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この記事は2022年3月時点の情報に基づいて編集しています。
ナースコールとは、患者様が看護師などのスタッフを呼び出すために使うツールです。ここではナースコールの概要や仕組み、できることを解説します。
ナースコールとは、医療福祉施設の患者様や利用者が、スタッフをすぐ呼べるように設置するツールのことです。ナースコールは、患者様にとって重要な「ライフライン」としても機能します。単純に患者様とスタッフ間で会話するだけのものから、介護記録システムや人感センサーと連携できるものまで、システムによって使える機能はさまざまです。
法律により病院や介護施設での設置が義務づけられているため、各事業者は自施設の規模や目的に応じて適切なナースコールを選択する必要があります。
ナースコールの制御方法は、以下の3つです。
1つ目のナースコール専用システムは、メイン制御として「ナースコール制御装置」を使用します。ナースコールシステムの単体利用もできますが、ハンディナースやビジネスフォンと連携させるには専用機器の追加設置が必要です。いわゆる「従来型のナースコール」と呼ばれるもので、過去の信頼と実績から多くの医療福祉施設で利用されています。
2つ目の電話設備を使用する方法は、メイン制御として「ビジネスフォン制御装置」が使われているタイプです。拡張性の高さが特徴で、要望に応じた機能を自由に組み合わせられるシステムもあります。電話交換機一体型では初期導入費用を安く抑えられることもあり、小規模施設での利用にもおすすめです。
3つ目は、ソフトウェアを使用して無線で通信するタイプです。配線工事にかかる費用を抑えられるため、導入時のコストカットにつながります。デメリットは、有線と比較して通信状況が安定しにくいことです。また、ソフトウェアによっては通知が届くだけで音声通話ができないものもあります。
国が推進する医療・介護現場の生産性向上やICT化の流れを受け、医療福祉施設でもICT化の機運が高まっています。たとえば、患者様の対応後にナースコールで介護入力できるものやインカム連携できるものは、業務の効率化にも効果的です。さまざまな電子機器を相互に連携させて使う動きは、今後もますます加速していくでしょう。
新たな運用形態として、ナースコールとスマートフォンを連携できるシステムを導入する施設があります。PHSの子機がスマートフォンに置き換わることを想像してもらえばよく、同システムの活用により以下3つのメリットを享受することが可能です。
スマートフォンと連携できるナースコールは、主に介護施設向けとして導入が進んでいます。
ナースコールとスマートフォンの連携については 「ナースコールとスマホ連携で業務効率化|対応できるメーカー一覧も」でも詳しく解説しています。参考にしてください。
スマートフォンと連携できるナースコールが注目されている背景として、公衆PHSサービスの終了があります。PHSは長きにわたり多くの医療福祉施設で利用されてきましたが、PHS提供事業者から2021年1月31日でサービス終了することが発表されました。また、旧規格のPHS(アナログ簡易無線機)も、2022年11月30日から使えなくなることが決まっています。
補足として、PHSサービスが終了するのは屋外の外線番号を使った通話サービスであり、院内の内線番号による通話は今後も問題なく使用できます。ただ、公衆PHSサービスの終了に伴い、故障をはじめ不具合が出た際のメンテナンス依頼は今までより困難になるかもしれません。PHSを使わない連絡手段としても、スマートフォンの活用は検討が迫られているといえます。
主に介護施設向けのシステムとして業務効率化にも役立つのが、ナースコールとインカムの連携です。インカムとハンディナース(子機)の2台持ちが解消され、ハンディナースだけで両方の機能を満たせます。ハンズフリーで常に会話ができるため、スタッフ同士の情報共有を円滑化することも可能です。
徘徊が心配な利用者や転倒の早期発見に効果的なのが、ナースコールと見守りシステムの連携です。たとえば介護施設の居室に離床センサーを設置することで、利用者がベッドから離れた際にセンサーが反応し、自動でナースコールを鳴らせます。他にも患者様のバイタル情報を感知するセンサー、利用者の動きを感知するマットセンサーなどとナースコールを連携することが可能です。
ナースコールと介護システム(介護ソフト)の連携は、スタッフの業務効率化に効果的です。たとえば、以下のようなメリットを享受できます。
ナースコールと介護システムを連携させれば、ハンディナースの端末と介護記録を入力する端末で2台持ちする必要はありません。
ナースコールの代表的なメーカーを紹介します。メーカーごとに種類や特徴は異なるため、自施設に最適なシステムを選ぶことが重要です。
