ナースコールの基礎知識 | 仕組みや構造、選び方を解説【2022】

投稿日 2022.04.01 / 更新日 2022.06.16
投稿者:豊田 裕史

多くの病院や介護施設で目にするナースコール。施設で働く人は日ごろから使っている機器ですが、ナースコールが動く仕組みや関連する法律などを知っている人は多くないのではないでしょうか。

この記事では、医療福祉施設にとってなくてはならないナースコールの基本から最新のトレンドまで、詳しく紹介します。施設責任者が知っておきたいナースコールの法律・設置義務も解説しますので、ぜひ最後までご一読ください。

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この記事は2022年3月時点の情報に基づいて編集しています。


ナースコールの仕組みや構造

ナースコールとは、患者様が看護師などのスタッフを呼び出すために使うツールです。ここではナースコールの概要や仕組み、できることを解説します。


ナースコールとは

ナースコールとは、医療福祉施設の患者様や利用者が、スタッフをすぐ呼べるように設置するツールのことです。ナースコールは、患者様にとって重要な「ライフライン」としても機能します。単純に患者様とスタッフ間で会話するだけのものから、介護記録システムや人感センサーと連携できるものまで、システムによって使える機能はさまざまです。

法律により病院や介護施設での設置が義務づけられているため、各事業者は自施設の規模や目的に応じて適切なナースコールを選択する必要があります。


ナースコールの構造

ナースコールの制御方法は、以下の3つです。

  1. ナースコール専用システム
  2. 電話設備使用
  3. 外部ソフトウェア

1つ目のナースコール専用システムは、メイン制御として「ナースコール制御装置」を使用します。ナースコールシステムの単体利用もできますが、ハンディナースやビジネスフォンと連携させるには専用機器の追加設置が必要です。いわゆる「従来型のナースコール」と呼ばれるもので、過去の信頼と実績から多くの医療福祉施設で利用されています。

2つ目の電話設備を使用する方法は、メイン制御として「ビジネスフォン制御装置」が使われているタイプです。拡張性の高さが特徴で、要望に応じた機能を自由に組み合わせられるシステムもあります。電話交換機一体型では初期導入費用を安く抑えられることもあり、小規模施設での利用にもおすすめです。

3つ目は、ソフトウェアを使用して無線で通信するタイプです。配線工事にかかる費用を抑えられるため、導入時のコストカットにつながります。デメリットは、有線と比較して通信状況が安定しにくいことです。また、ソフトウェアによっては通知が届くだけで音声通話ができないものもあります。


ナースコールとICT機器の連携

国が推進する医療・介護現場の生産性向上やICT化の流れを受け、医療福祉施設でもICT化の機運が高まっています。たとえば、患者様の対応後にナースコールで介護入力できるものやインカム連携できるものは、業務の効率化にも効果的です。さまざまな電子機器を相互に連携させて使う動きは、今後もますます加速していくでしょう。


ナースコールとスマートフォンの連携

新たな運用形態として、ナースコールとスマートフォンを連携できるシステムを導入する施設があります。PHSの子機がスマートフォンに置き換わることを想像してもらえばよく、同システムの活用により以下3つのメリットを享受することが可能です。

  1. 電話だけでなくチャットもできる
  2. 複数台のスマートフォンへ一斉呼び出しができる
  3. 通常の電話としても活用できる

スマートフォンと連携できるナースコールは、主に介護施設向けとして導入が進んでいます。

ナースコールとスマートフォンの連携については 「ナースコールとスマホ連携で業務効率化|対応できるメーカー一覧も」でも詳しく解説しています。参考にしてください。


公衆PHSサービスが終了

スマートフォンと連携できるナースコールが注目されている背景として、公衆PHSサービスの終了があります。PHSは長きにわたり多くの医療福祉施設で利用されてきましたが、PHS提供事業者から2021年1月31日でサービス終了することが発表されました。また、旧規格のPHS(アナログ簡易無線機)も、2022年11月30日から使えなくなることが決まっています。

補足として、PHSサービスが終了するのは屋外の外線番号を使った通話サービスであり、院内の内線番号による通話は今後も問題なく使用できます。ただ、公衆PHSサービスの終了に伴い、故障をはじめ不具合が出た際のメンテナンス依頼は今までより困難になるかもしれません。PHSを使わない連絡手段としても、スマートフォンの活用は検討が迫られているといえます。


ナースコールとインカムの連携

主に介護施設向けのシステムとして業務効率化にも役立つのが、ナースコールとインカムの連携です。インカムとハンディナース(子機)の2台持ちが解消され、ハンディナースだけで両方の機能を満たせます。ハンズフリーで常に会話ができるため、スタッフ同士の情報共有を円滑化することも可能です。


ナースコールと見守りシステムの連携

徘徊が心配な利用者や転倒の早期発見に効果的なのが、ナースコールと見守りシステムの連携です。たとえば介護施設の居室に離床センサーを設置することで、利用者がベッドから離れた際にセンサーが反応し、自動でナースコールを鳴らせます。他にも患者様のバイタル情報を感知するセンサー、利用者の動きを感知するマットセンサーなどとナースコールを連携することが可能です。


ナースコールと介護記録システムの連携

ナースコールと介護システム(介護ソフト)の連携は、スタッフの業務効率化に効果的です。たとえば、以下のようなメリットを享受できます。

  1. ナースコールの呼び出しがあった日時を自動で介護システムに記録できる
  2. スマートフォンと連携していれば、その場で介護記録入力を完了できる

ナースコールと介護システムを連携させれば、ハンディナースの端末と介護記録を入力する端末で2台持ちする必要はありません。


まとめ

ナースコールは、法律によって病院や介護施設での設置が義務づけられているツールです。単純にスタッフを呼び出すだけでなく、ICT製品との連動により業務効率化ツールとしても活躍します。

以前はインターホン型が主流でしたが、今では電話設備一体型や無線型など、さまざまな種類のナースコールを選べるようになりました。導入までの期間や費用は、メーカーごとに差があります。

本記事の内容を参考にして、自施設に適したナースコールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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総合病院

URL:https://twitter.com/dr_shinpaku

呼吸器専門医、指導医、総合内科専門医、研修医指導医、医学博士。総合病院勤務医として臨床または研究に従事し、若手指導にあたりながら、これまで培った経験を生かして医師ライターとしても大手医療メディアなどで多数の記事作成を行っている。また専門知識を生かして監修や編集、Webディレクターとしても活動している。
最近は予防医学、デジタルヘルス、遠隔医療、AI、美容、健康、睡眠などに関心を広げデジタルヘルス企業に関する記事の連載も行っている。
正しい医療知識の普及や啓蒙のために日本語又は英語で発信を行いながら様々な企業との連携やコンサルティングも経験し、幅広い分野での貢献に努めている。
複数の学会に所属し、論文執筆、国内・国際学会発表による研鑽を積んでいる。


セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.

URL:https://twitter.com/toyoda_2ndLabo

セカンドラボ株式会社の社員。病院・介護施設のDX&業務効率化オタク。中小企業診断士取得予定(8月)です。毎日医療福祉施設向けの製品やサービス、企業の調査研究を行っています。

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