自動精算機は、会計時のスタッフの業務負担軽減や人件費を抑えられるとして、需要が高まっています。自身の病院やクリニックでも導入を検討しているものの、自動精算機は大型のものが多く、院内スペースでは置けないとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、自動精算機の概要や導入するメリットについて解説し、病院やクリニックに設置できる小型の自動精算機もご紹介します。
また、小型自動精算機のサイズ早見表と小型サイズの中の自立型、卓上型に分けて代表的な製品についても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
自動精算機の機能はなんとなく理解しているものの、導入することで具体的にどのような効果をもたらすのか気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、自動精算機の概要、使い方のイメージを解説し、導入することでどのようなメリットがあるのかをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
自動精算機は、会計業務の精算から金銭のやりとりまで全て一人で行うことができる機械のことを表します。導入することで、会計業務にあたる人員を減少させることができるため、作業効率化や人的ミス減少などの効果が期待されています。
自動精算機には、「フルセルフレジ」と「セミセルフレジ」の2種類があり、今回ご紹介する自動精算機は、「フルセルフレジ」です。
フルセルフレジは前述した通り、“会計業務の精算から金銭のやりとりまで全て利用者が行う機械”であるのに対してセミセルフレジは、“商品のスキャンはスタッフが行い、精算は利用者が行う対面式のレジ”のことです。
また、小型の自動精算機には自立式と卓上タイプがあり、本記事でもそれぞれ製品をピックアップしているので参考にしてください。
自動精算機については、「【2024年版】自動釣銭機メーカー10社比較|価格や機能、運用方法を解説」でも詳しく取り上げています。参考にしてください。
ここでは、例として病院やクリニックに自動精算機を導入した後、どのようにして会計業務がされるかの使い方について解説します。
自動精算機の使い方は以下のような流れです。
上記はあくまで一例ですが、導入することでスタッフの業務負担軽減ができ、人件費を抑えることが可能です。
自動精算機の導入後のイメージができたところで、次に導入するメリットを解説していきます。
自動精算機を導入するメリットは以下の通りです。
一つずつ見ていきましょう。
自動精算機を導入することにより、会計業務に時間を割いていたスタッフの労力が減り、会計業務に人員を割く必要がなくなります。会計業務を全て自動精算機に任せられるため、別の業務にスタッフを配置することが可能です。
また、自動精算機が会計業務を行うことで、ヒューマンエラーなどによる会計ミスが減り、違算や過不足が減ります。
ある程度の初期投資は必要ですが、人件費を抑えることもできるため、長期的な視点で考えると人件費を払い続けるよりもコストダウンにつながり、業務効率化を図ることができるでしょう。
自動精算機の導入は、会計の待ち時間を減らし、患者満足度向上につながります。キャッシュレス化が進む中で、現金以外にもクレジットカードや電子マネーなどの支払い方法にも対応することで、患者様にストレスを与えることなく会計を済ませることができます。
また、高齢者など機器を使い慣れていない方には、自動精算機に大型のカラーディスプレイを導入することにより、一目でわかるように操作ができ、会計待ちの時間を大幅に削減することが可能です。
上記のメリットを見てもらうとわかるように、自動精算機を導入するメリットは大きく、長期的な視点で見ると非常に大きなコストダウンにつながるでしょう。
自動精算機のメリットについては、「クリニックで自動精算機を導入するメリットを解説|4種類の運用方法も紹介」でも詳しく取り上げています。参考にしてください。
自動精算機のメリットがわかったところで、導入を検討している方も多いはずです。しかし、自動精算機は大きい製品のものが多く、自院に置くスペースがないとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。自動精算機には自立型と卓上型の小型サイズのものがあり、わずかなスペースでも設置することが可能です。
自立型の自動精算機は床に設置するタイプで、卓上型の自動精算機はカウンターなどの台の上に置くタイプのものです。自立型は小銭を収納するスペースが広いため、小銭切れになることが少ない一方で、床にある程度のスペースがないと設置できません。卓上型はカウンターの上にも置くことができ、レイアウトを変えたい場面での移動もスムーズに行うことができます。
小型の自動精算機が対象となる施設は、
など、他にも幅広く対応しています。自動精算機は大型のものだけでなく、省スペースでも設置できることがわかりました。導入するスペースに合わせて、自立型・卓上型を検討してみてはいかがでしょうか。
ここでは、小型サイズの製品を自立型、卓上型のそれぞれをピックアップしてご紹介します。小型自動精算機のサイズ早見表もありますので、自院のスペースに合った小型自動精算機を選ぶ際の参考にしてください。
企業名 | 製品名 | サイズ | 備考 |
---|---|---|---|
株式会社GENOVA | NOMOCA-Stand | W490×D295×H1460mm | 自立式 |
