有床診療所向け電子カルテの比較・選定で以下のようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
本記事では、そういったお悩みを持つ方向けにおすすめの有床診療所向け電子カルテの機能や価格、特徴を紹介していきます。
電子カルテを選ぶのに大切な上記の5項目を軸に有床診療所におすすめの電子カルテを選定しました。新規開業で電子カルテを選びに悩まれている先生であっても「自院に合った電子カルテ」を選んでいただけるように作成したので、ぜひご一読ください。
まず最初に、有床診療所で特に人気の電子カルテ4製品をご紹介いたします。
製品名 | Medicom-CK | セコム・ユビキタス電子カルテ | Open-Karte Cloud | RACCO電子カルテ |
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メーカー名 | ウィーメックス株式会社 | セコム医療システム株式会社 | 富士フイルムヘルスケアシステム | システムロード株式会社 |
導入形態 | オンプレミス | クラウド | クラウド | オンプレミス |
導入実績 | 要問合せ | 673件 (2022年4月時点) |
要問合せ | 要問合せ |
費用 | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
IT導入補助金2023 | 〇 | 〇 | ✕ | ✕ |
特長 |
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お問い合わせ |
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有床診療所がある診療科は、専門医療をになう診療科(産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科)や地域医療の中心となる診療科(内科、外科)に分けられます。20年前と比較して施設数は半分以下に減少していますが、地域医療の受け皿として、なくてはならない存在です。
有床診療所で使う電子カルテは、一般の内科診療所で使う電子カルテとは異なる特徴があります。 「病棟業務の機能は必要だが、病院向け電子カルテほど高機能な電子カルテは必要ない」というニーズに応えられる電子カルテが必要です。一般のクリニックに必要なくて、有床診療所に必要な電子カルテの機能の例をあげると、
などがあります。こうした機能が使える電子カルテは有床診療所向け電子カルテか、中小規模病院向け電子カルテです。数が限られるので、この記事で紹介した製品の中から選定すれば、大きく失敗することはないでしょう。
さっそく、具体的な製品を紹介していきます。電子カルテのメーカーを知る前に、選び方を知りたい方は、以下をクリックしてみてください。
>>電子カルテの選び方を知りたい方はこちら出典:有床診療所の現状と課題
ここからは有床診療所向けの電子カルテ9選をご紹介します。各製品のおすすめポイントや月額費用などの詳細を記載しているので、ぜひ参考にしてください。
ウィーメックス(旧PHC)が中小規模病院を対象として展開している商品が「Medicom-CK」です。レセコン分離型で、WEBブラウザ上で利用できるタイプの電子カルテです。OSの制限もなく、WindowsだけでなくMacでも使えます。レセコンは、同社の病院用医事コンピューター Medicom-HSiと接続して使います。
バイタル情報や食事などの患者情報を一括で入力できるため、入院患者の項目を一気に入力するような運用にも対応することができます。
Medicom-CKの比較ポイント
製品情報
導入形態 | オンプレミス |
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レセコン | 自社医事会計システムMedicom-HSi |
機能 | 患者情報の一括入力・閲覧機能 |
補助金 | IT導入補助金2023対象 |
セコム医療システム株式会社の電子カルテは、セコムグループのITセキュリティ技術によって守られたクラウド型の「安全・安心」な電子カルテシステムです。2001年よりクラウドでのサービスを開始し、現在も医療現場から高い評価を得ています。毎日、院内のPCにバックアップデータをコピーするので、万が一の災害でネットワークが遮断された場合も診療を続けることが可能です。
セコム・ユビキタス電子カルテシステムは各種部門システムとの連携に加えて、他の施設の電子カルテシステムとの共有もできます。入院や予約管理、会計等の機能を備えており、非常にスペックの高い製品と言えるでしょう。
セコム・ユビキタス電子カルテの比較ポイント
製品情報
導入形態 | クラウド |
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レセコン |
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機能 | 入院管理、予約管理、在宅機能、オーダー機能、各種部門システムとの連携など |
補助金 | IT導入補助金2023対象 |
直感的に使用することができる有床診療所・中規模病院向けの電子カルテです。視覚的に見やすい画面表示が特徴的で扱いやすい点がメリットだと言えます。スムーズな導入ができることに加えて、安全に管理することが可能です。クラウド型のシステムなので院内に専用サーバーの設置は必要なく、院内設備の初期費用を抑えられる上、管理スタッフなどの長期的なコストを抑えることができます。
Webブラウザを利用するので、院内で使用しているPCを含めて、自由に端末を選ぶことが可能です。院外でも電子カルテを利用することができ、外部での診療や介護施設連携など、自由度の高い運用に適します。
Open-Karte Cloudの比較ポイント
製品情報
導入形態 | クラウド |
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レセコン |