株式会社ケアコムのナースコールは業界シェアが大きく、一般的なナースコールとしてイメージされやすい「インターホン型」を提供しています。
たとえば「PLAIMH NICSS(プライマ ニックス)」はスマートフォンとも連携できるため、ナースステーションから離れた場所で作業していても通知を受け取ることが可能です。
画面上で複数の患者様による呼び出しを同時に表示できることから、対応の優先度を判断できます。
「NICSS-EX8」は、さまざまなシステム・機器と連動できる病棟業務支援プラットフォームです。トイレ離座検知システムでは、患者様の立ち上がり動作を離座センサーが検知し、転倒前にスタッフが駆けつけられるようサポートします。
株式会社ケアコムの比較ポイント
対象施設 | 医療機関、介護施設 |
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参考価格 | 要問合せ |
連携機器 | PHS、スマートフォン、院内情報システム(医事システム、オーダリングシステム、電子カルテ、介護ソフト)など |
設置方法 | いずれも対応(商品により異なる) |
アイホン株式会社のナースコールは病院を中心に多くの施設で導入され、ケアコムと並んで「インターホン型」の二大大手として知られています。
同社の「Vi-nurse(ビーナース)」は、映像や情報の見える化を実現したスマートフォンとも連携できるナースコールシステムです。独自のセンサーでバイタルサインの測定が可能なスマートベッドシステムをはじめ、さまざまなサービスや機器と連動できます。「緊急通報装置」は、緊急ボタンやセンサーの作動により、あらかじめ設定した連絡先へ異常を知らせるシステムです。スタッフ不在時は、ケアセンターが通報内容を確認します。「緊急通報装置」は、サービスつき高齢者向け住宅に最適です。
アイホン株式会社の比較ポイント
対象施設 | 医療機関、介護施設、一般住宅など |
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参考価格 | 要問合せ |
連携機器 | PHS、スマートフォン、位置情報システム、電子カルテなど |
設置方法 | いずれも対応(商品により異なる) |
株式会社ナカヨは、「電話機一体型ナースコールシステム」を扱っています。1944年の創業以来、電話機部品メーカーとして電気通信分野に携わってきました。
介護連携ソリューション「NYC-Si緊急呼出コールシステム」は、介護業務の効率化やスタッフの負担軽減にもこだわったコミュニケーションツールです。インカムや介護ソフトなどさまざまなシステムと連携でき、ICT導入支援事業の対象でもあります。インカム機能を使用してハンズフリーで情報共有することで、別な業務の対応中でもスタッフ間の声での連携が可能です。同製品は、介護施設や高齢者住宅向けの施設におすすめです。
電気通信分野が主力事業であることから、「ナースコール」でなく「緊急呼出コールシステム」と呼んでいるそうです。
株式会社ナカヨの比較ポイント
対象施設 | 介護施設 |
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参考価格 | 要問合せ |
連携機器 | PHS、スマートフォン、介護ソフト、見守りセンサー、インカムなど |
設置方法 | 無線 |
岩崎通信機株式会社は、情報通信・電子計測・印刷システムの3分野を軸に事業領域を築いてきた企業です。ナカヨとともに、「電話機一体型ナースコールシステム」の主要メーカーとして知られています。
同社の「ナースコール連動システム」は、PHS連動型のナースコールシステムを低コストで導入することが可能です。PHS端末を利用することで、職員がナースステーションにいなくても呼び出しに対応できます。端末の種類は、全部で以下の3タイプです。
PHS端末は、スタッフ同士の連絡にも使えます。
岩崎通信機株式会社の比較ポイント
対象施設 | 医療機関、介護施設 |
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参考価格 | 要問合せ |
連携機器 | PHS、ベッドセンサー、ネットワークカメラなど |
設置方法 | 有線 |
株式会社平和テクノシステムは、30年以上にわたって介護機器や通信ネットワーク機器などを販売してきた企業です。同社のYuiコールは800を超える施設に導入されており、「第三のナースコール」として需要が増えています。
Yuiコールは、独自開発された制御装置により「ナースコール」「電話設備」「ハンディナース(PHS)」の一体化に成功しました。同製品の特徴は、低コストでありながら高い拡張性を持つことです。施設に合わせてシステムの自由な組み合わせができます。
