自動精算機は、会計時のスタッフの業務負担軽減や人件費を抑えられるとして、需要が高まっています。自身の病院やクリニックでも導入を検討しているものの、自動精算機は大型のものが多く、院内スペースでは置けないとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、自動精算機の概要や導入するメリットについて解説し、病院やクリニックに設置できる小型の自動精算機もご紹介します。
また、小型自動精算機のサイズ早見表と小型サイズの中の自立型、卓上型に分けて代表的な製品についても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
最初に自動精算機の概要、使い方のイメージを解説し、導入することでどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
自動精算機〈フルセルフレジ〉は、会計業務の精算から金銭のやりとりまで全て一人で行うことができる機械のことを表します。自動精算機を導入することで、会計業務にあたる人員を減少させることができるため、作業効率化や人的ミス減少などの効果が期待されています。
自動精算機には床置き型と卓上型があります。本記事でもそれぞれ製品をピックアップしているので参考にしてください。
※自動精算機〈フルセルフレジ〉と似た製品に自動釣銭機(≒セミセルフレジ〉があります。本記事では自動精算機〈フルセルフレジ〉の内容を中心に紹介しています。
自動精算機(フルセルフレジ)については、「【後悔しない】クリニック向け自動精算機メーカーの選び方を徹底解説」でも詳しく取り上げています。参考にしてください。
自動釣銭機〈セミセルフレジ〉については、「【2025】自動釣銭機・POSメーカー徹底比較|価格や運用方法等」で詳しく取り上げています。参考にしてください。
ここでは、例として病院やクリニックに自動精算機を導入した後、どのようにして会計業務がされるかの使い方について解説します。自動精算機の使い方は以下のような流れです。
| STEP1 | 診療費の確定を利用者(患者様)に伝える。(モニターに番号を表示させて知らせるなど) |
|---|---|
| STEP2 | 利用者は自動精算機で、診察券のバーコードやQRコードなどを読み取る。 |
| STEP3 | 自動精算機から診療費が表示されるので、確認する。 |
| STEP4 | 自動精算機が対応している支払い方法に沿って診療費を払う。 |
| STEP | 支払いが完了すると、明細書・領収書が自動精算機から発行される。 |
上記はあくまで一例ですが、導入することでスタッフの業務負担軽減ができ、人件費を抑えることが可能です。自動精算機の導入後のイメージができたところで、次に導入するメリットを解説していきます。
自動精算機を導入するメリットは以下の通りです。一つずつ見ていきましょう。
自動精算機を導入することにより、会計業務に時間を割いていたスタッフの労力が減り、会計業務に人員を割く必要がなくなります。会計業務を全て自動精算機に任せられるため、別の業務にスタッフを配置することが可能です。
また、自動精算機が会計業務を行うことで、ヒューマンエラーなどによる会計ミスが減り、違算や過不足が減ります。
ある程度の初期投資は必要ですが、人件費を抑えることもできるため、長期的な視点で考えると人件費を払い続けるよりもコストダウンにつながり、業務効率化を図ることができるでしょう。
自動精算機の導入は、会計の待ち時間を減らし、患者満足度向上につながります。キャッシュレス化が進む中で、現金以外にもクレジットカードや電子マネーなどの支払い方法にも対応することで、患者様にストレスを与えることなく会計を済ませることができます。
また、高齢者など機器を使い慣れていない方には、自動精算機に大型のカラーディスプレイを導入することにより、一目でわかるように操作ができ、会計待ちの時間を大幅に削減することが可能です。
上記のメリットを見てもらうとわかるように、自動精算機を導入するメリットは大きく、長期的な視点で見ると非常に大きなコストダウンにつながるでしょう。
自動精算機のメリットについては、「クリニックで自動精算機を導入するメリットを解説|4種類の運用方法も紹介」でも詳しく取り上げています。参考にしてください。
自動精算機の導入を検討しているものの、自院に置くスペースがないとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自動精算機には省スペースで設置可能な小型(薄型)な機種や卓上型もあります。主要な自動精算機のサイズを一覧表にまとめましたので、自院での設置スペースを確認する際の参考にしてみてください。
■床置き型
| 企業名 | 製品名 | サイズ |
|---|---|---|
| 株式会社GENOVA | NOMOCA-Stand | W490 × D295 × H1460mm |
| クリニックキオスクBIZ | Clinic KIOSK | W490 × D295 × H1460mm |
| GMOヘルステック株式会社 | ハヤレジスタンド | W536 × D490 × H1400mm |
| 株式会社電算システム | FLEXCOM Pay | W360 × D250mm × H1525mm |
| 株式会社アルメックス | FIT-A | W490 × D295 × H1460mm |
■卓上型
| 企業名 | 製品名 | サイズ |
|---|---|---|
| 株式会社GENOVA | NOMACA-Desk | W480 × H121.5 × D530mm |
| GMOヘルステック株式会社 | ハヤレジセルフ | W450 × H205 × D595 mm |
| クリニックキオスクBIZ | Clinic KIOSK for Desktop | - |
| 株式会社HERO innovation | MEDISMA-レジ | W530 × H430 × D345 mm |
| 日立チャネルソリューションズ株式会社 | セルフォート | W560×D659×H580mm |
| 株式会社インテクア | スマセル | W385×D345×H430mm |
床置き型で小型自動精算機5選のサイズと特徴をご紹介します。

