給食委託の費用はどれくらい?業者選定時のポイントも解説

更新日 2023.09.26
投稿者:豊田 裕史

医療機関や介護施設において、利用者へ提供する食事の質について近年注目されていますが、提供される食事を業者へ委託して作ってもらう場合もあります。
しかし、どれくらい費用が必要でどんなポイントを重視し業者を選べば良いのか、迷ってしまう場合も多いのではないでしょうか。

そういった方へ向けて、今回は特に給食委託の費用について詳しく説明していきます。

給食委託とは?

給食委託とは、自施設で給食運営を行わずに外部へ任せる方法です。
給食運営の一部のみ、もしくは全てを委託することができます。

給食委託については給食委託とは?導入のメリットや直営との違いについても解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

給食委託の費用はどれくらい?費用の内訳も解説

給食委託の費用は、食事の種類や調理方法などのさまざまな要因によって左右されます。
それぞれを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

食事の種類と食数による違い

一般的な食事以外にも、アレルギーを考慮した食事や祝い膳、特別食などのさまざまな食形態があり、それぞれの食数によって費用が変わります。
定期的に残食調査を行い、契約数が適切かどうかを見直すことが大切です。

また、食数によって段階的に費用が変動する契約形態もあるので、しっかりとチェックを行うようにしましょう。

調理方法による違い

調理方法は主に3種類あり、以下の通りです。

  1. クックチル
  2. 現地調理
  3. 現地調理+クックチル

現地調理は、自施設で委託先の調理員が調理を行う方法です。高品質で、できたばかりの料理を提供することができます。
クックチルは、急速冷凍した料理を再加熱して給食を提供する方法です。調理場にクックチルの機械や食品を保存しておくスペースが必要ですが、効率的で衛生面でも安心な調理方法だと言えるでしょう。
③は、この二つを組み合わせた方法です。

それぞれにメリットデメリットがあるので、施設ごとの状況に応じて適切な調理方法を選ぶようにしましょう。

給食委託費用の具体例

食費について、1人あたり1日にかかる費用は600円〜800円が相場となっています。
また食費以外にも委託費用が必要です。

よって内訳は以下の通りになります。

食費(600~800円)×日数×人数+委託費

給食委託業者の選び方|価格以外のポイントもチェック

ここからは給食委託業者を選ぶ際のポイントについて解説します。
価格以外の細かい点までチェックするようにしましょう。

現地での要望に柔軟に対応してもらえるかどうか

施設ごとに必要な対応はさまざまです。各施設に応じた柔軟な対応をしてもらえる委託業者を選ぶようにしましょう。

料理の品質はもちろんですが、アレルギー対応や利用者の体調に合わせた食事などを考慮して、給食を提供してくれること、またそういった要望へ丁寧に対応してくれるかどうかが大切です。

事前にしっかり確認しておくことで、間違いのない選択ができるでしょう。

自社スタッフと適切に連携が取れるかどうか

自社からの指示が正しく伝わらないと、アレルギーや食事形態を誤ってしまい、結果的に重大な事故に繋がります。
しっかりと連携が取れる体制が整っているか、またスタッフのミスやトラブルを防ぐ仕組みがあるのかどうかを契約前に確認しておくようにしましょう。

また、施設内での連絡・指示の仕方などの統一も必須です。

費用の支払い方法

費用の支払い方法は大きく分けて2種類あり、委託会社ごとに異なります。業者を選ぶ際には、その点も踏まえて比較検討するようにしましょう。

委託費制(管理費制)

ひと月にかかる人件費などの定額費用に、食材費を足した金額を毎月支払うシステムです。食数により変動します。

食単位制

一食の食材費やさまざまな経費などを算定して支払うシステムです。食数の変動が少ない施設で導入されることが多いでしょう。

おすすめの給食委託会社6選

ここからはおすすめの給食委託業者を6つご紹介します。業者ごとの特徴を詳しくお伝えするので、ぜひ参考にしながら検討してみてください。

より詳しい給食委託会社については【2023年】委託給食会社14選|委託先の選び方まで詳しく解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

日清医療食品株式会社

日清医療食品株式会社

出典:日清医療食品株式会社 https://www.nifs.co.jp/

誰もが「食」を楽しむことができるようなメニュー開発を行っており、幅広い施設の導入実績があります。食品衛生管理の徹底を行うことや、専門の栄養士を効率的に配置することにより、健康的で美味しい食事を提供することが可能です。