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機能 | 予約・受付、オーダー機能、入・退院管理、診療カレンダー機能、アシストビュー機能など |
補助金 | 要お問い合わせ |
富士通が、クリニックや100床規模の病院向けに展開しているのが「HOPE Cloud Chart II」です。国内屈指のITベンダーである富士通のデータセンターは、複数機関からデータセンターの機能について認証を受けており安心してデータ保管を任せることができます。
ルテにはシェーマ・テンプレート機能を追加できるほか、オーダリングも医療機関の仕様に合わせて幅広く設定できます。医院に応じて柔軟な使い分けができる電子カルテとなっています。
HOPE Cloud Chart IIの比較ポイント
製品情報
導入形態 | クラウド型 |
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レセコン | レセコン一体型 |
機能 | 処方オーダ、移動・食事オーダ |
補助金 | IT導入補助金2023対象 |
有床診療所様向けHOPE LifeMark-SXは、有床診療所に必要な機能をもちつつ、導入しやすいことが特徴の電子カルテシステムです。カルテ画面は外来カルテと同じ画面や操作感で使用することができ、比較的容易に作成することができます。また、病室や食事の変更、入退院の手続きなど入院患者に関する業務をまとめて行うことも可能です。
各指示一覧情報をワークシートに出力することで、部門間の情報共有と看護業務をしっかりとサポートしてくれます。入院患者の状態や予定を一目で把握できる点も使いやすさの一つと言えるでしょう。
有床診療所様向けHOPE LifeMark-SXの比較ポイント
製品情報
導入形態 | オンプレミス ※クラウド版もあります |
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レセコン | レセコン一体型 |
機能 | 医事機能、レセプトチェック、入院患者情報管理、WEB診療予約など |
補助金 | IT導入補助金2023対象 |
株式会社メディサージュがノウハウを生かし、病院向けに開発した電子カルテシステムです。基本機能に加えて、オーダー系機能や医療会計系機能など業務の効率化になるようなものが備わっています。
専用のクラウド環境で、安全に利用することができセキュリティ面でも安心して使用することが可能です。定期的なバージョンアップで、常に最新機能を使用することができるので更新する手間を省くことができます。1枚の文書を複数部署で共有することも可能です。診断から会計業務まで一括自動管理運用でき、業務の効率化が図れます。
HAYATE/NEO(ハヤテネオ)の比較ポイント
製品情報
導入形態 | クラウド |
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レセコン |
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機能 | 総合患者一覧(入院/外来)、予約(診察・各種検査)、オーダー機能、精神科機能など |
補助金 | IT導入補助金2023対象 |
RACCO電子カルテは、「不妊治療施設向け」「産婦人科向け」「全科目向け」に提供しています。診療支援システムでは、WEBでの問診や診療予約システムなど数多くの機能が備わっており、IT化に幅広く対応しています。
RACCOシリーズでは中小病院まで対応しており、オーダリングシステムに加え、部門・診療支援システムなどさまざまなアイテムを備えていることも魅力の一つです。また画像ファイリング機能を標準搭載しており、デジタルカメラで撮影した写真や内視鏡で撮影した画像を保管しておくことが可能で、電子カルテと共に患者との情報を一元管理できます。
RACCO電子カルテの比較ポイント
製品情報
導入形態 | クラウド |
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レセコン | 日医標準レセプトソフト『ORCA』連携 |
機能 | 診察予約機能、画像ファイリング機能、文書管理、実施歴参照機能など |
補助金 | 要お問い合わせ |
「電子カルテシステムER」は、カルテの入力やオーダーリング機能などの部門業務をサポートする豊富な機能を搭載しています。各施設の運用に合わせたシステムとの連携も対応できるので、業務の削減や効率化ができる上、情報共有の支援も可能です。
中小規模病院や有床診療所に必要な機能を備えた、シンプルかつコンパクトなシステムと言えます。さまざまニーズにも対応し、高いコストパフォーマンスと安心・信頼のサポートで数多くの導入実績があります。シンプルでありながら充実した機能は、診療をしっかりとサポートしてくれることでしょう。
電子カルテシステムERの比較ポイント
製品情報
導入形態 | オンプレミス |
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レセコン | レセプトコンピュータシステムΣ(自社レセコン)と連携可能 |
機能 | 診察予約、オーダー、入院管理、カルテ時系列表示、持参薬鑑別など |
補助金 | IT導入補助金2023対象 |
高い柔軟性をもっているのが特徴で、カルテ画面はユーザー毎に自由なレイアウトにすることができます。多数の設定項目から、機能や運用を適用することで、各診療所に適したシステムにすることが可能です。他社のシステム間との高い連動性も、有効的な利用ができるでしょう。
全国で約140件の導入実績があり、利用継続率は99%です。長い期間利用を続けている診療所がある点も安心材料の一つでしょう。
また、サポート体制も充実しており、トレーニングされたスタッフを全国に配置している為、安心して導入することができます。稼働後のサポートは電話のみならず遠隔操作により安定した稼働を支えてくれます。
電子カルテMALLの比較ポイント
製品情報
導入形態 | オンプレミス |