NOMOCa-Standは、患者様がタッチパネルで簡単に操作ができる自動精算機です。再来・再診時の受付が可能で診察券の読み取り機能を搭載しているため、待ち時間なくスムーズに受付を行うことが可能です。高齢者の方でも操作しやすいタッチパネルが搭載されており、誰でも簡単に操作できるためスタッフの労力軽減が期待できます。また、現金以外にも各種クレジットカードにも対応しているため、利便性に優れている自動精算機です。
株式会社GENOVAの比較ポイント
製品情報
| サイズ | W490×D295×H1460mm |
|---|---|
| 重量 | ー |
| レセコン・電カル連携 | 可能 |
| 対応貨幣 | ー |
| 対応キャッシュレス決済方法 | ー |
| 価格 | 要お問い合わせ |
NOMOCa-Stand (ノモカスタンド)についてはノモカスタンドの評判は?|機能や導入に向いているクリニックなど詳しく解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

「Clinic KIOSK」は、1000件以上の導入実績がある自動精算機です。Clinic KIOSKの特徴は、再来受付機と自動精算機の機能が一台に集約されているため、電子カルテや予約システムと連携し、セルフ受付を可能にしています。
さらに、診療後の会計時の待ち時間を短縮するためにセルフ入金にも対応しており、領収書や診療明細書、予約票なども発行できます。また、自分が呼ばれるまで待合室を離れることに不安を感じる方もいるでしょう。Clinic KIOSKは不在時に呼ばれた場合でもモニターで番号を確認できるので、事務スタッフへの問い合わせ減少にもつながります。
株式会社クリニックキオスクBIZの比較ポイント
製品情報
| サイズ | ー |
|---|---|
| 重量 | ー |
| レセコン・電カル連携 | 可能 |
| 対応貨幣 | ー |
| 対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード |
| 価格 | 要お問い合わせ |

ハヤレジスタンドは、大手コンビニや大手スーパーなどでも導入されているグローリー製を採用しています。自動精算機のハヤレジスタンドの特長は、準備金の計数を登録しておくことで設定した金種・枚数だけが自動釣銭機内に残置され、余剰分の紙幣と硬貨は自動で返却されます。
売上金の計数や回収、硬貨、紙幣ごとの計算をすべて自動で行うことが可能です。手動でした場合は、10分程度かかりますが、ハヤレジスタンドは約40〜60秒にまで短縮することができます。また、家族や兄弟などの診療費を同時に精算することも可能です。
GMOヘルステック株式会社の比較ポイント
製品情報
| サイズ | W536×D490×H1400mm ※突起部:約120(D)mm |
|---|---|
| 重量 | 約89.8kg |
| レセコン・電カル連携 | 可能 |
| 対応貨幣 | ー |
| 対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード |
| 価格 | 要お問い合わせ |