品質や製造、物流段階での厳しい基準を確立しているので、安心して委託することができる企業です。

日清医療食品株式会社の比較ポイント

  • 1人ひとりの状況を踏まえ、バランスのとれた栄養摂取の設計
  • 医療・福祉・保育施設への安定した食事提供を実現
  • 管理栄養士が考案した、豊富で多彩な食事メニューがある

製品情報

対応エリア 全国
対応ジャンル 通常食、介護食、病院食
導入実績 保育施設、医療施設、福祉施設
特長・強み 業界大手で幅広く対応しており安定感がある。

株式会社ナリコマエンタープライズ

株式会社ナリコマエンタープライズ

出典:株式会社ナリコマエンタープライズ https://www.narikoma-group.co.jp/

ICTと最新の技術を活用して、高品質かつ高効率な「多品種大量生産」を行っています。
食中毒防止の為、加熱や冷却時の温度をデータで管理し記録しているので安心した食事提供が可能です。

日替わりのクックチル献立「すこやか」と、入院期間が短い急性期、回復期病院向けの28日サイクルの「やすらぎ」があります。

株式会社ナリコマエンタープライズの比較ポイント

  • 加熱や冷却時の温度をデータで管理・記録
  • 発注データを製造工程で活用し必要な食事を過不足なく提供
  • 工場内に異物やウイルスを持ち込まないようにする徹底した衛生管理

製品情報

対応エリア 対応地域拡大中(お問合せ)
対応ジャンル 病院食、介護職
導入実績 医療施設、福祉施設
特長・強み 家庭料理に合わせた調理法や、季節感のある食材を使用している。

株式会社グリーンハウス

株式会社グリーンハウス

出典:株式会社グリーンハウス https://www.greenhouse.co.jp/

医療食や介護食などに加えて学校給食も扱う会社で、高い品質の食事提供が強みです。
病院患者食は、病院の栄養摂取基準や栄養管理方針に則り、正しい食事提供を基本にしています。

季節の旬の食材を使用した食や、産科・小児科への祝い膳、アレルギーなどにも丁寧に対応し患者に寄り添った食事サービスです。

株式会社グリーンハウスの比較ポイント

  • 幅広いジャンルに対応し、高品質な食事提供
  • 四季折々の旬の食材を使用した行事食
  • 利用者の日々の体調や生活環境に合わせた、きめ細かい食事サービス

製品情報

対応エリア お問合せ
対応ジャンル 学校給食、介護食、医療食、福祉食
導入実績 介護施設、学校現場
特長・強み お客様一人ひとりの健康状態に合わせたフードサービスの提供。

エームサービス株式会社

エームサービス株式会社

出典:エームサービス株式会社 https://www.aimservices.co.jp/

通常食からアスリートのスポーツ栄養サポートまで幅広い食事提供を行っています。45年以上の実績から、多くの商社や施設でサービスを提供している点から、とても信頼の高い企業だと言えるでしょう。

ヘルスケアも行っており、病院や高齢者施設では患者の健康維持のため、高い専門性を活かした安心安全な食事サポートも行います。

エームサービス株式会社の比較ポイント

  • 学生食堂や総合商社にも食事サービスを提供している
  • エンターテイメント施設でカスタムメイドのサービスも提供
  • 病院や高齢者施設では安心安全な食事提供をサポート

製品情報

対応エリア お問合せ
対応ジャンル 通常食、医療食、介護食、福祉食、アスリートへのスポーツ栄養サポート
導入実績 総合商社、学生食堂、スポーツ施設
特長・強み オフィスからスタジアムまでの幅広い事業領域

株式会社LEOC

株式会社LEOC

出典:株式会社LEOC https://www.leoc-j.com/

さまざまな施設への導入実績があり、幅広いジャンルにも対応しています。
医療食では厳しい衛生管理のもと、食事提供を行っており安心安全な食事提供を最優先でサービスを行っていると言えるでしょう。

万が一の事態にも対応ができるよう、全事業所に食中毒対応マニュアルを完備しています。

株式会社LEOCの比較ポイント

  • 徹底した衛生管理で、安全な食事サービスを提供
  • 多くのリスクに備え、各種マニュアルを完備
  • 人や社会、地球環境のことを考えたサステナブルな取り組み

