでスムーズな導入が叶う
  • 2か月間の無料体験期間アリ
  • システム利用料は月額0円

製品情報

システム形態 クラウド型
対象施設形態(対象サービス形態) 宅介護支援、訪問介護、通所介護、介護老人福祉施設など幅広く対応

楽すけ|ニップクケアサービス株式会社

楽すけ

出典:楽すけ https://www.nippku.com/rakusuke/

楽すけは、最大6ヶ月もの期間、すべての機能を無料体験できるサービスを実施しています。さらに、安心の料金体系につき、6ヶ月経った後も長期的に低コストで運用可能です。

パッケージソフトであるため、一度ソフトを購入して導入した後は、毎年1回の契約ライセンス数の年間保守料を払うだけで済みます。

また、サポート体制が整っているのも嬉しいポイントです。ヘルプデスクが設置されており、困った際はすぐに電話で相談できるので、操作に不安がある方でも安心でしょう。

楽すけの比較ポイント

  • 最大6ヶ月の無料体験が可能
  • 継続的に低コストを実現できる
  • サポート体制も整っている

製品情報

システム形態 パッケージソフト
対象施設形態(対象サービス形態) 居宅介護支援、訪問介護、通所介護、訪問リハビリ、通所リハビリなど幅広く対応

カイポケ|株式会社エス・エム・エス

カイポケ

出典:カイポケ https://ads.kaipoke.biz/

カイポケは、医療業界大手の株式会社エス・エム・エスが提供する介護ソフトです。条件次第で最大36ヶ月もの期間にわたって、無料体験サービスが利用できるのが最大の魅力で、お試し導入がしやすいでしょう。

無料期間終了後も、月額の1000円〜(プランによって異なる)の基本料金しかかかりません。初期費用は0円なので導入しやすく、使いながら継続利用するか検討するのもおすすめです。

コストが低いだけでなく、クラウド型のためデータ管理がしやすく、豊富な業務効率化・支援機能を備えています。

カイポケの比較ポイント

  • 最大36ヶ月無料体験ができる
  • 初期費用0円で月額基本料金のみ
  • 豊富な機能も備えている

製品情報

システム形態 クラウド型
対象施設形態(対象サービス形態) 居宅介護支援、通所介護、訪問介護、有料老人ホームなど幅広く対応

まもる君クラウド|株式会社インタートラスト

まもる君クラウド

出典:まもる君クラウド https://kaigo.intertrust.jp/

まもる君クラウドは初期費用・サポート費用・バージョンアップ費用が0円で、低価格での運用が叶う介護ソフトです。60日間の無料体験期間を用意しているので、お試しで利用してみて使い心地を確認してみても良いでしょう。

クラウドサービスであるため、インターネット環境があればどこからでもソフトを利用できます。スマホやタブレット含め複数端末からアクセス可能なので、訪問介護やテレワークにも便利です。

まもる君クラウドの比較ポイント

  • 初期費用が0円
  • 60日間無料で体験できる
  • 複数端末から利用できて便利

製品情報

システム形態 クラウド型
対象施設形態(対象サービス形態) 居宅介護、通所介護、訪問介護、リハビリテーション、グループホームなど幅広く対応

ファーストケア(有料版)|株式会社ビーシステム

ファーストケアHoney(有料版)

出典:ファーストケア(有料版) https://www.fc-soft.jp/firstcare/

ファーストケア(有料版)は、現場の声を聞き、使いやすさを重視して作られた介護ソフトです。見やすい画面で簡単に操作でき、パソコンが苦手な方にとっても利用しやすいソフトになっています。

また、ネット環境に依存しないサーバー型のため、サクサクと操作できるのも魅力と言えるでしょう。

先に紹介したように、ファーストケアはフリー版のソフトも用意していますが、有料版の無料体験サービスも提供しています。簡単な情報を入力するだけで無料体験版を利用できるので、まずは利用してみて使い心地を確認し、導入を検討するのもおすすめです。

ファーストケアHoney(有料版)の比較ポイント

  • 使いやすさ重視の介護ソフト
  • 簡単かつサクサク操作できる
  • フリー版のソフト/無料体験版を用意

製品情報

システム形態 クライアント/サーバー型
対象施設形態(対象サービス形態) 訪問介護、居宅介護支援、介護施設など幅広く対応

トリケアトプス|岡谷システム株式会社

トリケアトプス

出典:トリケアトプス https://www.tricare.jp/

トリケアトプスは最大3ヶ月の無料体験期間を設けており、実際に使って操作性を確認できます。無料体験期間に使ったデータは、製品版導入後も引き継がれるので安心してください。

スタッフのスケジュール管理や実績報告がしやすく、人事管理の業務改善を考えている方に特に役立つでしょう。初期費用が無料なうえ、クラウド型ソフトなのでとにかく導入が簡単なのが魅力です。

月額は、利用人数x220円〜という業界最安値クラスの料金体系であり、継続的に見てもコストを抑えて運用できます。

トリケアトプスの比較ポイント

  • 最大3ヶ月の無料体験期間を設けている
  • スタッフのスケジュール管理や報告がしやすい
  • 初期費用無料・月額利用人数x220円~という低コスト

製品情報

システム形態 クラウド型
対象施設形態(対象サービス形態) 主に訪問介護、通所介護に対応

まとめ

今回は無料の介護ソフトの紹介や、無料ソフトの特徴をまとめてきました。無料のソフトは気軽に取り入れやすいものの、一部の機能に特化していたり、機能が制限されていたりと人によっては使いづらさを感じてしまうかもしれません。

長い期間無料体験できるサービスや比較的コストをおさえて利用できる介護ソフトもあるので、ぜひ使ってみてください。実際に使って使い心地を確認しながら検討するのがおすすめです。

中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。


フリーランスWEBライター
URL:https://twitter.com/kakeru5152

元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。

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