クリニック・診療所向けの自動精算機「FLEXCOM Pay」を導入することで、違算防止、業務効率化、感染症対策、会計時の待ち時間の削減などが可能です。奥行250mm×幅360mm×高さ1525mmのコンパクトな設計で、自動精算機の大きさが課題で導入を諦めていたクリニックや診療所にも導入しやすい設計になっています。
また、現金やクレジットカード以外にもQRコード決済や電子マネーも対応しており、利便性向上を図ることが可能です。操作は、10.1インチのカラータッチパネルディスプレイを搭載しており、機器を扱い慣れていない方でも簡単に操作することができます。
株式会社電算システムの比較ポイント
製品情報
| サイズ | W360×D250mm×H1525mm |
|---|---|
| 重量 | ー |
| レセコン・電カル連携 | ー |
| 対応貨幣 | 千円、500円、100円、50円、10円 |
| 対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード、電子マネー、QRコード決済 |
| 価格 | 要お問い合わせ |

「FIT-A」は、薄型コンパクトボディのフルキャッシュレス決済に対応した小規模医療施設向けの自動精算機です。磁気ストライプの診察券、バーコード診察券の読み取りが可能で、サーマルプリンターにより診療費の領収書や診療明細書の発行ができます。
また、紙幣、硬貨を一括で入金することができるため、患者様の利便性向上が図ることが可能です。現金以外にも各種クレジットカード、電子マネー支払いにも対応しているため、スタッフの業務負担を軽減します。
株式会社アルメックスの比較ポイント
製品情報
| サイズ | W650×D860×H1770mm ※突起部は除く |
|---|---|
| 重量 | ー |
| レセコン・電カル連携 | 可能 |
| 対応貨幣 | 紙幣:1万円、5千円、千円 硬貨500円、100円、50円、10円、5円、1円 |
| 対応キャッシュレス決済方法 | 銀行Pay、クレジットカード、交通系ICカード(※今後対応予定) |
| 価格 | 要お問い合わせ |
続いて、卓上型の小型自動精算機6選をご紹介します。

クリニック向け精算機で、釣銭機型を採用しているのが大きな特徴です。ほぼすべてのレセコンとデータ連携が可能で、正確な会計と記録を実現します。また、従来の精算機と異なり全金種に対応し、お金の自動計数により金銭誤差を防ぎ締め作業を効率化します。これにより受付・会計業務の無人化や待ち時間の削減、患者満足度の向上、人件費を含むコスト削減に貢献します。
「NOMACA-Desk」の比較ポイント
製品情報
| サイズ | W480mm×D530mm×H121.5mm |
|---|---|
| 重量 | - |
| レセコン・電カル連携 | 可能 |
| 対応貨幣 | 紙幣:1万円、5千円、千円 硬貨500円、100円、50円、10円、5円、1円 |
| 対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード、電子マネー、QRコード決済 |
| 価格 | 要お問い合わせ |

ハヤレジセルフは、主にクリニックや歯科、薬局向けに開発された卓上型の自動精算機です。患者さん自身で会計操作を完結できるセルフレジで、受付スタッフの会計業務の負担を軽減し、金銭授受ミスを防ぎます。コンパクトながら自動釣銭機能を持ち、レセコンとの連携やバーコード入力にも柔軟に対応できるのが特徴です。保守費用も比較的安価で、新紙幣への対応費用も抑えられています。
「ハヤレジセルフ」の比較ポイント
製品情報
| サイズ | 450 (W) ×595 (D) ×205 (H)mm |
|---|---|
| 重量 | - |
| レセコン・電カル連携 | 可能 |
| 対応貨幣 | 紙幣:1万円、5千円、千円 硬貨500円、100円、50円、10円、5円、1円 |
| 対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード、電子マネー、QRコード決済 |
| 価格 | 要お問い合わせ |