株式会社アルメックス | FIT-A | W490×D295×H1460mm | 自立式 |
株式会社クリニックキオスクBIZ | Clinic KIOSK | W490×D295×H1460mm | 自立式 |
ハヤレジ株式会社 | ハヤレジスタンド | W536×D490×H1400mm | 自立式 |
株式会社電算システム | FLEXCOM Pay | W360×D250mm×H1525mm | 自立式 |
株式会社HERO innovation | クリニック特化の自動精算機「MEDISMA-レジ」 | W530 × H430 × D345 mm | 卓上式 |
日立チャネルソリューションズ株式会社 | クリニック向け自動受付精算機 | W560×D659×H580mm | 卓上式 |
株式会社インテクア | スマセル | W385×D345×H430mm | 卓上式 |
システムギア株式会社 | 卓上再来受付自動精算機 | W508×D691×H645mm | 卓上式 |
まず、 自立型の小型自動精算機5選のサイズと特徴をご紹介します。
NOMOCa-Standは、患者様がタッチパネルで簡単に操作ができる自動精算機です。再来・再診時の受付が可能で診察券の読み取り機能を搭載しているため、待ち時間なくスムーズに受付を行うことが可能です。高齢者の方でも操作しやすいタッチパネルが搭載されており、誰でも簡単に操作できるためスタッフの労力軽減が期待できます。また、現金以外にも各種クレジットカードにも対応しているため、利便性に優れている自動精算機です。
NOMOCa-Stand (ノモカスタンド)についてはノモカスタンドの評判は?|機能や導入に向いているクリニックなど詳しく解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
株式会社GENOVAの比較ポイント
製品情報
サイズ | W490×D295×H1460mm |
---|---|
重量 | ー |
レセコン・電カル連携 | 可能 |
対応貨幣 | ー |
対応キャッシュレス決済方法 | ー |
価格 | 要お問い合わせ |
「Clinic KIOSK」は、1000件以上の導入実績がある自動精算機です。Clinic KIOSKの特徴は、再来受付機と自動精算機の機能が一台に集約されているため、電子カルテや予約システムと連携し、セルフ受付を可能にしています。
さらに、診療後の会計時の待ち時間を短縮するためにセルフ入金にも対応しており、領収書や診療明細書、予約票なども発行できます。また、自分が呼ばれるまで待合室を離れることに不安を感じる方もいるでしょう。Clinic KIOSKは不在時に呼ばれた場合でもモニターで番号を確認できるので、事務スタッフへの問い合わせ減少にもつながります。
株式会社クリニックキオスクBIZの比較ポイント
製品情報
サイズ | ー |
---|---|
重量 | ー |
レセコン・電カル連携 | 可能 |
対応貨幣 | ー |
対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード |
価格 | 要お問い合わせ |
ハヤレジスタンドは、大手コンビニや大手スーパーなどでも導入されているグローリー製を採用しています。自動精算機のハヤレジスタンドの特長は、準備金の計数を登録しておくことで設定した金種・枚数だけが自動釣銭機内に残置され、余剰分の紙幣と硬貨は自動で返却されます。
売上金の計数や回収、硬貨、紙幣ごとの計算をすべて自動で行うことが可能です。手動でした場合は、10分程度かかりますが、ハヤレジスタンドは約40〜60秒にまで短縮することができます。また、家族や兄弟などの診療費を同時に精算することも可能です。
ハヤレジ株式会社の比較ポイント
製品情報
サイズ | W536×D490×H1400mm ※突起部:約120(D)mm |
---|---|
重量 | 約89.8kg |
レセコン・電カル連携 | 可能 |
対応貨幣 | ー |
対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード |
価格 | 要お問い合わせ |
クリニック・診療所向けの自動精算機「FLEXCOM Pay」を導入することで、違算防止、業務効率化、感染症対策、会計時の待ち時間の削減などが可能です。奥行250mm×幅360mm×高さ1525mmのコンパクトな設計で、自動精算機の大きさが課題で導入を諦めていたクリニックや診療所にも導入しやすい設計になっています。
また、現金やクレジットカード以外にもQRコード決済や電子マネーも対応しており、利便性向上を図ることが可能です。操作は、10.1インチのカラータッチパネルディスプレイを搭載しており、機器を扱い慣れていない方でも簡単に操作することができます。
株式会社電算システムの比較ポイント
製品情報
サイズ | W360×D250mm×H1525mm |
---|---|
重量 | ー |
レセコン・電カル連携 | ー |
対応貨幣 | 千円、500円、100円、50円、10円 |
対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード、電子マネー、QRコード決済 |
価格 | 要お問い合わせ |
「FIT-A」は、薄型コンパクトボディのフルキャッシュレス決済に対応した小規模医療施設向けの自動精算機です。磁気ストライプの診察券、バーコード診察券の読み取りが可能で、サーマルプリンターにより診療費の領収書や診療明細書の発行ができます。