設置場所ごとに、有線タイプと無線タイプの呼び出し機器を使い分けることも可能です。また、ハンディナース端末とのシステム連携により、館内放送やドア解錠などをワンタッチで操作できます。Yuiコールはオールインワン型であるため、導入コストを抑えられることも特徴です。
株式会社平和テクノシステムの比較ポイント
対象施設 | 介護施設 |
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参考価格 | 要問合せ(オプション次第) |
連携機器 | PHS、スマートフォン、介護ソフト、見守りカメラなど |
設置方法 | 無線 |
名電通株式会社は、1974年の創業以来、ビジネスフォン業界で長く活躍し続けている企業です。信頼と実績をもとに、現在も多くの通信機器を販売しています。
同社のナースエコールは、従来式ナースコールの約半額で導入できる「電話機一体型ナースコールシステム」です。一元管理システムにより、複数施設で「拠点間内線通話」「拠点間着信転送機能」を活用できます。高い拡張性を備えたナースコールシステムを低価格で導入できる点が特徴です。また、無線と有線の両方で運用できるハイブリッド型のナースコールでもあります。非常時のみ、親機と子機を有線で接続することも可能です。
名電通株式会社の比較ポイント
対象施設 | 医療機関、介護施設 |
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参考価格 | 7,800円/月~(小規模施設の場合。要問合せ) |
連携機器 | PHS、スマートフォン、各種センサー、インカムなど |
設置方法 | 無線 |
株式会社インフィック・コミュニケーションズは、介護総合支援事業を展開している企業です。介護のIoT化にチャレンジする、新興勢力ナースコールメーカーでもあります。グループ会社が介護・福祉を専業としてきたため、介護事業運営ノウハウをもとにした製品開発が強みです。
「LASHIC-call」は、家庭用ナースコールとして、簡単な操作で緊急時にすぐ通話ができます。別売りの居室センサー「LASHIC-room」と併用することで、介護施設と同様に24時間の見守りを自宅で受けることが可能です。インターネット環境を利用しますが、もしWi-Fiがない場合は通信端末をレンタルできます。
株式会社インフィック・コミュニケーションズの比較ポイント
対象施設 | 介護施設 |
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参考価格 | 2,178 円/月~(別途Wi-Fi、インターネット回線が必要) |
連携機器 | スマートフォン、見守りセンサーなど |
設置方法 | 無線 |
ジーコム株式会社は、近距離無線の能力を活用したワイヤレスネットワークシステムの開発・製造を手がける企業です。新興勢力ナースコールメーカーとして、医療福祉施設へも無線ケアコールを提供しています。
同社の「ココヘルパ」は拡張性が高く、見守りシステムや介護ソフトなどとも連携できる 無線式のナースコールです。映像会話機能が搭載されており、複数の呼び出しがあった場合でもスマートフォンの画面上で緊急度を把握できます。また、見守りセンサーごとに通知音の切り替えや居室名の音声読み上げができるため、状況判断がしやすくなります。ココヘルパはシリーズ化されており、医療福祉施設の目的に応じた製品を選ぶことが可能です。施設の規模や求める機能に応じて適したシステムを選ぶことがおすすめです。
ジーコム株式会社の比較ポイント
対象施設 | 介護施設 |
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参考価格 | 要問合せ |
連携機器 | スマートフォン、介護ソフト、見守りセンサーなど |
設置方法 | 無線 |
ハカルプラス株式会社は、電気計測機器やメディカルケア機器などの開発・製造を手がけています。1916年創業と歴史は古く、今では国内外にネットワークを持つ老舗企業です。
「コンセントコール」は、工事不要の呼び出し通知システムです。Wi-Fiも必要なく、コンセントに挿すだけですぐ使えます。呼び出しボタンを押すと親機とペンダントに部屋番号が表示され、呼び出し音が流れる仕組みです。最短10日で利用でき、いきなりの導入に不安がある場合はデモ機貸出サービスで実際の機器を試せます。予算がない施設や緊急でコールシステムが欲しい施設などにおすすめです。
ハカルプラス株式会社の比較ポイント
対象施設 | 介護施設、医療機関 |
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参考価格 | ライトシリーズ合計:¥65,000 スタンダードシリーズセット(上限20床):¥136,000 スタンダードシリーズセット(上限100床):¥176,000 |