「Clinic KIOSK for Desktop」は、クリニック・診療所専門の医事会計データ連動型卓上自動精算機です。電子カルテや医事会計システムと連携し、現金授受をセルフ化することで、正確かつ素早い会計を実現し、窓口業務の軽減と待ち時間短縮に貢献します。機能性とコストパフォーマンスの両立、さらに受付機としても利用できる多機能性が特徴です。クレジットカードやQRコード決済にも対応し、患者とスタッフの接触感染リスク低減にも役立ちます。
「Clinic KIOSK for Desktop」の比較ポイント
製品情報
| サイズ | 要お問い合わせ |
|---|---|
| 重量 | - |
| レセコン・電カル連携 | 可能 |
| 対応貨幣 | 紙幣:1万円、5千円、千円 硬貨500円、100円、50円、10円、5円、1円 |
| 対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード、電子マネー、QRコード決済 |
| 価格 | 要お問い合わせ |

株式会社HERO innovatioは、クリニックに特化した自動精算機「MEDISMA-レジ」を提供しています。レセコン連携により精算処理を患者さんのみで行うことができます。入金を記録するため、会計業務だけではなくレジ締め業務やレジの準備も大幅な効率化が実現できます。
横幅53cm、奥行き34.5cmとクリニックに特化したコンパクトなボディで、限られた通路やスペース、カウンターでも設置できるのが特徴。床置き型の自動精算機を導入できないクリニック様でも活用いただけます。
各種クレジット、QRなどのキャッシュレスに対応している点も安心です。
「MEDISMA-レジ」の比較ポイント
製品情報
| サイズ | W530 × H430 × D345 mm |
|---|---|
| 重量 | - |
| レセコン・電カル連携 | 可能 |
| 対応貨幣 | 紙幣:1万円、5千円、千円 硬貨500円、100円、50円、10円、5円、1円 |
| 対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード、電子マネー、QRコード決済 |
| 価格 | 要お問い合わせ |

クリニック向け自動精算機「セルフォート」は、機器に慣れていない高齢の患者様にも簡単に扱える自動精算機になります。15インチの大画面で、音声ガイダンスやイラスト、矢印などで次の操作がわかるようになっており、迷うことなく手続きを済ませることが可能です。
また、おつりを設置する際にも機械の扉を開け閉めすることなく、患者様と同じ挿入口から紙幣と硬貨をまとめて投入でき、おつりのセットをすることができます。受付と精算の一台二役なので、窓口が混み合う心配もなく、スタッフの業務負担軽減にもつながります。
日立チャネルソリューションズの比較ポイント
製品情報
| サイズ | W560×D659×H580mm |
|---|---|
| 重量 | 約65kg(本体のみ) |
| レセコン・電カル連携 | 可能 |
| 対応貨幣 | 紙幣:1万円、5千円、千円 硬貨500円、100円、50円、10円、5円、1円 |
| 対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード、電子マネー、QRコード決済 |
| 価格 | 要お問い合わせ |

スマセルシリーズは卓上、カウンター、自立式があり、クリニックに合った自動精算機の形を選ぶことができます。会計番号表示システム・ナンバーコールとの連携により、モニターで患者様を呼び出すことができ、個人情報の保護や院内での会話の軽減が実現可能。
また、待合室を離れた場所にいても患者様をメールで呼び出せる機能もオプションであるため、待合室の混雑や密を避けることが可能です。万が一、エラーが発生した場合でも、表示されたQRコードをスマホで読み取ることで専用サイトに解除方法の動画案内が行われ、簡単に対処できます。
株式会社インテクアの比較ポイント
製品情報
| サイズ | ー |
|---|---|
| 重量 | ー |
| レセコン・電カル連携 | 可能 |
| 対応貨幣 | ー |
| 対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード、電子マネー、QRコード決済 |
| 価格 | 要お問い合わせ |
自動精算機は、病院やクリニックでも導入事例が増えており、導入することで会計業務の効率化や会計待ち時間の削減による患者満足度の向上が期待されています。
導入コストはかかるものの、長期的な視点で考えると会計スタッフに人件費を割くよりコストダウンにつながるでしょう。
自動精算機の導入を検討中で、大型の製品を置くスペースがない方には、小型の自動精算機があります。床に設置する「自立型」とカウンターなどに置くことができる「卓上型」の2種類です。
本記事でご紹介した自動精算機を参考に、自院に最適な小型自動精算機を選ぶ判断材料にしてください。