製品情報

対応エリア お問合せ
対応ジャンル 通常食、医療食、福祉食、介護食、アスリート食
導入実績 病院、福祉施設、大学、社員食堂
特長・強み さまざまな業種の受託実績がある。

株式会社メフォス

株式会社メフォス

出典:株式会社メフォス https://www.mefos.co.jp/

保育園や幼稚園の食事提供から学校給食、産業給食、病院食まで人のライフステージを網羅する食事サービスを提供しています。

食材の鮮度や旬にこだわるだけではなく、地域ごとの特産品を取り入れて、各地域ならではの料理を展開しバリエーションのある豊かな食卓を実現することが可能です。

株式会社メフォスの比較ポイント

  • HACCPに基づき、衛生管理マニュアルを作成し常備している
  • 地域に寄り添った食事提供
  • 60年にわたって培ってきた実績やノウハウがある

製品情報

対応エリア お問合せ
対応ジャンル 保育園・幼稚園給食、学校給食、医療食、福祉食、産業給食
導入実績 保育園、学校、福祉施設、産業施設、病院
特長・強み 60年にわたる事業展開で、給食委託会社としての豊富なノウハウと知見がある

給食委託費の見直しも大切

既に給食委託を導入している施設においても、見直しを行うことで料金が安くなることがあります。
現在の契約を見直し、場合によっては業者を変更したほうがよい場合もあるでしょう。

ここからは見直しの方法について解説していきます。

委託業務範囲の見直し

業務の一部分だけを委託している場合、自施設のスタッフが担当する業務と、委託先が行う業務が重なってしまっている場合があります。

契約時に業務内容が明記されているはずなので、そういったことがないかを一度チェックすると良いでしょう。

契約を見直すことで、費用の削減を行うことが可能です。

食数の見直し

施設でどのくらいの食数が必要なのか見直しましょう。その際に、一般食、特別食など食事の種類を分けて食数を算定するようにしてください。

契約内容によっては、食数によって委託費用が徐々に上がるものもあるので、定期的にチェックすることが大切です。

調理方式の見直し

現地調理で委託している場合は、自施設の調理場を使用すると思いますが、委託先によっては、一括調理したものを配送してもらう方法もあります。

施設の設備や費用を考慮して、見直してみてください。

安易なコストダウンは注意が必要

ここまで給食委託の費用に関して解説してきましたが、一方で安ければ良いというわけではありません。
コスト重視にして味を落とすと、結果的に利用者や入居者の退去に繋がってしまい、施設運営上の問題に繋がっていくこともあります。

コストを削減することは施設を運営していく上でとても重要なことですが、利用者の満足度が下がってしまうのは良いことだと言えません。
美味しい食事を食べられることで、体調がよくなったり、生きがいに繋がったりすることもあります。

費用と食事サービスのバランスを考慮した上で、より良い選択をすることが大切です。

まとめ

本記事では、給食委託の費用やおすすめの給食委託会についてお伝えしました。

必要な食数や食事の種類を把握し、施設に応じた丁寧な対応をしてくれる業者に委託することが大切です。

すでに委託している場合でも、委託業務範囲や食数を見直すなどして、定期的にチェックしてみてください。業者を選び直すことも、費用削減の有効な手段になるでしょう。
安易なコスト削減には注意して、費用と食事サービスのバランスをよく考えることが重要です。

ぜひお伝えした内容を参考に、給食委託を検討してみてください。

中小企業診断士
セカンドラボ株式会社 PR Solution Div.
URL:https://note.com/2ndlabo/n/n949eaa3e9d69

北海道大学を卒業後、医療機器の営業として6年間勤務。外科、整形外科、泌尿器科領域を中心に民間・国公立の病院を担当。2020年よりセカンドラボ株式会社に入社。医療福祉施設の課題解決プラットフォーム「2ndLabo」にて各種ITツール、医療機器の導入支援、クリニック開業支援に従事。

2ndLaboのサービスを通じて、これまで1,000件を超えるサービス導入支援・開業支援を担当。得意分野は、電子カルテ、介護ソフト、各種医療機器。


フリーランスWEBライター
URL:https://twitter.com/kakeru5152

元高校国語教師。3年ほど教育現場で働き、フリーランスWEBライターとして独立。様々なメディアで記事を制作。ディレクターとしても活動。個人でブログも運営しており、情報発信も行なっています。

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