連携機器 | ー |
設置方法 | コンセント接続 |
株式会社マイコールは、ワイヤレスチャイムや呼び出しベルなど飲食店や福祉施設に必要な機器を提供している企業です。ワイヤレス機器を通じて、日本の高齢化社会に役立つ事業を展開しています。
ワイヤレスコールシステム「SMADIO(スマジオ)」は、配線工事をしなくても導入できる無線呼び出しシステムです。同製品は工場や飲食店で使用されていますが、介護施設や病院用のナースコールタイプ送信機も用意されています。呼び出しボタンを押すと受信機へ番号が表示されるだけでなく、腕時計型レシーバーでも受信することが可能です。そのため、腕時計型レシーバーを身につけていれば本体受信機から離れた場所での作業もできます。
株式会社マイコールの比較ポイント
対象施設 | 介護施設 |
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参考価格 | 40万円程度 |
連携機器 | 呼び出しベル、レシーバー |
設置方法 | 無線 |
株式会社iSEEDは、ICT技術を活用して明るい高齢化社会の実現をめざす企業です。これまでに徘徊感知システムや位置情報検索システムなどを販売してきました。
さまざまな機能をスマートフォンで一元管理できる「パルモスマートコール」を提供しています。パルモスマートコールは、長距離での無線通信を可能にした新世代の無線ナースコールです。見守りシステムと連動したバイタルサインの管理や、スマートフォン上での介護記録の入力もできます。同製品は拡張性が高く、施設の規模に応じてシステムを自由に選択することが可能です。
費用を抑えて導入したい方向けには、ナースコール機能のみを備えた「ナースコールシステム R-A型」があります。他にも大声を出したり、暴れたりした時に自動で呼び出しをかける「セーフティモニタ付システム」やエリア内であればどこでも呼び出しを受けられる「ハンディナースコールシステム」などが用意されているので、あらゆる状況に対応できるでしょう。
株式会社iSEEDの比較ポイント
対象施設 | 医療機関、介護施設 |
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参考価格 | 要問合せ |
連携機器 | スマートフォン、見守りセンサー、インカムなど |
設置方法 | 無線 |
株式会社パシフィック湘南は、飲食店や工場などに無線機器を製造・レンタルしている企業です。病院・クリニックに対しても、患者様の呼び出しに使用できる呼び出しベルシステムを提供しています。
同社の「ソネット君」は、医療福祉施設でもナースコールとして活用できるオーダーコールシステムです。受信機と送信機のラインナップが多く、設置場所や活用シーンに応じてさまざまな種類を選べます。1台の受信機でエリア別に呼び出し音を分けることもでき、チャイムの種類は全部で14つです。オプションで人感センサーを導入すれば、人の動きをキャッチして受信表示機に音や番号で知らせることも可能です。
株式会社パシフィック湘南の比較ポイント
対象施設 | 介護施設、医療機関 |
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参考価格 | 要問合せ |
連携機器 | 量77g、単4アルカリ乾電池×2本 |
設置方法 | 無線(呼び出しベル) |
ナースコールは、法律によって病院や介護施設での設置が義務づけられているツールです。単純にスタッフを呼び出すだけでなく、ICT製品との連動により業務効率化ツールとしても活躍します。
以前はインターホン型が主流でしたが、今では電話設備一体型や無線型など、さまざまな種類のナースコールを選べるようになりました。導入までの期間や費用は、メーカーごとに差があります。
本記事の内容を参考にして、自施設に適したナースコールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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業界に精通したコンシェルジュが、希望条件をお伺いし、ピッタリなメーカー・システムをご紹介いたします。
完全無料で何度でも相談可能です。相場情報や補助金情報などの質問にも丁寧にお答えいたします。
専門知識がなくて不安だという方も、お気軽にお問い合わせください。
豊田 裕史
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://twitter.com/toyoda_2ndLabo
セカンドラボ株式会社の社員。病院・介護施設のDX&業務効率化オタク。中小企業診断士取得予定(8月)です。毎日医療福祉施設向けの製品やサービス、企業の調査研究を行っています。