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レセコン | 日医標準レセプトソフト「ORCA」※その他、レセコンメーカーの接続に関してはお問い合わせください |
機能 | 受付・予約、オーダー機能、入院管理、文書管理、問診テンプレート、透析システムなど |
補助金 | 要お問い合わせ |
メーカー | セコム医療システム株式会社 | 株式会社メディサージュ | 富士フイルムヘルスケアシステム | システムロード株式会社 | 富士通株式会社 | 株式会社ワイズマン | 株式会社パシフィックメディカル |
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製品名 | セコム・ユビキタス電子カルテ | HAYATE/NEO(ハヤテネオ) | Open-Karte Cloud | RACCO電子カルテ | HOPE LifeMark-SX | 電子カルテシステムER | 電子カルテMALL |
導入形態 | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | オンプレミス ※クラウド版もあります | オンプレミス | オンプレミス |
レセコン |
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日医標準レセプトソフト『ORCA』連携 | レセコン一体型 | レセプトコンピューターシステムΣ(自社製) | 日医標準レセプトソフト「ORCA」※その他レセコンメーカーの接続に関しては要お問い合わせ |
機能 | 入院管理、予約管理、在宅機能、オーダー機能、各種部門システムとの連携など | 総合患者一覧(入院/外来)、予約(診察・各種検査)、オーダー機能、精神科機能など | 予約・受付、オーダー機能、入・退院管理、診療カレンダー機能、アシストビュー機能など | 診察予約機能、画像ファイリング機能、文書管理、実施歴参照機能など | 医事機能、レセプトチェック、入院患者情報管理、WEB診療予約など | 診察予約、オーダー、入院管理、カルテ時系列表示、持参薬鑑別など | 受付・予約、オーダー機能、入院管理、文書管理、問診テンプレート、透析システムなど |
補助金 | IT導入補助金2023対象 | IT導入補助金2023対象 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | IT導入補助金2023対象 | IT導入補助金2023対象 | 要お問い合わせ |
さまざまな電子カルテがありますが、施設の規模によっておすすめの製品は異なります。施設ごとに必要な機能を確認し、最適な電子カルテを選ぶことが大切です。
病棟業務に必要な機能と、あると便利な機能は以下の4つです。
どれも業務に必須なものです。病棟フロアマップ機能は、診療所で働き始めたばかりの医師やナースにとって、非常に役立つ機能と言えるでしょう。また複数スタッフによる同時カルテ表示ができることで、情報の共有をスムーズに行うことができます。
有床クリニックで使用する電子カルテは入院機能が必須です。病院向けの電子カルテを使用することも可能ですが、高機能であるがゆえに、価格も高くなってしまいます。有床診療所向けに設計された電子カルテは、必要な機能を備えつつ、病院向けの電子カルテよりも低価格で導入することが可能です。
入院患者様のバイタル情報の経過をグラフで見られる機能もあります。また、患者ごとに新規入院や病室変更、食事変更などの情報も記録できるので、担当医師以外の職員でも患者の経過をしっかり確認することができます。
クリニック向けの電子カルテはクラウド型が主流です。有床診療所の場合はクラウド型、オンプレミス型どちらを選んでも問題ありません。
クラウド型は院内にサーバーなどを設置せずにクラウドサービスを使用します。オンプレミス型に比べると初期費用を大きく抑えることが可能です。オンプレミス型は、セキュリティ面で安全性が高い点がメリットだと言えます。しかし、初期費用が非常に高額になってしまう上、保守費用等もかかる点も押さえておきましょう。
それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、自院に合うタイプを選ぶことが大切です。
電子カルテ以外のシステムと連携することで、受付から診療、会計までの情報を一元管理することができます。例えばレセコンと連携すると、再度患者情報を入力する必要がなくなり業務の効率化に有効です。既存のシステムがある場合は、電子カルテと連携可能かどうかを事前に確認しておくようにしましょう。
電子カルテと他システムの連携については電子カルテと連携できる部門システム15選!メリットや注意点まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
毎日使用するものなので、操作性は非常に重要です。製品仕様を見るだけで判断するのは難しい部分なので、デモンストレーションがあると実際の使用感が分かりやすいでしょう。
電子カルテの導入時はもちろん、普段利用するうえでサポートを受けられるか確認しましょう。メールや電話、チャットなどサポートの方法が自施設に合っているかもチェックしておくと、より安心して導入することができます。
電子カルテのサポートについては電子カルテのサポート体制は確認必須!比較したいポイント等を解説でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
有床診療所向けのおすすめ電子カルテ7つをご紹介しました。各システムには細かな違いがあり、施設ごとに必要な機能を搭載している電子カルテを選ぶことが大切です。医療現場の業務を効率化し、ITをうまく活用することで医師や看護師の負担の軽減につながります。より質の高い医療サービスを提供することもできるでしょう。ぜひ本記事でご紹介した内容を元に、電子カルテシステムの導入を検討してください。
電子カルテについては【目的別】電子カルテ53製品|おすすめ製品、規模別の選び方まででも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。