また、紙幣、硬貨を一括で入金することができるため、患者様の利便性向上が図ることが可能です。現金以外にも各種クレジットカード、電子マネー支払いにも対応しているため、スタッフの業務負担を軽減します。
株式会社アルメックスの比較ポイント
製品情報
サイズ | W650×D860×H1770mm ※突起部は除く |
---|---|
重量 | ー |
レセコン・電カル連携 | 可能 |
対応貨幣 | 紙幣:1万円、5千円、千円 硬貨500円、100円、50円、10円、5円、1円 |
対応キャッシュレス決済方法 | 銀行Pay、クレジットカード、交通系ICカード(※今後対応予定) |
価格 | 要お問い合わせ |
ここでは、卓上型の小型自動精算機4選をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
株式会社HERO innovatioは、クリニックに特化した自動精算機「MEDISMA-レジ」を提供しています。レセコン連携により精算処理を患者さんのみで行うことができます。入金を記録するため、会計業務だけではなくレジ締め業務やレジの準備も大幅な効率化が実現できます。
横幅53cm、奥行き34.5cmとクリニックに特化したコンパクトなボディで、限られた通路やスペース、カウンターでも設置できるのが特徴。床置き型の自動精算機を導入できないクリニック様でも活用いただけます。
各種クレジット、QRなどのキャッシュレスに対応している点も安心です。
「MEDISMA-レジ」の比較ポイント
製品情報
サイズ | W530 × H430 × D345 mm |
---|---|
重量 | - |
レセコン・電カル連携 | 可能 |
対応貨幣 | 紙幣:1万円、5千円、千円 硬貨500円、100円、50円、10円、5円、1円 |
対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード、電子マネー、QRコード決済 |
価格 | 要お問い合わせ |
クリニック向け自動精算機「セルフォート」は、機器に慣れていない高齢の患者様にも簡単に扱える自動精算機になります。15インチの大画面で、音声ガイダンスやイラスト、矢印などで次の操作がわかるようになっており、迷うことなく手続きを済ませることが可能です。
また、おつりを設置する際にも機械の扉を開け閉めすることなく、患者様と同じ挿入口から紙幣と硬貨をまとめて投入でき、おつりのセットをすることができます。受付と精算の一台二役なので、窓口が混み合う心配もなく、スタッフの業務負担軽減にもつながります。
日立チャネルソリューションズの比較ポイント
製品情報
サイズ | W560×D659×H580mm |
---|---|
重量 | 約65kg(本体のみ) |
レセコン・電カル連携 | 可能 |
対応貨幣 | 紙幣:1万円、5千円、千円 硬貨500円、100円、50円、10円、5円、1円 |
対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード、電子マネー、QRコード決済 |
価格 | 要お問い合わせ |
スマセルシリーズは卓上、カウンター、自立式があり、クリニックに合った自動精算機の形を選ぶことができます。会計番号表示システム・ナンバーコールとの連携により、モニターで患者様を呼び出すことができ、個人情報の保護や院内での会話の軽減が実現可能。
また、待合室を離れた場所にいても患者様をメールで呼び出せる機能もオプションであるため、待合室の混雑や密を避けることが可能です。万が一、エラーが発生した場合でも、表示されたQRコードをスマホで読み取ることで専用サイトに解除方法の動画案内が行われ、簡単に対処できます。
株式会社インテクアの比較ポイント
製品情報
サイズ | ー |
---|---|
重量 | ー |
レセコン・電カル連携 | 可能 |
対応貨幣 | ー |
対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード、電子マネー、QRコード決済 |
価格 | 要お問い合わせ |
システムギア株式会社の卓上再来受付自動精算機は、1台に再来受付・自動精算の機能を搭載したハイブリッド設計が特長です。再来受付機能を搭載されることにより、再診の患者様と初診や予約外で来られた患者様の受付を振り分けることができます。
また、高齢者の方にも扱いやすい17インチの大型タッチパネルが搭載されており、視認性や使いやすさに配慮された設計です。本体自体のサイズもB4用紙4枚分のコンパクト設計で、設置のための大掛かりな工事なども必要ありません。
システムギア株式会社の比較ポイント
製品情報
サイズ | W508mm×D691m×H645mm |
---|---|
重量 | 約60kg以下 (現金未装着時) |
レセコン・電カル連携 | 可能 |
対応貨幣 | ー |
対応キャッシュレス決済方法 | クレジットカード、QRコード決済 |
価格 | 要お問い合わせ |
自動精算機は、病院やクリニックでも導入事例が増えており、導入することで会計業務の効率化や会計待ち時間の削減による患者満足度の向上が期待されています。
導入コストはかかるものの、長期的な視点で考えると会計スタッフに人件費を割くよりコストダウンにつながるでしょう。
自動精算機の導入を検討中で、大型の製品を置くスペースがない方には、小型の自動精算機があります。床に設置する「自立型」とカウンターなどに置くことができる「卓上型」の2種類です。
本記事でご紹介した自動精算機を参考に、自院に最適な小型自動精算機を選ぶ判断材料にしてください。